アラスカ珍道中エピローグ〜おまけ台湾編〜

Posted by yukon780 on 16.2011 アラスカ珍道中 2 comments 0 trackback
凄まじいアラスカ珍道中は終わったけど、例のごとく家に帰るまでが旅なんです。

今回はエピローグとして、トランジットで立ち寄った台湾珍道中のおまけです。

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8/22(月)台湾時間2:15

現在飛行機機内。

猛烈な披露の為、機内で中々寝られない僕も6時間泥のように眠った。

起き抜けで水分が欲しかったので、CAさんにコーヒーを下さいと頼んだら、ものすごい形相で眉間にしわを寄せ「クッキー?」って言われた。

やはり一週間そこそこでは、コーヒーすらまともな発音ができないようだ。

なんとか伝わったようだが、待てども待てどもコーヒーがこない。

とてものどが乾いている。

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7:17

台湾中正国際空港、第1ターミナルに行くバス待ち中。


結局コーヒーはこなかった。

飛行機はやたらと子供が泣き叫ぶ中台湾に降り立った。

アラスカと打って変わって実に暑い。

入国審査を済ませ、軽装に着替えて荷物も預けて、さあ台湾だ。

第1ターミナル行きのバスに乗ったつもりが、間違えて警備会社のバスに乗ってしまい降ろされる始末。

さらにまた別のバスに乗ってしまった。うまくいかない。

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14:50

あれからなんとか無事に第1ターミナルのバス乗り場まで移動することが出来た。

台北行きのバスに乗り込む。

バスは高速道路を進むが通勤時間帯なのか大渋滞だ。

そんなに時間はないのであせる。

やがて高速を降りると衝撃の光景が目に入る。

聞いてはいたんだが、すごい数の原チャリ軍団にかなり笑えた。

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すさまじい交通量と人の数。すごい熱気。

アラスカの大自然から、これだけ濃密な人間の中に入ると、よりそのエネルギーを感じる。

台北駅のバス停で下車。

すると、先ほどまで雨の降る気配がなかったのに、僕が下車したのを合図に雨が降り出した。

かなりへこむ。台湾よ、おまえもか。

雨が降るとは思ってもいなかったから、カッパは荷物と一緒に空港に預けてしまっている。

しかたなく、ずぶ濡れになりながら台北の街を進む。

裏路地にある市場がいかにも台湾と言った感じ。人々の生活がよく見える。

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雨がさらに勢いを増す中、総督府を経て中正記念堂へ。

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でかい。
しかしずぶ濡れなので感動は薄い。


雨は当分やみそうにないので、もったいなかったがさすがに傘を買った。

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しかし店を出て200Mほどの喫煙場所でタバコ吸ってたら雨が上がった。

この仕打ちは一体なんなんだ。頼むよ、おい。

邪魔だが捨てるわけにはいかないので、その後も傘を片手にぶらぶら。

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近くの市場で犬神家の人々みたいなニワトリ等を見て、タクシーに乗って龍山寺へ。

タクシーのおっちゃんがいい人で、日本語と英語を交えながらいろいろ話した。

龍山寺では人々が熱心にお祈りをしていた。

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心から信仰できる気持ちがある人々がうらやましく思えた。

セルフタイマーで写真を撮ろうとしたら、おっさんがおもいっきしかぶって来た。

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その後またタクシーをつかまえ孔子廟に向かう。

さっきと違いかなり怪しげなタクシーでビビる。

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腹が減ったので、裏路地の怪しげな屋台に入った。

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観光地化してない所だから、注文してもまるで通じない。

困っていると現地に住む結構美人の日本人の女の人が、たまたま買い物に来ていて通訳してくれた。

ちょっといい気分だが、ロマンスに発展する事は当然なかった。

あんまりうまくないタケノコスープと、味がないスープのW水ものをおかずにご飯を食う。

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足下には犬や猫がうろついている。
こんなアンダーな感じがとても好きだ。

喉が渇いたので自動販売機で得体の知れないジュースを買う。

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非常に不愉快な甘さのジュースだった。


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その後もぶらぶらしていたが、時間が迫って来たのでタクシーで空港に戻る事にした。

誠実そうなドライバーさんだったが、高速に入った途端、前の車と車間距離がほとんどない恐怖の高速ドライビングを見せる。

そこら中でクラクションが鳴ってて凄まじい国だ。


空港について荷物を受け取り、出国審査へ向かう。

チェックインはしなくていいとアンカレッジの窓口で聞いてたから、そのままイミグリ行ったら「駄目だ、再チェックインしてくれ」と言われる。

訳も分からず、中華航空カウンターへ行ったら空港税を支払いなさいとの事。

おかしい、僕は日本のチケット会社に空港税は先にすべて払っていたはずだ。

何度言っても支払われていないとの事なので、しぶしぶ払う。納得がいかん。

結局全ての空港でトラブルだらけ。ほんと空港キライ。


残りの台湾ドルを使い切るため、ちょうど残金と同じ値段でやってたマッサージ屋へ。

痛い、果てしなく痛いのだ。

気持ちよく寝るなんて到底出来ない程の力の入れ用だ。

術師の鼻息も荒い。

積年の恨みを晴らすかのような激しいマッサージ。

術師と僕、どちらが先に根を上げるかの戦いだ。

奴のイチモツが生暖かく肩にあたって、非常に不愉快だ。

しかし15分の激闘マッサージが終わると、とても体が軽くなっていた。やるじゃないか。

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というわけで今日本に向けた飛行機の機内。

ようやくこの旅も終わりが近づいて来た。

実に苦しく、長くて濃厚な旅だった。

過去最大級の不幸旅は、きっと今後の人生においてプラスになるだろう。なるだろうか?

僕は出発前今回の旅である程度やりきった感が出ると思っていたから、帰国後は今の彼女にプロポーズするつもりでいた。

しかし、なんだかやり残した事が増えてしまった気がするよ。

(筆者注:結局プロポーズして結婚。まさかの養子縁組で名字まで変わってしまう。そして嫁のまさかの性格豹変によって現在鎖でつながれた犬のような生活を強いられる現在に至ってしまうのだ。)


明日からまた、日常と一般的は呼ばれている非日常のどろどろした世界へ戻って行く。

振り返ってみれば、言葉なんかでは表現できない何かが自分の中に入り込んで来た旅だった。

答えではない何かが。

今後も僕はただの生き物のひとつとして、自然の調和の中で逆らわずに生きて行こう。

そんな事を思った旅でした。

しかし、疲れた。



アラスカ珍道中 〜完〜


ーーーおまけーーー

中部国際空港上空。

ちょっと前まで機内アナウンスでは曇りって言っていたのに激しい雨。

やはり名古屋も雨だった。

飛行機は空港上空で旋回を続け、気持ち悪くて泣き叫ぶ子供達。

到着後、友達に電話で生還の連絡。

電話かける前から、この雨で僕が帰って来た事が分かったらしい。

僕が旅をしていたこの11日間、名古屋は快晴続きだったようだ。

せつないね。


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アラスカ珍道中11〜トイレの神様のプレゼント〜

Posted by yukon780 on 15.2011 アラスカ珍道中 0 comments 0 trackback
アンカレッジ到着後、レンタカーの返却時間まで随分時間があったので、REIに向かった。

REIはアメリカ大手のアウトドア専門ショップで、日本では買えないものが結構売っているから行ってみたかったお店だ。

しかし、一向にREIが見つからない。

一方通行だらけだし、地図が解りづらくてかなり苛つく。

やっとの思いでREIに辿り着いた時には既に閉店直後。

旅の神様の小さな追い打ちは続く。

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とりあえず土産でも買うかと思って、カンアラスカという土産物屋を捜すが、これもまた見つからない。

しだいに強烈にオシッコがしたくなって来た。
でも全然トイレが見当たらない。

膀胱が破裂寸前になってきたので、しかたなく勇気を振り絞って適当なお店に入ってトイレを借りる事に。

この時の偶然が、この旅でやっとささやかに神様が粋な巡り合わせをしてくれた。


偶然入ったお店の名前はファーアラスカ。毛皮を売っているお店だった。

中に入ると日本人っぽいおじいさんが一人。
なんと日本語を話せるじゃないか。

とりあえずはトイレを貸してもらい、アラスカ失禁男にはならずに済んだ。

落ち着いたので少しおじいさんと話をしてみると、今回の僕の旅に非常に興味を示してくれた。

見た目日本人だが彼の名はジャックといった。

彼のおじいさんが日本人で、ゴールドラッシュの時に一攫千金を夢見てアラスカにやって来た人のようだ。
かなりしびれる話だ。

ジャックは僕をお店の片隅にある毛皮の乗った小さなイスに座らせた。

なんとそのイスは、あの大冒険家植村直己が座っていたイスなんだそうだ。

これにはまいった。しびれた。体のそこから不思議な感情がわき上がっていた。


話してみるとこのジャックじいさん、かなり凄い人だという事が分かって来た。

ジャックさんはアラスカ山岳協会の会長で、マッキンレーを始めアラスカのあらゆる山を登っている。

ジャックさんに言わせるとブルックス山脈なぞは散歩だと言う。

植村直己はじめ、山岳方面のいろんな人の名刺が壁に貼ってあった。

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試しに星野道夫さんとは面識があるかと尋ねたら、なんとここで働いていた事があったそうだ。

そして僕の事を、若い時の星野に君は似ていると言ってくれた。
とてもとても嬉しかった。

その後もいろんな話をする。

彼の考える事と僕の考えていた事がことごとく一致してかなり嬉しい。

一人での川下りと、集団での川下りでは同じ川でも景色が違うなんてことは深く同感してくれた。

日本人はなにかと集団で行動する。それでは物事の本質には迫れないんだ。

日本では中々そういった部分での会話が出来る人は数少ないが、こんなアラスカの街の一角でここまで協調できる人に出会えるなんて。

ちょっとトイレを借りる為に入ったこの店で、随分長時間話し込んでしまった。

今日の氷河クルーズのもやもやの最後に、彼に出会えた事は大きかった。

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もっと話をしたかったが、レンタカー返却の時間が迫って来たのでジャックさんとはお別れをして店を出た。

車に戻ると何やらワイパーに紙が挟んである。

なんと僕はアラスカまで来て駐禁をやられてしまったのだ。

とりあえず無視しておこう。
まさか日本まで罰金催促は来るまい。(筆者注:結局何の音沙汰もなかった)


アンカレッジ空港南ターミナルで、苦楽を共にしたこの車ともおさらばだ。

おっさんのヒッチハイカー乗せたり、ワイパー壊れたり、橋崩落で凄い距離走ったり、パンクして小さなスペアタイヤで100キロ以上走ったり、最後には駐禁まで貼られて。

お疲れ様でした。相棒よ。


シャトルバスで北ターミナルへ。

空港職員の態度が以上に悪くて、またも白人にムッとするが、そこはおさえて今飛行機を待っている。

現在4:35。もう空港というものが信じられなくなっているので大丈夫かと不安で一杯。

早く出発時間にならんかなあ。

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さっき日記を書き終わってから数分と経っていないが大変危ない所だった。

なんと搭乗ゲートがN6からN2へ変更になっていたようだ。

放送で流していたらしいが、こっちは英語がわからんのだ、ばかやろう。

英語が解らんと空港来るな的なこの感じがとても嫌いだ。

そして今は無事に機内にいるんだが、慌ててN2ゲートに走ったから、バックパックにくくり付けていたお気に入りのアウターを空港に落として来た事が発覚。かなりショック。

最後の最後まで細かいジャブを打ち込んできやがる。


飛行機が飛び立つ。

さらば、アラスカ。

正直かなりの不完全燃焼だったよ。
でも精神的、体力的には燃え尽きたよ。

君の厳しさはよぅく分かったから、次来た時はほんとに微笑んで下さい。

そんな僕をあざ笑うかのように、アンカレッジはこの旅一番の晴れ間が広がっていた。


〜エピローグ,台湾編へつづく〜

アラスカ珍道中10〜タバコとビールビンの残像〜

Posted by yukon780 on 15.2011 アラスカ珍道中 0 comments 0 trackback
氷河クルーズの受け付けをすませ乗船。

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ガイドブックによるとこのクルーズは26氷河クルーズは、なんと26カ所の氷河を鑑賞できるクルーズだ。
しかも双胴船なので、船の揺れはほとんどなく船酔いしたら返金致しますって言うくらい揺れない自信があるみたい。

席は9A、4人席のはじっこ。二人の男が相席。

話すとこの二人は叔父と甥の関係で、背の高いヒゲの叔父はアンカレッジのタクシードラーバー兼ロックミュージシャン。甥はテキサスで大学に通っているそうだ。

ツアーに参加せず一人で来てる僕をなぜかほめまくってくれた。

叔父はベジタリアンなので、持参のきゅうりとレタスをひたすらバリバリ食っていた。

二人ともなんだかとてもいい奴らだ。


だんだん団体のツアー客がゾロゾロと入って来た。

やはり日本人が結構多い。ちょっと引く。

そしてクルーズはいよいよ出港。

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入江に出た途端、雨と風と波が強烈に激しくなった。

あれほど揺れないと自信満々だったこの船が、セスナ以上に激しく揺れてとても怖い。

あまりの揺れっぷりに、乗客はざわつきパニック寸前だ。

ガイドブックには船酔いしたら金は返すと書いてあったが、もうこの時点で僕は激しく船酔いしていた。


アナウンスが流れ、あまりに酷いので引き返して別の氷河を見に行くと言っているようだ。

しかも見れるのはたったの2カ所らしい。

おい、26カ所氷河を見るから26氷河クルーズではないのか?
2氷河クルーズになってるじゃないか。

僕はこれに間に合わせる為に、地獄のアラスカ大迂回ドライブをしてきたんじゃないのか。

なぜ神はこれほどまでに僕を追い込んで行くんだ。

僕は周りの乗客一人一人に謝りたい気持ちで一杯だった。ごめんなさい、僕が来たばっかりに。


やがて到着した氷河は想像していたものと大きく異なり、氷が崩落する事もなく、ただただ氷雨に打たれて寒い中デッキから震えながら眺めた。

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正直氷河よりもいろんなことをこのクルーズで考えた。

喫煙所で白人の外人達が酔っぱらって大はしゃぎしていた。無惨な程に。

タバコを海に投げ捨て、ビールの空ビンも投げ捨てていた。とても悲しかった。

僕は今までユーコン川含めて、出会う人に恵まれて良い面しか見てこなかった。

彼らはこの先、僕がデナリで見た老人達のような穏やかな老人になって行けるだろうか?

かといってそこで何も出来なかった自分にも悲しかった。


そして、大量の日本人ツアー客の上辺の一喜一憂する姿も見ていて切なかった。

また、そこにいる自分にもつらくなってきた。


いたたまれなくなって、寒くて辛いが雨に打たれてずっとデッキに居続けた。

なんともやりきれない思いが充満してしまった。

完全にテンションはゼロ。さっきのタバコとビンが海に消えて行く光景が頭から離れない。

寄港する頃には、悔しさと切なさで自然と涙がこぼれていた。


散々な結果に終わってしまった26氷河クルーズは、一応2カ所氷河を見たという事で半金しかお金は戻ってこなかった。

色々と親切にしてくれた同席の叔父と甥の二人のおかげで、かろうじてアメリカ人を嫌いにならずにすんだ。ありがとう。


その後も色々考えながら車を走らせアンカレッジへ向かう。

なんだか妙に自問自答が続き、何故か人生観を考えていた。

その時に導き出された答えと言うかキーワードは「喜び」だった。

野生の動物はなぜあんなにも美しいのか?

デナリで見たクマやカリブーは、ただただ食を求めてさまよう。

彼らは食を得て、生命を得る事のみが喜びというシンプルな世界にいる。

それはきっととても幸せな事だ。


雲の切れ間から光が差し込んだデナリの広大な大地は、確かに喜びの歌が聞こえてくるようだったのを覚えている。

しかし、いつも晴れていてはその喜びの歌は聞こえてこない。

曇りや雨があるからこその喜びの歌。

この世のものはすべて単純な喜びを探す旅に満ちている。


しかし、人間は違う。

衣食住が満たされると、そこに喜びを得られなくなってくる。

何か別の欲にかられて日々を過ごしていく。

これはとても不幸な事だ。

単純な事で喜びを満たせないから、人間は必要以上にストレスを抱え込んで行くんだろう。


僕はもっとシンプルに生きよう。

雲間から差し込む光でも充足感を得られるような人間になりたい。

いろいろ辛い事はあったけど、そのことを感じただけでも今回の旅は意味があったんじゃないかな。


そんなことを考えながら、車はアンカレッジへ到着した。

アラスカ珍道中9〜旅の神はニヤリと笑う〜

Posted by yukon780 on 14.2011 アラスカ珍道中 0 comments 0 trackback
8/20(土)

引き続きアンカレッジ空港にてこれを記す。


4時間ばかり仮眠をとって、6:00頃出発。

寝る時はあんなに晴れていたのに、起きると再び車は濃霧&雨に包まれていた。

やがてマタヌスカ氷河展望台へ。

当初の予定では絶対来る事はなかった。
まさかここに来るとは思ってもいなかった。

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始めて見た氷河は中々感動的なものがあったが、あまりにも寒くて長くは外にいられない。

時間もないし、すぐに車を走らせる。


すると前方に何やら動くものが。

なんとムースの親子がハイウェイの上を横切って行ったではないか。

まだ近くで草食ってたから、写真を撮って観察。デカイ。

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よくハイウェイでスピード出して、ムースに激突して車が大破なんて話を聞いてたから危ない所だった。

やがてのそのそと草むらに消えて行った。

早起きは2頭のムースの得である。


ムースも見れたし、大変いい気分で走らせているとカーブを越えた所でかなりでかい落石が転がっているではないか。

慌てて反対車線に出てやり過ごそうかと思ったら、巨大なコンボイと後続車の2台が走ってくる。

さっきまで全然車見なかったのになんというタイミングだ。

結局避けきれる間もなく、巨大な落石に左のタイヤが「ドガッ」と乗り上げた。

まさかっ!って思ったらやはり見事にパンクしてしまった。

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初日のMTBのパンクを遥かに凌ぐショッキングなアクシデントだ。

折れそうな心を抱えながら、氷雨の降る氷河近くの寂しく極寒のハイウェイ上で黙々とスペアタイヤにチェンジする。


なにやらこの旅、トラブル度合いがどんどんエスカレートしてないか?

今回の旅のあまりの惨さに少々つらくなる。

何か見えない力が、必死で僕の行く手を遮ろうとしているように思えてならない。

旅に出る前、友人に「今までの旅が不幸続きだったから、そろそろ神様が微笑んでくれるさ。」と言っていたあの時の自分に今の姿を見せてやりたい。


左右で大きさの違うタイヤで、車の安定感は抜群に悪い。

こんなとりあえずのおもちゃのようなタイヤでこれから100キロ以上も走ると思うとゾッとした。

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やがてパーマーの町を過ぎ、エクルートナも越えてようやくアンカレッジへ。

そのままスワードハイウェイに入り、やがてタナーゲン入江が見えて来た。

ものすごい雨と浜風だ。

入江は荒れまくって、山は雲で覆われて酷い有様だ。


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最初のうちはビューポイントの看板が出ている所に車を停めて写真を撮っていたが、だんだんアホらしくなって来たのでやめた。


途中ガイドブックにとてもきれいなせせらぎのクリークがあるとの事だったので寄ってみた。

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どう見てもせせらぎではない。


バランスの悪い車はどんどん進み、やがてポーテージ氷河が見えて来た。

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天気は悪いが、中々壮大な眺めだった。


ポーテージ氷河のビジターセンターへ立ち寄るが、この頃には風は台風のように荒れ狂い、横殴りの激しい風になっていた。

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トンネルの通過時間が来たので(筆者注:ウィッティア行きのトンネルは列車も通るトンネルなので、車は時間にならないと通れない)、トンネルへ向かうと結構渋滞している。

なんとか今回の通過時間内にトンネルに入ることが出来た。

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このトンネル、線路の上を車で走りなおかつ逃げ場がないので、スペアタイヤが途中で吹っ飛んだらどうしようかとスリルを感じながらなんとか無事に通過する。


やがてウィッティアの港が見えて来た!間に合った!

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長かった。実に長かった。


橋が崩落してから、4時間の仮眠以外はほとんどぶっ続けで20時間程運転し続けたひとりぼっちの耐久レースがようやくゴールを迎えた瞬間だった。

ここまでしたからにはこの氷河クルーズ、大いに期待してやるぞ。


でもその思いは1時間後には無惨に打ち砕かれる事になる。

アラスカ珍道中8〜壮絶なる悲劇のドライブ〜

Posted by yukon780 on 13.2011 アラスカ珍道中 0 comments 0 trackback
8/19(金)

19日の記録なんだが現在もう20日の0:35になってしまった。
グレンハイウェイ上にて満天の星空の下これを書いている。


地獄の一日が幕をあける。


今朝は6:30に、ワンダーレイクキャンプ場を発つ始発のバスに乗る為早起きした。

昨日の悪夢を引きずるかのような寒い寒い朝だ。

ベタベタのテントをさっさと片付けてバス乗り場へ向かう。

そこに一人の日本人が居たので話しかけると、なんとフェアバンクスのゴーノースホステルでともに焚き火をしたKさんではないか。なんという偶然。

昨日キャンプ場に現れたクマが横切って行ったテントは、実はKさんの物だったと発覚。

Kさんがテントの中で飲んだくれていたら、クマの鼻先が見えたらしいが、犬かと思って気にせずに飲んでいたらしい。

しばし朝から二人でバーボンを飲んでバスを待つ。

バスに乗り込み、久しぶりに日本語を沢山喋れてホッとする。

バスのドライバーは、昨日のファットママとは打って変わって、酔っぱらっているんじゃないかと言った感じのおっさんだった。

運転が粗くて、そしてスピーディー。

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途中カリブー1頭、クマ2頭、ドールシープ8頭、ライチョウ6羽、狼1匹に出会う。

少し晴れ間が出来ると、昨日とは全く違った景色だ。

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5時間程でライリークリークキャンプ場に帰ってきた。

Kさんは僕と一緒にタルキートナまで行って、フライトシーイングでマッキンレーを見るかどうか迷っていたが、タルキートナからフェアバンクスまでの移動手段がないので諦めてた。

Kさんと別れて、僕はどうしてもマッキンレーが見たくてタルキートナへ向けて車を走らせた。

タルキートナではフライトシーイングと言って、小型の飛行機に乗って上空からマッキンレーを見るというものがある。

いくら僕が雨男でも、雲の上に出てしまえばこっちのものだ。
よっぽどの事がない限りマッキンレーは拝めるはずだ。

しかし、その「よっぽどの事」が起きてしまうのである。


車を走らせていると、タルキートナまでほど近いキャントウェルあたりで道が封鎖されているではないか。

おっさんが出てきて衝撃の発言。

「昨日強風のためこの先の橋が崩落した。こんな事はアラスカ史上初の事だ。アンカレッジ方面に行きたいんならいったんフェアバンクスまで戻って迂回してくれ。」

我が耳をおおいに疑う。

うそだろう。
僕の英語力のなさで聞き間違いかと思って再度聞いても事実は変わらなかった。

これは例えてみるなら、京都から東京まで延々と車を走らせていると箱根あたりで橋が崩壊。一旦京都まで戻って新潟経由で東京に行ってくれと言われたに等しい。

この時のショックは計り知れない。

マッキンレーがやっぱり見れないどころか、今まで来たフェアバンクスからの道のりを何時間もかけて戻って、さらに大陸規模の大回りをしなければならない。

アラスカには南北をつなぐ道は2本しかないのだ。

しかも、明日の13:00にはアンカレッジのさらに先のウィッティアの港まで着いてなければならない。
氷河クルーズを予約してあるんだ。

この時点でちょうど13:00頃。

24時間耐久、地獄のアラスカ大迂回作戦が突然始まった瞬間だ。

(筆者注:googleで見るとこんな感じ↓。参考までに同じ比率の日本地図も載せておく。壮絶さがお解りいただけるだろうか。)

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もう、どんなに落ち込んでもしょうがないのでフェアバンクスに向けて車を走らす。

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ストップ・ザ・トラブルの願い。


途中デナリのあたりで目線上に虹が現れた。

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最初は目を疑ったが、とても不思議な光景だった。

橋崩落しなければ見れんかったねと己に無理に言い聞かせる。


フェアバンクスに近づくにつれて、しだいに空が晴れて来た。

さすがの雨雲も、この雨男が引き返してくるとは思わんかったのだろう。

ざまあみろ。と再び己に言い聞かせる。


言葉では伝えきれない苦しみを抱えながらリチャードソンハイウェイに入る。
それでも晴れているから、そこそこ気持ちは落ち着く。

やたらと道にウサギが飛び出してくるので、ひきそうになる。

バーチレイクは晴れてたし中々風情があった。

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その後もひたすら走る走る。

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晴れの幸せも束の間だった。

雨雲は大急ぎで僕に追いつき、たちまち強風と大雨の中ひたすら車を走らせる。

この時の苦しみも、とても言葉では書くことが出来ない。

(筆者注:この先は天気酷すぎて写真も撮ってないので文章でご勘弁。)


水もなくなり、ガスも不安な状態になった頃、グレナレンという場所にオアシスのようにGSとコンビニみたいなものがあって心から助かった。

こちらでは次のガスステーションまで100キロとか当たり前だから、ガススタを見つけたら速攻で入れておくべきだ。

どこでもコンビニや自販機がある日本って国は、本当に凄い国なんだなあ。


グレンハイウェイに入り、ひたすら雨の中進む進む。

地球上で車走らせているのは僕だけじゃないかって思うくらい、人とも車とも出会わない。

何時間も運転し続けて0時を回ってもういい加減眠いが、明日の氷河クルーズに間に合う為にせめてマタヌスカかパーマーまでは着いておきたい。

今は休憩しながら、忘れないうちにこれを殴り書きしている。

車の外は、やっと晴れ間が出てきて満天の星空だ。

北斗七星の横の死兆星がよく見える。

天の川も見える程の大量の星。しかし、オーロラは見えない。


キツい。他にも色々あった気がするが、じっくり書いている余裕はない。

そろそろ先に進もう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現在実は2日後の8/21(日)2:00、アンカレッジ空港。

あれから、まるで書く暇がなく、やっっと落ち着いたので続きを書く。


満天の星空は一転して激しい濃霧へと姿を変えた。

前が全然見えずにハイウェイを100キロくらいのスピードで走らす恐怖。

気力体力の限界になって来たので、なんとかマタヌスカ氷河のちょい手前のレストランイン付近の路肩にて仮眠をとる事にした。

車を停めてしばらくしたら霧が晴れてまた満天の星空が現れる。
できれば移動中に晴れて下さい。

オーロラ出現の可能性もあったが、待っている時間も体力も残っていない。

明日のさらなるロングドライブに向けて少しでも寝ておこう。

8月19日の行程を振り返ってみる。

朝6:30にデナリワンダーレイクキャンプ場を出て6時間かけてバスでライリークリークキャンプ場へ。
デナリ国立公園を車で出て40分後に橋崩落。そこからフェアバンクスまで4時間。そこからデルタジャンクションまで3時間。パクソンまで3時間。グレンナレンまで2時間半。そして3時間後マタヌスカ、現在に至る。

朝起きてから現在までひたすら移動しかしていない。移動マニアだ。

壮絶だ、ひどすぎる、ひどすぎるよアラスカさん。




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