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秋の中性脂肪祭り二日目 in銚子ヶ峰/後編

Posted by yukon780 on 31.2012 銚子ヶ峰/岐阜 1 comments 0 trackback
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快晴の空、ステキな登山道。

そんな中をトボトボと歩くテンションの低い男。


昨日から続く奇祭「秋の中性脂肪祭り2012」がいよいよ佳境に入って来た。

ここまでの非常に過酷だった祭りの数々が脳裏を駆け巡る。

チームGによる「痔鎮祭」から始まり、僕の放屁による「異臭祭り」、下山時に足を痛めた「アホの坂田祭り」、アゴ割れMを肉離れに追いやった「牛糞ランニング祭り」、温泉でコインロッカーが開かないという「全裸放置祭り」、8時間浴びるように酒を飲み肉を食らう「酒池肉林祭り」、そしてアゴ割れMの「台湾祭り」に巻込まれながらの「激辛嘔吐祭り」。

その勢いのまま突入した二日目では「二日酔い祭り」を基本ベースに「脱水祭り」からの「おたけり祭り」、そして辿り着いた避難小屋で「延長水場ジャングルフェス」を楽しみ、そのまま「背骨祭り」へと急展開。

ここまで実に13もの祭りを渡り歩き、僕のボルテージは下がる一方だ。


しかしまだまだ負けるわけにはいかない。

実はチームのメンバーには「お昼ご飯までにはみんなに合流する」と高らかに宣言して飛び出して来ている。

矢作Cおすすめのサンマ定食が美味しいというお店でお昼を食べ、この辛かった祭りを締めくくるのだ。


男はみんなの夢と希望を背負って突き進む。


それではそんな彼のその後の足取り。

誰も望んではいない蛮行を追って行こう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


やたらと姿勢の良い男が歩いている。

背筋はピンと伸び、真っすぐ前だけを見つめる精悍なる顔つき。


そう、彼は今激しい背中の突っ張りによってあまり前屈みになると激痛が走る状態。

精悍な顔つきに見えるのは、痛みで表情がこわばっているからだ。


息を吐く度に背中を痛めるというロングマゾブレスダイエット。

痩せる事はないが、みるみる顔色が白くなって行って美白効果は抜群だ。


そんな画期的なダイエット法を楽しんでいると、やがて紅葉区間を抜けてポッと視界が開けた。

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やっとここまで来たか。

この山を選んだ理由はこのステキな稜線を歩きたかったからだ。

さっき水を飲み過ぎて若干脇腹が痛み始めているが、もはやその程度の痛みなど祭りの内に入らない。

ここからは素直にこの登山を楽しませてもらうぞ。



とっても気持ちのいい道が続き、

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振り返れば紅葉の絨毯。

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しかし悲しい事にあまり振り返ると背中が痛い。

振り返る際は首だけでなく体ごと動かす事になるので、動きがロボジーのようになる。

今の僕ならこのまま東京ロボットショーに出場しても違和感なく溶け込めるだろう。


しばらく進むと遥か前方に「別山」が見えて来た。

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実は来年はあの別山を越え、遥か先の「白山」(はくさん・2,702m)を目指す白山連峰完全大縦走を企んでいる。

でも来年の一月には二人目の子供が生まれるので、恐らくそんなことが出来る立場にはない気がする。

果たして来年の僕は夢を叶えて「別山からの白山大縦走」の切符を手にできるのか?

もしくはその手前で怒りを買い「別居からの嫁さん大暴走」で緑の紙を手にするのか?

事は入念に運ぶ必要がありそうだ。



やがて岩の上に仙人が現れた。

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于吉仙人が雨乞いでもしているのか?(分かる人だけで良い)

僕はその岩を目指して行く。

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そしてその岩によじ登る。

岩の下で休憩中しながらバウムクーヘンを食べていた于吉仙人に写真を撮ってもらった。

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于吉仙人は不思議そうに「こっちを向かないの?」と聞いて来るが、怖くて足がすくんでいるのと背骨祭りのせいで振り向けないんです。

とりあえず「たそがれてる感じでお願いします」と言って撮ってもらった。


そしてこの岩からの眺めが絶景だった。

右見て、

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前見て、

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左見て、

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紅葉絨毯の大パノラマ。

まさに仙人にでもなったかのような浮遊感。

僕は今、鶴に乗って空を飛んでいるのか?

それとも実はさっきの水飲み場で僕は息絶えていて幽体離脱して浮遊して来たのか?


何にしてもやっと大満足の登山になって来た。

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「楽しい」と思えるまで随分と時間が必要だったが、やっと人間らしい秋の登山を満喫だ。

さあ、感動の山頂はもうすぐそこだ。

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早く山頂で華やかな記念撮影をして、ここに来れなかった奴らに見せつけてやるんだ。

今までにない最高の笑顔で写真を撮った後は、たっぷりと山頂を満喫してやる。

登山とは山頂でのそんな静かな時間によって今までの苦労の全てが報われるのが醍醐味なのだ。


そしてついに山頂に到達。

さあ、山頂の碑とともに勝利の記念撮影だ。

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誰だ、あんたたち?

もの凄い数の集団登山者が山頂をジャックしてるじゃないか。

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何やら引率者みたいな人が延々と白山の歴史を語っているのを、大勢の集団登山者がじっと聞いている。

はっきり言って記念撮影なんてできる雰囲気ではない。

なんだ、この突然甲子園のライトスタンドに置き去りにされた巨人ファンのような心境は?


笑顔の登頂写真は?

静かな山頂でのひと時は?

苦労が報われるって言う登山の醍醐味はどこへ?


達成感を感じる隙も与えずにやって来たガッカリ感。

僕は何か悪い事したかい?


そしてその場の激しい「部外者感」に耐えきれず、そのまま頂上を越えてさらに稜線を別山方向に移動して行く。

3時間以上登り続けて、頂上での滞在時間は実に「3分」にも満たない。

こうして背骨を痛めているウルトラマンマゾは悲しみのカラータイマーの警告音に耐えきれなくなって頂上を去っていった。


水場ジャングル祭りに次ぐ本日二度目の延長戦。

でも銚子ヶ峰から別山に続く稜線は強烈な美しき登山道だった。

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時間があればこの先の一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰を経て別山・白山へと縦走できるが、楽しみは来年以降に取っておこう。

今日は早めに下山してみんなと勝利のサンマ定食を食わねばならんのだ。


稜線上に調度いい場所があった。

勝手に「ここを銚子ヶ峰、山頂とす」と宣言。

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山頂の標識もない場所でのヤラセ登頂写真。

彼が後ろ向きなのは背骨の痛みだけではなく、頬を伝う水が写らないようにしたせめてものプロデューサーの配慮か。

そしてここで目撃されたのが、前回のオープニング写真を飾った「うなだれる男」だ。

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顔が黒くなっているので、彼が笑顔なのか泣いているのかは窺い知る事はできない。


でも神はそんな憐れな男の事をちゃんと見てくださっている。

何気にこの仮頂上。

本当の頂上よりも当然人はいなくて静かだし、断然景色だって素晴らしいのだ。

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おおお。

ひょっとしてとても僕は今ツイテいる状態ではないのか?

ここまでの祭りが騒々しすぎて気がつかなかったが、こんなに晴れててこんなにいい景色で他に一体何を望むというのか?

うむ、まぎれもなくここは「僕の頂上」だ。


僕はホクホク顏で餞別で貰った魚肉ソーセージを食パンに挟んで食い始める。

雄大な景色を見ながらの静かなる勝利タイム。

無理してまで来て良かった。

やっぱり登山って楽しいなあ。


と、思った瞬間背後に異様な気配を感じた。

なんとあの大量の山頂ジャック登山者どもがワラワラとこっちに向かって来るじゃないか。


あっという間に奴らに占拠された「僕の頂上」。

その中のおばさんが「わあ、こっちのが景色良いねえ」なんて言いながら僕のトレッキングポールを踏んでいる。


腹が立ったので僕は元「僕の頂上」の下のスペースに仕方なく移動して、改めて座って景色見ながら魚肉パンを食う。

そんな僕の目の前でなぜか悠然と立ち止まる奴がいて、おかげで景色が見えないばかりか「そいつの股間を眺めながら魚肉ソーセージを食べる」という非常に気分の悪い状況へ。


こうして強烈に気分を害した僕は、逃げるようにその場を退散。

まあいいさ。

わずか一瞬でも幸せな気持ちになれたんだ。

彼らは悪くない。

少しでも楽しんでしまった僕が悪いのだ。


僕は何故か濡れて塩辛くなったソイジョイをかじりながら下山を開始した。

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ここから先はずっとメガネが曇っていたからあまり記憶はない。

もうこうなった以上、僕を突き動かしているのはみんなと食べるサンマ定食のみ。

少しでも早く下山してみんなに追いつくのだ。

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ひたすら元来た道を無心で下り続ける男。

相変わらず背骨は痛いし、結局は足も痛いし、ここまでの疲労も酷い。

しかし望んで足を踏み入れたこの世界。

後悔はしていない。


ノンストップで下り続け、やがて嫁が見えて来た。

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さあ、ここまでこればあと少し。

よく頑張った。もうすぐ祭りは終わるぞ。

意地でもサンマ定食に間に合わせるぞ。


そしてついにゴール。

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出発時よりもゲッソリとした男が撮影された。


ハアハアと息を切らせるぐったり男。

時計を見る。

14時10分。

サンマ定食が美味しい「だるまや」の集合時間は14時。

ここからだるまやまでは車で50分くらい。

そしてだるまやの営業時間は15時まで。




カンカンカンカンカンカン。


試合終了のゴングが無情に鳴り響いた。

男はその場で静かにマットに沈んだ。



ちなみに男がノックアウトしている時。

その時刻に彼らによって撮影されているサンマ定食がこちら。

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やっぱり秋はサンマだよね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれからどれほどの時が流れただろうか?

行き場を失った孤独な男は桧峠という峠に立っていた。


そもそも楽しくサンマ定食を食おうなどと考えてしまったのが分不相応というのも。

マゾはマゾらしくランニングでもするべきだなんだ。

祭りはまだ終わっていないのだ。



こうして男は何故かランニングを開始。

もちろん背中は痛いし足も痛い。

そもそも体力が限界に近づいて来ている。


でも峠から走り出したから、ひたすら下りで楽々ランニング。

しかし当たり前だが、その道をまた登って来なくてはならない。

当然後半は自業自得の心臓破りヒルクライムに突入。


「アッあー!」「ブハッ!」「ぐえぇえ。」

誰もいない山間の峠に断末魔の叫び声がこだまする。


そしてついに走り出して3キロ地点。

そこには脇腹を抑えて苦悶の表情を浮かべる男の姿。

ついに彼は脇腹を痛めて無念のリタイア。


もう十分じゃないだろうか?

そろそろ僕を楽にしてやってもいいんじゃないだろうか?


男は口元に大満足の笑みを浮かべながらヨロヨロと峠にある温泉へと向かった。

ここまで自分を痛めつけた後の温泉は格別なるご褒美だ。

とりあえずこれから温泉に浸かってから帰る事を携帯で嫁に連絡しておこう。

ここまでずっと圏外だったから、嫁も久々のダーリンの声を聞いて喜ぶはずだ。


すると嫁が「いつまで遊んどんの!お義母さんが風邪でダウンしているからさっさと帰って来い、このハゲ野郎!」と言うじゃない。

やはりこの迫力は「いとしろの大杉」の比じゃない。

僕は「そうなの?せめて温泉だけ入って帰っても良いですか?」と懇願。

嫁は「大人の判断しやあ。」とピシャリ。


こういう言い回しをする辺り、彼女が匠と言われる所以だろう。

もはや温泉にも入らずに最短で帰って来いと言っているのと変わらない。

実に恐ろしい。


僕は「こんな全身汗まみれの悪臭野郎で帰宅して迷惑をかけるのは大人ではない」という大人の新基準を作り上げて無理矢理自分を納得させて温泉へ。

しかし常に嫁が頭にちらついて、800円も払ったのにシャワーを浴びる程度で温泉から上がり速攻帰宅。

この祭りは一体いつになったら終わるのか?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ノンストップで車を運転し続けて自宅到着。

いろんな疲労やいろんな痛みでクラクラする。


倒れ込むように玄関へ。

輝いた顔で出迎えてくれた我が息子りんたろくん。

りんたろくんは僕を見て「帰って来たよ!うんこ星人帰って来た!」と言った。


一体僕が不在中に彼は何を教え込まれているんだ?

彼がウルトラマンにはまっているのは知っているが、そんな星人はいなかったはずだ。


ふらつきながらも先ずはお館様に帰還報告をしなくてはならない。

嫁は寝転がってテレビを見ている。

そんな嫁が、僕の方を見てハッとした感じで何故かじっと僕を見つめている。

さてはこの度重なるお祭りの試練を乗り越えた僕が今まで以上に男らしく輝いて見えるのか?

ついに惚れ直してしまったのか?

まさかの三人目誕生なるか?


しかし嫁はボソリと言った。

「なんか老けたね。おっさんだがね。」と。


そして彼女の奥の方には想像以上に元気なお義母さんの姿を確認。

僕はヨボヨボとその場に座り込む。




ひとしきりショックを楽しんでから、とりあえず荷物の後片付けを開始。

そうこうしているとりんたろくんが苦悶の表情を浮かべて泣き出した。

なんと彼は本日便秘5日目で、今まさにその溜まりに溜まった思いをぶちまけようとしている。

しかし入口付近のカチカチうんこがフタとなり、大変な難産がスタート。


すぐさま僕は疲れた体に鞭打って彼のセコンドに回る。

「出せ!出すんだ、りんたろう!がんばれ!いきんで!ウウウッッっていきんで!」

ウウウッの時に思わずスカ屁を出す男。

嫁が「臭うよ。出たんじゃない?」と言ってオムツチェック。

当然「お前じゃねえか!」とはたかれる僕。

泣き叫ぶ息子。

イラつく嫁。

色々限界のお父さん。

祭りはいよいよ感動のフィナーレへ向かって突っ走る。





突如訪れた静寂。

りんたろくんがニヤリとした。

「スッキリしたか?」と聞けば「スッキリした」と言う。


終わった。

長かった。

ついに「秋の中性脂肪祭り2012」がこの瞬間感動のフィナーレを迎えたのだ。


鳴り止まない拍手。

観客はスタンディングオベーションで彼の健闘を称える。


こうしてまた一つ僕は大人になった。

だんだん自分が何者かが分からなくなって来た。

一体何になりたいのか?


その答えは地球の人には分からないだろう。

所詮僕はうんこ星人なのだから。




秋の中性脂肪祭り 〜完〜


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秋の中性脂肪祭り二日目 in銚子ヶ峰/前編

Posted by yukon780 on 30.2012 銚子ヶ峰/岐阜 0 comments 0 trackback
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ひとりぼっちの猫背男。

標高1800m。

孤独感と疲労感を漂わせて遠くを見つめる男が目撃された。



こう見えて彼は今祭りの真っ最中。

前日の大日ヶ岳に続く「秋の中性脂肪祭り2012」の二日目を迎えている。


しかし昨日まで7人もいた祭りの参加者がついに彼一人になってしまった。

薄々分かっていたことだが、誰も好き好んでこんなマゾの酔狂に付き合う人などいない。

期待したアゴ割れMはまさかの肉離れ&台湾泥酔により初日でリタイア。


ついにいつも通りの一人祭りとなってしまった二日目。

男の無理が止まらない。


すっかりタレントに見放されてしまった敏腕プロデューサーの、その後のお祭り風景を追って行こう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


5時にセットしていた携帯のアラームが鳴る。

しかしまるで体が動かない。


絵に描いたような二日酔いで頭がぐあんぐあんしている。

深夜に激辛嘔吐ショーと台湾男との死闘を繰り広げた僕にはとても起きる気力が湧いて来ない。

ある程度予想はしていたが、やはり計画に無理があったか?

見事に僕は深い二度寝に突入。

この時二度寝していなければ、後の「サンマ定食の悲劇」は起こらなかったはずだ。



結局7時半くらいに起床。

その気になれば「おはよう」と言う前にゲロが吐ける状態。

正直もう登山なんてしたくない。



でも外を見ると、僕の期待に反して絶好の登山日和の大快晴。

普段なら狂喜乱舞するシチュエーションだが、この時ばかりは舌打ちが飛び出す。

せめて曇ってればすんなり諦められたのに。


しかしこれは祭りだ。

こんな天気の日に行かないで後悔するより、行ってゲロまみれで死んで後悔した方がマシだ。


即座に僕は山に行く準備を始める。

すでに他のメンバーは「こいつは本当に行くのか?」「なぜそんな事をするんだ?」「何がお前をそうまで突き動かすんだ?」といった変態を見る目で僕を見ている。

もちろん聞くまでもなく彼らは行かない気満々だ。


中性脂肪祭りを途中下車する事になったメンバー達から、激励の食パン・アンパン・魚肉ソーセージ・ソイジョイを託され、同時に彼らの夢も託された。

何とか僕一人でもこの祭りを完走してみせる。

みんなの無念の思いを晴らしてみせるぞ。

(そもそも登山+BBQを楽しもうというだけの平和な企画なので彼らが正しい。来なくて当然。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


僕は颯爽と皆に感動の別れを告げ、車で別荘を走り去る。

そして5分後に忘れた携帯を取りに戻るという羞恥プレイ。

さらに広大で迷路のような別荘敷地内から出ることが出来ず迷子になる男。

いつまでたっても出発できない。

祭りは早くも始まっているようだ。



そしてひたすら車を走らせ、結構な悪路の中で延々と山の中へと侵入して行く。

コンビニなんてないから、餞別で貰った食パンを素のままモソモソと食う。


ちなみにその頃、他のメンバーはこの様な物を食べていた事が後に提供された写真で分かる。

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早くも劣勢だ。

明らかにこちらの祭りのが盛り上がっている気がしてならない。


そんな事は何も知らない二日酔い男が、やっとこさ登山口に到達。

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表情の覇気の無さと言ったらどうだ。

滲み出ているのは登山が始まる高揚感というより壮絶な倦怠感。

今最も必要なのは山を登る力よりもウコンの力だ。

未だに頭痛がする。


そのままフラフラと登り始める男。

彼はここで早くも痛恨のミスを冒してしまう。

登山口にあった水を汲み忘れたまま、一切の水分を持たずに登り始めたのだ。

二日酔い男にとっては完全なる自殺行為が始まった。


そして早速そんな彼の目の前に現れるのは、どこまでも続く急登階段ヒットパレード。

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スタートからわずか3分で早くも心を折られる男。

祭りも二日目ともなれば、やはり出だしの勢いが違うぞ。

しかしここで折れてはダメだ。

みんなに夢を託されている以上、這ってでも登りきってみせる。



その頃、すっかり僕の存在は頭から消えたメンバーが遊びに繰り出している模様。

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別荘地の爽やかなる朝。

正しい人間達の正しい休日の過ごし方。



もちろん今、嘔吐への欲求と戦いながら階段を這い上がっている男には彼らが何をしているかは分からない。

そしてグハグハと随分上まで登った辺りで気付く。

「水、汲み忘れてるじゃないか」と。


たちまち絶望感に支配される二日酔い男。

普段の8倍は体が水を求めている最中で突きつけられた現実。

地図を見れば一応途中に「水場」と書かれた場所があった。

所要時間、ここから実に「2時間」。

祭囃子が鳴り止まない。


こうなれば割り切ってこの祭りを全力で楽しんでくれる。

踊る阿呆に見る阿呆、同じアホならマゾらにゃ損々。


階段を登って行くと、やがて僕は何やら視線を感じた。

その方向を見れば、手前の木の後ろに何やらとてつもなく巨大な物が見えるぞ。

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「いとしろの大杉」さんのご登場だ。

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大して期待していなかっただけに、なんだかとんでもなく凄く感じるぞ。

屋久杉と変わらないくらいの大迫力。

まるで嫁の目の前に立っているかのような威圧感。


どうでもいい所に全力を傾ける低収入男に対する嫁の怨念が現れたのか?

僕は妙に怒られている気分になったので足早にその場を離れた。


そして試練のような急登が始まる。

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時折「おええっ」という吐息が漏れる。

昨夜に吐ききれなかった僕の中の台湾軍が「早く出撃させてくれ」と僕を煽る。

さらに僕の中の自衛隊が「水、水をくれ...」と必死の訴え。


これが試合なら間違いなくレフェリーストップの局面。

しかしこれは自業自得祭りだ。

ここに来れなかったあいつらの為にも、この歩みは意地でも止めてなるものか。

僕には遊んでる時間なんて無いんだ。



その頃、彼らは無邪気に遊んでいた。

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もうこの頃には彼らの中で僕の存在なんて歴史上の人物くらいに過去の人になっていた事だろう。

歴史上でも後世に名を残す人間がいれば、歴史の闇に消えて行く名もなき男がいるものだ。



しかし闇に埋もれる側の男にもついにご褒美の時がやって来た。

道はひたすら平坦になって行き、

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燃えるような紅葉が始まったのだ。

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決して僕が血を吐いて辺り一面が真っ赤になったわけではない。

これはまぎれもなく紅葉だ。

すっごく奇麗で気分がいいぞ。

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体調さえ良ければだけどね。


体の脱水症状がその景色を楽しむ事を許さない。

やがて干し椎茸のような状態の男の前に、何やら不穏な標識が。

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「おたけり」の言葉の意味は分からないが、何やらその響きが僕に強烈なダメージを与えそうな予感がする。

この手のネーミングの先に待つ世界は、今までの経験上ろくな思い出がない。


案の定、おたけり坂はゴング直後から激しく急登に襲いかかって来た。

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おい、随分とおたけってるじゃないか。

その坂はとんでもない急斜面でひたすらおたけり続ける。

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延々と延々とおたけりまくるおたけり坂。

さすがの僕でももうこれ以上おたけれそうにない。

おたけりすぎて、体内から昨日の台湾ラーメンが大量の汗となって吹き出すピリ辛男。

唐辛子とニンニク臭に包まれる脱水野郎。

本気で厳しい事になって来た。


後にこの坂の由来を調べてみました。

このように書いてあります。

「おたけり坂はかなり急な坂道です。泰澄大師の母が女人禁制の白山に登ろうとしたときに、神様のおしかりをうけた場所だと伝えられています。坂の途中には泰澄大師の母が血や槍の雨をしのぐために雨宿りしたと伝えられる「雨宿りの岩屋」があります。」


おしかりをうけた場所...

それに血や槍の雨って...

身に覚えがあるから、今後この坂の事を「どえすよめ坂」として新たに名付けておこう。



必死でどえすよめ坂をおたけりきると、やっと平坦な道に出る。

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そしていよいよ銚子ヶ峰の山頂を捉えたぞ。

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山肌にポツポツと赤い紅葉が点在し、非常に美しく雄大だ。

僕肌もポツポツと赤い唐辛子の汗が噴き出し、非常に臭くて辛いぞ。


ここからの道は快適そのものだった。

ひたすらに美しくて歩きやすい紅葉の楽園回廊。

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以前アウトドアショップの店員に「この辺で一番良かった山は?」と聞いた時に、「秋の銚子ヶ峰」と答えていた事を思い出した。

確かにこの山は登る時はがっつり登り、平坦な場所はひたすら平坦というメリハリのある山で、初心者山ガールなんてお誘いするにはもってこいの場所かもしれない。

ちゃんと通常の体調で水を持っていればの話だがね。

そもそもこんな全身が台湾ラーメン臭で、脱水により口の端に泡作っているようなおっさんに山ガールはついては来ない。


その後も紅葉にメロメロで脱水にヨロヨロしながら進んで行く。

そしてついに地図に「水場あり」と書かれていた「神鳩ノ宮避難小屋」に到達。

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やっとこの2時間映画「脱水野郎 Mチーム」がエンディングの時を迎えそうだ。

僕は即座に荷物を降ろし、リザーバー(水筒)を持って付近をゾンビのようにうろつく。


どうした。

水場が見当たらないぞ。



僕は泣きそうになりながら休憩中の他の登山者に「水はどこですか」と尋ねた。

彼が指を指した方向へ向かう。

なんとここを降りて行けと言うのか。

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ここまでこればすぐに水にありつけると思っていた男の、微塵も予期していなかった延長戦。

まるで42.195キロ必死で走って完走したかと思っている男に、追加で+10キロ走れと言っているようなこの仕打ち。


男は「俺に水を飲ませろ!」と叫びながら突っ込んで行った。

まさに筋肉少女隊「日本印度化計画」以来の悲痛なシャウトだ。


しかし銚子ヶ峰も「祭りを盛り上げろ」とばかりに、壮絶なジャングリーロードで迎え撃つ。

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はっきり言って、この登山の中で一番過酷な登山道。

どこまでもどこまでも下降して行く水場への道。

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一体どこまで降ろせば気が済むんだ。

まさかこのまま下山させるつもりじゃないだろうな。


やがて放尿現場のようなジョロジョロと流れ出す水場を発見。

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餓鬼のように水に突っ込んで行った事は言うまでもない。

キリッと冷えたその水が五臓六腑におたけりまくる。

その強烈な美味さは、二日酔いで二時間山を登り続けた者のみが許された絶妙なる味わい。

僕は今誰よりも幸せな男だ。


という麻痺を起こすほどの美味しいお水。

しかし水を汲んで再び上を見れば、今来た急降下ジャングル道を今度は大急登しなくてはいけないという現実。

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あんなに美味しかった水だが、今はたっぷりと汲んだ3Lの重りとなって僕にのしかかる。

山で水を得るというのは戦いだ。

今後、蛇口の水を無駄に使う奴を見たらぶん殴ってやる。



やがてふらっと水を汲み行った男が、ふらふらになって小屋に帰って来た。

そのままベンチに座り込み、息を切らせながらアンパンを食う。


そこで僕の体に原因不明の異変が生じる。

背骨上部に「ピキィーーンッ」と電流が走った。

何だ?

何もしていないのに背中を痛めてしまったぞ。


すごく背中が突っ張る。

息を吐く度にピリリと痛い。


思い当たる行動と言ったらアンパンを食った事だけ。

このアンパンは矢作Cに餞別で貰ったもの。

まさか彼なりに祭りが盛り上がるようにと、わざわざ何かが混入したアンパンを提供してくれたのか?

それとも矢作Cが串焼きの仕込み中に、ビールばっか飲んで働かなかった僕への腹いせで何かを仕込んでいたのか?



何にしても祭りはハードな展開。

中性脂肪祭りは二日目にして「中年死亡祭り」へとシフトチェンジして来たようだ。


それでも歩みを止めないお祭り男。

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一歩一歩、一呼吸一呼吸が背中にダメージを与える。

やっと脱水祭りが終わったと思っていたら、早くも背骨祭り突入。


みんなはきっと来なかった事を後悔するに違いない。

みんな感じているか?

こっちはすっごく盛り上がっているぞ。

悔しくなんて無いし、ましてや後悔だってしてないさ。

ただちょっとだけ目から水がこぼれる程度の話さ。

さっき沢山水を飲んだから溢れちゃっただけだよ。

あんまこっち見んなよ。

見んなって。



こうして男は一人メガネを曇らせながら、静かに山中へと消えて行った。



中性脂肪祭二日目 in銚子ヶ峰〜後編〜へ つづく 


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