激流どうでしょう最終夜〜哀愁の朦朧流し〜

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発熱強行軍で突入した穴吹川。

激流疲れの我々が求めた清流は、「アナブキよお前もか」と言ったまさかの激流ブルータス状態。

ユリアの川は裏切りのユダに支配された。


時は20XX年。

そこは暴力と激流と発熱が支配する混沌の世紀末。

新たな救世主伝説が始まるのか、それとも悲しみの敗退伝説で終焉の時を迎えるのか?


哀愁の穴吹川、後編です。


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増水で小濁りの穴吹川だったが、沈下橋までは非常に穏やかなツーリングだった。

しかし突如としてユダの親衛隊達が襲いかかって来た。


今回「ここは穏やかな川だから」と僕に促されて、初めてソロでダッキーを操る事になったダッチャーSに非情な試練が訪れる。

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彼は僕にコーディネートされるままに那賀川では渦にまかれ、今回穏やかな川と紹介された穴吹川で一人で激流に突入させられる羽目になってしまった。

しかしそれが我がマゾ塚カヌースクールの生徒の育て方。

彼も期待に応え、見事なドリフトで瀬と岩壁を乗り切った。

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しかし彼の顔に笑顔が見当たらない。

僕が彼の立場なら同じ表情だったことだろう。


さらに「ここは穏やかな川だからカナディアンカヌーで優雅に行きますか」と促され、優雅に瀬に突入するB旦那とバターNコンビ。

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彼らはたおやかに瀬を乗り越えて、その先のエディーで捕まり優雅に水没して行った。

マゾ塚カヌースクールの教えを忠実に守った男達。

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穏やかなはずだった川でのまさかの沈がこの先の不安を煽る。

以前僕がカヌーを引っ張りながら歩いて下った区間が、ことごとくユダ化している事を認識した。

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ユダ親衛隊に「UD」の焼印を刻み込まれて、二人はすっかりユダに忠誠のポーズだ。

恐ろしい。

絶対に僕は沈しないぞ。


しかし親衛隊達の波状攻撃は続く。

前方で穴吹川には似つかわしくない轟音が聞こえたので偵察。

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結構な隠れ岩と勢いのある瀬。

小歩危に比べたら赤ちゃんのような瀬だが、安心を金で買っていない分その緊張感は小歩危を上回る。


そんな瀬も果敢に静水用カナディアンで攻めて行くマゾ&バター。

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陽気にガッツポーズしている男は、実はこの時点で体温38度くらいのヒートアップ状態。

まさに己の体を限界までいじめ抜いてユダに戦いを挑んだ、南斗水鳥拳レイのようなこの男の覚悟。

トキに最後の秘孔を突かれているから、僕はまだわずかだけ戦えるぞ。

(北斗の拳を知らない人には訳が分からないと思うが、気にせずに突き進みます)


続いてダッチャーS&B女房。

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思いがけず激流にまみれる事になってしまった男と、骨折疑惑のある女の果敢なるパドリング。

そして、B旦那が僕のゴエモンで突入。

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ゴエモンは船体が軽いから、このようなアッパーロデオを提供してくれる暴れ馬だ。

とんだ利かん坊だが、今回の旅で僕は決定的にゴエモンの事が好きになった。

散々悩んで買ってほんと良かったよ。


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ユダ親衛隊の追撃を逃れ、ようやく一時の静寂が訪れた。

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これでこそ、やっとカナディアンカヌーらしい雰囲気だ。

天気もよくて(時折突風に見舞われるが)、バターもとろけて寝漕ぎを始める。

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ああ、しあわせだなあ。

体調さえ良ければ。


川原での優雅な休憩風景に見えるが、僕はもうパドルで体を支える事がやっとだ。

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もう14時を過ぎて、朝マックのガソリンがきれて来てみんなぐったりしている。

今更ながら思うが、なぜこの人達は昼飯を買って来なかったのか?

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そう、これが当カヌースクール名物の集団マゾ奥義「ノンチャージパドリング」。

僕は講師なので、そこに個人マゾ奥義「発熱パドリング」を加えた上級テクニックを披露。


この辺りからついに僕は弱音を吐き始め、意識の朦朧化が始まり出す。

そう、これは鎮魂の「朦朧流し」。

これから失うであろう僕の最後の魂の叫びを、本人自らで弔うビッグイベントだ。


その後も容赦ないユダ親衛隊達の奇襲が続くが、僕の記憶は正直飛んでいる。

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ちなみにこのB女房の頭上にきらめく、川を横断する糸たち。

ミッションインポッシブルの赤外線の罠でもなければ、カサンドラの衛士ライガとフウガの二神風雷拳でもない。

恐らく漁協によるなんらかの目印かと思われるが、これがたまにたわんで川面付近にまで垂れ下がっている事がある。

これにカヌーのまま突っ込んで行こうものなら、それこそ南斗水鳥拳で「シャオッ」とやられた感じになるので気が抜けない。

上から糸、下から瀬、内から熱。

実にハードな三つ巴の戦い。


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ユダ本人との対決は突然やって来た。

今までの親衛隊の瀬などは目じゃない瀬に突然突入してしまった。


僕が先頭だったのでその際の写真はないが、この時は僕とダッチャーSのマゾダチコンビ。

今まで通りの親衛隊の瀬だと思っていたから、下見もせずに突き進んでしまった。

そんな隙を見逃さず、すかさずユダが水中から奇襲をかけて来た。

僕らをガツンと突き上げて、その先は落ち込みと岩壁がウェルカム体勢を取る。


この写真は後に撮ったものだが、水流が岩壁へ一直線だ。

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そんな岩壁に向けて、我々マゾダチコンビは意図に反して流れに逆らう事なく突っ込んで行く。

見事にダッキーの頭から男らしく岩壁へ突入していった。


「うわー」とかの叫び声は一切なく、お互いに無言。

必死さと恐怖で、お互いの顔が引きつっているのが分かった。

そのまま岩壁に頭から激突し、車の衝突テストのダミー人形のようにガクンと体が揺れる。

必死でバランスを取る無表情のダミー人形達。

そのままダッキーの頭を起点にして、回転しながら僕らは流された。


なんとか沈は免れたが、ダッチャーSは那賀川・吉野川に引き続き、本日もこの穴吹川で激流大回転する羽目となった。

もう誰にも彼の事を初心者なんて言わせない。

彼は入校するカヌースクールを間違えてしまったようだが、誰よりも「回転する事」と「挟む事」をこの旅で学んだようだ。


無事に岸につけた我々は、急いで後続の連中にパドルを使って大きく「×」印を作ってユダの存在を知らせた。


僕はこのユダの瀬でのパワープレイで、いよいよ体調の悪化が決定的なものとなった。

もはや引退時の千代の富士のような心境で、気力と体力の限界を感じていた。

しかし、その犠牲のもとについにユダをねじ伏せる事に成功したのだ。

レイの宿星は「義星」だが、僕の宿星は「犠牲」。


ユダよ、我が胸で安らかに眠れ。


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その後もユダ親衛隊の残党を駆逐しながらの行軍。

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穴吹川ってこんな川だっけか?

あの穏やかだった日々を取り戻したい。


そして僕の朦朧度と体温は右肩上がり。

もはや立っているのもやっとで、僕一人だけが「ゴールデンウィークのレジャー中」から「ゴールデンマゾのデンジャー中」のオーラを放ち始める。

食あたりならぬ、普段から日光慣れしていない男の「日あたり」状態。

そしてこれがわざわざ苦心して嫁からGW外出許可を勝ち取って、はるばる四国まで楽しみに来た男の末路だ。

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一般の人はこの姿を見て「この人は楽しんでいるのか?」という疑問を持つかもしれない。

もちろん、さすがの僕でもこの状況を楽しめたら今後「マゾキング」と名乗るが、まだまだそんな器ではない。



しかしここで思いがけない出会いがあった。

以前にマニアックなニッチ雑誌「カヌーライフ」で記事を読んだ事のある、四国の川や山のガイド会社「Trip」の代表の方に遭遇したのだ。

旅先での出会いを大事にする僕としては、朦朧としている場合じゃない。

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僕は渾身の空元気を発動し、一緒に写真を撮ってもらった。

悪寒の為にバターNからパドリングジャケットを借りて着ている姿が痛々しいが、中々貴重な出会いを楽しめた。

「後で遊びにおいでよ」と嬉しいお誘いがあったが、遊びに行ったら僕はそのまま彼に介護してもらう事になるだろう。

それはあまりにも申し訳なかったし、基本的に無理だった。

また今度落ち着いてゆっくりとお話がしたいものだ。


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フラフラと流されていく朦朧野郎。

すると川の岩壁に立っている子供達を発見。

そしてその下流でその母親らしき人が「その子達を助けて下さい」と言ってるじゃないか。

どうやら、流されて岩に辿り着いて立ち往生していた状態だったようだ。

正直僕の方が「私を助けて下さい」と言いたかったが、ここは一発レスキューカヌー部隊の出動だ。


まず僕が小さい方の子供二名を救出。



この子達も、まさか病人に助けられるとは思ってもいなかったろう。

その後、大きな子の方をダッチ女房コンビ(このネーミングは危険だな)が救出。

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そして何気に岸に戻れなくなっていたお母さんをバター旦那コンビが救出した。

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カナディアンカヌーで救出される姿を見て、僕が助けた子供達が「あっちのが良かったな」などとぬかし出す。

発熱をおしてまでの勇気ある救出おじさんに対する、子供達の心ないツイート。

フォロー損のくたびれもうけだ。


まあ、しかし人助けの後には我々の心には清々しい風が吹いていた。

こんな我々でも人様のお役に立てたのだ。

基本ただ遊んでるだけなんだが、何やらそれも正当化されたようで気分がよろしい。



意外と長い旅だったが、最後にある堰を越えて、

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いよいよゴールの川原が近づいて来る。

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以前に来た時は僕はここで一人きりでBBQ客の衆目に晒され、子供達に指を指されながらの羞恥ゴールだった事を思い出す。

しかし今回は仲間がいる事で堂々とゴールだ。

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そして僕はフラフラと上陸し、その場に倒れ込む。

長い戦いを終えた美しき男の姿だ。

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男は静かに息を引き取った。

トキの秘孔の効果が無くなって、犠牲の男は南斗の星に還って行った。


新車購入のため今回の旅が最後となる相棒のエクストレイルが、変わり果てたご主人様の姿を見てすっかり「お手上げ」の状態だ。

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平熱が36度に満たない僕だが、恐らくこの時の僕は39度近い熱が出ていたはずだ。

目も当てられない旅の終焉となった。


本来であれば僕はここで皆と別れて別行動を取る予定だった。

限りあるGWをフルで遊ぶ為、翌日は帰宅がてら京都の宇治川を下ってやろうと目論んでいた。

しかし先ほどの写真をご覧になってお分かりのように、僕の頭上には「GAME OVER」の文字と死兆星が輝いている。

それでもまだ「遊ぶ」と言い張る僕だったが、結局見かねたB旦那が僕の車を運転してくれて、何と岐阜まで搬送してくれた。

僕はもはや自力で死国を脱出する力が残っていなかったのだ。

ワンピースで廃船直前のゴーングメリー号が瀕死で動けないルフィを運んだように、最後のエクストレイルが動けない僕を死国から運び出してくれた感動のワンシーン。


こうして僕の念願だったGWの四国遠征は壮絶な最期で幕を閉じた。

腰痛を抱えて家を出た男が、病人となって帰って来るという悲惨な末路。

僕もたまには普通の人のような楽しいGWを味わってみたい。

でもこれが僕の生きる世界。


こうして男はいつも通りの旅を満喫し、また新たなマゾを求めて彷徨い始める。

死して屍拾う者なし。

男は再びイバラの道を歩き始めた。



激流どうでしょう 〜完〜


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〜おまけ〜


GW最終日の早朝に無事帰宅。

風邪を引いている事が分かった途端、嫁に「近寄るな」「触るな」と汚物扱いを受ける男。

頑張って帰宅した男に対する無情な罵声の嵐。

昔はちゃんと心配してくれたのに、時の流れとは残酷なものだ。


久しぶりに会う我が息子を抱きしめようとしたが、もちろん嫁によって引きはがされた。

熱が38度あるなんて言ったら家を追い出されそうだったから、僕はあくまで「風邪気味」だ「熱もない」とアピール。

だったらってことで、何故かデパートの「アンパンマンショー」に行かされる事になってしまった。

そこで下された無情な指令が「屋外ステージでの場所取り」というミッション。

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野外の風が、病人の身に染み渡る。

こんな事なら無理してでも宇治川下っておけば良かった。


やがてアンパンマンが登場したが、一番助けを求めている僕に目もくれずにバイキンマンと戦っている。

今この会場で一番真っ白な顔をしているのはショクパンマンではなく僕だ。


思った以上に長いショーが終わったとき、僕はジョーになっていた。

僕だけがモノクロで劇画チックにうなだれている。

僕の風邪はこの屋外アンパンマンショーで、ついにパーフェクトな完成型となった。


僕は大人しく高熱である事を白状し、激しく怒られながら帰宅した。

そこからの先の記憶がない。

それとも自分で記憶から消してしまったのか。

今となっては分からない。


男はこの日から一週間以上、たっぷりと風邪と戯れる事になる。

男のゴールデンウィークはまだまだ終わらないのだ。


〜完〜


激流どうでしょう第4夜〜裏切りのユダ〜

Posted by yukon780 on 15.2012 穴吹川/徳島 0 comments 0 trackback
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初日は濁流にまみれ、二日目は激流と病魔の狭間で揺れた小歩危ラフト。

我々の中に「そろそろ清流でのんびりとカヌーがしたい」という欲求が高まっていた。


しかしその点、今回の四国旅の敏腕コーディネーターの僕としては抜かりはなかった。

抜かりはなかったはずだった。

裏切りの宿星を戴く、あいつが現れるまでは。




那賀川、吉野川と来て3本目にチョイスしたのは「穴吹川」。

まさに僕の中では満を持しての登場で、絶対に皆に堪能してもらいたかった「THE清流」。

以前にも紹介した通り、現実的じゃない程の良い女としてユリアに例えて絶賛した四国一の清流だ。(参考記事


しかし今回、我々の目の前に現れた穴吹川にはユリアの面影はなくなっていた。

清流ユリアが三日前の雨によるまさかの激流化で、「南斗紅鶴拳のユダ」へと変貌を遂げていたのだ。


そんな妖星のユダとの戦いの記録を、2回に分けて振り返って行こう。

前編の今夜は、本格的なユダとの戦い前のプロローグです。


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朝。

僕は明らかな体の異変で目が覚める。


鼻の奥と喉が激しく痛み、体は熱っぽくて凄まじいほどの倦怠感。

実に分かり易く僕に襲いかかってきた「風邪の諸症状」達。

連日の冷水川下りと寒風ダッチナイトの傷跡からついに死国の病魔が侵入して来たようだ。


僕はもそもそとテントから這い出る。

そこに展開されていたのは、この旅で最高の快晴の世界だった。

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これはイヤミなのか?

寄りによってこんな体調の時に晴れるなんて。

快晴を得るにはこれほどの犠牲を払わねばならんものなのか。


何やら悔しいが気を取り直す。

せっかくの快晴に体調が悪いだの熱っぽいだなどと言ってる場合じゃない。

ここは一発、朝一の快調な放便からスタートしてやろう。

僕は川原に併設してあった公衆トイレへ向った。



なんて事だ。

分身を切り離した後に突きつけられた真実。

紙がないじゃないか。


周りを見渡すとポケットティッシュが落ちていたが、残機はわずかに2枚。

こいつは朝からスペクタクルな展開になって来た。


僕は慎重に2枚のテッシュを切って4枚へとセパレートし、1枚1枚に渾身の集中力を注ぎ込みケツを拭く。

不幸中の幸いで本日の出血サービスは見送られていて助かった。


こうして僕は無事に早朝のハイレベルな排便をこなした。

今日の長い一日を予感させる、不安な立ち上がりとなった。


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みんなはまだ寝てるから、一人で周辺をサイクリングし川の状態を見に行った。

ゆっくり休んでればいいものを、晴れていると気持ちが焦って動かずにはいられないのだ。


キャンプした川原を反対から見るとこんな感じだ。

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このだだっ広い川原に、キャンプしてるのはわずかに2組。

みんなGWにわざわざ混雑するキャンプ場に行かなくても、こんなに極上なキャンプ地があるんですよ。


で、肝心の川はと言うとご覧の有様。

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やはりこの前の豪雨で、増水して濁っちゃってる。


この時の僕のショックがお分かりいただけるだろうか?

何も知らない人は「そこそこ奇麗じゃない」なんてことをぬかすだろう。

しかし、僕はこいつの本来の姿を知っている。

上流からミネラルウォーターを流し続けているんじゃないかというクリアウォーターの世界だったのに。

こんなのユリアじゃない。


あの豪雨から3日経っているから、ユリアの力を持ってすれば回復していると踏んだんだが。

やはり川の回復力が落ちて来ているんだろうか?

このままでは僕はみんなから「ウソップ」呼ばわりだ。

僕の名誉の為にあん時のユリアの写真をここに載っけておく。

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これこそユリアの本来の姿なのに。


期待を大きく裏切られた。

ユリアだと思って抱きついたら、筋肉ムキムキの厚化粧のユダでしたという驚愕度。

さすがは裏切りの宿星のユダ。


せっかくの晴天なのに、清流は濁流で僕の平熱は微熱と化す。

あまりにも悔しすぎる。

本日もバッチリと起き抜けからの一人ガッカリを楽しんでテントへと戻った。


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もう風邪だろうがユダだろうが、ここまできたらこの晴天を堪能するまでだ。

晴天時に焦燥感に支配される僕は誰にも止められない。


僕はまだ寝ている人間を叩き起こし、皆がテントを乾かしている間に時短の為に一人で全員分の朝食をマックに買いに行く。

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わずかな時間も惜しい。

急がないといつ天候が崩れて、僕の体調も粉々に崩れていくか分かったもんじゃない。


早々に撤収作業を済ませ、スタート地点の白人神社下の川原へと移動。

ここが神社脇の川へ降りて行く道。

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ここにある宮崎駿風の穴吹の「A」マークが目印だ。

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でも、川原までは車で降りれないから途中のスペースに車を停めてカヌーを運びます。

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ふと、穴吹川を見てみる。

何やら増水して、清流穴吹川が「激流化」している気がするぞ。

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以前来た時は渇水気味で、僕はこの川をほとんど歩いて下ったものだが、本日は随分と荒れていらっしゃる。

もうあの頃の面影は全くなく、見事にユダに支配されてしまったようだ。


ここでやっと登場するのが「清流用」として持って来たカナディアンカヌー。

本来は静水域を優雅に漕ぐもので、決して激流のユダと戦う為のものではない。

ましてや大人三人で乗るものでもない。

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試しにやってみたんだが、その不安定感はかなりのスリルを味わえる。

しかし悪ノリは続き、四人でのトライ。

「仕掛けた罠に大ウナギがかかっているかを見に行く原住民」と旅行者たち。

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約一名、先頭に裸体の原住民が乗っているように見えるがこれはバターNだ。

まだ着替え前なのに落水の危険がある遊びが始まってしまったので、いっその事脱いでしまったのだ。


あれこれ準備しながら遊んでいると、地元のおっちゃんが話しかけて来る。

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「てっきりなんかの撮影してるのかと思ったよ」と言われてしまった。

裸体でカナディアンカヌーに荒々しく乗る男のグラビア撮影会とでも思ったんだろうか?

我々は月刊さぶの関係者と思われたかもしれない。


実は色々あって、まだスタートしてないのにずっとこの場所で遊んでいた。

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なんとあんなに早く起きたにも拘らず、昼の1時からのスタートになってしまった。

本日も初日に続き昼メシ抜きで、朝マックだけで今日一日を乗り切ることになった。

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実はこの時点で僕の体調は、良くなりそうな予感ゼロの絶望的な下り坂を転がり始めていた。

それでも、せっかくの快晴を無駄に出来ない。

こうして死国3本目の川下りが始まった。


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前回は水量がなくて苦労した区間も、増水によりスイスイと流れて行く。

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やはり四国随一の川、穴吹川。

たとえ川が濁っていても、その優しげな雰囲気と周りの景色が雄大で気持ち良い。

味わい深い沈下橋が「ようこそ」と出迎えてくれる。

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しかし、僕の気分は沈下橋よりも沈下してした。

体がしんどすぎて中々浮上出来ない。

「晴れている」という事が、逆に僕を「せっかく晴れているのに」という気分にさせて気持ちをへこませるのだ。


でもここは、沈下橋恒例の橋の上からの撮影会でテンションを無理くり上げてやろう。

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こういう写真が撮れるのが沈下橋ならではだね。

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そして再びここでも悪ノリが始まる。

晴れていると何か人間の大事な線が緩んでしまうようだ。

よせばいいのに再び四人乗りカナディアン。

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先頭を漕ぐ僕だけが必死だ。

今ここで沈してこの冷水に身を預けた瞬間に、僕の旅はゲームオーバーになってしまう。

ホイミすら使えない状態でラスボスに挑んで行くドラクエパーティー気分。

先頭を行く勇者の残りHPはわずかなオレンジ色状態で、「いてつくはどう」ですら食らったら死んでしまいそうだ。


ここまでは、中々のんびりとしたカヌーを満喫出来ている。

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しかしここまではまだユダは本当の実力を出して来ていない。

ここからが「裏切りの宿星」と言われるユダの真骨頂。

この先は「UD」の焼印が入ったアップダウンの瀬が押し寄せる。


この先、清流穴吹川が増水によって激しい激流に変貌している事をこの時の僕らは知る由もない。

何も知らない陽気な四人と病人一人が穴吹の黒い穴に吸い込まれて行った。


ある者は静かに川に転落し、ある者は人命を救助し、またある者は最後に力尽きてしまう非情なる穴吹の世界。

そこは体温38度オーバーの夢のマゾワールド。

男の朦朧度が加速する。



〜激流どうでしょう、最終夜へつづく〜


激流どうでしょう第3夜〜冷水マゾランド〜

Posted by yukon780 on 14.2012 吉野川/徳島 2 comments 0 trackback
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濁流大増水の渦巻き那賀川と魅惑のダッチナイトの翌日。

ついに今回の死国遠征のメインディッシュが登場だ。


日本の下れる川の中で、最も激しい瀬の祭りが繰り広げられる区間。

それが大激流、吉野川「小歩危(こぼけ)」のラフティングだ。


もちろんそんな激流野郎も、この前の大雨で絶賛増水中で怒り狂っている状態。

ただでさえパワフルな激流がその敵意をむき出しにして我々を待ち構える。

とてもじゃないが僕らの腕ではラフティング以外に下る方法は皆無だ。

ここをダッキーで下ろうものなら、そのやる気に反してスタートから轟沈すること間違いなしの「中畑清」状態。

どんなに張り切った所で、キビシいものはキビシいのです。


激流どうでしょうの第3夜として、そんな小歩危の一日を振り返ってみよう。


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ダッチナイトから一夜明け、若干二日酔い気味と風邪気味状態の穴吹川川原の朝。

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事前の天気予報ではそこそこいい感じの予報だったが本日はいかがか?

空を見上げてみる。

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きっとこんな空の事を「暗雲立ちこめる」とでも言うのだろうか?

昨日に引き続き、またしても豹変する天気予報。

早速本日の予報を再確認してみよう。

ちなみに今日のラフティング時間はは10時から16時だ。

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なんと言う事でしょう。

昨日と予報が大幅に変わってる上に、ラフティング中ずっと曇りになってて終了と同時に晴れるとは。

さりげに風速8mってなってるのも見逃さないぞ。


こうしていつものように、起きがけからのガッカリタイムを楽しんでからの爽やかスタートとなった。


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9:30にラフティング会社に集合し、小歩危スタート地点へ移動。

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随分とチャラいガイドの男がチャラく安全説明を開始する。

ラフティングの若いガイドさんってなんだか全体的にチャラかったりするんだが、ギャルの皆さんの参加者も多いので調度いいのかもしれない。


しかし、我々に付いたガイドさんはベテランのいぶし銀ガイド。

いぶし銀すぎて声も渋く、「声が通らない」事により肝心の激流中に背後からの指示が聞こえないという問題が後に発覚することになる。

そんないぶし銀ガイドWさんと、我々5人、そして石川県からのカップルの8人の運命共同体。


ここからは「激流ダイジェスト」と「水遊びダイジェスト」に分けて振り返って行こう。


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まずは「激流ダイジェスト」。


小歩危の区間は4級・5級クラスの全く未知の激流が乱発する。

僕は普段、せいぜい2.5級クラスの瀬が精一杯でそれ以上は回避する。

僕はあくまでも「激流派」ではなく「のんびり清流ツーリング派」なので、このクラスは全くの別世界だ。


まず、一発目の「小手調べ」的な瀬に突入した。

その際に石川県カップルの女性の方が、なんとラフトからはじき出されて激流に放り出された。

その惨事を見た僕は一瞬にして笑顔が消える。


もちろん女性は救出されたが、「今後こんな惨事が続発する」という恐怖に取り付かれたのは言うまでもない。

一度長良川で三途の川合流地点まで到達した事のある僕は、これ以降「落ちた時のイメージトレーニング」に必死になってしまう。


それでも、やっぱり金払ってプロに任せている安心感はハンパない。

次第に楽しくてしょうがない瀬のオンパレードが始まる。

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当たり前だが、さすがにこれはいつものセルフタイマー撮影ではない。

ポイントポイントにラフト会社の撮影の人がいて、こんな素晴らしい写真を撮ってくれるのだ。


で、そんな撮影してる人を見つけ出せばカメラ目線での撮影も可能だ。

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しかし、激流すぎて後ろの人達はまだ水しぶきの中にいる状態。

流れの凄まじさが分かるだろうか?



別の瀬ではこんな感じ。

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ここでいぶし銀ガイドが、非常に細くて通らない声で「漕いじゃダメ」って指示を出すんだが、先頭のバターNにまで指示が行き届かない。

何も知らないバターNの見事な漕ぎっぷりが炸裂させている。

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結果、前傾だったバターNが、瀬のアッパーを食らいカチ上がる。

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そんな中でも、いち早くカメラマンを発見しピースサインを送るB女房はさすがだ。

そしてこの瀬はまだここで終わらない。

さらに回転して落下して行く。

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「個人で漕いでみよう」なんて発想を粉々に打ち砕く破壊力。

もしダッキーで突入したら、このままポーンと体だけ飛んで行く黒ひげ危機一発。

さすがは小歩危だ。



さらに間断なくやってくるお下劣な瀬。

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小歩危ではドリンクを持ち込む必要はない。

名水吉野川を口から鼻からたっぷりと体内に吸収することが出来る。

吉野川下流で吉野川の水を利用して大塚製薬が「ポカリスエット」を作っているらしいので、ある意味スポーツに適した原水をたっぷり飲むことが出来るのだ。


そんな瀬を抜けたら、大概最後は落ち込みに落下していく。

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まるで僕の人生のようだ。

嫁という大波に翻弄され続けた後に訪れる、激しい落ち込みへのテンションダウン。

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こうして笑顔でいられる分、小歩危なんて軽いものだ。



そして最後にやって来る、小歩危最大クラスの瀬が「鮎戸(あど)の瀬」だ。

ガツンと落ち込みに落下する所から始まる。

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ここで沈したら、瀬からの抜け出しは困難で数十秒間浮上する事は出来ないらしい。

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そして、二段目にガッツリと滑り落ちて行く。

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この時点で僕らの目の前は白波と泡の真っ白な世界で、頭の中も真っ白で顔は真っ青だ。

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落下した先には、もう何が何だか分からないカオスが広がる。

北斗の拳のトムキャット風に言えば「このふざけた時代へようこそ」と言った局面だ。

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写真だけ見ると「海難事故現場」だが、みんな笑ってるから大丈夫だと分かる。

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こうして鮎戸の瀬を突破した。

正直想像していたよりも3倍は凄まじい世界だった。

でも、とてつもなく楽しかった。

たまにはこうして安全をお金で買って、安心して大激流を攻めるのも心のリフレッシュになって大変よろしい。

今後お金で解決出来るなら、先払いしてから嫁に「遊び願い」を提出したいものだ。


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で、こっからは「水遊びダイジェスト」。


激流の小歩危って言っても、全てが激流にまみれているわけではない。

穏やかな区間もあって、もちろんそんな場所では水遊びをするのが川に対するマナーだ。

しかし、この日は実に寒くて川の水温もキリリと冷えている。

僕は風邪気味だったから出来る事なら落ちたくなかったが、全力で楽しむには必要不可欠なイベントだ。



ラフトの縁に立って、皆で輪になって体を支えあう。

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まだこの時点では、石川カップルの女性意外は誰も落ちていなかったからすごい緊張感が漂う。

とにかく僕は風邪を悪化させたくなかったから、可能な限り最後まで少ない入水で済ませたかった。

と、思っていた矢先に僕の隣のダッチャーSがあっという間にバランスを崩した。

その巻き添えを食って、見事にこの最初の段階から僕は冷水に落下した。

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額の黄色いテープに「M」と書いてあるのが僕だ。

凄く冷たくて鼻に入った水で息も苦しいんだが、ドMらしく実に嬉しそうにニヤリとしている。

マゾ野郎にとって、この小歩危はディズニーランドのような夢の国なのかもしれない。



飛び込みポイントではお約束の飛び込み。

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正直、高所恐怖症の僕にはヘビーなイベントなんだが、多くのガールズ達が見守る手前やめるなんて言い出せない。

やってしまえば楽しいんだが、いつまで経ってもこれには慣れない。



その後落水したB旦那は画期的な再乗艇方法を見せつける。

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何やら、またしても新手のアメリカンヒーロー誕生のような一コマだ。

ここから表情を読み取る事は出来ないが、相当苦痛に満ちた顔をしている事は間違いない。


激流を座って下ったり、

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寝そべって下ったり、

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嬉々としてヨダレが溢れまくるマゾ野郎たち。

ラフトの恐ろしいまでの安定感でこそなせる技に感激しきりだ。


なんだったら、最初から沈した状態で瀬に突入するマゾプレイ。

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絵だけ見れば衝撃的な事故画像だが、僕は果てしない快感に浸っている。


何かの線が切れたB夫妻は、夫婦でバック転身投げ。

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B旦那は見事な犬神家着水。

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B女房は一人投げっぱなしバックドロップ着水。


見事な夫婦だ。

B女房に至っては、実はこの旅の前に「骨折疑惑」が浮上した女。

今回の旅がボツになる事を恐れて、病院にも行っていないという心意気。

我が女房にも彼女のこの姿勢を大いに見習っていただきたいものだ。


そんなB女房とパドルで支え合うという、お互いの信頼関係で成り立つ遊び。

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骨折疑惑があるとは思えないほどの支えっぷりで、僕も必死のV字開脚で応える。

見事な攻防戦だったが、この後僕だけ落ちて彼女は生き残った。


皆で輪になって、

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一斉に屁をこく。

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実際は足をばたつかせてるだけなんだけど。


そしてそのまま奴隷として売られて行く。

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で、ゴール。


いやあ、激流から水遊びまで堪能しまくった一日だったよ。

正直この時点で「あ、やばいかも」って感じで風邪の諸症状が僕を蝕み始めている。

この時の悪寒が、後の「穴吹川朦朧ツーリング」から「死国搬送脱出」への伏線となっていくのである。


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寒中ラフティングを終えて、ラフト会社に戻って来た途端素晴らしい晴れ間が広がった。

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もう、、おそいよ、あんた。

こんな時だけ、見事に天気予報通りなんだな。

まあ、そこは気を取り直して本日の戦友同士の記念撮影。

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天気ともども、実に晴れ晴れとした表情だ。

しかしさりげなく僕の乾かし中の帽子には「屁こき虫」がへばりつく。

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最後まで地味に僕をへこませる事を忘れない。


最終的には若いチャラガイドとも仲良くなった。

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彼は相当にクレイジーで、この表情からも恐らく一本打ってから川下ってると僕は見ている。

一方で、ネパール人ガイドさんとも仲良くなる。

彼はラフトの本場ネパールで最近ガイド会社を立ち上げたばかりの新米社長さんだ。

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その見事な「揉み手」で、我々をネパールのラフトツアーに誘ってくれている。

小歩危なんて目じゃないほどの激流を、何日もかけて下るラフトツアー。

凄く行きたい。

余りにもマゾすぎて、僕はとろけてしまうかもしれない。



その後、いぶし銀Wさんのおすすめの讃岐うどん屋さん「うどんの穂」へ。

たいした看板もないから分かりにくい。

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店の奥の方を見ると、「見えてはいけないもの」が見えてしまったか?

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さにあらず。

ちゃんと足でうどんを踏み踏みする、讃岐うどんならではの製麺風景。

もちろん、出て来るうどんがまずいわけがない。

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前日の徳島ラーメンに続き、ご当地もので腹を満たす。


腹が満たされれば、前日に引き続き「落ち着けない温泉めぐり」だ。

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今回のチョイスは吉野川ハイウェイオアシスに併設した、吉野川温泉「美濃田の湯」。

入口付近には爆音で地元演歌歌手のテープが垂れ流され、入湯を迷わせる。

我々の中に「またか」という思いが蔓延し、「あいあいの悲劇」の再来を予感させた。


あいあい程ではないがまたしても大量の客でごった返し、サウナは前日にも増して密入国コンテナ化。

吉野川の展望がウリみたいに書いてあったのに大して川は見えず、ダッチャーSに至っては展望風呂って書いてあった所に勢い良く入ったら水風呂だったというまさかプレイを完成させる始末。

原色に彩られたよく分からない壺湯に裸体の男達が密集する阿鼻叫喚の世界。

そしてヘビを発見してパニックに陥るバターN。


徳島落ち着かない温泉の洗礼を二日にわたって食らってしまった我々は、本日も心と体を癒すことが出来なかった。

中々徳島の温泉はレベルが高い。


そして再び穴吹川の川原に戻って来た我々は、連夜のダッチナイト。

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もう食材を買う時の基準が「うまそうかどうか」ではなく「挟めるか挟めないか」というキビシい目で食材を買って来た。

そして、本日もまたダッチャーSによって挟まれた食材達に一つとして失敗はなく、果てしなくウマい食材祭りとなった。


昨日よりもさらに酒を飲みまくり、どんどん遅くなる時間。

外は5月とは思えない寒さで、僕に至っては緊急用のエマージェンシーシートを被りながらの無謀な宴。


朝から風邪気味だったくせに今日一日冷水に晒され、夜は寒い外で酒を飲み続ける僕。

こんな男が風邪をこじらせないわけがない。

しかし風邪の症状のすべてが酒とダッチの魔力でごまかされ、その日も気持ちよく僕は眠りについた。

翌日の悲劇に向けて、男の悲しき激流下りはまだ始まったばかりだ。


漆黒の死国の地獄が、男の枕元にまでヒタヒタと忍び寄る。

頭上には満月に近い大きな月が煌々と輝いていた。



激流どうでしょう 〜第4夜へつづく〜


激流どうでしょう第2夜〜渦巻ダッチナイト〜

Posted by yukon780 on 11.2012 那賀川/徳島 0 comments 0 trackback
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死国、激流どうでしょう第2夜。

前回は天に翻弄され続け、ひたすらお日様求めて大移動して来た腰痛野郎。

那賀川最大の難所「赤石の返し渦」を目の当たりにし、絵に描いたように怖じ気づくマゾ5人。

死国の激しい入国審査が始まった。


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すっかり怯えた小動物達の井戸端会議が続く。

幾度も「行くのか?」「やめるのか?」の議論が交わされ、「いっそさらに南方の日和佐川なんてどうだろう?」という案も飛び出す。

確かに日和佐川は増水時にのみ下れる川なのでアリなんだが、発着ポイントの情報が全くない。

行ってダメだったら完全に今日一日をロストしてしまい、我々はただの「移動マニア」で終わってしまう可能性がある。



いよいよ覚悟を決めて濁流の那賀川下りの準備を進めた。

大増水の那賀川だったが、危険水位に達していない事と、道路からの下見で僕らでも行けると判断した。


もちろん、レスキューロープのテストにも余念がないB旦那とバターN。

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しかしこのロープは、来月誕生日を迎えるバターNの為に本日B旦那がシークレットで用意したプレゼント。

この時が初お披露目なので、当然いまいち使い方も分からない。

出来る事なら絶対にこいつの出番がない事だけを祈ったが、僕の脳内妄想スクリーンにはこのロープで救い出される僕の映像だけがとてもリアルに繰り返し流されていた。

なんだか凄く不安だ。

僕らは楽しむ為にわざわざここまで来ているんだが、何だろうこの悲壮感は?


しかし、ここに来てやっと「光」が差し込んで来た。

晴れて来たのだ。

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僕のひとり陽動作戦が成功したのだ。

穴吹川に行くと見せかけてからの那賀川大移動に、奴らも不意をつかれた格好だ。


僕だっていつまでもやられてばかりじゃないぞ。

しかし、その晴れた事への代償として「増水」「濁流」「強風」を受け入れなければならない。

いたしかたあるまい。

すべてを望めるほど、僕はまだ天に愛されてはいない。



さあ、もう覚悟は決まったぞ。

出発の記念撮影をして、豪快にこの川をねじ伏せてやろうじゃないか。

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でも、この時地元のおっさんが通りかかり余計な一言を吐いていった。

「普段より3mは増水してるけど本当に下るんかね?一度落ちると随分先まで水中から抜け出せんぞ。そりゃあ、恐ろしいぞ。死んでまうで。」

やっと心を決めてこれからプロポーズしようって奴に、「あの娘他に男がいるんだぜ」って囁くようなこの仕打ち。

再び決意が揺らぎ出すチキン戦隊の五人。

しかしまだ初日で元気がある状態なので、那賀川さんへ撃沈覚悟のプロポーズ決行の意思は変わらない。



我々は地獄への一本道を降りて行く。

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今回はB夫妻の「トムキャット」の記念すべきデビュー戦だ。

バターNのセビラーと僕のゴエモンとで、赤・黄・青の信号カラー艦隊が完成。

赤は何となく危険な雰囲気だが、考えようによっては「突き進め」の青(僕のやつ)が一番危険なのかもしれない。


それでもやっぱり今回初のカヌーだし、天気もいいからテンションは自然と上がって行く。

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僕もこれから戦いに挑む男らしく、実に良い笑顔をしている。

しかし、この時点でなんと僕の尻に「火」がついた。


何故か急速にケツの辺りが熱くなって行く。

一体何事が起こっているのだ?

だんだん火傷しそうなくらいにヒートアップして行く僕のケツ。


思い出した。

僕は腰痛を抑える為に「温熱シート」を腰に貼っていたのが、そのまんまだったことを。

水を吸った温熱シートが、一気に発熱を始めていたのだ。

このままでは間違いなく低温火傷してしまう。


あんなに張り切って出発の写真を撮った直後に撮影された、そんな白豚の情けない写真がこれだ。

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必死でケツ周辺を洗う男。

まさかこの段階で「沈」してしまうとは微塵も思っていなかった。

当たり前だが、もの凄く水は冷たい。

急速に温めて、急速に冷やされた僕の腰はとてもコシのある腰痛になった。

激しいぜ、那賀川。



気を取り直して、ついに濁流へ乗り出した。

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水面が盛り上がっている感じがお分かりだろうか?

しかし怖くてこっちの気分は盛り上がらない。

凄いスピードで流されて行って、漕がなくてもいいくらいだ。


でも慣れて来ると、中々心地よかったりもする。

何と言っても晴れているし、四国ならではの懐の深い景色が広がって行く。

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スリルと快感を味わって、やっと「四国へようこそ」って雰囲気になって来たぞ。

下ってる最中は気が抜けないが、上陸すれば皆自然と笑顔がにじみ出る。


僕らが選んだ区間はそんなに大きくて嫌らしい瀬がないから、流れに慣れてくればこんな濁流でものんびり漂える。

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ううううああああ。

晴れるって楽しい。

やっぱり風が吹こうが濁流だろうが、お日様に当たっているだけでカヌーツーリングはお宝体験だ。

晴れていれば、多少の不幸は受け入れられるよね。(※この二日後にこの言葉は撤回される)


この川のいつもの状態がどんなかは全く分からないが、何だか凄く楽しい。

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一時は恐怖の眼差しで見たツンデレ女の川だったが、いざ懐に飛び込んでみればこのような優しくてグッと来る仕草を披露してくれる。

マゾ心をよぅく理解してらっしゃる。


やはり、何事も挑戦してみないといけないな。

僕の嫁の心の中の川にも、ひょっとしたらステキな「優しさ淵」が潜んでいるかもしれない。

しかし何度嫁川に飛び込んでも、今の所激流は地平線の彼方まで続いて見える。

その濁流っぷりは那賀川の比ではない。



その後、ゴール手前にあった支流の流れ込みを遡上してみた。

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恐らく通常時であれば相当なクリアウォーターだった事は間違いない中々ステキな空間で、そこに架かる橋もいい雰囲気を演出していた。

こういう「寄り道」ってのはとても心を穏やかにしてくれる。

もうゴールもすぐそこだし、我々はすっかり油断していた。

ついに「渦潮三回転」がダッチャーSとバターNコンビに襲いかかる。



この支流の流れ込みと、ゴールの川原の間にひとつの瀬があった。

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これは後に撮ったもので、ガイドマップにも記載されていない名もなき瀬。

恐らく増水時にのみ現れるであろう瀬かもしれない。


支流の遡上を堪能し、すっかり気分はウィニングランの余裕で流れて行く何も知らない5人。

先頭を行くのは、青い弾丸「マゾ川ゴエモン」。

その瀬に近づくにつれ、僕の顔から瞬く間に笑顔が消えた。


僕の眼前に巨大な隠れ岩が現れ、そこに乗り上げるように盛り上がった水流を越えて行くとガツンと落ち込んで落下した。

そしてその先は渦やバックウォーターが乱発して凄く複雑な流れで、水流も凄まじい勢いだ。

正直余裕こいていた事と予想外に激しい瀬だったことで、僕の狼狽っぷりはハンパなかった。


僕はなんとかゴエモンを駆使してその瀬を突破する事に成功したが、これは危険だ。

早く後続の奴らに知らせなきゃいけないんだが、その後の流れも凄く早くて複雑なので振り向くことが出来ない。

僕は全力漕ぎでかろうじて岸に辿り着き、振り向いた時にはすでにB夫妻が瀬を乗り越えていた。

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なんとか漕ぎ抜けたようだが、二人の顔が硬直している。

後にB旦那が「B女房が弱気になるのを初めて見た。」と語ったように、彼らも瀬の突入直前で異変に気づき真っ青になりながら下って来たようだ。


僕は二人の無事を確かめ、ホッとしてからさらに後続のダッチャーS&バターNのダッチバターコンビを見た。

そこには何とも凄惨な情景が展開されていた。

なんとダッチャーSが転落し、渦に翻弄されているではないか。

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写真では何が何だか分からんが、目撃した僕も何が何だか分からない。

後で聞いた事だが、落ち込みの後に「渦」に捕まった彼らのカヌーは、その場で渦巻き花びら三回転。

このままではバランスを崩して二人とも犠牲者になると判断したダッチャーSが、自ら渦に転落。

そんな涙ぐましい自己犠牲によって、ついに大回転から脱出したという。


僕はすかさず救助に向かおうとするが、ダッチャーSが自力で再乗艇して漕ぎ下って来るのを確認出来たので安心した。

しかし、その後にバターNの悲痛な叫び声。

彼の視線の先に、ダッキーを膨らます為のポンプが無情にも流されていた。

僕は再びゴエモンに乗船してポンプの回収に向かおうとしたが、凄まじい逆流で漕いでも漕いでも後ろに進んで行くというていたらく。

もちろんバターNがバースデープレゼントの救助ロープを投げた所で、彼のポンプがロープを掴むことなどない。

我々はバターNのポンプが流れて行くのをただ呆然と見送る事しか出来なかった。


完封勝利目前で、まさかの逆転満塁サヨナラ押し出し危険球退場。

ゴール直前の心の隙間にまんまと付け入られてしまった。


なんとか無事にみんなゴールして、それぞれに恐怖体験を語り合う。

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どんな怪談話よりリアルに怖い「ついさっきの出来事」。

ダッチャーSに至ってはほとんどカヌー経験がないのに、早くも「渦に巻かれる」という難易度の高い技を完成させて非常に興奮している。


清流を楽しみにはるばる横浜からやって来た彼らに対し、この濁った激流の川をご提供したのは僕だ。

「誰だこんな川を選んだのは?」という彼らの怨嗟の声が聞こえて来るようで申し訳ない。

まあ、そもそも僕を誘って来た時点でこの程度の覚悟はしてしておいてもらいたい。と、開き直る僕。


改めて事件の現場検証。

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この名もなき瀬は、今後「ダッチバターの瀬」と呼ぶ事にしよう。


全く清流ではなかったが、恐らく忘れられない思い出となった事だろう。

これこそ一味違った旅を提供するツアー会社「マゾツーリスト」の真骨頂。

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基本的に今回の参加者は選ばれたマゾ揃いなので、大満足の那賀川濁流ツーリングとなったようだ。

中々初日にしてはハードな内容だったが、素晴らしい一日だった。


これがeTrex20の「那賀川濁流の軌跡」でございます。


より大きな地図で 那賀川 を表示


そして、我々は那賀川を後にして再び移動マニアへ。

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さようなら、那賀川さん。

今度来る時は「通常」のあなたに出会いたい。

今日の君は少々厚化粧が過ぎたようだね。

全く可愛くなかったけど、とっても面白かったよ。


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実はこの五人。

このハードな一日を、実はおにぎり1個で乗り越えて来ている。

昼メシを食う時間も、昼メシを食う場所もなかったのだ。


もう時間は夕方4時。

向かった先はやはりご当地もの「徳島ラーメン」だ。


一見、営業中とは思えないほどの閑散としたラーメン屋の入口。

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しかし、一度中に入れば大人数の客で溢れ返る。

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ここは徳島ラーメンの有名店「いのたに」。

このラーメンの味は実に僕好みでスペシャルヒットした。

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まあこれだけの空腹状態で食えばなんだってウマいんだが、あれだけの激闘の後だけにハンパなくウマかった。

ダッチャーSに限っては「生きてこうしてまたラーメンが食べられる幸せ」を噛み締めながらだったので、そのお味のほどはまさに「命」の味だったろう。


続くご当地グルメお遍路。

大判焼きの名店「あたりや」にて極上の大判焼きを購入。

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いいねえ。充実してるねえ。

後は温泉でのんびりと疲れを癒して、夜の宴に突入するのみだ。


向かった先は「あいあい温泉」。

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ラブホかと思ってしまう安っぽさ全開の温泉だ。

入口では武将の石像が出迎え、温泉内にもゴジラや坂本龍馬などの石像が並び立ち、経営者の卓越したセンスが伺えるスタイリッシュな温泉だ。

色んな意味で「ああ、四国に来たなあ」と思えるホッとする空間。


浴室に入ってみると、あり得ない数の裸の男達が溢れていた。

過剰すぎるこの男密度は、明らかに定員オーバー気味の様相を呈している。

ここは裸祭りの会場なのか?

それとも密入国船のコンテナの中に入り込んでしまったのか?

サウナに至っては、完全に奴隷収容所でサウナの熱気なのか男達の熱気なのかよく分からない。

とてもじゃないがこんなグラディエーター達に囲まれて落ち着く事なんてできやしない。


団体客のムキムキ運動部員から、はしゃいで走り回るガキ共の嵐。

それを見守る坂本龍馬の石像と中世ヨーロッパ調の装飾。

この温泉は、たちまち僕の中の「落ち着かない温泉ランキング」のベスト1に躍り出た。

つい最近、DSY漕行記で行った「家畜&発狂少年温泉」が早くも抜かれてしまった。

これには阿部寛もビックリだろう。


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すっかり温泉で疲れ果てしまったが、なんとか我々は本日のキャンプ地の穴吹川の川原に到着。

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ここでのんびりと網でツマミを焼いて、ささやかな宴だ。

しかし肝心の「網」をバターNが忘れて来た事が発覚。

ここで僕は出番がないと思いつつ持って来た、焚き火用のホットサンドクッカーを車から引っ張り出した。

買って1年以上経つが、一度も使う事がなかったこのホットサンドクッカーが、ついにこの四国で奇跡の光を放った。


試しにウインナーを挟んで食った所、その奇跡的なうまさに一気にテンションが上がる5人。

大量のエノキにバターかけて挟み込むと「きゅううぅぅ」というエノキの断末魔が聞こえ、そして信じられないうまさのツマミが完成する。

まるで小さなダッチオーブンのようなこの調理法を、いつしか我々は「ダッチ」と呼んでいた。


中でも一番のダッチ使い(たまたま一番近くにいただけだけど)が、このタオラーS改めダッチャーSだ。

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この食材を挟んで火に投入する際のダッチャーSの恍惚の表情と言ったらどうだ。

僕のホットサンドクッカーも、彼に挟まれる為に生まれたとしか思えないほどの愛称の良さだった。


こいつで挟むものに失敗はなく、ジャガバタですらまるで違う料理となって「パリパリとホクホク」の夢のコラボも実現する。

次第に論点は「どこまで挟めるか」になっていき、様々な名勝負が生まれた。

下の写真は、「ダッチャーS VS 巨大厚揚げ」の一コマ。

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見事に挟まれた厚揚げは、途中の醤油の投入で「ダッチ風焦がし醤油厚揚げ」という絶品料理になる。


その後も絶妙のタイミングでバターNがバターを追加する「追いバター」や、炭を上部に乗せて両面から加熱する「ダブルダッチ」、ダッチを利用してちくわを焼く「ダッチ置き」などの新語が続々と誕生した。

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すっかり楽しくなってしまい、簡単に済ませて早めに寝ようと思っていたのがすっかり深夜になっていく。

ご覧の出来上がりっぷりが最高のダッチナイトを物語る。

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もう誰一人目が開いていないえびす顔。

恐るべきダッチパワー。

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こうして波乱に満ちた「初日」が終わって行く。

初日にしては実に濃い内容の一日だった。


この日の夜、凄い暴風でテントがバタバタ言っていたが僕はあっという間に深い眠りに落ちた。

やっぱり川原キャンプは最高なのです。




〜激流どうでしょう第3夜へつづく〜

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激流どうでしょう第1夜〜腰痛移動編〜

Posted by yukon780 on 09.2012 那賀川/徳島 2 comments 0 trackback
あれから幾日が経過しただろうか?



張り切って出て行ったGW後半の「四国清流巡り」。

いや、言い直そう。


張り切って出て行ったGW後半の「四国濁流祭り」。


もうGWは終わっているのに、長くブログの更新がされていない。

おかげで「カヌー野郎死亡説」が囁かれ始めている。

今までの読者は「いつかやると思ってたが、ついにこの時が来たか」と戦慄が走った事だろう。


どっこい僕は生きている。

しかし「死んでいた」というのも一つの事実だ。

実はこの数日、僕は心身共にボロボロでとてもブログを更新する気力を失っていたからだ。


一体、男の身に何が起こったのか?

四国でどんな目に遭って来たのか?



四国。

そこは漆黒の死国。

咲き乱れる死臭漂うキーワードたち。

「大雨」「濁流」「増水」「渦」「三回転」「奴隷船」「暴風」「寒風」「冷水」「救助」「激突」「発熱」「無念」「嫁」


今回の旅も、男はしっかりと旅を満喫して来たようだ。

そんな男のステキな旅路を振り返ってみよう。


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ついにこの時がやってきたのだ。


5月2日、夕方。

仕事を終えた僕はGW突入の喜びを噛み締めていた。

GWは仕事の翌日から始まるものではない。

仕事が終わった瞬間から始まるものだ。


この日は会社の人達の目線を気にする事なく堂々と車にカヌーを積んで会社にやってきた男。

まさに「心、仕事にあらず」なフライング野郎。

終業のタイムカードを押すと同時に、そのまま職場から四国に向けて僕は旅立って行った。


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悪魔の囁きに端を発した今回の四国遠征。(参考:ファウストの懊悩

出足はいつものようにすこぶる快調なスタートとなった。


まず、僕の「お腰の恋人」が激しく反乱。

ここの所、日に日に酷くなる腰痛がついにこの日に爆発したのだ。

これから徳島まで7時間くらい車を運転しようって時に、非常にキビシい現実。

あまりの辛さに、仕事中に外出願いを貰って接骨院で調整してもらったほどだ。

出発前にして、実に悲壮感漂う手負いのマゾ一匹。

正直、四国まで体が持つ自信がない。


さらにこの日のお昼のニュース。

「四国から東海地方にかけて激しい雨が降るでしょう、河川の氾濫などにご注意ください」って言ってる。

これから東海地方から四国に行って、河川を下る事だけが目的の男に突きつけられた悲しみの事実。

動けずに不本意だったGW前半があんなに快晴続きだっただけに、男のショックは計り知れない。



かつてないほどに、出発時に多大な精神的ダメージを食らってしまった。

さすがは悪魔の囁き四国ツアー。

地獄のモンスターがガッパリと口を開けて待っている気がしてならない。

僕はそれでも四国に向けて突き進んで行った。


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大阪の吹田JCTあたりで、激しい渋滞。

でも、がっつりワンピースのDVDを借りてきているから別に渋滞は苦ではない。

しかし、イタイタの実を食べてしまった僕の腰がついにシャウト。

ついに体内に「バスターコール」が発動した。


早くもノックアウトかと思われたが、歯を食いしばりながらの移動は続く。

ただ車で移動しているだけなのに、額にはジットリと脂汗が滲み出す。


GWって楽しむもんじゃないの?もしくは体をリフレッシュさせる期間じゃないの?と人は言うだろう。

そんな言葉は丸めてベンキマンにでも流してしまえば良い。

僕にとってGWとは「人の体と精神がどこまで耐えられるか?」の人体の神秘に鋭く迫ってみる期間。

楽しもうなんて贅沢な思考回路は、もはや遠い昔に消え去ってしまって思い出せない。


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四国上陸前に天気予報をチェック。

すると、明日からの天気が回復方向に向かっていた。


明日は天気悪いと思っていたから、激流の「那賀川」に行く予定になっていた。

激流ならどうせずぶ濡れになるから、天気良くなくても気にならんと踏んでいた。

でも、天気がいいんだったら清流の「穴吹川」を下っておきたいじゃないか。


早速、横浜から四国に向かっている最中のB旦那に連絡。

協議の結果、そういうことならと予定を変更して穴吹川で集合ってことになった。

こうして僕は四国に上陸すると、そのまま徳島道で穴吹川を目指した。


それにしても、夜12時のこの段階でB旦那達の横浜組はまだ名古屋近辺。

ゾッとしてまう距離だが、彼らも中々のマゾどもだからそれなりに楽しんでる事だろう。



やがて1時頃に、穴吹川近くの道の駅に到着し車中泊。

明日の天気は良さそうだ。

「晴れ時々曇り」の最高のコンディション。

さあ、いよいよ明日からステキな川下りのスタートだ。

僕はワクワクする気持ちを抑えながら、静かに眠りについた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝5時頃、シトシトという音で目が覚める。

おや?

何だろうこのお馴染みの感覚は?

IMGP7090.jpg

おやおや?

天気予報では晴れ時々曇りっておっしゃってなかったかい?

これは「時々曇り」のレベルじゃないぞ。

むしろ雨降ってるじゃないか。


慌てて携帯で天気予報をチェック。

すると僕が寝ていた、たったこの数時間で「晴れ時々曇り」から「曇り後雨」へと驚きの変貌を遂げていた。

なんてことだ。


試しに当初行く予定だった那賀川の天気をチェック。

なんと「曇り後雨」だった予報が「晴れ時々曇り」へと変わっている。

おお、神よ。

天は僕を馬鹿にしているのか?

慣れている事だが、いつまで経ってもこの時に受けるショックは変わらない。



急いでB旦那へ連絡。

幸いまだ四国上陸手前だったから、再度予定を変更して目的地を那賀川へ切り替えた。

那賀川は穴吹川の逆方向なので、僕は雨の中せっかく来た今までの道をまた戻って行くことになった。

IMGP7091.jpg

なぜ、いつも移動だけでこんな思いをする事になるのだ?

結果的にわざわざ穴吹川の近くまで「寝に来ただけ」というマゾプレイを完成させただけじゃないか。


お日様を求めて、腰痛野郎の移動はまだまだ続く。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


徳島市街でちょうどB旦那達と合流できそうだった。

実はこの時僕はちょっとソワソワしていた。

今回のメンバーに急遽参加が決まった子がいると聞いていたからだ。


世の中何が起こるか分からない。

ひょっとしてその子と激しく意気投合してしまい、そのまま禁断の駆落ち逃避行が始まる可能性だってあるじゃないか。

妄想野郎の脳内シアターに胸キュンストーリーが駆け巡る。


とりあえず第一印象が重要だな。

まずなんて話しかけて、心をグッと引き寄せるかが今後を大きく左右する。

いくつかのパターンを用意して、たちまちその子を虜にしてみせるぜ。



しかし後に発覚する。

その子とはなんと男だったという事が。


しかも以前「富士六苦フェス」で、共に富士山に登った「タオラーS」だった。

おっさんじゃないか。


こうしていつも通りの雨の中、いつも通りに夢から覚めて、いつも通りの旅が始まった。


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今回のメンバーは5人。

岐阜よりひとり参戦するは、まぞしこジャパン代表の「僕」。

そして横浜組で今回の旅の悪魔の囁き人「B旦那」と、歩く好奇心こと「B女房」。

そしてバター使いの名手「バターN」と、まさかの「タオラーS」。


尚、タオラーSは今回の旅より「ダッチャーS」と改名する事になるが、誕生秘話はまた後ほど。




徳島市街で全員合流して、はるばる那賀川へ移動。

やがて道路の上から見えた那賀川の流れは、明らかに大増水の様相を呈していた。

IMGP7092_20120507164241.jpg

一応、那賀川も「清流」って書いてあったんだが。


凄い流れの速さで、なおかつ水面は盛り上がって、見ているだけで恐怖が湧いて来る。

昨日からの豪雨で、ニュースの言う通りの「河川の氾濫」が目の前に展開されている。

天気予報は外れてもこの手の予報は見事にその通りになるのが切ない所だ。

そもそもこんな氾濫した川が下れるのか?


僕とB旦那が呆然と川を眺めていると、後ろから付いてきているはずのバターN達の車が一向に追いついて来ない。

全然待っても来ないから、さすがに事故った思って焦っていると随分遅れてバターNの車が到着。

どうやら車内に「ハチ」が乱入してきて大パニックだったようだ。


バターNは無類の「アウトドア好き」なくせに無類の「虫・蛇嫌い」な男だ。

アウトドアマンにとって決定的な弱点を持つ彼は、果たしてこの世界に向いているのか?

カナヅチなのにカヌーに乗り、高所恐怖症なのに山に登る僕が言う事ではないが。



まだ車内にハチがいるのではないかと恐々とするバターN。

IMGP7096.jpg

IMGP7095.jpg

しまいには「車内の荷物を全部出して確かめる」などと恐ろしい事を言い始める。

そんなガラスのアウトドアマンの悲痛な叫びに付き合っている時間などはない。

我々はスタート地点の鷲敷青少年野外活動センター下へと車を走らせた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


現場に到着してみると、ありえないスピードの水流と轟音の濁流祭り。

IMGP7100.jpg

IMGP7109_20120507164723.jpg

IMGP7102.jpg

ほとんどカヌー経験のないダッチャーSも「本当にここを下らされるのか?」という不安一杯の表情だ。

「四国の川は穏やかな清流ばかりだ」と言われて連れて来られてこの光景。


そして彼はこの時まだ微塵も思っていない。

まさかこの数時間後に自分が「渦に巻かれて濁流に放り出される」という惨劇が待ち受けているなどとは。



もちろんこの川をチョイスしたのはこの僕だ。

確かに激流系の川なんだけど、まさか事前にあれほどの大雨が降るなんて思ってもなかった。

毎度僕のミスチョイスで今まで多くの犠牲者を排出してきたが、今回も新たな犠牲者を生んでしまう事になるようだ。



一方で「うああああっっ!」というバターNの突然の激しい叫び声。

IMGP7106.jpg

どうやら道ばたから蛇が出て来たようだ。

やはりこの男、ハチといいヘビといい明らかにアウトドア向きではない。

アウトドアでいつもすぐに体調を崩す僕が言う事ではないが。



さらに奥にある「赤石の返し渦」とやらを見に行く。

IMGP7114.jpg

まるでディズニーランドみたいな雰囲気の道を進んで行く。

しかし、この先にあるものはファンタジーのカケラもない世界だ。


「赤石の返し渦」は、この川最大の難所。

ガイドブックには「4mの渦が発生し、水深は9.5m」などど随分オシャレな事が書いてある場所だ。


次第に増水した赤石の返し渦ポイントが見えて来た。

IMGP7116.jpg

IMGP7121.jpg

IMGP7125.jpg

地獄絵図だ。

川全体が沸騰してるかのようにそこら中でボイルし、水面は大きく盛り上がってうねりまくる。

そこかしこで渦が発生し、流れがあまりにも複雑すぎる。



何度か突入シュミレーションしてみるんだが、僕の脳裏に映し出される最終映像は「死」しかなかった。

「頑張れば行けるんじゃないか?」というB旦那に対し、僕は必死でダメだと訴える。

過去に長良川で人間洗濯機プレイを楽しんだ事のある僕にとって、この区間はリアルな死の匂いで充満しているように感じてならなかった。


協議の結果、当たり前だが「赤石の返し渦」下流からのスタートが決定。

ここより下流は「ダッキー初心者」に最適コースと書いてある。

しかし、本日は絶賛増水中。

我々はこの川に受け入れてもらえるんだろうか?



そして晴れると見込んで、わざわざ穴吹川からこっちに来た我々。

天気予報もご覧の通りだ。

IMG_0425.jpg

しかし、携帯から目を離し頭上を見上げるとどうにもギャップを感じてしまうのは僕だけだろうか?

IMG_0426.jpg

一体何度このパターンを繰り返せば気がすむのか?

晴れてないばかりか、風も中々に吹き荒れている。


初日にして暗雲立ちこめる不安たっぷりの立ち上がり。

しかし「せっかく来たんだし」という、一番良くない思考回路が我々に川下りを決断させた。

増水で濁流で強風。

状況としては最高だ。


横浜組は12時間以上のドライブからの濁流ドライブ。

望んで集まったマゾ5人。


次回はそんな5人の那賀川濁流ライダー達の模様をお送りしよう。


正直まだ体調が良くないので、次回更新は気長にお待ちいただきたい。



ーーつづくーー


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