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こーたろ挑戦記〜すすめ!リトル日本兵〜

Posted by yukon780 on 08.2015 金華山/岐阜 0 comments 0 trackback
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解禁。


この日をどれだけ待ちわびただろう。

ついに次男こーたろくんの正式な「山解禁」の日がやって来たのだ。



今までは嫁から「2歳になるまで山に連れて行くな」ときつく厳命されて来た。

故に僕は「公園」にしか彼を連れて行けなかった。


まあ公園と言っても色々あって、槍ヶ岳だってあれは「中部山岳国立公園」の一部。

だから僕は「公園に行く」と言っては、その公園内にある金華山とか竜ヶ岳とかに連れ出していた。

しかし彼が2歳になった事により、もうそんな小細工は必要なくなったのである。

堂々と「山に行って来る」と言って家を出て行けるようになったのだ。

もう帰宅手前のコンビニで、「山に行ったことお母さんには内緒だぞ」とりんたろくんにお菓子を買って買収工作しなくても良いのである。


そんなこーたろくんの為に選んだデビュー戦の山はもちろん金華山。

岐阜県民として生を受けた以上、この山は避けては通れぬファーストステップ。

その山を父に担がれることなく、2歳にしていきなり「自力登頂」させてやろうというのが今回の狙いだ。


実は彼がまだ1歳12ヶ月だった今年の1月にこの計画を実行しようとしていた。

なんとか「1歳で自力登頂」という名誉を彼に与えてやりたかったからだ。

しかし早くも反抗期なのか、彼はそんな父の想いに「元日骨折」という荒技で応えて来た。(参考記事:新春発狂物語2015〜ジャングル放浪者の叫び〜


その骨折が治って、さあ再チャレンジだ!って時に「頭部裂傷」。

それが治った時には「水疱瘡」。

もはや登山などと言ってる場合ではなく、家すら出られない苦渋の日々。

しかしそんな厳しい数ヶ月を経て、やっとこの度「金華山自力登頂」への挑戦権を獲得したのである。


実に長い道のりだった。

この結果次第では「子供達が山に行きたがってるから」という勇者の剣を手にすることが出来、何かと家を脱出し易くなる。


さあ、こーたろくん2歳3ヶ月。

まだまともに言葉もしゃべれない幼児が、果たして通常登山道を完登することは可能なのか?

長男りんたろくんの自力登頂記録は4歳4ヶ月だった。(参考記事:りんたろ挑戦記〜親子三代オータムマゾフェスタ〜

2年以上の記録更新を目指し、今こーたろくんが金華山に挑戦する。

まあそこには本人の意思は存在しないけども...。


とりあえず、そんな彼の挑戦記。

ぬらりと振り返って行こう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


初夏の始まりを予感させる4月下旬。

ひとりの日本兵が荒野に佇んでいる。

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米兵の追撃とマラリアの恐怖と戦いながらジャングルを抜けて来たように見えるがさにあらず。

この日本兵帽子を被っているのは次男こーたろくん。

場所は金華山麓の駐車場。

もう「ここは岐阜公園」とは言わない。

ハッキリと「ここは金華山である!」と言える日がやって来たのである。


通常、金華山の初心者ルートは「七曲り道」と言われるルート。

しかしへそ曲がりの父としては、そんなぬるい道で息子を山デビューさせるわけにはいかない。

ということで今回は、通常登山者が使うTHE登山道「瞑想の小径」を行くのである。

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悪い顔で笑う父と兄に囲まれて、「これから一体何が始まるのか?」と言ったこーたろくんの表情が印象的だ。

ちなみに書くまでもないことだが、父はこの時1ヶ月以上続く咳が止まらず喉の炎症もハイパーな状態。

彼は低山なら低山なりのマゾ調整を怠らないプロフェッショナルなのである。


そんな病弱な父と、山嫌いの兄に連行されていざ強制登山スタート。

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大人にとってはなんて事ない段差も、2歳児にとってはハードな壁。

しかし家の中で骨を折って頭部が割れるほど暴れ回る男には、このくらいの血抜き作業が必要なのである。

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男である以上、どうせ怪我するなら山野でした方が箔が付くってもんだ。


でも最初は気持ちの良い道が続く。

父も二人の息子が自分の足で山を登って行く姿を後ろから眺めては、「やっとこんな日が来たか...」と感慨深く眺める。

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りんたろくんはそんな父に「ねえ、山って誰が作ったか知ってる?」と質問して来る。

僕は「そうだなあ、やっぱ神様じゃないのかなあ」と答える。

するとりんたろくんは、「違うよ!志村けんだよ!」と言うじゃない。


一体彼はどこからそんな情報を得て来たんだろうか?

志村けんってそんな特殊能力あったんだ...。


そんな不思議少年りんたろくんも、ちゃんと兄弟愛に満ちた行動に。

難所の急登箇所で、上からトレッキングポールでこーたろくんをサポートだ。

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しかしポールではうまく行かず、次は手と手を取り合って引っ張り上げることに。

父はこの二人の姿にいたく感動。

しかしその時である。

なんと彼は途中で手を離して弟を落すという暴挙に。



理由を問いただした所、「だってこーたろの手がヨダレで濡れてて気持ち悪かったから」と言うじゃない。

手を差し伸べておいてなんて男だ。

まるで養子として拾っておいて、「近寄らんといて。だって顔が気持ち悪いから」という理由で僕を突き放す嫁のような所行じゃないか。


しかしそんな妨害にもめげず、着実に山頂目指して這い上がって行く幼児。

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そして何とか最初の休憩ポイントに到達。

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ここで鳥を自由自在に操る謎のおじさんがいてりんたろくんは大コーフン。

この金華山には「全裸短パンじじい」や「オカリナおじさん」など、不思議な人達が結構いる。

そういう目線で見れば、この山もテーマパークのようで面白い。


その後は、こーたろくんが拾ったウルトラスーパーライトトレッキングポール(細い枝)を巧みに駆使しながらの行軍。

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そして時には切り株などで休憩を取り、

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順調にその足を進めて行く。

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そしてここでお気づきだろうか?

すっかり2歳の弟に追い抜かれてグッタリしている5歳の男に。

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いつものように「もう動けないのよぅ」とか「お腹空いて死にそうなのよぅ」とか「だから山嫌いなのよぅ」などの愚痴が止まらない。

弟が黙々と登っているのに、この男だけは水曜どうでしょうの大泉状態。

しょうがないから握り飯で黙らせる。

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だがそれでも「木の枝さんと石さんだらけで邪魔だから山嫌なのよ。もっとツルッとしたお山がいいのよ」と愚痴り続ける。

そんなに言うなら今度厳冬期の3,000m峰でも連れて行ってやるか。

あそこなら全てがツルツルだぞ。


さあ、先に長男がバテてしまったがこーたろくんはまだまだ元気だ。

そしてここからはいよいよ幼児には大急登な区間の始まりだ。

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しかしそこは我がDNAを受け継ぐ男たち。

このようなグハグハ急登タイムでこそみなぎる、父のマゾ魂。

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大人でも文句が出るこの区間を、一心不乱に這い上がって行く。

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思えばかつてりんたろくんが今のこーたろくんくらいの時に、「実験」と称してこの瞑想の小径を嫁に登らせたことがある。(参考記事:秋の大実験〜DSY登山記〜

その時は「お腹が痛い」「腹が減った」「蚊が多い」と散々愚痴られた挙げ句、「死ね、ブタ野郎」と言われた。

山頂に着いても記念撮影を拒否され、「達成感なぞない。また来たいとも思わない。」と言われてロープウェイで下山したのを思い出す。

しかもその後は夫婦喧嘩だ。

その時のことを考えると、今の所こーたろくんは我が血をしっかり受け継いでいるように感じて嬉しい限りだ。


やがて景色のいい所まで登り詰めて来た。

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こんなところまでよくぞ己の足で登って来たものだ。

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お兄ちゃんも歌舞伎役者のような顔で祝福してくれてるぞ。

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だがここからがさらに正念場。

いよいよマジ系の登山道が2歳児の前に壁のように立ちはだかる。

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大人にとってはそう苦ではないが、2歳児にとってはジャンダルム級の難易度。

しかし骨折や頭部裂傷で鍛えた彼の根性は伊達ではない。

何の迷いなくスルスルと登って行くではないか。

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我が子ながら実に頼もしい。

一方で恐がりの兄は父の手を離さない。

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こういう高所とかに弱い才能だけはしっかり受け継ぐりんたろくん。


だがこの兄弟には共通した才能があることが発覚。

共に「女好き」という一面を持っており、女性が通りかかれば愛くるしい笑顔をエサにハイタッチしまくっている。

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さすがはエロ太郎兄弟。

こーたろくんは僕の「こんちはー」という言葉を勘違いしてか、「お茶ー」と言いながら次々ハイタッチ。

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大したスケコマシだ。

しかし彼がこのように女性達とハイタッチを交わすと、もれなくお父さんがガール達と少しお話し出来るという嬉しい構図に。

いいぞ、こーたろくん。

後でお菓子買ってやるからな。


そんな感じで順調に登って行くと、ついにこのブログで初の出来事が。

突然見知らぬ登山者の方に「あれ?りんたろくん。あ、ブログの人?」と声をかけられたのだ。

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以前川ではドゥイッチョ師匠に話かけられたことがあったが、こうして山の現場で声をかけられたのは初。

なので僕も驚いてしまい、「あ..あれ読んでるんですか....なんかスミマセン...」と反射的に謝ってしまったほど。

ありがたい反面、基本男塾か北斗の拳か下ネタでしか形成されてないこの汚れたブログで、他人様の貴重なお時間を拝借してしまってるのが急に申し訳なくなってしまった。

でもその方も「周りでは有名ですよ」と言ってくれたが、恐らく変な意味で有名になっているに違いない。

でもなんだかありがとうございます...。


さあ、彼女に「金華山に変態がいます」と警察に通報される前に先を急ごう。

と、言っても実はこの時点で出発から3時間の時が経過している。

本来は山頂で食うつもりだったが、さすがにここでメシ休憩です。

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しかし2歳児がよくぞ3時間も登り続けて来れたものだ。

こーたろくんにはその手の才能を感じずにはいられない。

この立ったまま休憩してイチゴを食う様なぞは、もはやベテランクライマーのような佇まいではないか。

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今後の行程を思案しているかのようなこの姿。

もしくはそろそろ「あれ?僕は父さんに虐待されてるのか?」と疑い出している頃かもしれない。


それでも彼は進む。

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栄光の瞬間をその手に掴むため(本人の意思ではない)、ひたすら進むのである。

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やがて、ついに山頂の岐阜城直下の階段にまで到達だ。

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あと少しだぞ。

がんばれ、こーたろくん。


いよいよ記念すべき彼の自力初登頂の瞬間が近づいて来た。

僕はこの一生に一度の彼の栄光の瞬間に一緒に写りたくなった。

そこで、すでに先行してゴールしていたりんたろくんにGoProを託して撮影を依頼。

僕とこーたろくんが同時にゴールする瞬間を撮ってもらうのだ。


そして、奇才・りんたろ監督が演出した画期的なカメラワークがこれである。



感動のゴールの瞬間が、まさかの石アップ。

最高の瞬間をあえて撮らないという革新的な演出法。

こうしてこーたろくんの一生に一度の晴れ姿は闇に葬られたのである。


まあいいさ。

ちゃんと自分の足で最後まで登りきったという事実があればそれで十分。


さあ、いざ岐阜城の前で記念撮影だ。

親子三人水入らずで掴んだこの栄光。

いざ、パチリ。

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誰だ、あんた!

親子三人水入らずの記念写真に見知らぬおばちゃんが!


そう、これが岐阜城名物「カメラに気づかぬおばちゃんシリーズ」。

過去にもここで撮った時、豪快におばちゃんに被り込んで来られたことがある↓

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ロープウェイで来た観光客の合間を縫って、ここで撮影するのは中々至難の業なのである。


で、改めてテイク2。

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お疲れ様&おめでとう、こーたろくん!

参考タイム1時間の瞑想の小径を、見事3時間40分で登りきりました。

正直無理だと思ってやらせてみたけど、まさかやりきるとは。

お父さんは結構感動したぞ。


で、そっからは山頂レストランでご褒美アイス。

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そして展望デッキで景色堪能。(りんたろくん挟まってる)

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景色を堪能した後は、衆目に晒されながらの羞恥プレイ。

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っていうか、あんたいつからウンコしてたんだ?


そんな脱糞クライマーと共にリス園で遊び、

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下山開始です。

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帰りは背負って行く予定だったが、一応行ける所まで行かせてみることに。

しかしやはりそこはいつもお昼寝してる時間帯。

急にヘナヘナと座り込んだかと思うと、

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突然立ち上がって、「我が登山に一片の悔いなし!」と叫び、

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前のめりにマットに沈んだ。

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まさに精根尽き果てたのか、キャリアに乗せるなり電池が切れたかのように眠りに落ちた。

しかしほんとよくやったぞ。

お兄ちゃんからも祝福のアツいキスだ。

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自らの記録を2年も塗り替えられてしまったが、特に山に執着のないりんたろくんには悔しさは微塵も感じない。

それでもやっとここまで来たんだな。

親子三人で山に登れたんだな。


そっからはりんたろくんとUMAの話をしながらゆっくり下山。

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やがて無事に下山すると、岐阜公園の先のお館様に戦勝報告。

岐阜の大先輩、信長公と一緒に記念撮影だ。

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かつて信長はこの金華山を手中にして、天下統一に向けて動き出した。

こーたろくんもこの金華山登頂を足がかりに、天下の名だたる名峰を落して行く事だろう。

これはその記念すべき第一歩なのである。



で、そのまま大人しく帰らないのがお父さん。

せっかく山を歩き終えたのに、今度は川原を歩かされるこーたろくん。

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登山が終わったからと言って気を抜いてはダメだ。

日が沈むまでが我々が遊ぶ時間。

やはり岐阜城の後は長良川だろう。


このような追い打ちに慣れているりんたろくんは、ちゃんと割り切って石投げを楽しみ出す。

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それに習ってこーたろくんも黙々と石を川へ投げる。

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そしてその姿を父はボーッと眺める。

実に良い時間だ。

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今は当たり前だが、いつかこういう日が凄く貴重だって思う時がくるんだろうね。

毎度噛み締めてはいるんだけど。

早く大人になって一緒に山や川で遊びたいし、ずっとこのままでいて欲しいし。


このあとようやく帰宅。

家に着く頃には二人とも熟睡。

よっぽど疲れたんだね。


一方僕は、風邪が悪化したのか咳とくしゃみが交互に出るという大人の時間に突入。

くしゃみと共にちょっとだけタン的なものも出てしまった。

それを見た嫁が、「うわ!妖怪が脳液吐き出した!」と言って眉間にしわを寄せている。

僕は静かにティッシュでタンを拭くと、そのまま無言で子供達のいる寝室へ行く。

よっぽど疲れたんだね。

そしてよっぽど悔しかったんだね。


その夜、妖怪の咳は一切止む気配がなく、結局「うるさい」という理由で別室に追いやられる事に。

妖怪は静かにティッシュで涙を拭くと、そのまま無言で別室に消えて行く。

以来、彼は当分その部屋に隔離されたという。



しかしその妖怪の熱いDNAは確かに我が子に受け継がれている。

ここからはいかに山嫌いにならないように丁重におもてなし出来るかが鍵。


子供達は、いつか北アルプスを父と縦走出来るように。


そしてお父さんは、いつかは嫁に人間として認められるように。



我々親子の挑戦はまだまだ始まったばかりなのである。





こーたろ挑戦記 〜完〜


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おまとめ動画でございます。

今回もPCでしか見れないかもです、あしからず。



エンディングテーマは、りんたろくんが暗殺教室にインスパイアされて作ったオリジナル曲です。

やはり奇才であります。


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男三人お散歩旅〜小マゾ日和の公園デビュー〜

Posted by yukon780 on 02.2014 金華山/岐阜 4 comments 0 trackback
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いつもの4歳児と38歳児が森を彷徨っている。

しかしその38歳児の背中には見慣れない1歳児の姿が。

そう。

ついにこの日が来てしまったようだ。



次男こーたろくんが誕生して1年3ヶ月。

僕はあの手この手で、このいたいけな1歳児を何とかアウトドアの世界に連れ出そうとしていた。

しかし嫁から「2歳になるまで山に連れて行くな」という厳命が下っていた事により、その思いは長く封印されていた。


だが、もういい加減「お日柄もよろしい日」に家で大人しく育児なんてしてられない。

せっかく晴れているのに、日の当たらない屋内で嫁の監視下のもと養子の重圧に耐えながらの育児はまさに拷問のようなもの。

別に育児そのものは苦痛ではないが、「ずっと家の中で」って事が問題なのだ。

僕は子供とはアホみたいに太陽の光をいっぱい浴び、汚いもんいっぱい触って免疫力を高め、傷だらけになって再生能力を養っていく生き物だと認識している。


そもそも極度の悪天候男のお父さんは、「せめて自分の子供には日の光を浴びせてやりたい」と切に願っていた。

でも嫁に加えて、過度な心配性のお義父さんが「風邪を引く、怪我をする、熱中症が、ウィルスが、PM2.5が、殺人ダニが...etc」などと言っては何事も大げさにしてこーたろくんを外に出させてくれない。

これには気の弱いマスオとしては逆らう事が出来ず、かと言って我が子を過保護なモヤシ野郎にしてしまうわけにはいかない。


事実、ぬくぬくとした温室育ちにしてしまったからなのか、やたらとこーたろくんは風邪を引く。

そもそも姓名判断や画数にうるさいお義母さんが、僕がチョイスした漢字を却下し「病気に強い子になるから」と決めた漢字だったのに風邪ばっか引くのだ。

所詮僕の子供なんだから、どんな画数にしようが体が強い子になるわけが無いのに。


そんなこんなで、いい加減何とかしてこーたろくんを自然の中に連れ出したい。

1歳3ヶ月と言えばもう立派な大人である。


そこで軍師マゾ兵衛は、なにか良い策は無いものかと思案を重ねた。


嫁は2歳まで山に連れて行くなと言う

しかし最近彼女は「公園」なら連れて行っても良いと言う

お義父さんも小春日和の暖かい日に公園程度で大騒ぎはしないだろう

そもそも二人の子供を連れて行けばお義母さんも楽できるし

僕も気を使う事なく育児できるし


そしてマゾ兵衛はポーンと膝を叩いてひらめいた。

「そうか、山だったからいけなかったんだ。公園なら問題ないではないか」と。



そこで彼は子供二人を連行し、一路「岐阜公園」へ向かった。

この「岐阜公園」は遊具こそ無いがのんびりした庭園があって、今時期は桜も咲き始める頃。

そして今の我々には関係ないが、その公園内には「金華山」という名の山があったりする。


そう、その山は「岐阜公園の中にある」のである。

あくまでもそこは山ではなく「公園」であり、登山ではなく「散歩」なのである。


そう。

私は何も間違ってはいないのである。


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やがて「公園」の駐車場に降り立った3人の男達。

作戦を成功させてしてやったり顔のマゾ父、ロードウォリアーズのようなりんたろくん、そして「一体私はどこに連れて来られたのだ?」と言った表情で動揺が隠せない様子のこーたろくん。

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ついにこの三人だけでの脱出が成功した。

ちなみに前回の記事を読んだ人は「あれ?あんた週末は雪上テント泊だって言って張り切ってなかったか?」と思った人もいるだろう。

改めて言うまでもない事かもしれないが、もちろんそこは悪天候野郎。

土曜日夜から日曜日全日が「豪雨」という予報になってしまい、彼はまたしても現場にすら行けなかったのだ。

だから余計悔しくてこんな暴挙に走ってしまったんだね。



さて、戸惑うこーたろくんがいる一方で、かつて何度も変態父に連行されて来たりんたろくんは落ち着いたものだ。

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もうすっかり己の足で山を登る能力が身に付き、割と「山スキ」と言ってくれるようになった。

彼を2年以上担ぎ続け、登った山は30以上。

彼のバトンは今、弟こーたろくんに受け継がれようとしている。

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ちなみにこの記念すべき日に三脚を忘れてしまったので、今回は「りんたろ目線」で何度か彼に撮影を依頼した。

ついにこの親子プレイも、「己撮り」から「りんたろ撮り」という新しいステージへ。


そして何かと余裕が無くなるであろう「散歩」の前に、やっておくべき事はこなしておく。

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いつもはこうして食べさせてやる時に嫁から「もっと上に向けて!ほら、こぼれてる!」とか、お義父さんから「まだ口に入ってる!次を入れちゃイカン!喉を詰まらせたら大変だ!」とかのヤジが飛んで来る局面。

しかし今日ばかりは鳥のさえずりしか聞こえない。

りんたろ目線も、家では見た事が無い父の穏やかな顔を激写している。

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今、彼は何にもビクビクする事なく心から育児を楽しんでいるようだ。

やはり外は良い。


さあ、戦いへの準備は整った。

ついに始まる「公園内の散歩」に向けて、気合いを入れて記念撮影だ。

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この三人で揃って、登山口公園の入口に立てて感慨深い思いのお父さん。

最近妄想だけで号泣してしまうほど涙もろくなったお父さんとしては、若干もう目頭が熱くなっている。

たかが公園の散歩なのに。


そして早速、その公園らしからぬ雰囲気の中に侵入していく3人の男。

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ここで早くもりんたろくんが動く。

己の弟の前で、兄として、そして先輩担がれ人としてその力を見せつけるようにガシガシ登っていくではないか。

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今まで数々の修羅場を強制的にくぐらされて来た彼は、4歳児にして30以上の山を登って来た(担がれて来た)猛者。

そんじょそこらの4歳児とはモノが違うってことを知らしめようとしているようだ。

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しかしこのような彼のノリノリ状態は長く続かない。

瞬く間に「ボク、疲れちゃったの」と言って、おっさんのように道ばたにへたりこむ。

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そんじょそこらの4歳児とはモノが違う根気の無さだ。


やがて休憩ポイントに到達したので、こーたろくんを野に解き放ってみる。

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見るもの触るものが全て新鮮な温室育ちの男。

ただただ真剣な表情で、石や葉っぱを触っては「りるりるりるりる」と唸っている。

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おそらく彼の中の奥底に眠る父のDNAが目覚めようとしているのだろう。

それともその内「レロレロレロレロ」と言いだして、さくらんぼを舌で転がし出すかもしれない。

そうなる前に再び担いで出発です。

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また担がれて、「本当に私はどこに連行されているのか?」と不安でしょうがない様子のこーたろくん。

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文句も言えない1歳児はされるがままだ。

そして雲のジュウザのように自由気ままにストップ&ゴーを繰り返す男。

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分かっちゃいたがまるで進んでいかない。

でもなんとか13時までに、この公園の上の方にあるレストランに行ってこの二人に飯を食わせなければいけない。

こーたろくんの食事タイムはきっかり管理されているので、ここで時間をずらしてリズムを狂わせたら僕の打ち首は免れない。


しかしそんな我々の前に、公園にありがちな「谷、がけ、危険」の微笑ましい看板が登場。

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そしてもはや「公園の常識を打ち破る世界」が展開。

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この画期的な遊具に喜びが止まらない男達。

ちなみにこの男、普通に担いで登って来ているが実は「猛烈な背筋痛」に苦しんでいる真っ最中だったりする。

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実は夜も寝られないほどに左肩甲骨付近の背中をツってしまい、整形外科の先生に「しばらくは激しい運動は控えてください」と言われたばかり。

それでも彼は「これは激しい運動ではない。たかだか散歩である。」と言い張り、痛み止めの薬まで飲んで散歩している。

まさに彼の執念と、「ほんとに家にいるの嫌なんだな」という感情が読み取れる切ないエピソードである。


しかし父が苦しんでいれば苦しんでいるほど、彼らの中に眠る嫁のサドDNAは喜びでうち震える。

ついにこーたろくんの顔から笑顔が弾け出し、父の体当たりマゾを見てご満悦の様子だ。

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りんたろくんも昭和初期の少年のような朗らかな笑顔で、父のマゾを讃える。

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良い流れになって来た。

やはり父たるもの、子供達には黙って背中でマゾを語ってやるべし。


そうこうしていると、さらに「公園」がとんでもない事に。

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まるで登山のような公園だ。

この公園では犬の散歩も随分と大変だろう。


そしてそんな素敵な散歩道を、額に脂汗を滲ませた背筋痛男がひいひい言いながら這い上がって来る。

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この状況を嫁とお義父さんが見たら、恐らく卒倒する事間違い無し。

しかしマスオにはマスオなりの、子供達には自然の豊かさとマゾの豊かさを肌で感じて欲しいという教育方針というものがあるのだ。

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そしてこのハードな散歩道を越えると、素晴らしい展望スポットへ。

みんなで頑張った記念に、三人の素敵な集合写真を撮ろうではないか。

さあ、みんなカメラ見て。

ハイ、チーズ。

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なんだろう、君たちがカメラ見てないからなんかお父さんが一人だけアホに見えるじゃない。

兄弟揃って父親を放置プレイするとは中々やるじゃない。


この頃には徐々に「ハラへったよぅ」と愚痴り始めるりんたろくん。

でもなんだかんだと前回の本宮山以来、己の力だけでここまで登りきっている。

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かつて何度も担いで来たりんたろくんの逞しくなった姿に、お父さんも嬉しい限り。

やがて最後の急登を登りきると、

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スポンと岐阜城の手前に飛び出した。

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もちろんここはこの公園で一番高い場所。

他の場所から見ると、このもっこりとした丘の上にポツンと建っているのが岐阜城。(他ページより引用)

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随分と「起伏のある公園」だったって事が分かるね。


さあ、登頂記念散歩記念写真を撮ろうではないか。

あくまでもここは公園内だが、こーたろくんにとってはアウトドア人生の記念すべき第一歩。

一生ものの記念になる写真だから、慎重にセルフタイマーでカメラをセット。

さあ、みんなカメラ見て。

ハイ、チーズ。

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誰だ、あんた!

思いっきり僕とこーたろくんにかぶってるじゃないか。


やはり自然とは思いもよらない危険に満ち満ちているようだ。

これは子供達にも良い勉強になっただろう。

決して自然を甘く見てはならないのだ。


で、改めてパシャリ。

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こーたろくんの微妙な表情が気になる所だが、これぞ君の記念すべき「公園デビュー」の瞬間だ。

まさにここは、かつて織田信長が天下布武を唱えて天下に羽ばたいていった岐阜城。

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ここから君の大冒険人生が始まるのです。


と、大きなことを言ってる場合ではない。

目下の所早く君に飯を食わせないと、お父さんは我が家の信長様によって首をはねられてしまう。

ここはロープウェイでも来れる所だから、この山頂広場にはレストランなどと言うシャレたものがある。

結構待たされたが、なんとか13時までに飯を食わす事に成功。

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同じ頃のお子さんがいる方には、4歳と1歳の食事の面倒を同時に見るハードさを想像していただける事だろう。

お出かけ用離乳食を食わせながら、注文したうどんを細かく千切って食わす作業で自分の飯を食う暇なんて無い。

しかもうどんがやたらと腰のある讃岐うどんで、細かく千切る作業は困難を極める。

そんな僕の横でりんたろくんが「野菜が入ってる。取ってよ。」といちいち命令して来る。

で、りんたろくんの野菜を取ってやってる最中にこーたろくんが、うどんが入ったお椀をぶちまけている。

慌てておしぼりでこぼれたうどんを回収していると、りんたろくんは「おかわりはまだなの?ボク待ちきれないよぅ。」と僕をせかす。

汗だくになってりんたろくんのお椀にうどんを追加していると、ぐずり出して大声を出すこーたろくん。


戦場だ。

岐阜城下で繰り広げられる親と子の熾烈な攻防戦。

余裕の無いお父さんの息はしだいに苦しくなって来る。

もはや3,000mクラスの雪山登山よりも過酷極まりない公園の風景。


もちろん飯を食っても戦いは終わらない。

この展望台という開放感満点の戦場にて、父とこーたろくんとの「オムツ替え一騎打ち」勃発だ。

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かろうじて固形物じゃなかった事が救い。

しかしやたらとこーたろくんが回転しようとするから非常に作業は厳しい戦いに。

無理に換えようとすれば大声を出して、周りの観光客の好奇の視線に晒される羞恥プレイへ。

お父さんからは色んな汗が出て、それこそ誰かに我がオムツを換えてもらいたい気分。


でもオムツがスッキリとしてご機嫌になるこーたろくんを見れば、その苦労も飛んでいくのだ。

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1歳児とのアウトドアは何かと大変な事だらけで家で育児した方が断然楽なんだが、この笑顔を見ると苦労のしがいもあるってもんだ。

りんたろくんも景色に感動しているようだったので、50円を与えて双眼鏡タイム。

彼も「うわーうわー」と言って喜んでいる。

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しかしどう見ても彼は、景色よりも空しか見てないように見えるが気のせいだろうか?

またしても親に気を使って楽しんでいる振りをしているのかな?


そんなこんなで下山を開始する頃には、すっかり死んだように眠りに落ちるこーたろくん。

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これを見てしみじみと思い出す。

思えば初めてこのベビーキャリアでりんたろくんを背負ったのがこの金華山岐阜公園だった。(その時のりんたろくん↓)

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もうこの頃から3年近く経ったんだね。(参考記事:りんたろ登頂記〜金華山〜

このベビーキャリアも購入時は「ちゃんと使うかな?」と随分悩んだ末に買ったが、もう相当に元を取って今や弟のこーたろくんにまで受け継がれた。

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ここまで来たらあと20年くらい使って、次はお父さんがこいつらに担いで登ってもらおうか。

それともその前に嫁に担がれて「マゾ捨て山」に捨てられる運命なのかな?


なんて事をしみじみ考えていたら、何でも無い平坦な場所で思いっきり左足をグネッた。

それでも寝ているこーたろくんを起こさないようにとっさに無理な体勢を取り、たちまち背筋痛に電撃が走る。

たまらず悶絶するお父さん。


たとえ現場が300m程度の場所でも父はマゾをおろそかにはしない。

これぞねんざの痛みで背中の痛みを相殺しようとした挙げ句に両方痛いという、「二兎追うものはマゾを得る」の奥義。

お父さんはまだまだ現役だ。


そんな父の勇姿を、りんたろくんも犯罪者的な目隠しで「もう見てらんないよ」といったところだろうか。

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いつか君にもこの奥深い世界観が理解できる日が来るだろう。


やがて随分と起伏の激しかった丘から、やっと下界の公園へ戻って来た。

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そしてやっと本来の正しい公園の平和な光景へ。

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お父さんとしても「やることはやった」から、この平和な瞬間を素直に楽しめている。

人は「最初っからそこで良かったんじゃないか?」と言うだろうが、僕の場合徹底的に体を痛めた後じゃないと落ち着いて平和的な空間にいる事ができない変態体質だからしょうがない。

でもこーたろくんとしては、やっと通常の公園に到達して達成感もひとしおなのかこの笑顔。

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連れて来て良かったなあ。

浴びれるうちに日の光は浴びておかないと、お父さんみたいに「アウトドア野郎なのに色白」という矛盾を抱えた白ブタ男になっちゃうからね。


そして大人しく帰るかと思いきや、川好きなお父さんに長良川に連行されてしまう息子達。

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そこでは「カヌーは嫌いだけど石投げは好き」というりんたろくんが、狂ったように川に石を投げ続ける。

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保育園で何かストレスでも感じているのか、それとも変なお父さんに嫌気がさしているのか真剣な顔で石を投じまくる。

もう一心不乱過ぎて、渋谷のローライズギャルのような惨事になっているほどだ。

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まあ、子供はこのくらい集中して遊ぶくらいが丁度いい。

でもそろそろカヌーも好きになってくれないかな?


こうして長かった「公園のお散歩」は幕を閉じた。

結果的にお父さんも子供達も大満足の一日になったね。


今後も機会があれば、再び軍師マゾ兵衛が策を講じて連れ出してやるからな。

なんせ日本には「公園」は山ほどある。

この前お父さんが行った「八ヶ岳中信高原国定公園」っていう公園内には赤岳って素敵な丘もあるし。

そもそも「山」がダメなら「岳」なら良いって事とも受け取れるし。

公園ってお話であれば、アラスカのデナリ国立公園だって公園だ。

その中にはマッキンリーなんていう6,168mの丘があるという。


今後この三人で一体どれだけの公園を落とせるだろうか?

夢は広がるばかりである。



帰宅後。

玄関から家に入るなり、りんたろくんが言い放った。


「今日ね。お山楽しかったよ。金華山登れたよ。」と。



お父さんは生涯忘れないだろう。

その時の僕を見る嫁の目を。


まさにそれはメドゥーサの目。

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父は一瞬で石化して死を覚悟する。

ここでこーたろくんも「楽しかったよ」と言ってくれれば救われるが、もちろん何もしゃべれない彼は「りるりるりるりる」と唸るばかり。



しかしなんとか打ち首は免れて命はつなぎ止められた。

だが嫁によって「やはりこいつは信用できない」というレッテルを体中に貼付けられる結果に。


それでもなんとか拾ったこの命。


「おやじ、マジうぜぇ」と言われるその日まで。


お父さんは君たちを担ぎ続けます。



LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜

Posted by yukon780 on 18.2013 金華山/岐阜 4 comments 0 trackback
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男が岐阜城を見上げている時間。

それは朝の6時50分。

その男は今、絶望の真っ最中だ。



なぜ彼はこんな爽やかな晴天の朝っぱらから絶賛絶望中なのか?

実は彼は、昨夜嫁に「明日は7時までに帰って来い」と言われている。

しかし7時まで10分前の時点で彼はまだ金華山の山頂。

信長よりも魔王と恐れられる彼の嫁によって、もはや打ち首はまぬがれないと言った状況だ。


そもそも金華山程度なら余裕で7時までに十分帰宅できる予定だった。

それでは何故彼がこんな事になったのか。

振り返って行こう。


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前回の記事で「愛人論」を展開した男。

トレランに適したコンデジを模索し続けた苦悩の回だった。(参考記事:愛人論〜大奥への旅路〜


しかし「お糸さん」(CANON S110)という女が、見事に僕の愛人としてグランプリを獲得。

そして金曜日の夜、僕はそのままお糸さんを迎えに行った。


お互いにやっと二人きりでの対面を果たしたが、そこは愛人。

人目を忍ぶ二人には、その日のうちにじっくりとお話をする時間もなかった。

正室のお慶さんはまだしも、嫁にバレたら大変な事になる。

僕のヘソクリが年貢として追加徴収される事は間違いない。


そこで3週連続の早朝トレランを敢行。

お糸さんと二人きり、人目を忍んで早朝の山中で初の逢瀬をしっぽりと楽しもうというのが狙いだ。


しかし嫁の「本妻のカン」が発動し、「トレラン行っても良いけど7時までには帰って来い。」との指令。

理由を聞けば「友達が来るから、風呂入ったり化粧とかで準備時間が必要」との事。

友達が来るのは昼の12時過ぎと聞いていた僕は、思わず「え?風呂と化粧に5時間も必要なんですか?」と喉元まで言いかけてしまったが、ここで彼女を刺激するのは得策ではない。

こういうものは深く考えてはダメだ。

5時間かかるものはかかるのです。

ならぬものはならぬのです。



という事で、時間的に余裕が無いので、近くて登るのに時間のかからない金華山をチョイス。

まだお糸さんとはお互いに会ったばかりなので、本当はもっと落ち着いた逢瀬を楽しみたかったが仕方ない。

買ったばっかりで説明書も読んでないし、彼女の性格は全く理解できていないがまあいいさ。

男女の仲に説明など不要。

黙って心のままに、お互いに身を任せればいいのさ。


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土曜日朝。

絵に書いたような寝坊が炸裂。


早朝から自分を追い込むという、いつものスタートダッシュが美しく決まった。

そもそも愛人選びで寝不足の日が続いていたから、その皺寄せがここに来てしまったのだ。


しかしお糸さんは文句も言わずにじっと僕を待っていてくれた。

思わずその場で抱きしめてしまいたい気持ちになってしまったが、まさか愛人と家で戯れるわけにはいかない。

僕は急いで準備を整え、彼女の手を取って金華山に向かった。



いつもの河川敷駐車場でストレッチをしながら、お糸さんとの初己撮り。

人目を忍び、記念すべき早朝のファーストキス。

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実に美しいじゃないか。

恥じらいつつも、朝から大胆に妖艶に迫り来るお糸さん。

なんて可愛らしいんだ。

こいつは愛人と言えど大事大事に扱ってやらないと。



そして登山口でのセカンドキス。

ミニ三脚でお糸さんを高台にセッティングしてから、彼女に背を向けて立ち位置へ向かう僕。

すると背後から「ガシャンッ」という音。

シャッター音にしては威勢が良すぎる。

振り向くと、なんと1mくらいの高さからお糸さんが地面に落下しているではないか。


その時に撮られたお糸さん目線↓

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お、

お、

おいとぉぉぉぉぉぉぉッッッ!



真っ青な顔でお糸さんに駆け寄る男。

大事大事に扱う宣言からわずか3分後の出来事。

デリカシー無し男によって、早くも傷物にされてしまったお糸さん。


ボディに少々の傷はついてしまったが、何とか彼女は無事に動いてくれた。

危うく「3万円以上払って2枚だけ撮って終了」という大惨事に見舞われる所だった。

もしそんな事になっていたら、世界一高価な「写るんです」としてナニコレ珍百景に応募しなくてはいけないところだったぞ。


余談だが、以前ナニコレ採用候補としてテレ朝から電話が来た事を載せた。(参考記事:ナンバー03からの援軍

あれから2回程連絡があったが、その後何の音沙汰もない。

こんな切ない気分になるんだったら、いっその事採用候補なんて事にならない方が良かったのに。

散々僕の気持ちを弄ばれた末に、あっけなく捨てられてしまった気分だ。


なので、愛人候補に選出されて落とされたソニンさんや理子さんのキモチは痛い程よく分かる。

それだけにもっとこのお糸さんを大事に扱って行かないとね。


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気を取り直して走り出す。

今回はトレランメインというよりお糸さんといちゃつくのがメインなので、所々で足を止めては己撮りテスト。

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こういう目線からの写真は、いままでのiPhoneのような間に合わせの女ではとても撮れなかった。

まだシャッタースピードの調整の仕方すら把握してないが、それによって逆に僕が凄いスピードで走ってるみたいでいいじゃない。

このように相手を持ち上げていい気分にしてくれるあたり、愛人としては及第点だ。


ちなみにこういう目線の写真が撮れるようになったのもコンデジならでは。

一眼と違って軽いコンデジなんで、今回は中々使う機会が無くて引き出しの奥で眠っていた「ゴリラポッド」を出動させた。

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お糸さんがゴリラポッドと手を組むと、こんな感じで木などに固定できるから撮影の幅が広がるんです。

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他の男に抱きつくなんて嫉妬してしまうが、そこは大目に見てやろう。



やがて「瞑想の小径」と「馬の背登山道」の分岐点に到達。

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本来の予定では瞑想の小径をゆっくりと駆け上がるつもりだった。

しかし本日は寝坊した挙げ句、ここまでお糸さんといちゃつきすぎて結構な時間が過ぎてしまったいた。

7時までに帰らなければいけない僕は、ここで迷わずハードマゾルートである「馬の背登山道」をチョイス。

絶対にトレランで選んではいけない、毎度お馴染みのグハグハ直登ルートです。


斜度60度くらいの壁のような道を駆け上がる挑戦者。

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ハッキリ言ってこんな所を走って登れるわけが無い。

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それでもなんとかスピードを緩めず、余計な己撮りを織り交ぜて何度も無駄な往復を繰り返しながらのハードマゾプレイ。


そして次々と襲いかかる「絶対に走れない登り」に立ち向かい続ける孤独なトレイルランナー。

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案の定、やがて男は力尽きた。

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胃酸がこみ上げて、口の中が酸っぱい後悔で満たされて行く。

そんな「おええ」ってなってる姿も、お糸さんは優しく見つめてシャッターを切ってくれている。

このような情けない姿も、ちゃんと愛してくれるお糸さんが愛しくてたまらない。



その後も猛ダッシュ(正確には猛歩き)で次々と直登を駆け上がる。

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トレイルランニングというより、トレイルクライングクライミング。

ハッキリと分った事は、金華山は絶対にトレラン向きの山では無いという事だ。


それでもやっとゴールの光が見えて、

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やがて岐阜城へ到達。

全身から湯気を出し、ぐへぐへ言いながら己撮り。

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実は早朝とは言え、この山は岐阜人の憩いの山なので周りには数人の人がいる。

「あの人はなぜカメラに背を向けているのか?」と言った視線がとても痛い。

この山はトレランに向いてないが、それ以上に己撮りにも向いていない。

しかし羞恥系のマゾ野郎にはちょうどいい山なのかもしれない。


さらにはこの時点で6時50分。

どう考えても7時までに帰れるわけがない。


登りの際、お糸さんと戯れすぎてすっかり時間を忘れていた。

まさに「愛人に溺れていた」状態で、完全に家で待つ本妻の存在を忘れていたのだ。

急いで帰らなければいけないと焦るんだが、お糸さんが「もう帰ってしまうの?山頂からの素敵な景色を私には見せてくれないの?」と濡れた瞳で囁いて来る。

頭では帰らなきゃと思うんだが、僕の正直な体がお糸さんを離そうとしない。


時間が無いのに、僕はお糸さんにくまなく山頂からの景色を堪能させてしまった。

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そして普段は絶対撮らない、こういう余計な写真まで撮る始末。

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コンデジ愛人とは思えない写真が撮れてしまうので、ついつい長居してしまった。

これが逃れられない不倫の沼というやつか。

いけないいけないって思えば思う程に堕ちて行く二人。

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これ撮った時、見事に時間は7時を過ぎていた。

男が見据える先には嫁がいる。

彼は静かに打ち首を覚悟した。



冷静に我に返って大急ぎで駆け下りて行く。

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自分を見失っていた。

僕には二人の子供もいるじゃないか。

こんな所で打ち首になるわけにはいかない。


これ以降、もはや1枚の写真も撮る事無く駆け下りて下山。

しかし麓の岐阜公園の庭園が美しく、思わずお糸さんと別れ際の逢瀬を楽しんでしまった。

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流れる滝、松の木のアップ、鯉の紅一点。

こんなものを撮る風流な気持ちはすっかり忘れていた。

マゾることばかりするすさんだ心に、お糸さんが優しさを注いでくれたのだ。

写真を撮る楽しさを思い出させてくれて、少し僕も青春を取り戻した気分だ。


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魔王の住む城の前。

城の玄関に入る前から、ただならぬオーラを感じる。

すでに時間は8時。

ここに来るまでに死ぬ覚悟はできていたはずだったが、やはり踏み出す一歩が非常に重い。

とんだ朝帰りになってしまった。


恐る恐る本妻の元へ。

部屋に入ると、バウムクーヘンを食べながらテレビを見ている嫁の後ろ姿。

あまりの重厚なオーラに正面から顔を見るのが恐ろしすぎて、僕はその場で平伏。

そして開口一番「すいませんでしたァ!」と平謝り。


嫁は振り返る事無く「分ってるじゃねえか」とボソリ。

背中越しだけに妙に迫力がある。

クッチャクッチャと噛み込まれていくバウムクーヘンが自分と重なる。


そして嫁は「ゆっくり風呂に入りたかったのにお前待ちだった」と静かに呟き、そして叫んだ。

「さっさとシャワー浴びてキチマイナッ!」と。


まさにキルビルの「ヤッチマイナ!」以来の大迫力。

僕は「ハハッー」と再度平伏し、大急ぎでスッポンポンになって風呂へ。

狂ったように最短でシャワーを浴びて、すかさず嫁の元に駆け寄り「ほんとスイマセンした!お風呂空きました!」とご報告。

そして散々せかしておきながら、すぐに風呂に入る気配すら見せずテレビに釘付けの嫁。



男性が女性に求めるものはいつだって矛盾ばかり。

だから愛人を必要としてしまうのか?

愛人には優しさを、本妻にはサディスティックを。

案外これがちょうど良いバランスなのかもしれない。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


嫁が風呂と化粧の長期作業期間に突入したので、りんたろくんと庭で遊びます。

もう今日は嫁の友達の送迎やら接待やらで出て行けないんで、大人しくいたします。

そしてもちろん、そんな時は大快晴の大無風だという事は言うまでもありません。

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実はまだ戯れ足りないお父さんは、嫁が作業中なのをいい事に愛人を子供に引き合わすという大技を繰り出しました。

やっぱりトレランしながらでは、正直全く落ち着いて会話も出来なかったからね。

なのでりんたろくんをモデルの撮影会です。

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最初は知らないお姉さんの突然の出現に戸惑っていたりんたろくんだが、次第に慣れて来た模様。

お糸さんも何かしら野心があるのか、とても優しく息子に接している。

その優しい目は「いつか私の事をお母さんと呼ぶのよ」といった、昼のドラマに出てくる悪女チックな企みに満ちていてとても意欲的だ。

ついには家に上がり込み、こーたろくんにまで忍び寄る危険なプレイ。

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さすがにこれはしゃしゃり出過ぎだ。

これ以上しゃしゃり出られて家庭を崩壊されてはかなわないから大人しく外へ。


でも大分これで君の性格はだいたい分かって来た。

苦痛で顔を歪めている変態男を己撮りするのもいいが、今後は意欲的に写真で遊んでみるのも楽しいかも。

そう思わせてくれたお糸さん。

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さあ、春はそこまで来ているぞ。


金華山で胃酸上げて

長良川で泣き溺れて

伊吹おろしに晒されても

まだ帰りたくない 早く遊ばなくちゃ

夜明けと共にこの首筋にマゾの跡

もっと愛の谷間で溺れたい



LOVE AFFAIR 〜秘密のデート〜 完


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〜おまけのB面〜


奇麗に春で締めくくった所で、春繋がりのものをさりげなく謝罪しておこう。

春と言えば、消防団員の入団の季節です。


先週の記事で、突然お義父さんから「地区の消防団員が足らんらしい。何とか志願してくれんか?」と言われた事を書いた。(参考記事:許されざる者〜逆風のツインテール〜

養子的な事情で、もはやそれは「依頼」ではなく「決定事項」。

僕は諦めて4月の入団に向け、申請書類にサインをしてお義父さんへ託した。


消防団員になって、さらに時間が拘束されて遊べなくなる事に悲嘆していた僕。

しかしやるからには気持ちを切り替えて、「これは天が与え賜うたマゾチャンスである」と自分に言い聞かせた。

周りの反応も「マゾの新章」「新たなるマゾの高みへ」と期待が高まった。


やがてすっかりやる気マンマンで「地域の平和は僕が守る」と息巻き始めた先週木曜の朝。

突然お義父さんが「おはよう。そう言えば消防団員に志願者が出たらしい。年齢も若いし、その人にやってもらうからもういいよ。」と言うじゃない。


この気持ちをどう表現したらいいのか?

タイプじゃない女の子に「誰も私と付き合ってくれないの。お願いだから付き合ってちょうだい。」と懇願され、散々悩んだ挙げ句に意を決して「分かった。僕が君を幸せにするよ。」と言ったら、「なんかあんたより若くて威勢のいい男にコクられたんだよね。悪いけど無かった事にしてくれる?」と言われてしまった気分。

この無理矢理盛り上げた自分の気持ちの置き場所が見つからない。


しかし後に入って来た情報によると、ひとたび消防団員になったら志願者がいないから20〜30年くらいやる人もいるという。

そんな事になってたら目も当てられなかった。

67歳で退団する頃には、すっかり命の火が消火されてるところだった。

危なかった。


これで僕の特殊能力「雨降らし」が火事の現場で活躍する事は無くなった。

今後もこの特殊能力は僕個人のマゾの為だけに、誰からも感謝される事無く輝き続けるだろう。



大変、お騒がせいたしました。


信長包囲網〜金華山完全制覇〜

Posted by yukon780 on 11.2012 金華山/岐阜 0 comments 0 trackback
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「美濃を制するものは天下を制す」


かつて織田信長がこの言葉をスローガンに、金華山(当時は稲葉山)の稲葉山城を攻め落として岐阜城と名を改め、天下統一への足がかりとした。

以来400年以上この城は誰にも攻め落とされていない。


そして現代。

岐阜にやって来た一人の養子野郎が立ち上がる。

天下布武はもう古い。これからは天下マゾの時代だ。



岐阜城は金華山山頂にそびえる山城だ。

山城を攻める際に最も有効な手段は、山を完全に包囲し糧道を断ち、兵糧攻めの後に降伏勧告で無血開城させる事が上策だ。

すなわち全ての登山ルートを封鎖する事がこの戦いの鍵となる。

そこで岐阜城への全ルートをおさらいしてみよう。

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バイパスルートも含めて、コースは全部で「10」のセクションに分けられる。

この10コースを完全制覇(下山も含めて)する。

各セクションには織田家の猛将達が待ち構えているだろうが、全て突破してみせる。

一日でこの全ルートを制圧し、信長包囲網を完成させて奴を降伏させるのだ。


この攻城戦に於いて自分なりに決めたルールがある。

登りの際は健脚コースを選び、下山時はファミリーコースを使用する。

最もマゾったルートでの奇襲攻撃が基本戦術だ。

もちろん不必要な荷物も背負っての訓練仕様で挑む。



一応ネットで見る限り、まだ誰もこの包囲網を完成させた者は見当たらなかった。

この手のパイオニア的な匂いのするチャレンジは男心を刺激してやまない。


しかし後で気づく事だが、このチャレンジは「ただ辛いだけで、何も楽しくない」という爆弾を抱えていた。

誰もやろうとしない理由が満載の岐阜城攻城戦。

男の今シーズン登山の開幕戦。

登山二年目の開幕にふさわしい「岐阜城の戦い」が始まった。


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重要な初戦に、あえて最難関の「馬の背登山道」をチョイス。

待ち構えるは織田家最強の武将、柴田勝家だ。

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さすが猛将、鬼柴田。

この威圧感はいつ来ても圧倒される。


自衛隊が訓練でも使うお馴染みのマゾルート。

岩場を掴みながら這うように攻め上がる。


一番ハードだが、一番の最短直登コース。

僕は鬼柴田を蹴散らしつつ20分で駆け上がり、まずは一本目の糧道を制圧した。

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すでにいつでもゲロを吐けそうなほどに体内の兵力を消耗してしまった。

さすがは家中随一の猛将の力だ。


城の前の広場には多くの登山者がたむろしている。

皆一様に登頂の達成感を噛み締めているようだ。

しかし彼らにとってはゴールでも、今日の僕にとっては長い戦のスタートでしかない。


まだまだ達成感には浸れない。

なんせまだ残り9本の道が残されている。


「鼻高道」から下山。

IMG_0575.jpg

このコースは再び攻め上がる道なので、守護将の前田利家をやり過ごして大参道を目指す。


「鼻高道」と「大参道」と「大釜道」の分岐点まで来た。

IMG_0583.jpg

IMG_0582.jpg

このように分岐点には地図の看板が立っていて、現在地も把握しやすい。

しかしこの看板が、後に滝川一益の策略だという事が判明する。


ひとまず「大参道」のバイパスルートで「達目道」を目指す。

本日の2本目となる「大参道」の守将は佐久間信盛と言ったところか。

逃げ佐久間と異名を取ったマニアックな老獪武将。

あまりにも地味すぎて特記すべき事も無く、写真すら取っていない。


こうしていとも簡単に2本目の糧道を制圧。

逃げ佐久間は大した抵抗もせずに逃げて行った。


そのまま3本目の「達目道」をさらに下山。

全10ルートの中で最も平坦な貧弱道。

IMG_0585.jpg

でもなんだか心地のいい空間だ。

緑の木漏れ日が侘び寂びを感じさせるあたり、ここの守将は古田織部といった所か。

IMG_0586.jpg

全く激しさはなく、戦よりも数寄を愛するへうげもの。

まるで守る気が無い古田織部を撃破し、難なくこのルートも陥落に成功だ。


さあ、ここからは再び登りに転じる。

次の4本目「大釜道」を守るは滝川一益。

元忍者のくせに織田家の重臣まで上り詰めた猛将だ。


まずそもそも登山口が見つからない。

今までは要所要所に必ず分かり易い看板が立ってたから迷う事は無かったが、忍だけに姿をくらませている可能性が高い。

結果、よく分からない神社とかに迷い込んだりして無駄に彷徨い続け貴重な体力が奪われて行く。

そこにたまたま通りかかった登山者がいたので、道を尋ねた。

そしてその情報を元に辿って行くとやっと看板を見つけた。

IMG_0588.jpg

これが噂に聞く隠れみの術か。

さっきまでの地図入りの分かり易い看板から一転、存在感を消して自然と同化して意味をなしていない案内看板。

今までの分かり易い看板はここで迷わすための伏線だったのか。

さすがは織田四天王のひとり、滝川一益。


そしてファミリー向けに整備された金華山登山道とは思えない、このジャングリーな世界観。

IMG_0590.jpg

本日二登目はハードな忍の道だった。

しかしなんとか激戦を制し、僕は滝川一益の防衛線を突破して4本目「大釜道」を手中に収めた。


しかし今回の登りは連戦だ。

滝川大釜道はそのまま前田利家が守る「鼻高道」の健脚コースへと突入する。


滝川戦の傷が癒えぬままに、ついに現れた通称「槍の又左」。

若き日の信長のヤンキー仲間で、やたら喧嘩っ早い傾奇者だ。

IMG_0594.jpg

IMG_0593.jpg

中々かぶいた登山道だ。

又左の槍が僕の体力をブスリブスリとつついて来る。

しかしちゃんと風流もわきまえる傾奇者。

景色は中々のものがあり、長良川も美しい。

IMGP8466_20120611175914.jpg

美しいが何気にここは崖だ。

IMGP8450.jpg

このように恐る恐る侵入して撮ったのがオープニングの写真だ。

IMGP8461.jpg

オープニング写真ではカッコつけて腰に手を当てているように見えるが、実はこの時点で彼は激しい腰痛に苦しめられている。

前日に田植えをこなした彼はすでに腰に爆弾を抱えていたのだ。

腰を痛めたその瞬間が嫁によって写されていたので証拠として載せておこう。

IMG_0557_20120612141846.jpg

今シーズンもこの腰痛に苦しめられそうだ。


そんな手負いの状態だったが、なんとか前田利家を撃破し5本目の「鼻高道」を制圧。

そのまま本日2回目の登頂を果たした。

そしてそこにはお馴染みの斎藤道三も現れ、金華山の半分を制圧した僕を祝福してくれる。

IMG_0595_20120612142152.jpg

恥ずかしそうに顔を扇子で隠しているのが斎藤道三だ。

あなたのお城を信長から取り戻してみせますよ。お任せ下さい。



すぐさま6本目の「七曲道」にて下山を開始。

ここはファミリーに最も人気のある楽々コース。

年長さんの園児でも登れてしまう軟弱な道で、守るはやはりカマ野郎森蘭丸だ。


この日もファミリーから遠足園児で溢れ返っていた。

そんな平和な登山道の中を、悲壮感に満ちた顔で全身から湯気を出したフラフラな男が駆け下りて行く。

僕にだけ明らかに異質な空気がまとわりついていた。


すかさず森蘭丸が刺客を送り込んで来る。

お小姓軍団が背後から大量に駆け下りて行った。

写真

地元野球部のトレーニングか。

やはり金華山は地元民にとっては修行の場なのだ。


大混雑の「七曲道」を制圧し、そのままバイパスルートの7本目「唐釜道」に侵入。

IMG_0597.jpg

IMG_0599.jpg

先ほどまであんなに人がいたのに、一気に誰もいなくなった。

道もあまりにも地味なトラバースルート。

ここを守るは山内一豊あたりか。


大河ドラマにもなったから有名かと思いきや、要するに女房が目立ちすぎて有名になった日陰者。

目立った軍功はないが、このような地味な場所を守り通してコツコツと出世して行った地味な男。

内助のサドに苦しむ僕にとっては、最も許せない男だ。

僕は山内一豊を徹底的に撃破し、女房に助けてもらってばかりのこの地味野郎に鉄槌を下した。



道はそのまま8本目の「東坂道」に合流。

ここを守るは織田家臣団ナンバー2の丹羽長秀だ。

彼はその地位とは裏腹に、特に目立たずにいまいち人気もない男。

しかし裏工作に長けたこの男が、そろそろ限界が近づいて来た僕に襲いかかる。


策略家の丹羽長秀が仕掛けて来た。

IMG_0600.jpg

これは罠か?

おそらく迂回路に伏兵が仕込まれているんだろう。

丹羽長秀の策略を見抜いた僕は、もちろん崖危険コースに進路を取った。


ううむ、絵に書いたような崖だ。

IMG_0601.jpg

ゴツゴツ岩の急登が続き、右側は切り立った崖。

しまった、裏の裏をかかれてしまったようだ。

岩の伏兵達が僕に次々と襲いかかる。

IMG_0602.jpg

この頃僕はすでに気づいていた。

このチャレンジが一つも楽しくないってことに。


体の疲労感は凄まじく、気分だけは3000mクラスの登山だ。

でも景色は所詮400mクラス。

完全に疲弊損が否めない。

IMG_0603.jpg

そして何よりもこの晴天。

僕は週間天気予報で曇りになっていたから、訓練感覚でこの山を選んだ。

こんなに晴れるんだったら鈴鹿セブンの残党狩りに向かうべきだったんだ。


ブツブツと文句を言いながらも、何とか8本目の丹羽長秀を撃破。

本日3度目の登頂を果たして、激しい疲労でガックリとしゃがみ込んだ。



残り2本となったが、もう正直この時点で心が折れかけていた。

「いっそロープウェイで降りて終わりにしちゃおうか」なんて弱音も飛び出す。

しかしこんな中途半端でやめてしまったらマゾの名折れ。


僕は力を振り絞って、9本目の「瞑想の小径」の下山を開始した。


この「瞑想の小径」はかつて木下藤吉郎が岐阜城攻めに使った道。

そして今、木下藤吉郎から羽柴秀吉と改名した男が守りを固めている。


しかし正直いまいちこの時の記憶がない。

もはや苦痛を通り越して、僕は無我の境地でただ黙々と下り続けた。

覚えているのは右ひざの痛みだけだ。


こうしてヘロヘロの状態で9本目の「瞑想の小径」を制覇。

残す所は最終道、明智光秀が守る10本目の「百曲道」のみ。


しかし座り込んだ僕の体は激しく重く、もう歩く気力も無かった。

何度も何度も自問自答が続き、行くかやめるかの問答が続く。

そもそもこのチャレンジ自体誰からも注目も浴びず、やってる本人はしんどいだけだし、達成した所で何の勲章も無い。

僕は「ここは一つ嫁に励ましてもらおう」と思い立ち、嫁に電話。

昨日のステキな結婚記念日の後だけに、彼女だけは僕を応援してくれるはずだ。


しかし嫁は、残りあと1本で偉業達成だと言う僕に対し「何それ、気持ち悪ッ」といつものように一蹴。

結婚5年目のスタートの嫁とのファーストコンタクト。

いよいよ僕の心がメキメキと折れかかってきた。


しかしここは一発、己にカツを入れよう。

岐阜公園の茶屋でかき氷を疲れた体内に流し込む。

IMG_0606.jpg

僕はひとしきり頭痛プレイを楽しんで、最後の力を呼び覚ました。

そして体を引きずりながら10本目の「百曲道」を登り始める。

IMG_0608.jpg

覚悟はしていたがひとつも楽しくない。

まだ裏切る前の明智光秀の強さが、ボディブローのように僕の弱った体に突き刺さって行く。


そんな苦行道を汗だくで登っていると嫁から電話がかかって来た。

いよいよ僕を励ましてくれるのか?応援してくれるのか?


すると嫁は開口一番「なるはやでマクドナルドのポテト買って来て」という予期せぬ発言。

あまりのまさかな展開に立ち尽くす男。

「敵は本能寺にあり」を遥かに凌ぐビックリ発言が飛び出したのだ。


急いでポテトを買って帰らねばならない。

逆に僕は励まされた?形となり、必死の勢いで明智勢を蹴散らして行く。


そしてついに僕はやり遂げた。

IMG_0612.jpg

本日4回目の登頂で、金華山の全10ルートの完全制覇を達成したのだ。


もちろん誰一人その偉業を褒め称えるものもいなければ、拍手すら起こらない。

IMG_0611.jpg

ぐったりした表情で記念写真を撮ってもらい、この瞬間静かに信長包囲網を達成した。

何故僕はこんな事をしてしまったんだろう。

一つも楽しくなかったし、ましてや城を攻め落としたい気持ちなんてさらさらなかったはずだ。

一体僕は何を目指しているんだろうか。



こうして精魂尽き果てた僕は、1本目の馬の背登山道で下山を開始。

しかし下山開始直後に、降伏したはずの信長が攻撃を仕掛けて来た。


僕は何も無い場所で激しく左足をグネッて転倒。

いきなり左足を捻挫してしまったのだ。

信長は僕に一矢を報いた事を確認するや、炎の中に消えて行き自刃した。


信長の呪いを左足に抱えながらの苦痛の下山。

心から思った。

本当に僕は何がやりたかったんだろうと。


そして男は静かに金華山を後にし、一路進路をマクドナルドに定めて帰って行った。



↓こちらが岐阜城完全包囲網達成の軌跡です。


より大きな地図で 金華山完全制覇 を表示

誰もいないとは思うが、チャレンジしたい人がいたら参考にしてください。


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〜おまけ〜


帰宅後も男のチャレンジは続く。

日課のランニングを途切れさす事はできない。


順序は違うが、岐阜城陥落の後は岐阜城攻略の足がかりとなった一夜城こと「墨俣城」の攻略に向かった。

家から走り出して、墨俣城にある秀吉像にタッチして帰って来る往復5キロコース。

心身は完全に破壊されたが、そこには満足げにニヤリと微笑む男の姿があった。



次はヒルまみれの鈴鹿セブン攻略だ。

男のマゾは今年も止まる気配を見せないようだ。




信長包囲網〜金華山完全制覇〜  完


魅惑のロスタイム〜金華山〜

Posted by yukon780 on 27.2012 金華山/岐阜 0 comments 0 trackback
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爆発大移動の旅シリーズの途中だけど、週末の記事を一つ。


以前紹介した「チーム・マサカズ」。

素人だけで構成された、登山・カヌーなどの活動で「まさか」な展開を楽しむという、結成されたばかりのチームだ。

前回の春日井三山登山では、初回から数多の「まさか」をしっかりと楽しんだ。(まさか三昧

今回は、そんな彼らの二回目の登山ミーティングの模様だ。


ちなみにこちらが新たに作られた、チーム・マサカズのfacebookのトップ画像。

masakazu.jpg

チーム名の由来となった「マサカズ」という男(大学の同級生だが、まだチームには参加していない隠れキャラ)が、悪い事を企んでいる顔がトレードマークのトップ画像。

チームロゴは、マゾのMを赤く強調し、アポストロフィーもポイントで赤くする事で僕とマサカズと小木Kの「痔」のつらさを鋭く表現している。



前回のミーティング登山は、首謀者のMが言い出しっぺにも関わらず腹痛で来られなかったという失態を犯して不参加だった。

以来「ゲリM」と表記される事になったこの男の為に、今回は改めてのお気軽登山アゲインだ。

チームメンバー矢作Cの誕生日祝いと共に、ゲリMの登山童貞喪失のための緊急登山。


場所はお馴染みの初心者マウンテン「金華山」。

僕の「金トレ」の場であり、嫁のアウトドア化への夢が粉々に砕け散った場所でもある。(参考記事:DSY登山記


参加メンバーは前回登山メンバーの僕と、小木K、矢作Cのおぎやはぎコンビ。

そして新たにゲリM、ビビるSと小木Kの子供二人だ。


今回はお子様の参加という事もあって、恐らくマゾ的な要素は皆無だろう。

最初はそう思っていた。


しかしここは織田信長の居城、岐阜城を頂きに構える金華山。

信長公の名言「泣かぬなら、マゾってしまえ、ホトトギス」が実行される時が来てしまったようだ。


そんな休日の、温かな登山の様子を振り返って行こう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


駐車場には一足先に、ブログでもお馴染みのビビるSが到着していた。

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彼は集合時間の2時間前に到着し、彼の嫁さんの指令を受けて岐阜で有名などら焼きを買いに行っていたようだ。

しかもお店でどら焼きの販売が10時半からだという事が判明して、その場で買えなかったという「一人まさか」を密かに楽しんで来たようだ。


ビビるSは嫁さんのミッションをちゃんとこなす偉い男だ。

僕の場合だとよく嫁に「全裸で栄を走って来い」などと言われるが、そのミッションはさすがにインポッシブルだ。


そして彼はさりげに新車購入したロードバイクを持って来ていた。

激しく僕の遊び欲望が溢れまくる。

でもこれ以上趣味が増えてしまっては、お金がとても持たない。

それどころか、趣味が増えるにつれて嫁の愛情が減って行く。

しばらくは、カヌーと登山でおとなしくしておくか。


やがて小木Kと、その子供のMちゃんとCちゃん到着。

2_original.jpg

小木Kの本名は神谷だから、MちゃんとCちゃんは二人合わせてMC神谷。

「MC小宮」を懐かしく思い出した。


やがて約束の時間になっても、ゲリMと矢作Cの三河地方コンビが一向に到着しない。

今回の登山は彼ら二人の為のものなのに、まさかの遅刻。

今回も出だしから「まさか」が止まらないのか。

ゲリMに至っては前回病欠な上に今回も遅刻で、言い出しっぺの割に緊張感が無い。

彼の大腸と同じく、全く締まりのない男だ。


しびれを切らしたMC小宮は「もう置いて行こうよ」と言いだす始末。

子供にここまで言わせてしまうとは、とんだゲリ野郎だ。



10分ほど遅れてやっと全員集合。

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危うく初心者を置き去りにした、放置プレイ登山になる所だった。


そしてここで僕はトランクを開けて「闇輸入商人」に姿を変えた。

IMGP5502.jpg

トランクに溢れるLEKIのトレッキングポールの山。


以前僕が藤原岳でトレッキングポール喪失後、再び個人輸入野郎となってアメリカから仕入れたものだ。

チームメンバーと輸入送料費を折半して、みんなで共同購入した。

LEKIは輸出規制がかかっていたブランドだったから、お得意のユタ州経由の転送サービスにて格安入手。


LEKIのポールは、トレッキングポールとしては王道の最高ブランド。

僕が今まで使っていて失くした安いポールがスズキの軽自動車だとすれば、一気にベンツに乗り換えたような気分だ。

ゲリMに至っては初心者の免許取り立てのくせに、いきなりベンツに乗るようなバブルっぷり。

LEKIのポール制作者も「まさか」な展開だろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

瞑想の小径登山道の入口にて記念撮影。

IMGP5513.jpg

これだけ見ると「チャイドルに群がる変態カメラマン」のような絵だ。


大満足の子役撮影会を終えた一行は、やっと登山開始。

6_original_20120227114705.jpg

なんだか最近、シビアな雪山登山が続いていたからホッとする登山だ。

たまにはこういうのも悪くないな。

毎度毎度マゾっていたら、マゾのありがたみが薄れてしまうから調度いい。



やがて見晴らしの良い場所へ。

20_original_20120227114729.jpg

まだ登り始めてちょっとなのに、MC小宮の子供二人は「カップラーメン、カップラーメン食べたい」と訴え出す。

あまりの懇願っぷりに、ちゃんと普段メシ食わせてんのかという疑惑が浮上。

切にカップラーメンを求める彼女達の訴えは、戦後のギブミーチョコレートを彷彿とさせる悲しげな光景だった。

まあ要は普段カップラーメンの様なジャンクフードはあまり食べないから、今回はそれを食うという楽しみが彼女達を突き動かしていたようだ。


そこはなだめて、景色の撮影大会。

みんな一眼レフ的なカメラの所有者なので、カメラ野郎達のオフ会の様な光景になっていた。

32_original.jpg

セミプロキャメラマン矢作Cに至っては、マンション入口のアイドルの逢瀬を狙うパパラッチの様な凄いカメラだ。


そんな中、ここの風景のベストフォトを撮影したのは、カメラも初心者のゲリMのこの1枚。

25_original.jpg

通りがかりの別の登山者が、せっかくヘッドバンドで隠していた頭頂部を上部から偶然激写した1枚。

これはゲリMのビギナーズラックだったが、この登山者にとってはアンラックで気の毒な結果となった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後もひたすら登って行く。

23_original_20120227114735.jpg

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子供達はとても元気に、文句一つ言わずに登って行く。

ウチの嫁がここを登った時はこの辺で不機嫌となり、僕に「死ね、ブタ野郎」と吐き捨てた辺りだ。


やはり人には「素質」というものがあるんだろう。

山に楽しく登れる素質と登れない素質、人を罵倒する素質と罵倒されやすい素質。

人はそれぞれの素質を受け入れて生きて行くんだ。

と、瞑想の小径で瞑想に耽る小物がひとり。



そんなこんなで、やっと登頂成功です。

56_original.jpg

中々良い登山だったね。


そして何はともあれラーメンだ。

下の休憩スペースで昼メシタイム。

mesi.jpg

62_original.jpg

カップラーメンを渇望していたMC小宮の二人の、素晴らしいガッつきっぷりが実に気持ちいい。

登山よりも、ラーメンの喜びのが大きいようだ。


そして僕も御在所岳の「雪中味噌バターコーンラーメンの戦い」以来のカップラーメン。

「闘将!拉麺男」が凍傷になりかけた一件だ。(参考記事

久しぶりに温かくて「固形じゃない」ラーメンを食べたら、やっぱり美味かった。

やっぱりラーメンはかじって食うもんじゃないな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さあ、下山だ。

下山の登山道前に、例の場所に到着した。

IMGP5548.jpg

サングラスをかけて随分ファンキーな奴が混じっているが、決してここはワンピースの登場人物との撮影会会場ではない。

前回僕と一緒に、失くしたグローブを探してくれた武将達だ。

前回は斎藤義竜・龍興親子だったが、今回は大御所斎藤道三がいるではないか。

しかし一番目立っていたのは、兜を忘れてサングラスをかけていた斎藤義竜だった。

城主というか山賊だ。

武将ブームに乗るのは良いが、もう少しやる気を出して行こう。


そして我々は百曲り登山道にて下山して行った。

37_original.jpg

90_original.jpg

そして下山完了。

ここから岐阜公園を横切って、駐車場へ帰って行く。

91_original.jpg

下山したからと言ってビビるSのように油断していると、一眼レフカメラで放尿姿を美しく切り取られてしまう。

そして僕の手によって、その姿がこのブログを通じて全世界へ配信される。

ビビるSにとっては「まさか」の失態だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

我々は公園内のベンチで談笑した後、駐車場に向けて歩き出した。


通常なら「良い登山でした」と言う事で、ここでこの記事は終わるはずだ。

しかし我々は「登山を楽しむ」というコンセプトのチームではない。

あくまでも「マゾを楽しむ」という信念の元で動いている。

少なくとも、僕はそう認識している。


今日は子連れ登山という事もあって、全くマゾ的要素が無かった。

しかしお子様の時間はもう終わりだ。


さあ、ここからは大人のマゾの時間帯。

魅惑のマゾのロスタイムが始まる。

「その先にある世界」へと突入するのだ。


という事で「泣かぬなら、マゾってしまえ、ホトトギス」の合言葉のもと、僕は本日の2登目を宣言した。

しかし誰も付いて来るとは言わなかった。

「マゾを楽しむ」という信念は、どうやら僕だけだったようだ。


まあいい。

この先の世界は、初心者のマゾには危険な世界だ。

彼らにはまだ早い。


こうして僕は一人、みんなと別れて再び登山道を登り出した。

96_original.jpg

これはその時の様子を矢作Cが激写したものだ。

実に猛々しく、その背中には「一流のマゾの貫禄」すらうかがえる。


後にMC小宮の二人が、この時の事を父に聞いたらしい。

「お父さん。なぜあの人はまた登って行くの?」と。

小木Kは言葉に詰まったそうだ。

「彼はマゾだからだよ」って言っても伝わるわけが無い。


きっと彼女達は「あのおじさんは森の妖精なんだ。きっとお山に帰ったんだ。」って思っているに違いない。

この特殊な世界を理解するには、彼女達はあまりにも若すぎたのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そんな森の妖精が辿ったルートは「馬の背登山道」。

IMGP5575.jpg

自衛隊の訓練登山道として有名な、僕の金トレ(金華山トレーニング)ロード。


岐阜城までの最短直登ハードコース。

さすがは大人のマゾの時間枠。

先ほどまでの穏やかな登山とは打って変わって、11PM的な急登がひたすらに続く。

IMGP5578.jpg

IMGP5582.jpg

このルートの参考コースタイムはおよそ40分。

そして僕のベスタイムは20分。

その時はりんたろくんを担いでのタイムだったから、空身の僕はベストタイム更新に目標を定めた。


そして駆け上がって、本日二度目の登頂。

コースタイム16分。

汗だくのグハグハで、時折オエッてなる。

ロープウェイで上って来た観光客の中に、全身から湯気を出しながら肩で息をする男がひとり。

今ボディーブローを食らったら、間違いなく昼のカップラーメンの大逆流だ。



ひとしきりマゾを楽しんだので下山。


すると途中で思わぬ再会を果たす。

子連れ登山仲間であり、金トレアニキのYさんだ。

IMGP5574.jpg

以前、初めてりんたろくんを背負って来た時に出会ったベビーキャリアの先輩。(参考記事

どうやら最近は、二人目の子供が出来て中々来られなかったようだ。

今日は自由な時間が出来たから、3キロ走ってきて、馬の背登山道を駆け上がり、下山後3キロ走って帰ると言う。

さすがだ。

ちなみに彼の馬の背登山道ベストタイムは13分。

しかも子供を背負っての状態で。

とんでもない男だ。


さすがは深夜のマゾ時間枠。

登場人物も、一気に色濃くなって来たぞ。


しばし談笑してから、僕は下山して登山を終了した。



しかし、金トレアニキとの再会で僕のマゾ熱はスパークしていた。

ここで帰っては、アニキに失礼だ。


さあ、深夜枠の時間帯はもう終わりだ。

もう、ここからは18禁のマゾの秘宝館。

本物にのみ許される領域。

レンタルビデオ店の奥の方にある、のれんの先の空間のような禁断の世界。

マゾサンクチュアリの始まりだ。


男は再び頂上を目指して、本日の3登目へと突入した。

若干両足の腿がプルプル言い始めたが気にしない。

もちろんルートは馬の背登山道。



やがて僕は本日三度目の岐阜城登城を果たした。

体中が嗚咽し、心肺機能が悲鳴を上げる。

ほとばしる快感と突き抜ける爽快感。

これが僕の生きる道。



さあやっと落ち着いたぞ。

もういいだろう。


こうして僕は大満足で下山して行った。

早くチームの皆にも、この高みの世界まで達して欲しいものだ。



チーム・マサカズの活動はまだ始まったばかりだ。

今後彼らがどのように成長して行くのか?

誰がいち早く開花してしまうのか?

それとも最初から最後まで、マゾなのは僕だけなのか?


今後の彼らの活動に注目だ。


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