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ハリー・ボッカーと賢者の兄弟〜筋トレ竜ヶ岳〜

Posted by yukon780 on 16.2014 竜ヶ岳/三重 0 comments 0 trackback
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竜と呼ばれるマゾがいる。

そしてその竜の背には二人の少年。

まるでまんが日本昔ばなしのオープニングのようだが、実際はそんなのんきな状況ではない。


背中にのしかかる30kgオーバーの重り。

各部の関節はキシキシと音を鳴らしてスパーク寸前。

さらに耳を澄ませば筋肉の線がぷちりぷちりと切れる音。

そして彼の口元に注目すれば、蚊の鳴くような声で「こんなはずじゃなかったのに...」と呟いている。


そもそもこの竜と呼ばれる男、この山に入る前は「もういい加減平和でノンマゾな登山がしたい」と言っていたはずだった。

そこで今回は、久しぶりに子連れ登山で鈴鹿の山を楽しんでやろうという予定だったのだ。

ではなぜ平和な子連れ登山を楽しむはずだった彼が、こんな場所で子連れ歩荷を楽しんでいるのか?


それでは早速その謎に迫ってみよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


久しぶりの鈴鹿の山。

今回は小木KとビアーNのファミリー登山に便乗するという形。

子供達との登山だから、これ以上ないマゾ休め的な平和な一日となるだろう。


正直パックトランピングでの24kgザック修行のせいで、僕の足腰はガタガタになって未だに完治していない状態。

今回はライトにこーたろくんだけを担いで、体に負担をかけないようにゆっくりと山を楽しんでやるぞ。


ただどうしても時間的な折り合いがつかず、我々親子だけは約1時間遅れでのスタート。

恐らく山頂あたりでランチ中のみんなには追いつくはずだ。

まあ、それでも今日のキーワードは「焦らずのんびりノンマゾで」だから、ゆっくり登っていこう。


りんたろくんも朗らかな表情で、これから始まる登山に向けて機嫌が良いぞ。

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そしてこーたろくんもすっかり慣れた感じで背中で大人しくしている。

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嫁から「2歳まで登山禁止令」が発令中の彼だが、結局まだ1歳半なのにもう今回で4つめの山。

「子連れじゃないと外出できない」というお父さんのエゴのせいで、君もまだ若いのに随分と苦労させられているね。


しかし見てみろ、こーたろくん。

君の先輩で、かつてこのベビーキャリアでいくつもの山を制して来た逞しい兄の姿を。

登山口までの道のりで、余裕の鼻歌が炸裂しているぞ。

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陽気にウルトラマンの歌を歌いながら、すっかり慣れた山というステージに向かうりんたろくん。

やはりここまでの我がアウトドア英才教育の賜物なのか。

もう父に担がれる事もなく、自分の足でしっかりした足取りだ。

すっかり立派なアウトドアサラブレッドだ。


僕は目を細めてりんたろくんの成長を喜んだ。

さあ、はりきってこの林道を歩いて登山口に行こうじゃないか。


しかし、その数分後。

目を細めていた父は目を見開く事になる。

まだ登山口にすら付いていないのに、明らかにペースとテンションをダウンさせるガラスのサラブレッド。

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一歩一歩の足取りが急に重くなり、その顔からはみるみる「やる気」が抜けて行っている。

そして彼は言う。

「もう疲れちゃったのよぅ。ダッコしてよぅ。」と。


まさかの林道リタイヤ宣言。

まだ登山すら始まっていないというのに何という事だ。

これが我がアウトドア英才教育の賜物のサラブレッドの姿なのか?

これじゃパドックの時点で出走拒否する駄馬じゃないか。


ここが山頂間近なら分かるが、僕は「ガンバレ!あと少しで登山口だぞ!」という不思議なエールを送り続ける。

なんとかこの偽サラブレッドをゲートまで歩かせないと。

しかしそれでも彼は頑にダッコを要求。

で、結果このような大惨事に。

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林道の悲劇。

結局ジョッキー自らが聞き分けのない競走馬を背中に乗せると言うまさかな事態に。

これからがレース(登山)だというのに、これじゃ絶対完走できないぞ。

恐らく誰も我々の馬券を買っている客はいないだろう。


というか、今回はノンマゾ登山だったはず。

パックトランピングの傷を癒す為の平和登山だったのに、結局あの時の24kgを軽く越える30kgオーバーの負荷。


こんなのじゃとても山登りなんて無理だから、僕は「登山口に着くまでだぞ」と言ってフガフガ林道を進んでいく。

やがて登山口に着く頃には、なぜかすでに汗だくで虫の息だ。


そして何とかサラブレッドを下ろしてゲートに着かせる。

そしてファンファーレとともに登山スタート。

するとスタート直後にこのような橋が登場。

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この橋の横に看板があり、「この橋老朽化で危険なため巻き道をご利用ください。」と書いてある。

そして誘導されるがまま沢の道に行くと、とても子供が歩けるようなルートじゃないじゃない。

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ちょうど同じようにお子さんを担いだ人が前にいたが、その光景はもはや平和登山には見えない。

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これじゃ沢登りの「ヘツリ」じゃないか。

そんなコアな技、とてもじゃないが5歳のりんたろくんが駆使できるわけがない。


で、結局しかたなく再びサラブレッドを背中に乗せるジョッキー。

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その表情は「ほんとにここを越えられるのか?」「これの一体どこが平和登山なんだ?」といった恍惚の表情。

不安でいっぱいだったが、エイヤッと子連れヘツリ作業開始。

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岩を掴むわずかな一点に全筋力を導入させ、のしかかる30kgを必死で支えるお父さん。

気分的には大縦走装備担いで大キレットを越えて行っているかのようなハードさだ。


そして何とかヘツリ区間突破。

すると続いて「ジャンプしないと岩に飛び移れない」というネクストステージへ突入。

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前を行く子背負い同志も、必死で飛び越えて行く。

万が一濡れた岩で滑った日には、そのまま川へ落ちて流されるという難所。


さすがにこの重量のままジャンプして無事で済む気がしない。

激しく岩に転倒して子供達を怪我させてしまったら、僕が嫁によって岩で撲殺される事は必至。


そんな僕のピンチに、ライバルジョッキーが救いの手を差し伸べる。

なんと我がサラブレッドを受け取ってくれて、見事に渡渉成功だ。

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やはり持つべきものはジョッキー仲間。

子を背負い続けるジョッキーにしか、お互いの大変さは分からない。

ただこの人にも、子供二人同時に担ぐマジョッキーの気持ちは到底理解できない事だろう。



こうして難関を突破した我々は、やっと通常の登山口に出て戦線復帰。

しかし早速の大急登に苦戦するサラブレッド。

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彼も「お父さん、なんかこの山イヤよ。ダッコしてよぅ。」と文句タラタラ。

しかしそこはベテランジョッキーのお父さん。

すかさず「この山の頂には君の好きなUMAがいるらしいぞ。スカイフィッシュも飛んでるかもしれないよ。」と餌をちらつかせる。

すると単純な馬は「ほんと!チュパカブラ見たい!」とテンションアップ。

これによって、ついに目覚めたサラブレッドりんたろがガシガシと岩場を登って行く。

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恐らく山頂にUMAなんていないだろうが、男の原動力はいつだってロマンなのである。

でも山頂まで行って「お父さんの嘘つき」と言われては困る。

まあそこは山頂にいる小木Kを「ウマイボー」という名のUMAに仕立て上げれば済む事だ。


それにしてもだ。

今回のルートは初めてのコースだったが、何やらとんでもない事になってないか?

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ここが一番初心向きだと聞いたんだが、随分とオシャレな岩場ばかりじゃないか。

果たして5歳児と子供を背負った手負いのマゾが来て良い場所だったんだろうか?

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それでも大好きなUMAが山頂で待っているから、頑張って直登して行く幼稚園児。

いいぞ、ガンバレ。

ついに君の中で眠っていたお父さんの血が沸き立って来たか。


しかし父の血はわずかしか顔を出さなかった。

僕の血はあっという間に嫁の血に駆逐され、すっかり元の「歩きたくないインドア病」が再発だ。

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もはや牛歩戦術よりも遅いスピードで、まるでスーパースローの映像を見ているかのような遅々とした動き。

ジョッキーも必至で「がんば!がんば!」とムチを打つ。

しかし奴の動きは変わらない。

このままでは山頂に着くのは1週間後になってしまうぞ。


そしてついにサラブレッドは走るのをやめ、枝いじりに没頭し始める。

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そして彼は「もうパワーがゼロなのよ。お膝も痛いのよ。もう一歩も歩けないのよ。」とリタイヤ宣言。

位置にしてまだ3合目あたりで飛び出した敗北宣言。

そして父譲りの「魚の死んだような目」で、呆然としている。

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さすがは嫁に「妖怪死に魚」と命名されたお父さんの子だ。


正直長い付き合いだから、彼が本気で限界でもなければ膝も痛くないのは見え見えだ。

しかしこうなったら彼は頑固なまでに低いテンションをキープしてしまう。


で、結局またこのスタイルに。

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林道、沢に続いて、ついにこの急登地獄での歩荷地獄に突入だ。


さすがに今までの平地とは訳が違う、尋常じゃない負荷が肩と腰と膝にのしかかる。

一歩一歩進む毎に、良くスポーツジムの筋トレコーナーで聞くような「ぶっふぉー!ぶっふぉー!」という声が漏れてしまう。

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しかもこのジョッキーはマジョッキーなので、しなくてもいい己撮りまでして無駄に往復作業を繰り返す。

子供達はこんな父の姿を見て、何かを学んでくれるだろうか?

恐らく何も学ぶものはないだろうが、親として「こんな大人にならないように」という模範を示せたのではないだろうか。


で、あれほど限界を訴えていたりんたろくんは再びウルトラマンの鼻歌まじり。

余裕の表情で、僕の頭を肘掛け替わりにしてご満悦状態。

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母の血は強し。

いつも父と母のやり取りを見ているからなのか、りんたろくんは父の事を「我が家の奴隷」と思っているのかもしれない。


その後も奴隷ジョッキーは根性の歩荷を続ける。

もう気分的には登山というより、ピラミッド建設にかり出された奴隷気分。

もしくは聖帝十字陵のてっぺんに聖碑を担ぎ上げるシュウ気分だ。

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たとえこの力尽きようとも、かならず父がお前達を山頂まで担ぎ上げてやる。

この試練は子供達にアウトドア好きになってもらうためのもの。

若干手遅れ感というか方向性が違っているという気がせんでもないが、不器用な私に出来る事はマゾしかないのである。



しかしそのわずか10分後。

シュウはついにその重みに押しつぶされてしまった。

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さすがに無理があった。

普段から養子の重圧に耐えている私でさえ、30kgオーバー歩荷ではこの南斗急登拳を打ち破れなかった。


ここでジョッキーは静かにムチを置き、空しくLINEで小木Kたちに「撤退します」と宣言。

とりあえず歩荷スタイルでの下山は何とかなったから、その姿のままで一気に下山して行く。


そしてせっかくだから山頂に負けない良い場所で飯を食うべく、沢を徘徊。

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もはやこの姿自体が立派なUMA。

美しき鈴鹿の沢に生息するというUMA「リンコロマゾ」の貴重な画像である。

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この姿で数人の登山者とすれ違ったが、その目は明らかに未確認生物を見る目だったね。


まあとりあえず登頂は無理だったが、綺麗な川原だしここが最終目的ってことでいいじゃないか。

次期サラブレッド候補こーたろくんのこの笑顔だけでもう十分だよ。

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お父さんとしてもマゾ撮れ高十分だし、こっからはのんびりと小木Kたちの下山を待とう。


基本的に子供とは川に石を投げるのが好きだから、彼らも何だか喜んでいる。

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それが人間のDNAに刻まれた本能かの様に、もうただただ夢中になって石を投げ続ける。

はっきり言って子供を本気でアウトドア好きにさせたいなら、別に担いで山登らなくても実は川原で石投げさせておけばそれで十分だったりする。

でも子供達も満足し、お父さんもマゾ苦する事が重要。

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これが我々親子のウィンウィンの関係性なのである。


というか、ここで停滞を決め込んだ事でりんたろくんのテンションがうなぎ登りだ。

さっきまで「もう限界。ヒザ痛い。一歩も歩けない。」と言っていた男とは思えない程に暴れているではないか。

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くっ。

とんだウルトラマン詐欺野郎め。

スペシウム光線放てるんだったら絶対歩けるだろう。


まあいいさ。

とりあえず自然の中でメシを食い、

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自然の中で次期サラブレッドのオムツ替え。

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やはりこの解放がたまらないのか、こーたろくんも恍惚の表情。

お父さんも家でやるより、こっちの方が何のプレッシャーもなくて清々しいよ。


そしてしばらくボーッと川原で二人を眺めながら、ゆっくりと時間を楽しむ。

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ある意味登頂を断念して正解だったかもね。

お父さんも久しぶりにのんびりと体を休めてる気がするよ。(何故か出発前より全身ボロボロだけど)


そして再び沢を下って、

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林道に出たから、今度はこーたろくんも初めて自力で歩かせてみます。

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でも当然このように歩かなくなる二人。

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しかしそんな中でも、こーたろくんは中々のペースで移動を続けて軽く兄を置き去りにする。

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りんたろくんは全然飯を食わない男だから基本体力がないが、こーたろくんはモリモリ飯を食うから足取りは兄よりしっかりしている。

実に将来が楽しみな男だ。


だが兄も負けてばかりいられない。

兄の面目を保つため、率先して弟のために沢の水を汲んでやるという優しさを見せつけ、

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自分はペットボトルのキャップで飲むという、優しいのか要領が悪いのかよく分からない行動に。

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もはやおっさんが酒飲んでるようにしか見えないが、これが彼なりのアウトドアスタイルだ。


で、しばらく歩いて行くと急に異臭が漂い始める。

こーたろくんのケツを覗いてみると、見事に脱糞中。

すかさず林道脇でオムツチェンジするが、固形ならまだしもこんな時に限って非常にウェッティなキビシい状況。

さっきの沢の水を大量に飲んでたのがいかんかったか。

こいつはわずかなミスがミソとなって我が大事なアウターに付着してしまう。

しかもこの開放感に病み付きになった男のテンションが異様に高くて、動くのなんのって。

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こっちのサラブレッドは、ひょっとして将来屋外で全裸になる方に快感を覚える男になるかもしれない。

確かにお父さんもちょっと前はこんな事になってたし。

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妙な所だけピックアップしてこの血を受け継がないで欲しいものだ。


そしてまた川で時間を潰して、

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やがてやっと小木Kたちと合流。

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本来山頂で落ち合うはずが、まさかの駐車場合流。

でもりんたろくんも「おっさん!おっさんが来た!」」と大喜びだ。

ちなみにチーム・マサカズの男子メンバーの事を、彼は総じて「おっさん」と呼ぶ。


どうも話を聞いてみると、山頂は例のごとく真っ白だったらしい。

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そしてちょうど僕がLINEで「撤退します」と入れた直後から、急に晴れ渡って来たという。

結局僕は合流すらしてないのに、彼らに迷惑をかけてしまったようだ。


まあ何はともあれ良い登山(?)だったな。

何故か全身筋肉痛だが、終わりよければ全て良し。

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ハイパースロースターターのりんたろくんも、やっとこの頃にはエンジンがかかって来た模様。

一歩も動けないと言っていたくせにそこらじゅうを元気に走り回っている。

そして見知らぬ登山者の前で、何故か突然この行為。

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唐突に現れた少年の奇怪な行動に、どうリアクションとっていいか分からず呆然とする登山者。

あれは僕が時折嫁に繰り出す、土下座を越える最終奥義「寝下座」スタイル。

彼はしっかりサラブレッドとして、そっち方面の我が血を受け継いでいるようだ。

将来はどこぞのサドガールのもとで良い奴隷になれそうだね。



こうして束の間の筋トレが終了。

しっかり体が痛んだから、これでしばらくは大人しく出来そうだ。

子供達も徐々にその才能を開花させようとしているし。

なんだかんだとこういう事がきっかけでアウトドアが好きになってくれれば言う事ないんだが。



鈴鹿山脈に生息するというUMA「リンコロマゾ」。

そいつは時に重荷を背負い、時に露出プレイを楽しみ、時に目の前で寝下座をかましてくる謎の生物。

今後多くの目撃情報が寄せられる事だろう。

頭上にモクモクが発生していたら、このUMAが近くにいる証拠です。


東海地方の登山者の皆さんは以後お気をつけ下さいね。



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竜ヶ岳リハビリ病棟〜おマゾ兄妹のニヤリ行脚〜

Posted by yukon780 on 16.2014 竜ヶ岳/三重 0 comments 0 trackback
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風邪 胃炎 腹痛 後悔 鬼嫁


新年早々から、いつものスタートを切った男。

しかしそれらのお馴染みの言葉の先に浮かび上がった見覚えのない言葉達。


青空 無風 平和 絶景 笑顔


もうすっかり忘れかけていたそのワード。

悲しみのグランドラインの果てに辿り着いた「新世界」。

たまには浮かれてみたっていいじゃないか。




その男にとって年に一度あるかないかの「快晴快適登山」。

シーズン中に2本くらいしかホームランを打たないこの日陰者が、なんと新年一発目の第一試合でその快挙をやってのけたのだ。

そしてその快挙をたまたま目撃した「マゾと渓谷社」の編集者が、慌てて製作したのがタイトル画像の雑誌。


今までは「マゾ人間の悲惨な習性」に焦点を当てるという画期的な企画で、サド読者の圧倒的な支持を得ていたその雑誌。

しかし今回ついにマゾ人間達のレアな「浮かれ姿」のスクープに成功し、ここに緊急発行の運びと相成ったのだ。


「登山って楽しいんだネ」という、人として根本的な感情を取り戻した悲しきマゾ人間達。

それは類人猿が初めて「火」を使ったに等しい歴史的な進化だった。


2013年末あたりから続く、男の快晴快進撃。

2014年、「今年の私はひと味違う」という事を証明する時が来たようだ。


それでは、そんな「今年こそ泣かない」って決意したマゾ人間達の浮かれ登山。

陽気に振り返って行こう。


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年末年始から、この日に至るまでひたすら病と闘って来た男。

胃腸風邪からの追い風邪は長引きまくり、体力の低下は著しい。

夜になると咳が止まらず、ほとんど眠れない日々。

そして夜中に咳でこーたろくんを起こしてしまい、嫁に「チッ」と舌打ちを打たれるという肩身の狭い毎日。


お正月休みも一切山に行かせてもらえず、まだ1月初旬なのに彼の精神は早くも追いつめられていた。

しかも1月いっぱいは結構家の予定が埋まっており、しばらくは遊びに行けない事も確定。

かろうじて行けるのが12日の日曜日だけだったが、もちろんまだ風邪は治ってなくて階段すらまともに登れない状況。

さらに突然謎の腹痛に襲われて、お腹がマンモスぴーぴーな状態だ。

でもこの日を逃したら当分山に行けないから、ここは非常に厳しい選択を迫られる場面だ。


しかしこの状況が何を意味するかは、この男をよく知る人にはピンと来たかもしれない。

そう。

それは彼が山でマゾるのに「ベストコンディションである」という事を意味している。


彼の座右の銘「風邪などは山でマゾって治すもの」が炸裂し、男は家を飛び出した。

向かった先は、かつて「鈴鹿セブン制覇シリーズ」でアトランティスと死闘を繰り広げた「竜ヶ岳」。(参考記事:鈴鹿セブン完全制覇〜7人の悪魔超人編〜

その竜ヶ岳救急病棟にて、華々しく風邪を治してやるのだ。


しかしそんな病人が一人だけで雪山でマゾるのは非常に危険な行為。

そこで今回、その男の「介護人」として付き添いのマゾナースさんにお越し頂いた。

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僕の顔がでか過ぎて遠近感がおかしくなり、やたらと小人感溢れるこの女性。

久しぶりのご登場となった、チーム・マサカズの「マゾンナ」こと低血圧Mちゃんだ。


彼女は非常にポテンシャルの高いマゾ度の持ち主。

元々はほのぼの系カメラ女子だったようだが、チーム・マサカズの伝説の登山「鬼ヶ牙」に参加した事によってその眠っていた才能を開花させてしまった被害者。(参考記事:魁!鬼ヶ塾 前編〜全身破壊の開幕戦〜


彼女は買ったばかりの靴で靴擦れを楽しむ事を基本ベースに、単独で山に突っ込んで行く生き急ぎ系山ガール。

さらに低山ではあえて無駄に10時間ほど森の中を彷徨ったり、あえて腹痛を巻き起こしてから山を楽しむというフリーソロマゾスタイルの名手。

そして僕同様、過度な低血圧にして、日本で数少ないモクモク使いのエキスパートでもある。


やがてあまりにも僕と同一人物かのようなそれらのマゾっぷりに、「この2人は生き別れた兄妹ではないか?」という疑惑が生じた程の女性。

本日の僕の介護人として、これ以上うってつけの人間はいまい。


そんなおマゾ兄妹の前に早速現れたのが、この遠足尾根名物「つづら折り大急登」だ。

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強烈な斜度の大急登を、ひたすらジグザクに直登して行くという変態さ。

病み中の男にとっては最高のドS診察室だ。


マゾ病人のリハビリに持って来いのスペシャル処方箋。

家の階段も満足に登れない男に突きつけられたショック療法。

しかし今日はちゃんと妹が介護で付き添ってくれているから安心だ。

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なにやら様子がおかしいぞ。

しまった。

よく考えたら同じ穴のマゾ同士、介護どころか彼女は己のマゾに夢中になってるじゃないか。

ここからその表情は伺えないが、恐らく口角とテンションが上がっている事は間違いない。


その後も「遠足尾根」という朗らかなネーミングに反した大急登は続く。

兄が「ひぃ、ひぃ」と言えば、妹は「ふぅー」と合わせる、実に息の合った急登ラマーゾ法。

早くも口からエクトプラズムを出産してしまいそうな厳しい戦いだ。


やがてゴツゴツの岩場を登りきると、

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ついに眼前に、ドクター竜ヶ岳こと「医龍」がその姿を現した。

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随分と遠い所にある診察室だ。

まるで患者を診る気がないのか、「来れるものなら来てみやがれ」とでも言っているようなこの距離感。


しかし風邪を治す為にはこの名医に診てもらう他に道はない。

男は疲弊した体にムチを打ち、介護人も懸命にマゾサポート。

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この「アイゼンを履くべきか悩む雪量」という、実に微妙な状態の登りにくい急登タイム。

しかし状況がサド化するにつれ、彼女のマゾ化も止まらない。

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ここからその表情は伺えないが、恐らく笑いを押し殺している事は間違いない。

他の登山者もただ立ち尽くして、そんな彼女のプロフェッショナルな姿をただ呆然と眺めているようだ。


さあ、そんな急登を乗り越えるとやっと尾根上に到達。

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ここからはひたすら尾根沿いを進んで行くという「リハビリステーション」。

年末年始で弱ってしまった心を癒す、ステキなスノーハイクの始まりだ。


樹林帯のリハビリをこなすと、やがて景色が開けてとんでもない「青空」が攻めて来た。

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気の毒な年末年始を過ごしたその男は、もう感動でプルプルと震えている。

一方その場で振り返れば、伊勢湾までがズルむけで見渡せる大展望。

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同じモクモク使いの低血圧Mちゃんも、「そんなバカな」といった表情でキョトンとしている。

これぞ「マイナスの均衡を保ったおマゾ兄妹には晴天が訪れる」という画期的ケミストリーの結果なのだ。

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青と白の空間に溶け込んで行く青白い顔をした病人一匹。

そのしっかりとした足取りを確認し、介護人も安心の表情で雪原を噛み締める。

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平和でステキすぎるリハビリのお時間。

木々も優しく病人にエールを送り、

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優しい雪原はどこまでも続いて行く。

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やはり暗い家の中で嫁に怯えながら闘病するより、このような場所でこそ我が病は治癒に向かって行くのだ。

しかもこの医龍リハビリステーションは、絶景だけじゃなくてちゃんと小粋なマゾも用意してくれている。

おマゾ兄妹の浮かれた姿を確認した所で、このガッツリ急登をこしらえてくれたんですね。

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いよいよ積雪量も多くなって足も取られ始めているが、あくまでもツボ足で突き進むおマゾ兄妹。

アイゼンはもちろん、わざわざ重いスノーシューやワカンを背負って持って来ているにもかかわらず、あえてそれらを使わずにガフガフと己の足のみで登って行く息の合った兄妹舟。

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ここからその表情は伺えないが、恐らく今彼女はこれでもかという笑顔に包まれているに違いない。

と思っていたら顔を上げたのでパシャリ。

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やっぱり弾けるような笑顔が炸裂している。

このグハグハ急登を、これほどの爽やかな表情で登って来るあたりさすがは名古屋屈指のマゾ患者。

本日、介護人として連れてこられたのは僕の方なのかもしれない。


しかし彼女がこんな表情になってしまうのは、もちろんマゾだけじゃなくてこの美しい景色があってこそだ。

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いよいよこの辺りから、その美しさに歯止めがかからない医龍リハビリステーションの核心部。

やがて極上の樹氷タイムへ突入です。

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もう兄の介護そっちのけで写真を撮りまくる妹。

一方の兄はこの青空と樹氷に感動し過ぎて、もうポールで体を支えるのがやっとのジジイになってしまっている。

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長年、汚れた闇の世界で生きて来たこの哀れな老人。

もう感動の失禁を己で制御できないアテント野郎。

ついに訪れたこのステキな老後。

思わず、そのおじいちゃんが前のめりに倒れて満足の大往生をしそうになった時、

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介護人の低血圧Mちゃんが慌てて駆けつけ、優しく「はい、おじいちゃんまだ寝ちゃダメですよー。頑張って先生の所まで行きましょうねー。」と渾身の介護だ。


そして妹に支えられながら樹氷帯を抜けると、なんだかとっても美味しそうな大雪原が山頂まで広がっている。

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横を見れば、まるでクリーミーなビールの泡の中から伊勢湾を眺めてるかのような感動。

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いよいよ本気を出して来た竜ヶ岳。

そこからさらに進めば、ついに尋常ではない美しさの診察室がその姿を現した。

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大迫力の白い巨塔。

やがて、美しき白衣の芸術品達の「大回診」が始まった。

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もはや川平的な表情で「くぅぅっ〜」と唸るしかないおマゾ兄妹。

そしてお互いに目をやり、「これはひょっとして浮かれちゃってもいいんじゃないだろうか?」と確認し合う。


この瞬間、彼らが封印して来た言葉「青空 無風 平和 絶景 笑顔」という言葉が溢れ出す。

ここまでの山人生、数々の重々しい辛酸を舐め続けて来た2人。

ついに人目をはばからず、堂々と浮かれるべき瞬間がやって来たのだ。


そしてこの素晴らしき医龍リハビリステーションで、すっかり元気を取り戻した男。

あっという間に風邪なんて吹き飛んで行き、おじいちゃんから凛々しい若人の佇まいになって復活ののろしだ。

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去年までは想像する事すら出来なかった「私と青空」というタイトルの写真。

オークションに出せば高値が出そうな程のこのレア感。

今年こそ強がらずに、素直な心で言ってやろう。

「やっぱ登山は晴れてナンボだね」と。


さあこれにて風邪も完治し、チーム・ドラゴンの医療チームが待つ最後の診察室へ。

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やはり最後まで患者に甘える事を許さないチーム・ドラゴンの急登診断。

これにはさすがのマゾナース・低血圧Mちゃんもぐったりとうつむいてしまっている。

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さすがにこの段階で「ニヤリ」とはしていないのか?

しかしこの誰もが苦痛の表情になってしまうこの場面で、

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よくよく画像を拡大させてみると...

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笑っている!

おマゾが過ぎるぜ!


そしてそんな逞しく成長した妹を、同じくニヤニヤした変態兄さんが出迎える。

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ついに医龍病院、重度マゾ科診察室に到達した浮かれたおマゾ兄妹。

見事に山頂にて、チームドラゴンから「マゾ治療不可」という診断を受けてこの笑顔だ。

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そんなマゾ中毒患者のお二人に処方されたのは、この素晴らしき山頂からの眺め。

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そして見事なこのエビのシッポ。

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担当医としても「たまには絶景と快晴の登山で日頃の無理なマゾを休めなさい」と言ってくれているのだ。

そして半ば諦めたように、「とにかく2人とも安静にしてなさい」と言われた気がする。


こうして無事に診察を終えたおマゾ兄妹は下山を開始。

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なぜかやっとこの段階でアイゼンを装着し、ポールをピッケルに持ち替えての下山。

何かがワンテンポずれてる気がするが、それがこの2人の流儀だ。


そして風がない場所まで下山して優雅な昼食。

そしてまたしてもワンテンポずれた男が、この段階でやっとスノーシューを装着して走り出す。

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もちろん、妹の方もなぜかワカンを装着して新雪に向かって突入して行く。

浮かれの歯車が止まらなくなってしまった2人のお戯れタイム。

あれほど先生に「安静にしていなさい」と言われた直後の出来事だった。

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しかしいくら「たまには浮かれなさい」と診断されたからと言って、これは少々浮かれ過ぎたか。

ついにこのおマゾ兄妹の大親友、モクモクさんが重々しくご登場だ。

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いよいよ形がだんだん人型に近くなって来たモクモクさん。

あれほど雲一つない快晴だったのに、我々の浮かれた様子を見かねてどこからともなく駆けつけて来たのだ。


慌てて行きとは違う金山尾根にて下山して行く2人。

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しかし振り向けば、すでに妹がお馴染みのグレーバックに包まれている。

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あれほど青かった空は、モクモクさんの発生からものの数分で消えてしまった。

そしてそれを合図にするかのように、途端に道が「ゲリ化」を開始。

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やたらと日当りが良い金山尾根を下山にチョイスしてしまったという詰めの悪さ。

もちろんこの2人とも、今シーズンに新しい登山靴を買ったばかり。

そんなまだ数回しか履いていないピカピカ登山靴で、このゲリ道に突入して行く羽目になった自業自マゾな2人。

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そして当然のようにヌッルヌルで滑りまくるこの道。

靴だけならまだしも、もしここで足を取られて転倒した日には大惨事間違いなし。

我々がダチョウ倶楽部なら「おいしい」と思える状況だが、ここはリアルに「押すなよ、押すなよ」と言いながらの緊張感ある戦いに。


ここで僕は彼女の芸人としての力量を図ろうと、試しに「下から連続シャッターで狙いますんで。期待してますよ」と煽ってみた。

すると彼女は「さすがに滑りませんよ〜」と言いながら下降を始め、

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なんと「ここぞ」というタイミングで思いっきりスライドをかまして来たのだ。

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さすがにこらえて転倒は免れたが、まさか本当に滑るとは...。

しかも終始笑顔を絶やさずにやってのけた辺り、さすがは我らのマゾンナだと言わざるを得ない。


なんて事を言った直後。

今度は兄の方が、なんとカメラが回ってない段階で見事にこのゲリ道にスライディングをかました。

そしてその直後に、べっとりと服にゲリが付いてうなだれる男の姿がやっと撮影された。

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こうしてお互いにズッコケを繰り返す、二人きりのなんばグランド花月劇場。

ボケるばかりでツッコミ無しの混沌とした世界。


下山だろうと陽気にマゾり続けるおマゾ兄妹。

そしてもちろん、まだお昼過ぎだというのにもはや辺りは夕方のようなダークな世界へ。

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こうなって来るともうここは我々の土俵だ。

いつもの二人がいつもの世界に戻って来たぞ。

もう青空なんて思い出す事も出来ない。

彼女も今までにない程の爽やかな笑顔で、この薄暗くてぐちゃぐちゃな道を嬉々として駆け下りている。

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当然、兄さんの方の仕上がりもバッチリ。

もうこれが泥なのか、滑った勢いで脱糞してしまったのかよく分からない状態に。

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そしてこの絶妙なタイミングで、この男に猛烈な便意が急襲して来た。

このゲリ道によって、元々がゲリ状態でこの竜ヶ岳にやって来た事を体が思い出したかの様に。


いくら兄妹だからといって、さすがにレディーの前で漏らすわけにはいかない。

過去3人の女性から「デリカシー無し男」と言われた過去があるだけに、4人目に言われたともなればもはや救いがない。

なんとかノーデリカシー界の殿堂入りだけは免れたい所。

そもそもここで漏らしたら、大人としてデリカシーがあるとか無いとか以前の問題だ。


脂汗を額に滲ませながら、若干内股になりつつ「大丈夫だから」と気丈に振る舞う兄。

しかし最後の難関、吊り橋登場。

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もはやここを渡る時の「ゆっさゆっさの上下運動」に耐えきれる自信がない。

気を抜けば、一歩一歩の反動でぽとりぽとりと等間隔でマーキングしてしまいそうな厳しい局面だ。


それでもケツに渾身のパワー注入して、その惨劇の流出を阻止。

そして妹の励ましと献身的な介護のおかげで、なんとか無事に駐車場にたどり着いた。

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素晴らしい笑顔だが、目は笑っていない。

兄はこの記念写真を撮り終えるなり「私には次の戦いが待っている」とカッコ良く呟いたかと思うと、激しい内股のままトイレに消えて行った。

妹は、ただただそんな兄の美しい後ろマゾ姿を眺めていたと言う。



こうしておマゾ兄妹の通院の戦いは終わった。

こうでもしないと風邪が治らないんだからしょうがない。

後半のマゾはさておき、全体的に実に素晴らしい雪山登山となったね。


ただ実はこの日、僕は嫁を美容院へ送る為に夕方の4時半までには帰らなきゃいけなかった。

しかし浮かれが過ぎたのか(多分スノーシュータイム)、見事に時間オーバー。

帰りの車の中で「間に合いそうにない」という電話を嫁に入れた所、電話口の漆黒の無言の先から「チッ」という舌打ち音。

もはや言葉ではなく「擬音」だけで僕の精神は圧殺されてしまった。



こうして嫁の機嫌を損ねた挙げ句に、美容院への送りをお義父さんにお願いしなきゃならんという二重苦へ。

せっかく大快晴登山で精神力を回復させたというのに、あっという間に瀕死の状態へと陥落だ。


「終わりマゾなら全てマゾ」


こうして記憶の深い沼の中に、青空の記憶がズブズブと埋もれて行った。


果たして次に浮かれられるのはいつなのか?

次回の登山なのか、それとも4年くらい先の話なのか?

それとも今回が最後だったのか?


それは誰にも分からない。



鈴鹿セブン二発目〜竜ヶ岳〜後編

Posted by yukon780 on 01.2011 竜ヶ岳/三重 0 comments 0 trackback
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極上の昼メシを食ったのは良いが、強烈な尿意が僕を襲った。

いち早く放尿したいんだが、なんせこの頂上遮るものが全くない。

今日に限って山ガールな皆さんがたむろしている。

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こんなに見晴らしの良い所で披露出来る程、立派なものは持ち合わせていない。

なので我々は下山を開始した。

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どこまでも遮る事のない、笹原が続く。

どんなに進んでも、山ガール達の視界から逃れることが出来ない。

僕の膀胱が体内でシャウトを繰り返す。


やがて鈴鹿の山お馴染みの「ちん毛」ゾーンへ突入した。

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僕は急いで毛ジラミのように毛内へ侵入し、無事に黄金水を大地に奉納した。

この後ビビるSと「なぜ登山中の男の一物はこれほどまでに縮むのか」というテーマで熱く議論を交わしつつ進んだ。

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ちん毛エリアを抜けると、ダンディズムなおっさんが犬とともにたそがれているではないか。

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どこまで散歩してるんだ。

マイク真木風なおっさんはニヒルな表情を浮かべて、さらに上に登って行った。

あんな渋い男になりたいもんだ。


そしてそこには「重ね岩」という岩が重なっている。

もう少しひねったネーミングは浮かばなかったのか。

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僕なら「繊維不足のうんこ岩」と名付けるがいかがか?

記事冒頭の写真はこのうんこ岩に登って撮ったものだ。

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とても変化に富んだ下山は続く。

鈴鹿の山独特の白い砂の上を歩いて行くと、

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登山道は一気にウォータースライダーのような道へと変貌する。

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結構角度が急な上に、足場は滑りやすいもんだから足に来る。

腸の中を下って行くうんこ気分だ。

もう、いっそ滑って行きたい。

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斜度は鋭さを増し、我々はレンジャー部隊のように敵陣に降下して行く。

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この辺りから、この山はアスレチック的な要素がふんだんに盛り込まれ始める。

そう簡単にはミート君の足は取り戻せそうにない。

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ハゲ山〜ちん毛〜うんこ岩〜大腸レンジャーの汚物ゾーンを経て、いよいよアトランティスの主戦場「渓流エリア」に突入だ。

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卑劣超人アトランティスは、基本水の中に相手を引きずり込んで戦うスタイルだが、実際ここの水は引き込まれるほどに奇麗だった。

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果てしない透明度。

本来川野郎の僕はコーフンが止まらない。

下手なグラビアアイドルなんて目じゃないほどだ。

僕はもじもじして息も荒くなる。

夏のクソ暑い時期なら、迷わず飛び込んでいただろう。

恐るべし、アトランティスの誘惑。

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こいつは本当に我々を水中に突き落としたいようだ。

次々と罠が仕掛けられていて、我々は忍者のように何度もロープをつたっては川を飛び越えて行く。

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この奥は滝になっているので、落ちて流れた日にはアトランティスドライバーで滝壺へ真っ逆さまだ。


さらには、高所恐怖症の僕に向けてのハシゴ攻撃。

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もう後半戦はアスレチックランドだ。

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しばらく行くと素晴らしい光景が目に入って来た。長尾滝だ。

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つい最近実写板の映画「釣りキチ三平」の夜泣き谷の映像を見て、「こんな場所いいなあ、どっかにないかなあ」って思っていた矢先にまさに「こんな場所」が目の前に現れた。

すさまじく水がキレイで、感動的な光景だ。

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しばし、その清冽さに見とれる。なんてグラマラスなんだ。


滝のマイナスイオンと僕のマイナス運気が激しくぶつかり合う。

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実に名勝負。

マイナスとマイナスで何かがプラスになっていないものか。

帰宅したら嫁が優しくなってるなんて奇跡が起こらないものだろうか。

そう僕は滝の龍神に願いを込めた。(※帰宅後特に奇跡は起きていなかった)

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そこからはもうひたすらロープ天国。

そちら系のマゾの方にはたまらないエリアだろう。

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いくつか魅力的な滝も現れる。

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かつてこれほどまでに飽きの来ない下山はなかったな。

バリエーションが豊富すぎて、結構楽しいぞ。

そして「楽しい」と思って油断してしまうと僕はいつもやらかしてしまう。

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この場所で、「滑落寸止め体験」を満喫した。

バランスを崩した僕は崖下に落ちそうになり、慌ててロープで全体重を支えた。

本来補助的役割のロープに両手でしがみつく。

ロープがなかったら間違いなく滑落して、アトランティスのセントヘレンズ大噴火を食らって大量出血で死んでいた。

やはりマゾとロープは切っても切れない関係で縛られている。

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最後の難関を乗り越えて、無事我々は下山を果たした。

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卑劣超人アトランティスを撃破し、ミート君の足を取り戻した。


鈴鹿セブン二発目「竜ヶ岳」。

全体を通してみれば、かなり面白い山だった。

ここの所、適度に休養も取っていたからウエハースの膝もベニヤ板程度まで回復している。

さあ、まだ5つも山が残っている。

今シーズン中にはなんとかミート君を復活させたいものだ。


鈴鹿セブン二発目「竜ヶ岳」〜完〜


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ーーおまけーー

竜ヶ岳近くのキャンプ場に、大学時代の旧友が働いている。

なので突然行って驚かそうという事になった。

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「青川峡キャンピングパーク」は、始めて行ったがめちゃめちゃキレイキレイなキャンプ場だ。

こういう場所なら嫁もなんとかいけるんじゃないか。

ファミリーには最高のキャンプ場だろう。

マゾ的な要素は一つとしてないので、僕一人なら絶対来ないけど。


センターハウスに行って受付で友人の場所を尋ねようと思ったら、ミニーマウスのコスプレをした女の人が受付に座っている。

なんだ?ちょっと痛い子なのか?


S君の居場所を聞いたので向かってみた。

そしてS君を驚かせに来たのに、我々が驚かされることに。

そこには変わり果てたS君の姿が。

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顔色が真っ白で、激しく目の下にクマが。

どんだけこき使われているんだ。

服もそんな布切れしか買えないのか。

そのえびす顔の笑顔が逆に痛々しいじゃないか。


しかし、どうやら今日はハロウィンのお祭りイベントだったらしい。

どうりで受付にミニーちゃんがいたわけだ。

しばし久しぶりにS君と談笑。彼も随分頑張っているなあ。

嫁にプレゼンが通れば、是非いつか家族で来たいものだ。


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帰ろうとしたら、道をミニーちゃんが闊歩している。

ガッチャマンのコンドルのジョーみたいな奴と一緒だ。

とてもシュールなものを見た気がする。





鈴鹿セブン二発目〜竜ヶ岳〜前編

Posted by yukon780 on 31.2011 竜ヶ岳/三重 0 comments 0 trackback
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我が中日ドラゴンズのCSと日本シリーズが近づいている。

そこで必勝祈願を込めて「竜」の山へ我が身を捧げる事にした。


入道ヶ岳に続く、鈴鹿セブン二発目は「竜ヶ岳」(1099m)。

お約束通りキン肉マン7人の悪魔超人で例えるなら、一番竜っぽい「アトランティス」が妥当だろう。

半魚人みたいな奴で、卑劣なファイトスタイルでお馴染みの超人だ。

一筋縄で行かない登山を想像させる。


今回も前回同様ビビるSとのタッグで攻める。

前回で懲りたので、さすがに今回はりんたろくんは置いて来た。

登山前日の夜、嫁と「子供の寝かしつけに於ける見解の相違」問題で激しく喧嘩していたので、あまり万全の精神状態でない事が悔やまれる。

しかしそんな事は言ってられない。

ミート君の足を取り戻し、ロビンマスクの仇を討ちに行かねばならぬ。

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宇賀渓の有料駐車場(500円)に車を停めて、いざ出発だ。

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ここで登山届けを提出する際、常駐のおっさんからの衝撃情報。

「この前の大雨で、裏道登山道がダメになっちゃってねえ。ちょっと登りキツいけど別の新道作ったからそこを登ってね。」

早くもアトランティスの先制攻撃。

裏道登山道を登る気満々で、みっちり事前調査を済ませて来た僕への挑戦だ。

イメージトレーニングばっちりの登山道から、未知の登山道へと気持ちを切り替えねばならない。

やはり一筋縄で行かない。さすが卑劣超人アトランティス。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新道登山道に向かう途中、ビビるSが足下に何やら発見した。

なんと僕が入道ヶ岳で紛失した、トレッキングポールの先っちょのシャンプーハットみたいなやつが落ちてるではないか。

しかもぴったりと僕のポールにくっついた。

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神の恵みか。

今までツイてなかった僕へのご褒美か(これでチャラだと随分割が合わんけど)。

僕のように失くしてしまうものがいれば、やはり同じように落とす奴がいるものだ。

こうしてウッカリ野郎達は助け合って生きて行くのだ。

僕が今までの旅で多々失くして来たものは、遠い空の下で別のウッカリ野郎の命を救って来たのかもしれない。

しかしこの状況、別の見方をすれば、アトランティスがミート君の足をおとりに使ってロビンマスクを倒した時に似てなくもない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新道登山道は、実にキツい直登コースだった。

まさに妥協を許さない、尾根までの最短コース。

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前回の入道ヶ岳の筋肉痛から回復していないビビるSは、もはやグッタリとしている。

もう大分登っただろうとGPSアプリを見ても、まだ1/3も登っていなかったりする。

実にハード。出来れば普通に裏道登山道で登りたかった。


しばらく登ると、ゴツゴツとした竜の鱗のような岩場を登る。

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やっと竜の背中を捉えたか。少し景色が開けて来たぞ。

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山頂が見えて来た。というかまだまだ先だなあ。

そして、引き続きエスカレートする急登タイムを満喫する。

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ついにロープまで出てくる始末だ。


1時間半ほどの急登パラダイスが終わると、やがて尾根へ到達。

やっとここからは緩やかな尾根を進んで行く。

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その名も「遠足尾根」という実にお気楽感たっぷりのネーミングだ。

以前「花房山」で、ネーミングとの激しいギャップを経験済みの僕は気を引き締める。

気の抜けたような名前ほど、その内に毒を持っているものだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

尾根はいよいよ遮るもののない笹原へと変貌して行った。

展望が開け、まさに「遠足尾根」にふさわしい長大で快適な尾根道だった。

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僕の心配は杞憂になったようだ。

実に気持ちいいじゃないか。

今までのパターンだと「身の丈ほどもある笹が僕を覆い始め…」といった場面だが、やはり「陽」の男ビビるSと一緒なので快適だ。

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眼下には員弁の街並が一望のもとだ。

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振り返れば、今歩いて来た遠足尾根の道が見える。

竜の背中は、なんだか全体にモコモコしていて意外と気持ちがいい。

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前回の入道ヶ岳もそうだったけど、鈴鹿の山はゴツゴツともさもさが共生する不思議な世界だ。

さあ、頂上を視界に捉えたぞ。

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基本丸見えなので、頂上にいる登山者も見て取れる。

小学生が絵に描きそうな、不自然なほどの「正しい山」の姿だ。


そんな景色に見とれながら歩いていたら、妙に道が斜めってきて大変危険な雰囲気になった。

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先行していたビビるSが珍しくやらかしたのだ。

快適登山道をあえてはずれて行ったのか、我々は困難なルートにて進んでいたようだ。

彼も中々粋な演出をしてくれる。


その後通常ルートに合流して、頂上まであと少し。

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ビクトリーロードがはっきりと刻まれている。

なんかこの道に亀裂が入って、山が分割して中からサンダーバードが出撃して行きそうではないか。


思いのほか最後も急登だったが、ようやく竜の頭に到達だ。

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鈴鹿セブン二発目「竜ヶ岳」制覇だ。

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これでドラゴンズの日本一は確定だろう。

ハゲ山つながりなので和田が活躍して落合が宙に舞うことだろう。


今回も最上のテラスにて最高の昼メシを食らうのだ。

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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回はタイムアップでこれ以上の記事は書けない。

次回下山の模様をお送りするが、どうやら彼らは頂上でミート君の足はまだ手に入れていないようだ。

卑劣超人アトランティスの主戦場は水中だということを忘れては行けない。

彼らは、これから渓流沿いの道を下山する。

アトランティスの芸術技「セントヘレンズ大噴火」は炸裂するのか?


(このシリーズ、キン肉マンを読んでない人にとっては何が何やらだろう。しかしあくまで押し通す。小学校の時、ゆでたまご先生に「機械マン」というオリジナル超人を書いてハガキで送った事があるほど好きなのだ。)


ー鈴鹿セブン二発目〜竜ヶ岳〜後編へつづくー

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