酔いどれ上司とアリ下僕〜南木曽岳リベンジ〜

Posted by yukon780 on 24.2013 南木曽岳/長野 0 comments 0 trackback
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急登の階段を駆け登る「人さらい」。

平成の世の信州に突如として現れた山賊野郎。


なぜこの山賊は背中に便利なベビーキャリアを背負いながらも、あえて子供を片腕一本で担いでヒィヒィ言っているのか?

しかもこの場所は、この山最大の難所「急登階段地獄」。

その山賊は息を切らせて、全身をプルプルさせながら木曽の森の中に消えて行った。

しかしその表情はどこか嬉しそうだ。



そのマゾ山賊が目撃されたのは信州「南木曽岳(なぎそだけ)」。

以前チーム・マサカズが「絶望的な修行」をたっぷりと堪能した精神破壊の山だ。↓

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この時はチームのマゾが一気に3段階くらい上昇した修行登山。

天気も最悪で、苦労の末に何一つ報われる事なく「登山の負の魅力」が詰まった悲しみの登山だった。(参考記事:修行の風景〜南木曽岳〜

この時の記録を見た登山未体験の友達から、「絶対に登山はするまいと思った」というお言葉もいただいたほどだ。


今回はそんな過去の汚点を払拭するための「記憶塗り替え登山」。

脳の中の悲しみの記憶ファイルに「南木曽岳はいい山だった」と上書き保存する事が目的。

雨乞岳に次ぐリベンジマッチ登山第二弾だ。


そして今回は珍しく、僕がゲストとしてパパラッチKのテニス仲間との登山にお呼ばれした形。

なんとその仲間は二人とも女性と言うじゃない。

「テニス仲間」というトレンディな響き自体でひるんでしまいそうだったのに、ここにガールズがいるという事でシャイシャイボーイとしては強烈に緊張してしまうシチュエーションだ。

そもそも僕のような変態が乱入した事により、一般女性をマゾ的二次被害に巻き込んでしまうのは忍びない。

でも「純粋に嬉しい」と呟く乾いた中年。


そんな平和で素敵な南木曽岳リベンジマッチ。

オシャレな記憶によって、汚物のような記憶を塗り替えて行く様子を追って行こう。


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突如岩陰に現れた不審な男。

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芸能人のお忍び登山デートを狙っているのか?

それとも女性たちとの登山に浮かれる僕を激撮するために、嫁に雇われた探偵なのか?


その正体は前回の雨乞岳でチーム・マサカズデビューを果たした「パパラッチK」。

今回の登山発起人にして、僕のリベンジマッチ登山成功請負人。


この出発前記念写真のセルフタイマーをセットしていたんだね。

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そして左の女性がパパラッチKのテニス仲間「生野菜Mさん」で、右の女性が生野菜Mさんの元同僚の「鳥使いAさん」。

生野菜Mさんは登山でも生野菜を持参するほどの生野菜好きな健康ガール。

鳥使いAさんは常に鳥笛を携帯し、野鳥を自在に操る平和登山請負人。

早くもこの爽やかな風で、前回の重々しい記憶がパステルカラーに塗り替えられた。


そして女性に囲まれてニヤつくエロ親子。

すっかり浮かれているように見えるが、この時のこの男はかつてないほど地味なマゾをすでに仕込み済み。

見た目は普通だが、実は強烈な「口内炎」に苦しんでいる最中だ。


奥歯のさらに奥に一カ所、そして舌の先に一個。

ビジュアル的な華々しさこそなく、果てしなく地味だがその「不快感の持続力」がたまらない。

これは僕なりの、「他人に迷惑をかけない一人マゾ」という優しさである。


男らしく、見えない所で不快な痛みを噛み締めながらの行軍。

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しかしそもそもこの「修行の山」に子供を背負って挑んでる時点で、十分ビジュアル的には重大なマゾ患者だ。


そしてもちろん、今回も容赦なく修行の道場に突入して行くメンバーたち。

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あまり登山経験のない鳥使いAさんだったが、軽装という事もあって息を切らす事なくついてくる。

生野菜Mさんは登山経験者の上、暇があればゴルフ場でテニスの素振りをするほどの努力家なのでなんの問題もない。

むしろ問題があったのは、先頭で「グハッ、グフッ、ブへッ」とうめき声を上げる男の存在。

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女性を引き連れて、ひたすらに「はあはあ」と吐息を漏らす様は完全に変態だ。

分かっちゃいたんだが、やはりこの山は子供を担いで登る山じゃない。

こんなマゾ野郎の醜態を理解するには、きっと彼女たちにはまだ早いだろう。


結局いつものように精神を砕き始める口内炎野郎。

しかし南木曽岳は相変わらず容赦ない階段のヒットパレードをご提供。

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たまんねえ。

やっぱり南木曽岳はあくまでも南木曽岳だ。


そんな中、僕に重みを提供しつつも「我関せずの男」りんたろくんは眠りに落ちる。

彼は前のめりに眠るから、彼が寝ると僕は首が上げられなくてさらに追い込まれて行く。

そこで女性陣によって、首にタオルで作った枕を設置。

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絵的には完全に「王子様」といったハーレム状態。

フレームから見切れてしまっている下僕の姿が痛々しい。


しかしやはりチーム・マサカズの重々しいメンバーと違い、彼女たちの存在が南木曽岳を爽やかに上書き保存して行く。

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鳥使いAさんが巧みに鳥笛を駆使し、周囲は平和的な鳥の鳴き声で満たされていく。

そして何と言ってもこの日はいい天気。


チーム・マサカズでは絶対味わう事のできない「正しい時間」が流れて行く。

口内炎という細かいマゾは楽しんでいるが、今回ばかりは下山まで平和な登山が楽しめそうだ。


そんな父の気持ちを背中で察した男がいる。

眠りから覚めて、非常に不機嫌なりんたろくんだ。


あんまりグズるから、一度おろしてダッコ。

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これが間違いだった。

親孝行なりんたろくんは「ダッコがいいの。おろしちゃだめ。」と言い、ベビーキャリアへの乗車を激しく拒否。

地面におろそうにも、かたくなに僕にしがみついて必死の抵抗。


仕方なく彼を「腕の力だけで担いで行く」というスペシャルタイムに突入した。

ベビーキャリアみたいに腰で支えられないから、その全重量が腕に重くのしかかる。

たちまち筋肉が「ぷちりぷちり」と陽気な音を立て始める。


そんな中で目の前に現れたのは、この山で一番の「急登階段地獄」。

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僕は我が子の親孝行っぷりに涙が出る思いだった。

彼も幼いながらに「お父さんが平和な気持ちになっちゃってる。マゾらせてあげなくちゃ」と思っての事なんだろう。

そんな甲斐甲斐しい息子の気遣いに応えるべく、僕は彼を片腕一本で担ぎ上げた「人さらいスタイル」を発動。

そして平和な鳥の声もかき消すような嗚咽を漏らしながら、恐怖の階段を急登して行く。

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唖然とする後方のメンバーたち。

まだマゾ慣れしていない彼女達の前に、急に現れた本意気のマゾ野郎。

おそらく「誰だ、こんな変態連れて来たのは」と心の中で叫んだ事だろう。


そんな事とも知らず、ぐへぐへ言いながらも振り返った二人は「ニヤリ」としている。

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筋肉が切れそうになって快感に浸る父と、してやったりの表情の息子。

結局この親子だけは、いつものように汚れて行く運命だったのか。


しかし、当然ながらすぐさま限界に追い込まれてしまったお父さん。

このままでは腕が使い物にならなくなると判断し、なんとかりんたろくんをベビーキャリアへ誘導。

それでも「だっこだっこ」とひたすら親孝行を続けるりんたろくん。


しかしここで生野菜Mさんが「アポロ作戦」を発動し、見事にキャリアへの誘導に成功した。

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若いお姉さんに目がないりんたろくんは、見事にその罠にかかってご乗車。

さらに生野菜Mさんは草笛を吹いたり笹舟を作ったりと、子供心をくすぐる作戦を繰り出してりんたろ社長もご満悦に。

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試しに担がれてみれば、やはりいつものエロ目になってヨロコビが隠せない我が息子。

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僕に担がれてる時には一切見せない笑顔が炸裂。

これでなんとか「マゾショータイム」は終わりを告げ、元の平和な登山に戻る事になった。

危なくいつものパターンに堕ちて行く所だったが、彼女の機転に助けられた。



やがて、前回アゴ割れMが岩場からの急降下を試みた現場に到着。

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相変わらず恐ろし気な雰囲気だが、何と言っても天気が良いからこの場所ですら非常に爽やかだ。

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そもそも前回はこんな笑顔で登ってる奴は一人もいなかった。

この時点で矢作Cは早々に撮影を放棄していたものだが、パパラッチKは果敢にシャッターを切り続ける。

しかしその見た目は、まるで若手俳優のマンションから出て来た人気アイドル歌手を激写するパパラッチのようだ。

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こうして女性たちは前方にマゾ親子、後方からパパラッチに挟まれた不思議な登山を満喫する事になった。

これがオセロなら彼女たちも黒に染まってしまう所だが、彼女たちはどこまでも白いシャツで爽やかさをキープだ。

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しかし南木曽岳も負けじと爽やかに急登で攻めてくる。

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もちろんこの時点で僕の腰は悲鳴を上げている。

どんなに爽やかでもしんどいものはしんどいのだ。


そんな状況でも晴れていさえすれば実に楽しいのが登山というものだ。

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僕から見たら、こんな天気が良くて爽やかな絵はもはや事件だ。

そして「事件」という言葉に反応して、大急ぎで現場に急行するパパラッチK。

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料亭内で繰り広げられる汚職政治家たちの密約現場をスクープ写する男。

しかし別の場所で女子アナの路チュー現場を発見し、大急ぎで角度を変えて対応するパパラッチ。

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これで今月も食べて行ける。

パパラッチという仕事も大変なのである。


やがて「ガッカリ頂上ランキング」上位に食い込む、何の展望も無い頂上に到達。

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もしこの山がここで終わりなら、恐らく誰も登らないだろう。

しかしここからがこの山のステキな魅力が詰まったご褒美タイムだ。


この先には見晴し台という場所があり、素晴らしい景色が堪能出来る場所がある。

案の定実にいい景色だ。

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ちなみに前回チーム・マサカズで来た時の同じ場所の写真がこれだ。↓

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真っ白な景色を前に、ガックリと肩を落とすむさ苦しい男達。

報われない感満点の彼らは、ついに「なんかさ、感動が欲しい...」という名言を言い放った場所だ。

やはり登山は報われてなんぼの世界だったようだ。

これにてあの時の悲しみの記録を、見事に爽やかに塗り替える事に成功したのだ。


その後も一歩一歩と、ダークでモノクロだった記憶がフルカラーに上書き保存されて行く。

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僕はひとり、この快晴の幸せを噛み締めていた。

彼女達には「普通の登山風景」かもしれないが、この状況は僕にとって4年に一度くらいしか訪れないオリンピッククラスの感動。

久々に純粋な登山を楽しんでいる気がする。


やがて避難小屋が見えて来た。

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ちなみに前回の避難小屋の様子は以下の通り。

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あの時は文字通り、我々はここに「避難」したものだ。

しかし今回はちょっと風が出て来たのでここで優雅にランチタイム。(いつもは昼メシと表記するが、あえてオシャレにランチと表記する)


そして屋内になると途端に元気になるインドア野郎。

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みるみる彼はハイテンションになって行き、暴れだす。

やがてここまで一生懸命担ぎ上げてくれて弱っている父に、舌を出しながら襲い始めた。

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やられるがままの父。

もはや手がつけられないロードウォリアーズ。

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何度もドシンドシンと僕のお腹にダイブする息子。

屋内では、彼の中に眠る嫁のDNAが突然開化するから恐ろしい。


そしてメシを食って再び外に出ると、かたくなにインドアに戻ろうとする男。

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そろそろ彼のアウトドア化計画は断念しなくてはいけないのかもしれない。



ここから行きとは別の下山ルートにて下山開始。

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当初は非常に良い景色の中をのんびりと下って行く平和タイム。

でも次第に思い出す事になる。

何故か前回来た時のこの先の記憶が消えていたが、それは下山の写真がほとんど残っていなかったから。

要するにこの先は、実に「写真を撮るまでもない地味でひたすら長い急降下タイム」だった事をこの階段を見た時に思い出した。

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ここからはせっかく記憶から消していたファイルを呼び覚ます修行アゲイン。

これを必死で降りて行ったかと思えば、

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再びこんな感じ。

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そして終わったかと思っても、こんな感じのハシゴが次々と出てくる。

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たちの悪い上司に引っかかり、延々と飲み屋をハシゴさせられる新入社員達。

もはやハシゴのハシゴで皆すっかり千鳥足。

それでも上司は長々と鬱陶しい飲みニュケーションを繰り広げた挙げ句、また次の居酒屋へハシゴ。

そこには「和風居酒屋にありそうなオブジェ」もしっかりと設置されている。

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そんなハシゴ区間が終われば、後はなんだか妙に長く感じる下りが延々と続いてご満悦上司の過去の武勇伝話が止まらない。

そしてすっかりヘロヘロに酔いつぶれてしまった上司を担いでうなだれる新入社員。

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始発の電車時間を調べているように見えるが、何度もGPSの地図を見ては「まだまだ先が長いじゃないか...」とうなだれている姿だ。

忘れてはならないのは、もちろんこの時点でも彼は地味に口内炎に苦しんでいる。



それでも健気に頑張って下って行く新入社員達。

この山は実は往復距離にして、わずか6キロに満たない山。

それは何を意味するかと言えば、急登と急降下が楽しめる山だという事だ。

上司が潰れる程に酒を飲んでいたのは、会社の株価が急騰したのちに大暴落してしまったからなのだろう。


そんなブラック会社、南木曽コーポーレーションの未来を担う新人達がなんとか無事にゴール。

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実に長い修行研修登山だった。

酔いつぶれた上司を背負った男は、立っているのもやっとなご様子。


それでも全体的に実に平和な登山で、女性陣の爽やかな風のおかげで過去のダークな修行の記憶が美しく塗り替えられた。

そして何よりも僕を感動させたのは、あの買ったばかりの登山靴が最後まで反乱を起こさなかった事。(参考記事:運命の歯車〜そして聖地へ〜

僕は人生で初めての「靴擦れ無しの登山」という、当たり前のように見えて僕にとっては奇跡のような偉業を達成したのだ。

靴擦れを期待していたサド読者の人には申し訳ないが、最近では靴擦れが当たり前すぎて記事にもなってなかったからまあいいだろう。

もう僕のマゾは次のステージに向かっているのです。


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〜おまけ〜


戦いが終わり、彼女達ともお別れの時。


ここに来てすっかり酔いが醒めた上司が動き出した。

ついにセクハラエロ上司の濃厚なハグが展開されたのだ。

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こちらから見るその目は確信犯的なオーラを醸し出している。

さすがのパパラッチも、この露骨すぎる現場に対してカメラを向ける事すら忘れてしまっている。


羨望の眼差しで上司を眺めるお父さん。

しかし上司はハグしたまま、グラス片手に「お前にはまだ早い」と言った余裕の表情でこちらを見る。

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僕もお仕事頑張って、早くこの憧れの上司のようなやり手な男になりたい。


でもこの人、働いてるどころかほとんど歩いていない。

よく考えたら全部僕が背負っているじゃないか。

これが資本主義社会における、「持てる者と持たざる者」の埋めようのない差なのか。


それでも僕はアリのように生きて行く。

社会の歯車だって構わない。

アリも積もればエベレスト。

一寸の虫にもマゾの魂。


今後も一歩一歩、地に足をつけてマゾって行こう。




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修行の風景〜南木曽岳〜

Posted by yukon780 on 26.2012 南木曽岳/長野 0 comments 0 trackback
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中央アルプス南端の山「南木曽岳」(なぎそだけ・1679m)。

御嶽山、木曽駒ヶ岳とともに、木曽の三岳と呼ばれて古から「修行の山」として信仰される山。


この山にはこのような別名がある。

雨や霧の多い山なので「泣きびそ岳」、額を地面に付けるくらいの急登が連続するので「額付山」。


この「修行」「泣きべそ」「急登」という素敵な響きに魅了された男達がいる。

もちろん、まさかな出来事を楽しむアウトドアマゾ集団「チーム・マサカズ」の面々だ。


今回は悪天候をこよなく愛す「僕」、は虫類をこよなく愛す「アゴ割れM」、重いカメラをこよなく愛す「矢作C」、自分の嫁さんをこよなく愛す「ビビるS」の選抜4名のマゾ達。

そんな男達の報われない急登修行パラダイスが開幕した。


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そもそも南木曽岳にしたのは「曇り時々晴れ」の週間天気予報が決め手だった。

当日の予報では「曇り」に変わっていたが、降水確率は0%。


しかしなぜか南木曽に向かう車のフロントガラスを、何やら見慣れた液体が叩き付けている。

写真

まあいつもの事で想定内。

今回も楽しい山歩きが期待できそうだ。



中津川の駅でみんなを拾って、急いで登山口の駐車場へ向かう。

というのも、人気の山らしく9時前には駐車場が満車になってしまうという事前情報を得ていたからだ。


しかし、現場に到着してみると駐車場はがら空きだった。

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どうやら誰も好き好んでこんな悪天候の時に登る奴らはいないようだ。

しかしチームのメンバーは追い込まれた状況になるほどにゾクゾクが止まらない。

ベテランマゾの僕に至っては、買ったばかりのトレッキングポールが壊れている事が発覚して自らを追い込む離れ業。

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天を仰いで喜びを噛み締めているようだ。

今日のようなハードな急登登山時には(特に下山時)正直無くてはならないポールの離脱。

本日も下山時にガラスの膝小僧が喜びのシャウトを繰り返す事になるだろう。



さあ、修行前の遺影撮影だ。

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湿度とまとわりつくようなジメジメ感がマゾの体に心地よい。

ワクワク感ゼロの最高のスタートとなった。


いきなり出迎えてくれるのは濡れてツルツルの橋。

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さすがは修行の山。

覚悟のない者はここで突き落とされるわけだ。


暗く陰鬱でじっとりとした森を突き進む。

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早くもこの山が「泣きべそ」をかき始め、我々のテンションを強制的にダークな気分に落とし込んで来る。

そんな中、突然アゴ割れMが妙な体勢になった。

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まさか屁でもこくつもりか?

しかしよくよく聞くと大きなカエルがいたらしい。

は虫類好きの彼にとっては、このくらいのじっとりとした世界が丁度いいのかもしれない。


やがて噂に違わぬ急登の世界に突入していく。

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ただひたすらに登っていくだけの「楽しさゼロ」の修行世界。

己と向きあい悔いを改める内省的な暗い登山だ。


そして己と向きあいすぎて方向を見失い、違う道に侵入しては矢作Cに止められて引き返す男。

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この男に先頭を歩かせると、自ら死地に突入していく癖があるから恐ろしい。

毎度見張り役の矢作Cがいないと集団遭難の引き金になりかねないから、今後もアゴ割れMから目が離せない。



さらに深く深く侵入し、自己を見つめ直し続ける男達。

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何度も言うがこれは修行だ。

ここから先は山ガール禁制の男塾。

ひたすらに楽しさの対極の世界を堪能する4人のマゾ達の地味な戦い。

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そしてジメジメした世界ですっかり反省し、気持ちがめげた時がチャンス。

修行の山、南木曽岳が「さらに己と向きあいなさい」とオシャレなステージを用意してくれた。

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思わず見上げてしまうほど急峻でオシャレな階段だ。

我々は貴重な休日に、はるばる長野県まで来て何をしているのか?

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このよじ登っている男は二児のパパだ。

そしてこの二人も幼い子供を家に置いて来てまでここにいる。

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なぜ彼らは「楽しい登山」には目もくれずにこのような修行の道を選んでしまったのか?

それとも意図せず毎度こういう事になっているのか?

それは誰にも分からない。


そしてあまりの修行のハードさに、従軍キャメラマン矢作Cはすでに撮影する事をやめている。

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彼は毎回クソ重たいカメラを持参してはその重さ故に誰よりも先に疲弊して行き、挙げ句にしんどくて撮影できなくなるという本末転倒っぷりを披露してくれる。

彼にとってカメラとは、撮影するものではなく修行道具の一つなのかもしれない。


やがて修行も佳境に入っていき、「鎖」か「桟道」か好きな方をチョイスできるという気配りを見せる南木曽岳。

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左の「鎖」は垂直に近い岩壁が雨に濡れてツルリと滑る素敵なコンディション。

右の「桟道」は木の隙間から踏み外したら滑落を楽しめるというアトラクション。

どちらも魅力的で、豊富な修行バリエーションに喜びを隠せない男達。


とりあえず桟道コースで諸葛孔明の北伐気分を味わう事にした。(蜀の桟道参照)

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しかし欲張りなアゴ割れMの修行心が止まらない。

桟道を登りきってから、何故か鎖道に手を出し始めた。

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大方の予想通り足を滑らせて慌てて戻って来たが、彼の探究心には見習うべきマゾが光っていた。


そしてまたウネウネと急な階段を登っていくという地味でハードな修行が始まる。

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この頃には「カッパを着るほどじゃないけど鬱陶しい量」の雨が降り出す。

体のジメジメ感は勢いを増し、不快指数はさらに味わい深いものになって来た。


もうこの頃には矢作Cは虫の息になっており、しかも脇腹痛に苦しみ出していた。

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それでもこの嬉しそうな表情は、彼の修行が一段上のレベルに達した事を物語っている。

何かが突き抜けて、苦悶の先にあるお花畑の世界が彼にはハッキリと見えているんだろう。



やがて「かぶと岩」という岩の案内看板が出て来た。

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しかし、まだまだ修行が足りない我々にはその姿を捉える事は出来ない。

心眼で「かぶと」っぽい岩を想像する事しか出来ない。

先週の甲斐駒ケ岳山頂に引き続き、本日も真っ白な「精神と時の部屋」の世界に入り込んだようだ。


さらに這いつくばって突き進み、

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やっと「展望ゼロ」の山頂に到達。

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予想通りだが、山頂までが華々しさと無縁の地味な世界だった。


山頂が展望がない事は知っていた。

実はこの先に素晴らしい展望スポットがある事は調査済みだ。

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この先に南アルプスの絶景がお待ちかねだ。

ここまでの修行の苦労が一気に吹き飛ぶ瞬間だ。


おお!雄大なる南アルプスの山々よ!

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かつてジョンレノンは言った。

「想像してごらん」と。

そこに素晴らしい世界が広がっているんだよ。


しかし心眼を開けない男達はただガックリと肩を落とした。

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これがあの辛く地味な修行の果ての結果なのか?

神はまだまだ修行が足りないとおっしゃっているのか?



ここでアゴ割れMが言ってはいけない事をついに口にしてしまった。


「なんかさ、感動が欲しい..。」


野郎、言いやがった。

誰もが思っていたけど、あえて口にしなかったその言葉を。


実はみんななんだかんだと、天気が回復していって山頂に着く頃には景色が堪能できると思っていた。

しかし突きつけられた現実は痛烈なものだった。

修行に感動などは必要ない。

そう言い聞かせて先に進んでいった。


やがて霧まみれの世界にぼんやりと幽霊船のような避難小屋を発見。

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本来であれば絶景を堪能しながらメシを食うはずだったが、まさかの避難小屋ランチとなった。

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そんな我々に対し、小屋の壁にはイヤミな写真が貼ってある。

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ああ、本来であればこのような景色が広がっていたんだね。

別に悔しくないよ。

悔しくないさ。

悔しくなんて...



おっと危ない。

せっかく鍛えて来た精神がグラつく所だった。

さっさとメシを食って修行の続きだ。


さらに霧に包まれた世界を先に進んでいくと、またしてもイヤミな看板と展望スペースに到達。

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親切に中央アルプスの山容図入りの看板を立ててくれちゃっているが、中央アルプスどころかすぐそこに立つ僕の姿すら霧で消えかかっている。

しかしここまで来ると、ついに我々にも修行の成果が現れ始めた。

奇跡的に展望が開けて、ビビるSのバックに中央アルプスの山々が現れたのだ。

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うおお、絶景だ。

親切に山の名前まで分かり易いように巨大な標識が刺さっているし。


報われた。

誰がなんと言おうと我々の修行はこれで報われたのだ。



こうして絶景を満喫した我々は下山していった。

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この下山記念写真で笑っているのは僕だけのように思えるのは気のせいだろうか?

何にしてもみんな大満足の登山だったね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この後温泉へ行った。

そこの入浴料は700円なんだが、ビビるSがJAFの会員証を持っていた為に200円割引で500円になった。

そこでアゴ割れMが、またしても呟いてしまった。


「この割引、今日で一番感動した」と。


その一言に、誰も異を唱えるものはいなかった。

男達は静かに浴場に消えていった。


彼らの修行はまだ始まったばかりなのだ。


ー完ー



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