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サヨナラ相棒〜フジワラアゲイン〜

Posted by yukon780 on 07.2012 藤原岳/三重 0 comments 0 trackback
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リベンジの時がやって来た。


僕は再び、鈴鹿セブンの一角「藤原岳」制覇に向けて動き出した。

前回僕と大阪の登山者の二人に、リアルな遭難の恐怖を植え付けてくれた藤原岳。(参考記事はコチラ

あの時の恩返しをしなければならない。

あえて雪山シーズンの登頂チャレンジで、完全決着をつけるのだ。



とは言っても今回は「天狗岩」が最終目的地で、そこから来た道を下山する。

前回はこの天狗岩から先に行った所で遭難しているから、今回は勝手知ったる気楽なコースだ。


そしてなんと言っても、今日の僕には強力な味方が付いている。

それは二日酔い・風邪気味・前日登山疲労の「不完全体調三兄弟」だ。

愛すべき三兄弟達を身にまとい、過去最悪な体調で挑んだ今シーズン最高の本格雪山登山。


そんな彼の「フジワラ・リベンジマッチ」のゴングが鳴った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝、4時半起床。

頭が痛い、体が重い、喉が痛い。

起き抜けからあらゆる諸症状が襲いかかる。


どれか一つでも強烈であれば、もちろん登山なんてしない。

しんどいけど「まあまあどうにかなる」といった中途半端なつらさ。

改めて天気予報を見たら、本日は見事に「晴れ」の予報。

行かねばならない。


僕はもちろん、重い体を押して藤原岳に向かって行った。



大貝戸登山道脇の駐車場に駐車して、いざ出発。

一度秋に登っているから安心感はある。


しかし、登り出しの中途半端な雪道は、雪が溶けてドロドロだ。

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すごい下痢野郎が歩いた後みたいな強烈な登山道だ。

もちろん僕が履いているパンツは買ったばかりの「ヘスティアパンツ」。

松の廊下事件(参考記事)によって、アメリカから再輸入してやっと届いた渾身の一品だ。

そんな新品パンツがみるみるクソにまみれて行く様を、僕はただ見守る事しか出来なかった。


そしてSサイズに変えてもらったこのパンツ。

サイズはやはりちょうどいいサイズだったけど一つ問題があった。

若干股部分が突っ張って、僕の息子がコリコリと左右に振られて大変違和感を覚えるのだ。

しばらくすると落ち着くんだけど、それまでは何度もパンツの上からゴリゴリとポジションチェンジを繰り返すことになる。

万が一この姿を見られたら、変態度はかなり高めだ。


そんな感じで登り続け、あっという間に七合目。

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相変わらず、ここまでは特筆すべき箇所は無い登山道だ。

しかし特筆すべきはこの「しんどさ」だ。


不完全体調三兄弟が実に重くのしかかって来る。

なんてことはない登山道なのに、なにやら体がへろへろだ。

非常につらいんだけど、「しめしめ」と思っている自分の性癖が恐ろしい。


グハグハ言いながら、やっと八合目へ。

IMGP4962_20120207131703.jpg

ここからは「冬道」ルートになる。

無雪期の登山道とは別の尾根道を行く事になる。


実はこの藤原岳は一般的には雪山登山の初歩山という扱いになっているが、ドカ雪が降った直後は八合目・九合目の「雪崩」の危険度がグンと上がる山だとネットに書いてあった。

この東海地方は3日前に見事にドカ雪が降っている。

ドカ雪が降った直後の「直後」とは具体的にどのくらいの期間なんだろう?

3日前でも立派に「直後」な気がしたが、僕は不安を胸に「冬道」ルートに向かった。



ここからは新雪の量がグンと増えたので、アイゼンからスノーシューに履き替えた。

IMGP4965.jpg

しかし冬道ルートは雪崩の危険を回避する「尾根直登」コースなので傾斜がハンパない。

みるみる斜度が激しくなり、とてもスノーシューで対応出来なくなってきた。

ズルズル滑って、全く身動き出来なくなった。

仕方なく45度の斜面上でなんとかスノーシューを脱いで、再びアイゼンに変えて、トレッキングポールも滑落防止の為にピッケルに持ち替えた。

そして再び全身から湯気を出しながら、直登の雪道を這って登って行く。

IMGP4972_20120207131737.jpg

何がしんどいかと言えば、この「セルフタイマー撮り」が実は一番大変だ。

急斜面に三脚をぶっ刺してカメラをセットし、10秒の間に立ち位置へガシガシ移動して行く。

撮り終えたら、またカメラに戻って回収。

はっきり言ってこれをしなければ倍は楽に登れるが、あえてそんなプレイも楽しめる心が大切だと信じている。

ニッチな世界の戯れ言。


急登はひたすら続き、雪に埋もれながらもなんとか九合目へ。

IMGP4986.jpg

急斜面過ぎてスノーシューが使えないから、新雪での歩行はとてもヘビーだ。

冬道の容赦ない急登はさらに続く。

IMGP4989_20120207131803.jpg

上の写真では分かりづらいが、真横を見ればこんな感じ。

IMGP4992.jpg

アイゼンを付けていてもズルッと滑るから全く気を抜けないし、体力も一気に持って行かれる。

もうすっかり二日酔いは抜けたようだが、疲労の蓄積は凄まじい。

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登った道を振り返れば、ボブスレーのコースみたいになってる。

登りはしんどいけど、下りはシリセードで快適に滑って行けそうだ。

楽しみは後にとっておこう。


急登コースもやっと終わって道が開けた。

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景色もいいし、なにやら天気も晴れて来ていい感じになって来たぞ。

いよいよここからパラダイスが始まるのだ。


道も平坦になって来たから、ちょっと凝った己撮りでもしておこう。

カメラのインターバルタイマーをセットし、5秒に1枚撮る設定をして新雪へダッシュ。

「雪と戯れる楽しげな男」という写真を撮るんだ。


しかし、撮れたのは「雪に足を取られてもがき苦しむ男」という連続写真だった。

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まあこういうこともあるさ。

ある意味楽しげな感じに撮れているから良しとしておこう。


そうこうしていたら、どどんと藤原岳の頂上が見えて来た。

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そしてさらにしばらく行くと避難小屋が現れる。

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さあ、ここからがやっと本番。

ここからの為だけに、不完全体調でも頑張って登って来たんだ。



そう、なぜこの雪山シーズンにあえて藤原岳を選んだのか。

その理由はここからの広大な山上台地にある。

そこはまさに新雪スノーシューパラダイス。

山頂から天狗岩に掛けて、素晴らしい雪原が広がる天界の楽園なのだ。

天もそんな僕を祝福するかのように晴れて来た。

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早速いつも不完全燃焼で終わる「空がより青く写る」というフィルターをカメラにセット。

スノーシューに履き替えて、いざ藤原岳山頂へ。

レッツ、エンジョイ雪山登山だ。


歩き出して2分程だろうか。

僕の頭上は、あっという間に分厚い雲に覆われ始めた。

IMGP5038.jpg

「空がより青く写る」というフィルターのせいで、写真も真っ暗に写るのみだ。

僕は何も言わず、無表情でカメラからフィルターを外した。

いつものことだ。

泣くんじゃない。



そして雲に包まれた「天界の楽園らしき」雪原をスノーシューで歩いて行く。

IMGP5063.jpg

天気予報はピーカン予報だったのに。

慣れている事とは言え、相変わらずダメージはでかい。

不完全体調を押してまで来ているだけに実に残念だ。

IMGP5065.jpg

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フカフカの新雪の上を歩き、頂上に到達。

達成感も無いままに、登頂記念撮影をするべくセルフタイマーをセットした。

そしてシャッターが切られるのを待っていると、ふいに「パファーー」と日が射して来たではないか。

天に愛されない男は、驚いて恍惚の表情で天を見上げた。

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日光に恵まれない男が見せた、神との邂逅の瞬間が写真に収まった。

ちょっと晴れただけで、これほど喜びに浸れるのも悪天候男の特権だ。


どうせすぐ曇るから、晴れているうちに写真を撮らなければと大急ぎで己写真を撮る。

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優雅に景色を堪能しているように見えるが、大急ぎでやっているから実は激しく息切れしている。

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予想通り、この写真の後すぐに雲に覆われた。

ものの3分程度の晴れ間だったが、僕にとっては十分なご褒美だった。


一旦避難小屋まで下山する。

たまに晴れ間が数秒訪れるので、すかさずシャッターを切る。

IMGP5092.jpg

IMGP5096.jpg

これで写真という思い出の中では、常に晴れていたように見えるだろう。


避難小屋の中でおにぎりを食べ(御在所で悲惨なラーメンを食ってから、雪山での自炊はやめた)、ろくに休憩もせずさっと動き出す。

雪山ではとにかくじっとしない事にした。

体を冷やさない一番の方法は「動き続ける事」だ。


さあ、メインイベントだ。

ここから天狗岩までの広大な雪原大地をスノーシューハイクです。

再び大地は晴れ間に覆われて、極上の時間が訪れた。

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報われたなあ。

もうここの場所だけ晴れてくれただけで幸せですよ。

一面に広がる新雪と、描かれて行く足跡。

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風紋とでも言うのかね。

雪の雰囲気も独特な感じで、まさに別世界だ。


やがて雪の絶壁が出て来たので僕は這い上がって行く。

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もちろんウソです。

写真を縦にしただけです。


やがて僕は激しくオナラをこいて、下界に向けて飛び立った。

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もちろんウソです。

ジャンプしてる写真を撮ろうとしたら、タイミングがずれて着地した瞬間が撮れたものです。


楽しいから、無駄な悪ふざけで遊んでいたらまた曇ってしまった。


ひとつ分かった事がある。

天気予報で一日ピーカン予報が出た日は、トータルで20分くらいだけ晴れるって事が分かった。

一回大荒れの予報の時に来てみようか。

きっと大荒れなんだろうな。


グチりながら進んで行くと林道へ突入。

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ここで不思議で懐かしい体験をした。

風が完全に止んで、見事な「無音の世界」が訪れたのだ。

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ユーコン川で体験したサウンドオブサイレンスの思わぬ再来。

僕は動くのを止め、しばらくその場でじっとしていた。

僕の呼吸の音とキーンという耳鳴りだけが聞こえる。

雪山ならではの素晴らしき体験。


感動してじっとしすぎて、体が冷えてしまった。

いけない、動き続けなきゃ。

ボフボフ進んで行くと、天狗岩が見えて来た。

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見えて来たと言っても雪に覆われて岩は見えないんだけど、雪のゆるやかな曲線が美しい。

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でも美しいこの部分は「雪庇」部分。

この上に乗ろうものなら、雪が崩れて雪庇ごとガッポリとえぐれて真っ逆さまだ。

曲線美に見とれて知らない女の人に乗ろうものなら、突然登場したヤクザにガッポリとカツアゲされてしまうような危険なものだ。

美しいからと言ってうかつに近づいちゃダメだ。


ここから天狗岩までは、前回来た時はおどろおどろしかったけど、中々美しい。

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そして僕が立っている位置が天狗岩の上あたりだ。

あまり行き過ぎると危険すぎるので、かなりのへっぴり腰になっている。

正直この位置でも、いつ雪庇が崩れるかヒヤヒヤもんなのだ。


そして決死の覚悟で、さらに奥の断崖絶壁へ移動。

一度来ているから足場が分かるが、初めてだったら怖くて行けない場所。

でもここからの眺めはずば抜けて壮大だ。

IMGP5202.jpg

ここからの眺望の素晴らしさは言葉では表現出来ません。

試しにパノラマ写真作ってみました。

pano.jpg

ブログの特性上幅が決まっているから、逆に小さくなってスケール感がよく分からなくなっている。

まあ、とにかくすごいよってこと。




すっかりスノーシューハイクを満喫して、僕は避難小屋に戻った。

ここからは下山だ。

同じ道を帰るから、いつもなら書くことも特にないんだけど今回は違う。

実はここからが一番楽しみにしていた密かなイベントがある。

「シリセード」だ。


前回の御在所岳では痔による「血のシュプール」の危険を顧みず、初トライしたケツソリこと「シリセード」。

御在所岳ではあまりシリセード区間が無くて堪能しきれなかったが、今回は違う。

滑って下さいと言わんばかりのスノースライダーが随所にあるのだ。

IMGP5221.jpg

他の登山者も、シリセードの為にヒップソリ(アルペンとかで500円くらいで売ってるやつ)持参で登って来ている人もいた。

僕も今回は準備は怠っていない。

ソリ用のポリ袋を用意して来ているのだ。

IMGP5219.jpg

しかも登山専門店「好日山荘」のポリ袋をチョイスした。

登山専門店ならではの滑りの良さを提供してくれるはずだ。


早速僕はケツにポリ袋を敷き、トレッキングポールをピッケルに持ち替えてシリセードで滑って行った。

シャーー。


こりゃ楽しい。

しかも速い。


おい、止まらないぞ。



思いがけずスピードが出て、ヤバめな雰囲気だ。

片手でポリ袋持っているから、うまくピッケル使ってスピードを殺せない。

仕方なくスクリューを加えて両手でピッケルを使って停止した。

好日山荘のポリ袋もあえなくビリビリだ。


なるほど、こりゃ両手フリーでちゃんとピッケル持って滑らないと危ないな。

そこからはポリ袋なしで、しっかりピッケル持って滑降。

新品のパンツが傷まないか心配だったが、さすがは丈夫に出来ている。

そして何よりメチャクチャ楽しい。


僕は調子に乗って、ポイントポイントでシリセードで下って行った。

ああ、楽しい。

僕はこれの為に雪山をやっているのかもしれない。


そんな感じでホクホク気分で下って行った。

三合目ともなれば、もうすっかり雪も無くなって来たからそろそろピッケルからトレッキングポールに替えよう。

僕はザックを降ろして、ザックに括り付けてあるトレッキングポールを取ろうとした。


おや?


二本あるはずのトレッキングポールが一本しか無いぞ。


しばし固まる男。


どうやらアホみたいにシリセードしまくっている最中に、引っかかってどこかに落として来たようだ。


男の頭の中で自問自答がフル回転する。


取りに戻ろうにも現在地は三合目。

シリセードしまくっていたのは九合目から七合目辺りだ。

ここからまたそこまで登り返すのは、現在の体力ではあまりにもハードすぎる。

シリセードで滑って来た道は登山道とは別の、直滑降の直線コース。

そこを登り返すということは、猛烈な直登ヒットパレードを意味する。

はっきり言って無理だ。

さらに頑張って登り返したとしても18時頃の下山になってしまう。

嫁に15時下山予定と伝えてあるだけに、大幅にずれると叱られるばかりではなく捜索願いまで出されてしまう。

しかしこのトレッキングポールは思い出の品だ。

決して高価なものではないんだが、屋久島用に買って以来、苦楽を共にして来た戦友。

いずれは買おうとは思っていたけど、優先順位としてはまだまだ先な上にもうお金に余裕は無い。

やっぱり取り戻したい。

どうする。どうする、俺?



散々悩んだ挙げ句、行ける所まで行ってみることにした。

すれ違う登山者全員に「トレッキングポール落ちてませんでしたか?」と聞きながら。


六合目付近まで登って来て、いよいよ足が止まった。

元々疲労が溜まっていた上に、今また本日二度目の登山。

ついに限界が来てしまったようだ。

僕はしばらくその場に立ち尽くす。

次に来た登山者に聞いてみて、ダメだったら下山しよう。


案の定、次の登山者も見ていないと言う。


こうして本日のKPP(心ポッキリポイント)は、藤原岳六合目付近で撮影された。

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果てしなくショック。


シリセードを楽しんでしまった報いなのか。

僕みたいな人間が「楽しむ」なんて考えたことがおこがましかったのか。

分不相応な儚い願いだったのか。


男は「ネガティブ」と言う名のスノースライダーを転がり落ちて行った。


そして失意の中、下痢度が増した登山道を下山していく。

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うんこにまみれて惨めに下山。


下山した僕には全く達成感は無く、大きな喪失感だけが残された。


うつむきながら駐車場脇の水道へ向かった。

ここで登山靴についたうんこを洗い流すのだ。

しかし靴に水を掛けすぎてしまい、靴の中に浸水。

濡れた靴下は、僕の末端神経を急速に冷やして行く。


いつも持って来ているのに、今日に限って替えの靴を忘れて来ていた。

惨めな追い打ちに対して、もはや抵抗する元気も無い。

僕は心と足先を冷やしながら惨めに帰路についた。


今回のプレイは少々ハードすぎた。

肉体的にも精神的にもサービス満点だった。


さよなら、僕のトレッキングポール。

出会いがあれば別れがある。

君の死は決して無駄にはしない。


こうして男はまた余計な無駄遣いをしながらも、次の山を見据えるのだ。



サヨナラ相棒〜フジワラアゲイン〜 完


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鈴鹿セブン四発目〜藤原岳〜後編

Posted by yukon780 on 17.2011 藤原岳/三重 0 comments 0 trackback
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ミスター・カーメンとの延長戦が始まった。

一度避難小屋まで引き返して、ここからは稜線をつたって木和田尾の下山道を目指す。


しばらくは、大変気分のよろしい広々とした山上台地を歩いて行く。

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登山道というか、どこかの広い高原でも歩いているようだ。


起伏の緩やかな山上台地なので、トレイルランナーの人が数人いた。

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そりゃ、ここなら気持ちいいわな。


天気も大変よろしい。

何やらあれほど地味だった藤原岳が、急にオツな表情を見せ始めて来たぞ。

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避難小屋からの30分ほどは、実にいい気分だった。


後で思えば、この30分のみが僕に与えられた快楽時間だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しだいに風が強くなって来たぞ。

しかもかなり寒いじゃないか。

気がつくと滋賀県側から、どんよりとした重い雲が僕を包み始めたではないか。

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そして瞬く間に僕の頭上は分厚い雲に覆われてしまった。

これから稜線で景色を堪能しながら、歩こうっていう時に。

景色の全く見えなかった登りの地味ゾーンではあんなにピーカンだったのに。

もちろん、本日の天気予報はバッチリの晴れだったから僕はここに来たのだ。


そう言えば、ブロッケンJr.対ミスター・カーメンの地味対決の途中で乱入して来た超人がいた。

謎の超人として登場したが、ラーメンマンだという事がバレバレの「モンゴルマン」だ。

彼は現れるなり、リングに煙幕を張ってミスター・カーメンを倒している。

この分厚い雲は、モンゴルマンの登場を示唆しているのか?

ブロッケンにとってはメシア(救世主)だったが、僕にとっては余計なお世話だ。



太陽が隠れて、体感温度が一気に下がる。

慌ててレインウェアを着込んで凌ぐが、手袋持って来てないから手がかじかんでつらい。

もう動いて体を温めるしかない。


そして先ほどまでの明るい雰囲気は完全に無くなり、鈴鹿お得意のちん毛ゾーンに突入して行った。

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雰囲気も何やら怪しげな感じで、寒々しさも倍増だ。

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岩には苔が張り付いているんだが、中途半端なので屋久島のようないい感じの雰囲気が出ない。


最初の目的地「天狗岩」が近づいて来た。

道は急峻な岩場となって行き、雰囲気がなんだか酷い事になって来たぞ。

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まるで地獄絵図だ。

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僕はいつの間にか、ピカソかダリの絵の中に入ってしまったのか。

あまりにも禍々しい光景が続いて行く。

そして、なんとか崖の先の「天狗岩」に到達した。

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「崖の上のマゾ」の誕生だ。


その崖の先っちょからは実に素晴らしい光景が広がっていた。

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実はここで絶景見ながら昼メシを食う予定だったんだが、アホみたいにオノレ撮りしてる最中に別の人にベストポジションを取られてしまった。

今後は、浮かれるのは場所取りしてからにしよう。


仕方なく、大分離れた所で風よけになるちょっと崖下の場所で飯を作る。

本日はカップヌードルのチーズカレー味だ。

3分の時間待ちしていたら、後から来た山ガール達が僕の背後に陣取った。


キャピキャピうるさくて、まるで落ち着けない。

挙げ句その後来た別の若い野郎の登山者が、その山ガールに写真を撮ってと頼み出す。

それをきっかけに僕の背後で、軽い山ナンパが繰り広げられる。

もう全く落ち着けないからさっさと食って立ち去ろう。

しかし、慌てすぎた僕は「ブホッ」と激しくむせた。


飛び散るカレー汁。


そして僕のザックと登山靴に見事に飛沫がヒット。

よりによってカレーというのが厳しい。匂いが残る。


くそう。

後ろの奴らはきっとこんな僕の姿をあざ笑っているに違いない。

いや、それは被害妄想だ。

僕は若い彼らに嫉妬しているのか。

地味なおっさんの単独行。

結局加齢臭にカレー臭を身にまとった惨めな僕は、さっさとその場を立ち去った。


先を急ごう。まだまだ先は長い。くじけるにはまだ早い。

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天狗岩まではそれなりに登山者がいたが、みんな引き返して行ったようだ。

ここから先、突然周りに誰もいなくなり、登山者は僕だけじゃないかというくらい静まり返った。

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どんよりとした天気のせいかずっと夕方のような景色が続いて、何やら「寒々しさ」「怖さ」「寂しさ」が入り交じる切ない戦いになって来た。


その後は、晴れていて風も穏やかな日であれば気分の良い道と思われる区間が続く。

足下はフカフカの落ち葉ロード。

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今ここに落とし穴が設置されていたら、間違いなくひっかかるなと独り言。

そんな僕の悲しい被害妄想野郎っぷりに再度あきれる。


かと思えば、今度はフカフカの草原ゾーンだ。

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その先は、木がみんな風のせいで激しく斜めっているゾーン。

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これだけ沢山の木が斜めっていると、平衡感覚が鈍って気持ち悪い。


黙々と歩き続けて、やがて「頭陀ヶ平」に到達。

眼前には巨大ロボットのような無骨な鉄塔がそびえ立つ。

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もしくはミスター・カーメンのピラミッドリングなのか。

送電線が僕にはリングロープに見えた。

「お前を逃がさない。マキマキー。」と言っているようだ。


そしてここからは、展望が開けて下界が見える。

そこには予想通りの光景が見て取れた。

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下界、めっちゃ晴れてる。

曇ってんの僕の頭上だけじゃない。


そして、ついにポツリポツリとアイツが降って来た。

もはや何が降って来たかの説明はいちいちしないでもいいだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後の道は、益々寂しさを醸し出し始める。

景色も暗いし、気分も暗い。何やら基本的に楽しくないぞ。

これだけ寂しい登山も久しぶりだ。

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あれ、おかしいぞ。景色が滲んで見える。

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きっとアレだな。汗が目に入ったんだ。

寂しくなんて....。


そうこうして歩みを進めていると、木和田尾道まであと少しの所で前方から一人の登山者が現れた。

彼は僕に話しかけて来た。

「あのう、下山する道はどこでしょうか?木和田尾道行ったんですけど道が怪しくなって来たんで戻って来たんですが...。」

どうらや僕が下る予定の木和田尾道から、道が分からなくて引き返して来たようだ。

しかし彼もほとほと運のない男だ。

よりによって登山初心者で遭難打率がイチロー級の僕に助けを求めてくるとは。

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今後、彼とは運命の行動を共にする事になった。

ちょうど寂しかった所だし、そんな怪しげな道であれば一緒に行動した方が良い。

彼はKさんといい、大阪から来た同い年の放浪野郎。

僕もKなので「遭難学園KKコンビ」のタッグを組んで、ミスター・カーメンに挑む。

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木和田尾道は地図にも「迷」マークが記載されているほど迷いやすいルートだ。

ピンクのテープだけが頼りで、注意していないとあっという間に方向を失う。


まだ最初のうちは、分かりにくいながらも紅葉の名残を見ながら我々は進んで行った。

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しかし、いつのまにかピンクのテープが途切れた。

Kさんがここまで来て怪しくなって戻ったという地点だ。


地図を見てもiPhoneのGPSを見ても、決してルートも方向も間違っていない。

とにかく尾根まで出ようという事になって、全く印のない道を激しく登って行った。


ありえないルートだったが、なんとか尾根まで到達したらピンクテープが復活した。

IMGP3302.jpg

そして危うく見落としそうになったが、647m地点のピークに出た。

IMGP3304.jpg

地図上でも確認したが、やはり間違ってはいない。

恐ろしく分かりづらい道が今後も続いて行く。


やがて鉄塔が出て来た。

ここが地図上で現在地を確認出来た最後の場所だった。

方向も合っている、それらしい尾根道があったのでその道を進んで行く。

IMGP3308.jpg

しかし、ここからがミスター・カーメンの本気ゾーンだった。

すぐにピンクの目印を見失い、我々はあっという間に方向感覚を失った。

現在地を確認しようとIphoneのアプリを立ち上げたが、よりによって僕の作って来た地図がこの場所でトリミングされていた。

強烈な凡ミスだ。


コンパスで方向を見定めて進むが、当然もう道ではない。

坂は急に落ち込んで行き、このまま進んで行けば転落の危険性も出て来た。

どでかい野生の鹿まで出て来る始末。

お互い口にしないが、明らかに我々は遭難していた。

鉄塔の位置まで戻ろうにも、ちゃんと戻れるかも分からない状態。


いつの間にか、我々はミスター・カーメンの布に徐々にマキマキされていたのだ。

そして弱った所でストローを突き刺してきて、水分を吸ってミイラにする気だ。

地味だが強いぞ、ミスター・カーメン。

鈴鹿セブン四発目にしてついに挫折なのか。

というか生きて帰れるのか?



このままコンパスだけ信じて下山方向に突き進めば下界に出られるかもしれないが、やはりここは基本に立ち返る事にした。

登山初心者にして「遭難のベテラン」でもある僕の予感がアラームを鳴らしていたからだ。

とにかく現在地が確実に把握出来た鉄塔まで戻ろう。

我々KKコンビは自分たちが遭難している事をお互いにしっかり確認し、とにかく上を目指し登って行った。


急坂をガッシガッシと登って行く。

Kさんはトレッキングポールを持っていなかったから、僕のを1本貸して助け合う。

彼は大分体力が尽きて来たのか、ぜぇぜぇ言ってどんどん遅れて行く。

お互いが離れてしまってはさらに被害は増大だ。

二人で励ましあいながら、道なき道を何度も転びながら必死で高度を上げて行く。

正直、もし一人きりだったら僕は絶望していただろう。



やがて見覚えのある木が出て来た。

「マキマキの木」だ。

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ツタが3本マキマキしていたから印象に残っていた木だ。

ここから鉄塔までは、なんとか記憶を辿りながら進んで行けた。

そして我々は鉄塔まで戻る事に成功した。


よかった。

まだなんとか生きてるぞ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

落ち着きを取り戻し、再び鉄塔周辺をくまなく調査する。

すると進行方向と逆方向にもう一つ道があった。

その道はU字にカーブして、正しい方向に進んでいた。


そしてついに我々を歓喜させる漢字一文字が現れた。

IMGP3310.jpg

「善」

なんて甘美な響きだろう。

これでもう間違いないはずだ。少なくとも「悪」い事は起きないはずだ。


本当に合ってるのかと思わせるような道だったが、ピンクのマークは続いて行く。

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やがて、ついに普通の登山道に辿り着いた。

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普通だ地味だとあれ程馬鹿にして来た登山道が、今の僕にはレッドカーペットのように華やかな道に見えた。

「普通」って事は「善」って事なのだ。

深い哲学がそこにはあった。


そして無事に下山完了。

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戦友のKさんとガッチリと勝利の握手を交わす。

この瞬間、やっとミート君の左足を取り戻した。

ミスター・カーメンよ、実に強かったぞ。

ゆでたまご先生が忘れても、僕はお前の事は忘れないぞ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰りしな、我々が彷徨っていた山中を仰ぎ見る。

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ちょうど二本目の鉄塔が、遭難の分岐となった鉄塔だ。

最悪、送電線を目印に降りるつもりだったが、絶対に無理だった。


やっぱり鉄則は、自分の位置を見失ったらとにかく戻る事。

なんなら人生を見失いがちだから、一度独身に戻ってみるか。

しかし嫁のマキマキからは逃れられそうにない。

すでに僕はミイラ化していて、ファラオには逆らえない。



さあ、鈴鹿セブン制覇まで残す所あと3つ。

徐々に超人難度が上がって来ているぞ。

というか僕は登山に向いてないんじゃないかと思うほど、毎度トラブッてる。

無事に帰ってこそ冒険だ。

今後はこれでもかと調査してから挑みます。

ご心配おかけいたしました。


ーー鈴鹿セブン四発目〜藤原岳〜完ーー


鈴鹿セブン四発目〜藤原岳〜前編

Posted by yukon780 on 15.2011 藤原岳/三重 0 comments 0 trackback
IMGP3184.jpg


鈴鹿セブン四発目は、7つの山の中で最も地味なネーミングの「藤原岳」(1,144m)。

なんか山の名前が地味だと、登ったあとの達成感も半減しそうだ。

例えば「藤原岳を登った」と「阿修羅岳を登った」では、人に与える印象は随分違ってくる。


しかしこの山、ひそかに御在所岳に次いで人気の山らしいが、その理由は花の山として有名だからだ。

しかし、花にまるで興味の無い僕にはやっぱり地味な山だ。


7人の悪魔超人で例えるならば、地味な正義超人ブロッケンJr.と地味な戦いを演じた「ミスター・カーメン」だろう。

後に作者が名前を忘れてしまったという逸話があるほどの地味超人。

「マキマキー」と叫びながら相手を布でくるくる巻きにし、ストローで水分を吸ってミイラ化させて倒すという地味な必殺技を持つ男。

なので今回は随分気楽な考えで、体力トレーニングがてら往復6時間のロングコース登山道を選んだ。

依然として乳首に微妙な痛みは残っているが、今回は楽にミート君の左足を手に入れることが出来るだろう。



しかし、後に僕は思い知らされる事になる。

ミスター・カーメンは過去の悪魔超人の中で最強の男だった事を。

この山の後半に僕を待っていたものは「リアル遭難」。

結局、トータル8時間半のヘビー登山となった藤原岳を振り返っていこう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

朝、珍しく目覚まし時計が鳴る前に目を覚まして時計を見た。

「4:44」

起きがけから、「死」のフィーバー。

なんて不吉なんだ。


もそもそと起きようと思ったら、嫁も起きてしまった。

普通「おはよう」と来る場面だが、嫁はおもむろに「腰、揉んで。」と来た。

まさかこんな早朝に腰を揉まされるなんて。

せっかく早く起きたのに。


何か今日の登山に対する暗示なのだろうか?

再び眠りに落ちた嫁を残し、不吉な思いを抱きながらの出発となった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回は聖宝寺道から木和田尾道の周回ロングコース。

スタートとゴールの中間にある簡易パーキングに車を停め、聖宝寺道目指していざ出発。

IMGP3102.jpg

駐車場から、テーブルマウンテンのような山上台地がある藤原岳が見える。

この稜線をぐるりと歩いて来るのだ。


駐車場から結構歩いて、ようやく聖宝寺道の入口へ到着。

何やら書いてあるぞ。

IMGP3105.jpg

「入山禁止」とは一体どういう事か。

その先にも柵がしてあって再び入山禁止と書いてあるではないか。


この登山口は聖宝寺という寺の境内にある。

坊主がトイレ掃除をしていたので聞いてみたら、「その道で問題ないですよ」というので再び登山口へ。

柵を越えて行ったが、さらに厳重な柵が出て来て不安でいっぱいになる。

再度トイレ坊主の所に行ったら、「住職に聞きましょう」といって裏口から寺の中へ連れて行かれた。

なぜか突然由緒ある寺の住職に面会することになり、挙げ句

「ダメだよ。あの登山道今閉鎖中だからダメだよ。」って言われてしまった。

トイレ坊主め、適当な事言いやがって。怒られたじゃないか。


仕方なく別の大貝戸道という登山口を目指す。

せっかくここまで登って来たのに(この寺、結構山の上にある)、再び下山。

IMGP3108.jpg

なんかすごく損した気分だぞ。

下山後、知らずに聖宝寺道を目指して来ていた二人の登山者がいたので「閉鎖中だよ」と教えてあげた。

しかし、そこから大貝戸道へは3人とも同じ道で、特に会話もない何となく気まずいひと時を過ごす。


そうこうして、やっと大貝戸道の登山口へ到着。

IMGP3110.jpg

駐車場を出て、もうすでに1時間が経っていた。

リングの上にすら立てないのかと思われたが、何とか登山スタートだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

猟銃の音らしき音が6発聞こえた。少々不安になる。


道は中々整備され、歩きやすいけどそこそこしんどいスタンダードな登山道だ。

IMGP3116.jpg

二合目を越えて、三合目。変わり映えしない道は続く。

IMGP3117.jpg

淡々と続く登山道。激しくはないが、地味にしんどい。

IMGP3120.jpg

どれほど登って来ただろう。

景色は変わらず、地味な光景が続いて行く。

IMGP3121.jpg

一体いつまでこの地味な感じは続いて行くんだ。

IMGP3123.jpg

六合目と七合目。

間違い探しなのか。景色変わってないぞ。

IMGP3124.jpg

うううううう。

地味だ。地味だ。地味だ。


「地味地味地味地味地味地味ィィィッッッ!UUURRYYYYYYYYYYY!」


ついに僕にディオが憑依した。

鉄仮面の呪いに侵された僕は、「ズキューーン」と無関節で登山道を登り、「バキュゥゥゥン」と高度を上げて行く。

僕が最初に聞いた銃声らしき音は、他の登山者がディオ化した音だったんだ。

僕の背景音は常に「ゴゴゴゴゴゴゴ」とうなりを上げた。


今までのような「急登」「痩せ尾根」「藪漕ぎ」といった登山道には、ある種マゾ的な「華」というものがあった。

しかし、これだけ「しんどいけど普通」が続くのも、ニュータイプの拷問だ。

「普通」と言う名の「苦痛」。

新しきマゾの世界。

徐々に奇妙な体験。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さすが藤原岳。

地味なネーミングに恥じぬ地味な登山道。

ブロッケンJr.とミスター・カーメンの地味超人同士の泥仕合は続いていく。


そしてついに八合目。

IMGP3128.jpg

沢山の登山者が、コンビニ前のヤンキーのようにたむろしている。

そんな場所はさっさと通り過ぎて行く。


登山道はやっと雰囲気が変わって来た。

IMGP3132.jpg

何やら屋久島のような苔っぷりだ。

空もひらけて来て、やっと良い感じの登山になって来たぞ。

IMGP3137.jpg

さらに高度を上げて行く。


そろそろしんどくなって来た辺りで、前方に色鮮やかなお花が見えた。

これはいよいよここから「花の藤原岳」の本領発揮なのか?

期待を胸に、奇麗なお花の場所まで行ってみた。

IMGP3143.jpg

遭難死亡者の慰霊碑への献花じゃない。

少し嬉しかった気持ちが、一気に切ないものになってしまった。

実に不安をあおる演出だ。


やがてやっとこさ九合目到達。

IMGP3142.jpg

ここからは員弁の街を見下ろすことが出来る。

IMGP3139.jpg

よし、よし。登山らしくなって来た。

こういうご褒美がなけりゃやってられない。


ここからは開放的な登山道で、良い感じで登って行く。

IMGP3148.jpg

しばらく進んで行くと、避難小屋が出て来たぞ。

IMGP3154.jpg

登山口からここまでの参考時間は2時間30分と書いてあったが、すっかりディオに取り憑かれていた僕は1時間20分で登りきった。

地味すぎたが故の「ディオズ・ハイ」状態だったことがよく分かる。


ここまで来れば、後は山上台地が広がる。

避難小屋から、こんもりした藤原岳の頂上が見える。

IMGP3158.jpg

ここから頂上まではご褒美タイムだ。

起伏が激しくないので、お散歩気分で歩いて行ける。

IMGP3166.jpg

途中で振り返れば、だだっ広い山上台地が広がっている。

IMGP3168.jpg

IMGP3171.jpg

サッカーコートが4面くらいは入りそうだ。

タジキスタンのサッカー場よりは上質なグラウンドだろう。


そして、ついに鈴鹿セブン四発目「藤原岳」登頂だ。

IMGP3186.jpg

山頂からの眺めは中々のものだ。

鈴鹿の山並みがズラリと眼下に広がった。

IMGP3185.jpg

IMGP3179.jpg


さあ、本来はここが目指す場所なんだが本日はロングコース。

まだこの時点で全行程の1/3しか来ていない。

どうやら他の大勢の登山者は、ここでゴール。下山を開始している。

しかし僕はまだミスター・カーメンを倒していなければ、ミート君の左足を取り戻せていない。


下山してから分かった事だが、この稜線の先に控える「木和田尾道」はエキスパートコースだったようだ。

山に慣れた、地図が読める人向けの道に迷いやすい登山道。

完全なる調査ミスだった。


地味だ地味だと馬鹿にしていた僕に対する、ミスター・カーメンの逆襲が始まる。

途中からモンゴルマンも乱入し、事態は混迷を極める。


何も知らぬ男は頂上を降り、稜線の先へと消えて行った。


ーー鈴鹿セブン四発目〜藤原岳〜後編へ続くーー



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