鈴鹿セブン最終決戦〜雨乞岳リベンジ〜

Posted by yukon780 on 11.2013 雨乞岳/滋賀 0 comments 0 trackback
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2011年10月から始まった「鈴鹿セブン完全制覇」への道。

もはや忘れてしまった人も多いことだろう。


簡単に説明すると「鈴鹿セブン」とは三重県の鈴鹿山脈にそびえる7つの名峰の総称。

僕はこの7つの山をキン肉マンの「7人の悪魔超人」になぞらえて、ミートくんの体を取り戻すべく戦いを続けて来た。

キン肉マンを知らない人が読んだらさっぱり意味の分からないという、このブログの中でもひときわ異彩を放つシリーズだ。


そして僕は悪魔超人たちとの数々の名勝負を繰り広げ、去年末にいよいよ雨乞岳ことバッファローマンとの最終戦を迎えた。

そしてギリギリまでバッファローマンを追いつめたが、最終的には強烈な「ハリケーンミキサー」を食らって壮絶なる惨敗。

見事に鈴鹿セブン完全制覇に失敗し、ウォーズマンは死んでしまった。↓

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この時のあまりにも悲惨すぎた惨敗の模様は、過去の記事を参考にしてもらいたい。(決戦前夜〜1000万vs13万の前哨戦〜さよならウォーズマン〜雨乞岳前編〜さよならウォーズマン〜雨乞岳後編〜


今回はそんなウォーズマンの弔い合戦を兼ねた雨乞リベンジマッチ。

あの絶望の撤退戦から約半年。

今度こそ因縁のバッファローマンを蹴散らし、鈴鹿セブン完全制覇を成し遂げる。

随分とここまでに時間が経ってしまったが、待ってろよミートくん。


※先に断っておきますがキン肉マンを知らない人にはここで撤退をお勧めします。


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決戦の日。

前回は単独での戦いだったが、今回は助っ人超人たちを伴っての万全を期した最終戦だ。


まずは最強の助っ人超人、ホルモン強度1000万パワーのアゴ割れM。

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出発前から「魚肉のどごしラリアット」をかまして、したり顔のアゴ割れネプチューンマン。

これほど頼もしい助っ人超人はいない。


そして今回、初登場の超人がいる。

画面右側でバズーカのような凶器を持って、充血した目でこちらに流し目を送る男。

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実は彼は矢作Cのカメラ仲間で、何度かチーム・マサカズのイベントに参加しようとした過去がある。

その際の触れ込みは「強烈な晴れ男がいる」というものだった。

しかし彼が参加表明する度に登山当日がことごとく雨天中止に追い込まれるといった事態になり、それ以降僕から「詐称晴れ男」「粉飾晴れ男」という烙印を押されていた。

中止ばっかりでいつまでも僕と出会えなかったので、その「存在」すら疑問視されていた男。

そんな彼もやっとこの度、雨を降らす事無くこの晴れの舞台に参加することになったのだ。


この超人は「二日酔いで眼球を充血させて登場」という技で僕の前に姿を現した。

さらに「登山後にそのままテニスに行きます」という追いマゾ宣言。


またここにニュータイプの自己追い込み型のマゾ野郎が登場したようだ。

今後彼の事を「ワイン好きで首筋が弱点の充血眼球インテリ風テニスバズーカ雨男K」、略して「パパラッチK」と呼ぶ事にする。


そしてここに元祖従軍キャメラ超人「矢作C」と、生き急ぎ女超人「低血圧Mちゃん」が加わり、対バッファローマン戦に向けて万全のキャスティング。

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もちろん今回も最強の助っ人超人りんたろくんを担いでの戦い。

りんたろくんとは鈴鹿セブン一発目の入道ヶ岳(ステカセキング戦)以来のタッグだ。

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でも彼は助っ人と言うよりただの「重り」だから、彼が来ると僕の超人強度は20万パワー位にまで急降下する。

しかしその一方で、その重みで「マゾ場のくそ力」が発動されて僕のマゾ強度は軽く1000万パワーを越える。

これならバッファローマンとも対等に戦えるはずだ。


そして因縁の登山口へ。

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前回は下山時にこの場所で、僕は真っ白に燃え尽きて灰と化したものだった。↓

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あの時は鈴鹿スカイラインの凍結で、この「登山口」にまで辿り着くまでが相当な戦いだった。

それを思えば、今回は素直に登山口からスタートできるし雪山でもないから楽勝だろう。


やがてゴングが鳴り響き、ここに「正義マゾ超人軍団 VS バッファローマン」の戦いが始まった。

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ここで最後尾にて、早くも新人超人が挨拶代わりのパパラッチ。

パパラッチKが、自慢のバズーカ砲で先制攻撃だ。

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その佇まいは、ゲリラ戦線に突撃取材に来た戦場カメラマンのよう。

この驚異的望遠レンズにて、早くもバッファローマンの弱点を丸裸にしてやろうという作戦なのか。

しかしその「情報」と引き換えに、彼はこの「クソ重たいカメラ」を担いで行かねばならないというイバラの道を選んだのだ。

実に献身的なサポート超人。

これで僕も安心して戦えるというものだ。


一方で、バッファローマンも黙ってはいない。

早速僕の「まだ飲んでないヘルシアウォーター」に襲いかかって来た。


僕のショルダーベルトに取付けられていたヘルシアウォーターが、はずみで外れてなす術も無く谷底へ滑落。

「ああ、これで今回も脱水デスマッチに突入か...」と思ったその瞬間。

颯爽とホルモン超人が谷底へ向けて急降下した。

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そして見事に僕のヘルシアウォーターを救い出した。

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脱水デスマッチで試合を有利に進めようとした試合巧者のバッファローマンだったが、そうはさせじと弾けるホルモン。

まるで谷底からミートくんの腰を持ち帰って来た時のテリーマンのようだ。

なんて頼もしい超人だろう。


しかし試合は一進一退の攻防戦。

次にバッファローマンは、我々の弱点「りんたろくん」に目を付けた。


この時期とは思えない寒さがりんたろくんを襲う。

たちまち彼は「さむい、さむい」と訴え出す。

このままでは強制撤退を余儀なくされ、我々のリングアウト負けは必至だ。


すかさずここでピットイン。

我々は総出でりんたろくんの防寒対策に乗り出した。

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こんな時のためにお小遣いをはたいて買った防風防水の子供用モンベルアウター上下を着せて、バッファローマンの姑息な攻撃をシャットアウト。

前回のウォーズマンの死を無駄にしない、万全の準備態勢がことごとく功を奏している。


ここからはガップリ四つの攻防戦。

アップダウンを繰り返す根気勝負のロングコース。

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非常に地味な戦いだが、今回も低血圧Mちゃんは軽々と乗り越えて行く。

何と言っても彼女はこの1週間くらい前、生き急ぐあまりに単独で雪の残る北アルプスの涸沢に行って来たばかり。

言ってみれば「キン肉星王位継承戦」帰りの彼女にとっては、もはやバッファローマンは敵ではないのだ。


聞けば彼女は涸沢に向かう途中、そこにいた外人の超人に「This Road.Easy!Easy!」と言われて安心して突き進んだ挙げ句、雪渓のクレバスに足を突っ込んで大変な目に遭ったという。

恐らくその外人は「Deth Road.Crazy!Crazy!」言ったんだろうが、彼女は生き急ぐあまり聞き間違えてしまったんだろう。


そんな激戦後の彼女なので、バッファローマンの仕掛ける難所もさらりと越えて行く。

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さすがのバッファローマンも彼女への攻撃を諦め、再び矛先をりんたろくんへ。

唯一肌があらわになっている「手」に向けて寒風を注ぎ込むという「耳無し芳一作戦」。

たちまち「ててが、ててがさむいの」と訴え出すりんたろくん。

すかさず本日二度目のピットインで、アゴ割れMの軍手を装着だ。

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助っ人どころか、間違いなく足を引っ張りまくるりんたろくん。

彼は実はバッファローマンと手を組んでいるのか?

それとも我が家にいる悪魔将軍(嫁)から送り込まれた新たな刺客なのか?


しかし準備の良さと連係プレイの数々で、バッファローマンの巧妙な作戦もことごとく跳ね返す正義マゾ超人軍団。

その後も順調に試合を進めて行く。

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万策尽きたバッファローマンも、ここにきてクリーンファイトに転換。

余計な策を労す事無く、バッファローマンらしく力技での対決を挑んで来る。

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力対力の爽やかなるクリーンファイトの応酬。

やがてそんな打ち合いの中で、我々とバッファローマンとの間に「友情」が生まれようとしていた。


周囲は優しげな新緑の光で包まれ、悪魔に魂を売ったバッファローマンにも心の動揺が見てとれる。

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前回のウォーズマン戦では薄暗くてジメジメした暗い悪魔道だったのに、あれから随分と時間が経って彼も少しづつ正義超人へ傾倒し始めて来たのか。

我々も「今だ」とばかりに、彼に平和な光景を見せつけて改心を迫る。

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この光景に対し、動揺を隠せないバッファローマン。


ついに正義の心を手にしたバッファローマン。

しかし我々と握手を交わそうとした次の瞬間、彼は1000万パワーの源であったサタンに心身とも支配されてしまった。

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再び悪魔に支配されたバッファローマン。

強度を増した彼はガレガレの道で襲いかかる。

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登っては下るの繰り返しでジワジワと我々の体力を吸収し始めた。

そして溢れ返るバッファローマンの超人強度。


しかしこんな時のためにこの超人がここにいる。

溢れ返る精力を制御できない男アゴ割れMが、そんなガレた道を精力で切り開いて行く。

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リング狭しと縦横無尽に立振舞う精力ホルモン超人。

さすがのバッファローマンも吸収しきれない程のホルモンパワー。

もはやその佇まいは原人だ。

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ずっとここで暮らしているかのようなマッチング感。

今にも骨つきのマンガ肉を食い始めそうではないか。


こうして活路を切り開いた我々は、さらなる鈴鹿の深部へと突入して行く。

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そしてここからは、前回惨敗を喫した東雨乞岳までの道のり。

バッファローマンも再び息を吹き返し、最後の急登攻めで襲いかかる。

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これにはパパラッチKもマゾ的快感でニヤリが止まらない。

スタート当初はキリッとした戦場カメラマンのような威厳に満ちていたが、この急登マゾタイムですっかり変態盗撮小僧のようにニヤニヤし始めるパパラッチK。

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そもそも彼は二日酔いでここに来ていて、この後はテニスの練習が待っているという大マゾ野郎。

過去にはワインを痛飲した翌日にマラソン大会に参加し、結果35キロあたりでリタイヤするという仕込みマゾの名人だ。


やがて景色が開けて来て、

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ついに前回ウォーズマンを死に追いやった、因縁の「東雨乞岳」に到達。

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パッと見「乞食です」と読める、懐かしの山頂看板。

前回は僕はこの場所で、まともに「ハリケーンミキサー」の餌食になって撤退を余儀なくされた。

あれから半年。

やっとこの場所に戻って来たぞ。


見上げる先には鈴鹿セブン最後の頂、雨乞岳。

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待ってろよ、バッファローマン。

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今その残されたロングホーンをへし折りに行くからな。

りんたろくんもぐっすり寝ているから、気にせずに全力でお前を倒してみせる。


パパラッチKも最後の攻撃に備えて臨戦態勢。

まるで遠方からパリス・ヒルトンを激撮しているかのような迫力でバッファローマンの弱点を暴いて行く。

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そして何気に背中にはりんたろくんに託された仮面ライダー電王の姿が。

非常にシュールな光景だ。


そんな彼の望遠レンズによって、以前激戦の末に倒した鎌ヶ岳(ザ・魔雲天)の姿が鮮明に切り取られ、

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バッファローマンのアフロヘアー内を毛ジラミのようのに突き進む我々の姿が撮影された。

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バズーカレンズならではの望遠と解像度と再現性。

しかしそれと引き換えに、望遠故に彼は随分と後方に取り残される事になる。

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まるでその姿は、お忍びで愛人と登山を楽しむイギリス王室のスキャンダルを狙っているパパラッチのようだ。


こうして最後のヴィクトリーロードを進んで行き、

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ついにその瞬間を迎える。


バッファローマンの角の先っちょ。

鈴鹿セブン最後の山「雨乞岳」の山頂到達です。

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これにて見事に鈴鹿セブン完全制覇達成。

2年8ヶ月に渡る長い戦いに終止符が打たれたのだ。


しかし。

正直僕はここで凄い達成感に包まれ、「バンザイ」だったり「ガッツポーズ」だったり「胴上げ」なんてのを想像していた。

でもここの山頂は思いのほか貧相で、狭くて展望もあまり利かない。

挙げ句に他のシニア登山者にそのわずかなスペースが支配されていて、恥ずかしくて大袈裟に浮かれることが出来ない。


満を持して挑んだ最終戦だっただけに、このなんともアッサリとした拍子抜けの目標達成の瞬間に戸惑う男。

僕は己の心の置き場所が見当たらずにただただその場に立ち尽くす。


この何とも苦々しいガッカリ感は小学生の頃に一度体験している気がする。

あれは何の時だったか?

そうだ。

バッファローマンが、まさかの「カツラ」だったという事実を知った時のあの感情だ。

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この時、僕は小学生ながらにこの衝撃的な事実を受け止めることが出来なかった。

ゆでたまご先生の世界観に口を出すのは野暮な事なんだが、ここで一人の少年がショックを受けた事実は変わらない。

そしてその少年は、中年となってバッファローマンの山で再び軽いショックを受けている。

時代は巡り巡るのである。



何とも消化不良な感じだが、鈴鹿セブンを制覇した事に変わりはないから良しとしておこうか。

狭い山頂でコーヒーを飲み、ミートくん復活の儀式。

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そしてついに感動のご対面。

ミートくんが完全復活した。

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実はバラバラだったミートくんの正体は、すっかりくたびれてテンション下がりまくったりんたろくんだったというオチ。

無計画で始めてしまったこのシリーズなので、このような惨憺たる結果で終焉を迎える事になってしまった。

この「鈴鹿セブン制覇」シリーズで一番大変だったのは、何気に無理矢理キン肉マンの設定でこのブログを書き続けた所にあったようだ。


やがて下山開始。

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実に長い長い道のりを延々と歩いて行く。

雨乞岳は鈴鹿山脈の最深部なだけに、単純に長くてしんどいのだ。


しかしその長い時間で、我々とバッファローマンとの絆はしっかりと強まった。

最後には、そのロングホーンに乗って記念撮影できる程に仲良くなった。

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こうしてバッファローマンは念願の正義超人入りを果たした。

しかしその見返りに、新たにサタンに魂を売ってしまった男がいる。

登山口に戻って来た時、完全に悪魔に支配された絶倫男の姿が撮影された。

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ただでさえ制御できないホルモンが破裂寸前に追い込まれている。

顔もイってしまっている。

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ここに新たな変態悪魔超人が誕生したようだ。

戦いはこうして次なるステージへと繋がって行くのである。


一方で、なんだかんだと6時間以上ミートくんを担ぎ続けて来た男は結局力尽きる事に。

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親子共々目も当てられないグッタリっぷり。

全ての活力がアゴ割れMに吸い取られてしまった末路。

何気に僕はこの6時間半の行程の8割くらいで、しっかりと「靴擦れ」を楽しんでいたんです。



その後方からはマゾな世界観に大満足のパパラッチKもゴール。

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まるでブラピ夫妻のプライベート写真撮影に成功した後かのような渾身のガッツポーズ。

彼はこの後、そのまま名古屋に移動してテニスに突入するという変態マゾ行脚。

彼も悪魔に魂を売ってしまった一人かもしれない。


そして続いて低血圧Mちゃんも涼しい表情でゴール。

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まるで「ちょっとコンビニ行って来ました」といった余裕の雰囲気。

やはり雪の北アルプス仕込みの彼女には、「バッファローマンなんてカニベースよりもちょろい」と言った感想かもしれない。


そして今回、ある意味で一番悲惨だった男。

それは撮影に集中するあまり、出発前の記念写真とゴールの記念写真でしかほとんど姿を現さなかった矢作Cなのかもしれない。

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出発前とほとんど変わらない「頑固ラーメン屋店主」的なポージング。

(左:出発前、右:ゴール後)

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果たして矢作Cは本当に雨乞岳を登ったのか?

これは等身大の写真パネルではないのか?

そんな疑惑が生じそうだが、彼も今回は立派に従軍キャメラマン超人としての責務を全うしたのだ。


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こうして鈴鹿セブン完全制覇は成し遂げられた。

僕の中で、「脱登山初心者」としての最低目標だっただけに感慨もひとしお。

まさかこんなに時間がかかるとは思っても無く、鈴鹿セブン制覇前に富士山や北岳や槍ヶ岳をクリアしてるから今更「脱登山初心者」というのも変な気もするがまあいいだろう。

とりあえず長かった7人の悪魔超人編が終わってホッとしている。


この流れで行けば、この後悪魔六騎士との戦いに突入して悪魔将軍との戦いに移行して行くんだろうけど、正直このスタイルで記事を書くのにほとほと疲れ果ててしまった。

今回の鈴鹿セブンシリーズを通して、改めてゆでたまご先生の偉大さを思い知った次第でございます。



それでは、長々とご清聴ありがとうございました。

そもそもキン肉マンを知らない人には、全体を通して一体何の記事だったのか訳が分からないはず。

登山計画の参考にしようと「雨乞岳 登山」で検索して来てしまった人、ほんとゴメンナサイ。


僕は一度キン肉星に帰ります。

失礼いたしました。



鈴鹿セブン完全制覇〜7人の悪魔超人編〜  完



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さよならウォーズマン〜雨乞岳後編〜

Posted by yukon780 on 12.2012 雨乞岳/滋賀 0 comments 0 trackback
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心が冷えきった男に寒風が吹きすさぶ。

ここまでの思いがけない試練の数々が男の脳裏を駆け巡る。


力自慢で知られるバッファローマンだが、彼はその反面で「試合巧者」の異名を持つ超人。

彼の策に見事にはまり、まんまと前日からの先制攻撃をノーガードで打たれ続ける挑戦者。

もはやその男には体力も精神力も尽きかけ、さらに余計な13万円によって財力も時間も尽きると言う過酷な状況。

にもかかわらず、彼はまだ「登山口」に到達しただけの状態。

本戦はまだ始まっていない状態にして、早くもグロッキーな挑戦者。


しかし、男にはもはや失う物は何も無い。

下山開始限界時間は「12時半」。

そのタイムリミットまでは残り2時間半。


アイドル超人の底力を見せつける時が来たようだ。


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ついに雨乞岳登山を開始したグロッキー男。

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一合目とは思えない疲労感を引きづりながら、悲壮感たっぷりで楽しさゼロの旅立ちとなった。


そしてさすが鈴鹿一の遭難率の山だ。

雪ですっかり登山道が分からない。

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木にくくられた目印のピンクのテープだけが頼り。

中2の時にピンクなビデオテープに必死に食らいついた頃のガッツを思い出しながら、目を細めながらピンクを見失わないように進んで行く。

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景色が斜めっているのか、僕が疲労で斜めっているのかも分からない。


そんな不安一杯の僕にメシア(救世主)が現れた。

こんな日に雨乞岳に登っているマニアックな男は僕だけではなかった。

一人の先行登山者が見事なトレースを雪上に刻んでくれていたのだ。

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これ以上無いガイドさん。

無言で「俺に付いて来い」と言っているような足跡だ。

ひょっとしたらこれも試合巧者のバッファローマンの罠の可能性もある。

しかし僕はこの姿なき相棒とタッグを組む事にした。

恐らくこの足跡はモンゴルマンが残してくれた物に違いない。


さらには、所々にポイント看板が新設されていてホッとする。

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ちゃんとレスキューポイントの看板も新設してあって、よっぽど今までに遭難者が多かった事が伺える。

やはりバッファローマンは、相当な覚悟と準備無しには挑めない相手のようだ。


その後も深く深く奴の懐に潜り込んで行く。

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この山は他の山と比べて「急登」での直接攻撃があまりない。

その代わりアップダウンを繰り返し、とにかく行程が長い長い。

僕に時間制限がある事を知ったバッファローマンの見事な戦略に焦りが止まらない。


そしてその長い行程はボディブローのように、じわりじわりと僕から意識をはぎ取って行く。

そもそも登山前からボディブローを浴び続けていただけに、僕の朦朧度は勢いを増す。


何やら延々と同じ景色が続く中、渓谷を遡上して行く。

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同じような景色が続きすぎると、意識は内向化していく。

気付いた時には「スタッドレスタイヤの13万円をどう工面しよう」とか「なぜ鈴鹿スカイラインが冬期閉鎖してたんだ」とか「そもそも晴れ予報じゃなかったのか」とか「なぜ嫁は僕に優しくないのだ」という、気持ちが沈む事ばかりに意識が行ってしまう。

よろしくない傾向だ。

思えば3時間くらい休憩無しで歩き続けて来て、すっかり健全な精神が失われ始めているんだ。


さすがに一発ここで休憩を入れておく。

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休憩と言いながら、このように己撮りを止めない男。

休憩するふりをしてからまたカメラに戻るを繰り返し、結局は疲労も抜けず時間も無駄に使う事になる。

分かっちゃいるけど、癖になっているからやってしまう。


そもそも時間がないのに、こんな遠方ショットにトライする時点でおかしな話だ。

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でもそんな自分が大好きだったりする。

状況が悪化するほどに僕のハートは震えて燃えつきるほどヒートし、血液のビートが刻まれて波紋が疾走する。

マゾの奇妙な冒険風景である。


ここからはとにかく長くて地味な戦いに明け暮れる事になる。

何度も何度も凍てつく冷たさの川を渡り、

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もはやどこが道なのかさっぱり分からない場所を下降し、

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雪にまみれた「大量のイワオ」状態の急峻な谷を駆け上がり、

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まだまだ深く深くバッファローマンの懐に攻め込んで行く。

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長い。

実に長く地味で疲れが溜まる攻防戦。

景色が変わらないから、進んでる実感も感動も楽しさも無い。

今更ながら、僕はたまの休日に何をやっているのだろうか?


そんな厭戦ムードいっぱいの状態になった所で、やっと「七人山のコル」という尾根に到達した。

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「七人山のコル」とは実に恐ろしいネーミングの場所だ。

まさに7人の悪魔超人が山となって襲いかかって来そうではないか。

しかし僕はここまでにすでに6人の悪魔超人を撃破している。

そして今やっと尾根に到達し、7人目の男への挑戦権を得たのだ。

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ちん毛のような木々の隙間から、バッファローマンのアフロ(雨乞岳)が見てとれる。

いよいよお前と雌雄を決する時が来たようだな。

さあ、ここからはガップリ四つの最後の戦いだ。

この瞬間を僕は1年以上待ち続けていたのだ。

さあ、行くぞ!


僕はそう猛々しく叫び、腕時計に目をやった。

「12時25分」







どれくらいの時間、その場で固まっていただろう?

僕が下山開始時刻に設定した「12時半」まで5分前。


なんて事だ。

5分でバッファローマンを倒せるわけないじゃないか。

やっとここまで来たと言うのに。


進むべきか退くべきか?

しかしこんな状況こそ、僕にとってはゾッコンのシチュエーションだったはず。

こうして「マゾに恋する5分前」の男はなおも前進していった。


しかし歩みを進めながらも頭の中はまだ行こか戻ろかの自問自答。

でも、こういう状況に限ってやっと「いい景色」を露出して来るバッファローマン。

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くっ。

さすがは試合巧者のバッファローマンだ。

僕から帰らせる気を奪おうって作戦か。


望むところだ。

意地でも貴様のロングホーンをへし折ってくれる。


やがてもしゃもしゃのアフロヘアー内に侵入。

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ここを登れば雨乞岳の前衛峰「東雨乞岳」に到達し、そこから雨乞岳本峰までは目と鼻の先のはずだ。

最後の急登をグッハグッハと駆け上る。

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ううむ、中々東雨乞岳の頂上に到達しない。

やはり撤退か、と振り返ると再び奴の「いい景色」作戦が炸裂。

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くそう。

頂上からもっといい景色を見てみたくなるじゃないか。


なおも歩みを止めない男。

やがて「東雨乞岳」の頂上が見えて来たぞ。

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そしてここでバッファローマンが一気に攻勢に転じた。

奴は僕が弱り切ってここまで登って来るのをジッと待っていたのだ。

突風が暴風となり凄まじい勢いで僕に突入して来た。



ついに奴の必殺技「ハリケーンミキサー」が炸裂。

もはや立っているのがやっとという程の圧倒的な威力。

ただでさえ弱り切った僕の体温が、みるみる冷やされて行く。


だめだ。

やはり強すぎるぞ、1000万パワー。

全く歯が立たない。


目指す雨乞岳の山頂はもうすぐそこに見えていると言うのに。

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恐らく往復30分くらいだろう。

しかし今の僕にとってその距離は、東京〜大阪間ほどに遠く感じられる。

そもそももはや予定下山時刻を30分もオーバーしている。


無念だが、もう僕には「撤退」の道しか残されていないようだ。

しかしただでは撤退しないぞ。

このまま終わってはバッファローマンを倒せなかったばかりか、ミート君を救出できずにキン肉マンに対して申し訳ない。


そこで僕は一旦風が凌げる薮の所まで避難。

そしてバラクラバ(目出し帽)をかぶり、最後の戦闘モード。

藪の中に、怪しさ全開マックスの変態が現れた。

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まさにその姿はウォーズマン。

ついに男にウォーズマンが憑依し、最後のあがきを開始。

バラクラバで息がしづらいから、自然と息使いが「コーホー、コーホー」となる。


せめて東雨乞岳を制した記念写真を撮って一矢報いたい。

しかし大暴風のせいで、いつものように三脚でカメラをセッティングできない。

無理にやったらカメラごと倒れて、再びカメラはメーカーへ長期ご入院の運びとなるだろう。


そんな窮地に再びメシア(救世主)が加勢。

あの雪上の足跡で僕をここまで導いてくれた、先行登山者のモンゴルマンが登場。

そして見事にこの写真を撮ってくれたのだ。

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写真を撮ると、モンゴルマンは颯爽と去って行った。

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ありがとう、モンゴルマン。

風が強すぎてほとんどろくな会話も出来なかったが、あなたがいたからここまで来る事が出来た。


そして僕はこの東雨乞岳の頂上で両手のベアー・クローを天高く掲げた。

Image30.jpg

そして「伝説の計算式」で一時的に1200万パワーを豪快に発動。

そして雨乞岳の片側のロングホーン「東雨乞岳」をへし折ってやった。

1271412148.jpg

一矢報いた。

ただでは撤退しないことを見せつけてやったぞ。


しかし激しくバッファローマンの怒りを買ってしまった。

たちまちさらに強烈なハリケーンミキサーの嵐に巻込まれた。

20110820055208c89.jpg

男は吹き飛んだ。

見事なる完全敗北。


しかし一矢報いる事に成功し、満足の「ウォーズマンスマイル」。

wars2.jpg

そして男はそのまま静かに息を引き取った。

IMGP0124_20121211151957.jpg

ありがとうウォーズマン。

さようならウォーズマン。

君の死は無駄にしない。

きっと来年の春、リベンジマッチでキン肉マンがこの雨乞岳を落としてくれるはずだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


男は下山して行った。

すると先ほどまでの暴風がパタリと途絶え、雲間から「パアァァァ」と日光が差し込む。

IMGP0139_20121211152011.jpg

もはや何も言うまい。


そして延々と延々と延々と下山。

登山口まで降りた時には、真っ白な矢吹丈となっていた。

IMGP0149.jpg

しかしここがゴールではないと言う現実。


再びヨロヨロと恐怖のトンネルへ突入。

しかしトンネル内には再びモンゴルマンがいた。

IMGP0151_20121211152034.jpg

彼がいてくれたおかげで、なんとか恐怖に取憑かれる事無く無事にトンネル突破。

彼とはほとんど話してないが、随分と助けられた気がする。

僕は薄々気付いていた。

彼は昔、僕のベアー・クローで頭部をやられて再起不能になったラーメンマンだったという事を...。


こうして男は再び長い長い鈴鹿スカイラインの旅路へ。

IMGP0152_20121211152038.jpg

もうこの頃の記憶はごっそりと消え去っている。

敗者は黙って去るのみだ。



より大きな地図で 雨乞岳 を表示


やがて冬期閉鎖ゲートの所に置いた車まで到達。

この時16時40分。

予定時間を40分オーバー。

17時半までに岐阜の大垣にある日産ディーラーまで移動出来るのか?


僕は一息つく事も無く、登山靴のまま車に乗り込んですぐさま大移動開始。

戦いは終わっていない。

日産でスタッドレスタイヤを着けるまでが登山だ。


そして当然のように大渋滞に巻込まれて行く男。

バッファローマンの執拗な追い打ちが続く。

結局四日市を出る事も出来ずにタイムリミット「17時半」を迎えた。



ディーラーに電話すると、なんとか18時ちょい過ぎまでは待ってくれると言う。

可能な限り大急ぎで車を走らす。

すると長良川の堤防を走ってる最中、とてつもない猛吹雪。

雪が横殴りにもの凄い量で車に襲いかかる。

写真

一体僕はどこに迷い込んだんだ?

平地なのに雪山登山並の遭難気分だ。

まだノーマルタイヤだというのに。


どうやら相当バッファローマンを怒らせたみたいだ。

追い打ちハリケーンミキサーの勢いが収まる気配を見せない。


やがて、ほうほうの体で日産になだれ込んだのは18時20分。

およそ1時間遅れの迷惑野郎。

正直ディーラーに対し「そっちにも責任があるから安くしろよ」と強気で抗議するつもりだったが、ここまで待たせておいてとてもそんな事は言えない。



こうして壮絶な雨乞岳登山は終わりを告げた。

圧倒的な敗北だった。

撤退した挙げ句にタイムリミットに間に合わなかったというメッタ打ちの惨敗だ。

やはりそう易々とは「鈴鹿セブン完全制覇」は無理みたいだ。


男はなんとかスタッドレスタイヤを履いて家路につく。

書くまでもないが、その頃には吹雪はおさまっていた。

でも前がよく見えない。

ワイパーを動かしても前がよく見えない。

なんでだろう?



曇ったメガネの奥の水が男の頬を伝う。

口にその水が入ると、なんだかちょっぴりしょっぱい味がした。

それは敗北の味。



雪はしんしんと降り積もっていった。

こうして男は今日も心の雪原を彷徨うのである。




さよならウォーズマン 〜完〜

さよならウォーズマン〜雨乞岳前編〜

Posted by yukon780 on 11.2012 雨乞岳/滋賀 0 comments 0 trackback
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雪に覆われた迷路のような深い森。

一人そこを突き進む二日酔い男。

男が目指すは因縁の相手、バッファローマンとの試合会場だ。



鈴鹿セブン完全制覇シリーズ(7人の悪魔超人編)最終章。

鈴鹿山脈最深部に潜んで待ち構えるは、7番目の山「雨乞岳」(1238m)。

最後の悪魔超人はもちろんバッファローマンだ。


男の雨乞岳に対するアツい想いと、得意の「事前マゾ仕込み作業」の模様は前回記事でネチネチと書かせてもらった。(参考記事

そして男はバッファローマンの先制攻撃によって、「スタッドレスタイヤ13万円」という精神的ダメージと、「寝不足と二日酔い」という肉体的ダメージ負う事になった。

そんな満身創痍の状態で挑む最終戦がついに始まる。


しかも今回は「時間制限あり」のハードなタイムアタック登山。

17時半には日産ディーラーへスタッドレスタイヤを購入しに行かねばならない。

遅くとも「14時」には下山を完了しなくては到底間に合わない。

そしてそんな状況にも関わらず、前夜の痛飲によって見事に寝坊する始末。

ミート君救出へのタイムリミットは非常に少ない。


果たしてこの限られた時間内でバッファローマンを撃破し、無事にミート君の頭部を取り戻すことが出来るのか?

過酷な戦いの模様を振り返って行こう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


鈴鹿スカイラインを目指して車を走らせる男。

雨乞岳への登山口は、この鈴鹿スカイライン上にあるのだ。


鈴鹿スカイラインは間もなく「冬期閉鎖」で車の進入が出来なくなる。

僕は珍しく万全を期し、電話で今期の冬期閉鎖は「12月14日(金)」からと確認済み。

いつもはこのような確認をしないから、毎回現場でガックリと崩れ落ちる事になる。

今回はそうはさせないぞ、バッファローマンよ。

本日は12月9日(日)なので、冬期閉鎖前のラストチャンスという完璧なプランニングだ。


さあ、いざ鈴鹿スカイラインへ突入。

写真

何か妙な文字が見えた気がしたが?

おかしいな、まだ昨日の酒が残ってて幻覚でも見たのかな?

冬期閉鎖は14日からって確認したよね?

IMG_1369.jpg

うそだ。

うそだろう?


僕は周りを見渡し、どこか木の陰から「大成功」の看板を持ってヘルメット被ったおじさんが出て来るのを待った。

しかし一向にそんな気配はなく、これがドッキリ企画ではない事を認識。

どうやら昨日の大寒波襲来によって、早々に冬期閉鎖に踏み切ったらしい。


こんなはずじゃなかったのに。

慌てて地図を確認。

雨乞岳の登山口までは、ここから徒歩でスカイラインを歩いて行く他に方法が無い。

そのタイム、なんと「往復3時間」。


万全を期した男は、結局いつものようにその場に崩れ落ちた。

IMGP0003.jpg

さすがは超人強度1000万パワーのバッファローマン。

戦う前から圧倒的な力の差を見せつけて来たぞ。


ただでさえ時間制限のある戦いに、さらに「往復3時間」という強烈なパワー。

この時点で8時半。

下山のタイムリミットは16時。

6時間半しかない中で、果たして強敵バッファローマンを撃破することが出来るのだろうか?

とりあえず「12時半には下山を開始する」と決めて、行ける所まで行く事にした。

こいつは出だしからハードな展開だ。


こうして男は、トボトボとスカイラインを徒歩で歩き出した。

IMGP0004.jpg

正直、もうこの時点で早くも心は折れかかっていた。

心は寒々しい寒波に蹂躙され、僕のやる気もすっかり冬期閉鎖寸前だ。


そもそも何故、僕の頭上だけがこんなにも分厚い雲で覆われているのだ?

僕が朝にiPhoneで見た物は幻だったのか?

写真

なんだっていいさ。

いつもの男がいつもの状況になったってだけの事だ。

絶対に泣かないぞ。


そして男は口を真一文字にし、黙ってスカイラインを延々と登って行く。

IMGP0006_20121211151649.jpg

確かにバリバリに路面凍結しているから、そりゃ閉鎖するわな。


クネクネのスカイラインを素直に歩いていては時間の無駄なので、地図で確認したショートカットルートをチョイス。

IMGP0010_20121211151654.jpg

ううむ、中々にハードな直登だぞ。

と思ってたりするとハードな下りもあったり。

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僕は果たして無事に「登山口」まで辿り着けるのだろうか?

IMGP0012_20121211151706.jpg

頑張って登っているが、こう見えて彼はまだ登山口にすら到達していない。

にも関わらず疲労だけが蓄積され、時間だけが無情に過ぎて行く。

もはや気分は「告白すらしていないのにフラレてしまった」に等しい切なさに包まれて行く。


やがてショートカットに成功したのか失敗したのか分からないが、再びスカイラインへ抜け出した。

IMGP0013_20121211151710.jpg

僕は一体何から逃亡しているのか?

もはや僕は、本来の目的すら見失いかねないほどに疲れ果てていた。


やがて登山口手前のトンネルに到達。

IMGP0018.jpg

なんか強烈に怖いんですが。

でもここを抜けて行かないと登山口には辿り着けない。

意を決して柵を乗り越えて、トンネル内部に突入。


皆さんはトンネルの中を歩いた事がありますか?

谷間に集中した風が全てトンネル内部に大侵入し、信じられない程の突風に晒されるってご存知でしたか?


僕は前方から吹き付ける猛烈な暴風に一気に飲み込まれた。

体を前傾しながらの必死の行軍。

TMレボリューションように風に向かって行くが、あんなにも爽やかな笑顔は到底出来ない状況。

しかもトンネル内部の音響効果は抜群で、暴風は轟音となって僕に恐怖を植え付ける。


そして一人ぼっちの暗いトンネル内は新たな恐怖を増殖させる。

轟音が人の悲鳴のように感じた僕は、「今、突然背後から肩を触られたら...」という余計な妄想を勝手に発動。

自業自得で凄まじい恐怖に襲われ、僕は気付いたら猛ダッシュで走り出していた。

固い登山靴での全力疾走だ。


やがてトンネルを走り抜け、無事に滋賀県まで抜けた。

IMGP0021.jpg

もうこの時には、激しい疲労感とともにステキな痛みが僕の足を支配していた。

固い登山靴を履いての全力疾走は、絶対にやっては駄目だね。


こうして実に1時間半かけて、やっっと「登山口」に到達。

IMGP0025.jpg

かつて「登山口」の段階で、これほどまでに疲労の色を滲ませてる男を他に知らない。

僕はもはやこの時点でとてつもない達成感と疲労感に包まれていた。


男は呟く。

「もういいんじゃないか?」

「もうここで十分じゃないか?」

「ここが頂上という事にならないものか?」


時間はすでに10時。

下山開始予定時刻まで残り2時間半。


行ける所まで行ってやる。

ここで負けたらマゾの名折れ。

相手は1000万パワーの強敵だ。

これくらいの無理をしなくては到底敵わないと分かっていたはずだ。



こうして男は、一切の休憩する事無く即座に登山を開始した。

やっとここからが本当の戦い。



そしてこの先に男を待っていたのは、強敵バッファローマンの強力な必殺技「ハリケーンミキサー」。

男はついにウォーズマンと化し、壮絶な死闘を繰り広げる。

登山開始前で前編が終わるという波乱の幕開け。


男のマゾが止まらない。



後編へ 〜つづく〜


決戦前夜〜1000万vs13万の前哨戦〜

Posted by yukon780 on 10.2012 雨乞岳/滋賀 0 comments 0 trackback
因縁の敵。

ついにアイツとの決戦の時が来た。



僕が1年以上の歳月をかけて挑んで来た「鈴鹿セブン完全制覇」への道。

もうすっかり忘れてる人もいるだろうから書いておくと、鈴鹿セブンとは鈴鹿山脈が誇る7つの名峰の総称だ。

僕はこの7つの名峰を、誰にでも分かり易いようにキン肉マンの「7人の悪魔超人」に見立てて戦って来た。(思いのほか共感者が少なくて苦戦しているけど)

images_20121210172022.jpeg

これは登山ではなく、あくまでもミート君の体を取り戻す戦いなのだ。


一発目の「ステカセキング(入道ヶ岳)戦」はりんたろくんとのタッグで挑み、水分不足と体力切れで打ちのめされたがなんとか撃破。

二発目の「アトランティス(竜ヶ岳)戦」では、セントヘレンズ大噴火で滑落寸前まで追い込まれたが、なんとか水中に引きずり込まれる事無く撃破。

三発目の「ブラックホール(釈迦ヶ岳)戦」は、吸引ブラックホールによって四次元空間へ引きずり込まれてついに遭難してしまうが、必死で巻き返してなんとか撃破。

四発目の「ミスター・カーメン(藤原岳)戦」では、山で出会った青年もろとも本気の遭難をして負けを覚悟したが、力を合わせてかろうじて撃破。

五発目の「スプリングマン(御在所岳)戦」では、ついに敗退を喫しウルフマンの命が奪われてしまったが、再戦リベンジマッチで味噌バターコーンラーメン惨劇を乗り越えて見事に撃破。

六発目の「ザ・魔雲天(鎌ヶ岳)戦」では、ガレ場での壮絶な断崖絶壁デスマッチで命を削られて、アブに足の指の股を刺されて大苦戦したがなんとか撃破した。


このように回を追う毎に戦いは壮絶さを増し、歴史的な名勝負を繰り広げて来てついに残す所1峰の所まで来た。

その相手の名は「雨乞岳」。

鈴鹿山脈の最深部に怪しくそびえ立つ鈴鹿セブン最高峰の山。

もちろん7人の悪魔超人に例えるならば、リーダー格の「バッファローマン」だ。

ama.jpgbuffalo_20121210171800.jpg


最終戦の相手にふさわしい超人強度1000万パワーの名峰である。



ついに迎えた鈴鹿セブン完全制覇の最終戦。

今回はそんな因縁の相手、バッファローマンとの決戦前日の「戦いの仕込みの模様」だけをお送りする回。

戦いは決戦前から始まっているのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


実は僕は今年の春から、ずっと雨乞岳挑戦の機会をうかがっていた。

この山ではバッファローマンの餌食になるものが多く「遭難者多数の山」と言われる山だったので、万全の準備と好天候の日を狙い続けて来たのだ。

しかし、いざアタックデーだと思った時は必ず「当日に突然の天候の激変」「原因不明の背中の痛み」「嫁からの留守番指令」など、なんだかんだとずっと行けずにいた。


その中の一つには、雨によって雨乞岳登山を中止した事によって開催された「経ヶ峰地鎮祭」の悲劇がある。

この時に受けた経ヶ峰の呪いが、後のバッファローマンとの戦いに影響を及ぼす「伏線」になろうとは思ってもいなかった。

ここから負の連鎖が始まる。



経ヶ峰で破壊された僕の一眼レフカメラ。

販売店に修理に出してから、一向に連絡の無い日々が続いてた。

鈴鹿セブン完全制覇の大事な瞬間を普通のデジカメで撮る気にはなれないので、僕はひたすら一眼レフの帰りを待った。


そしてその間の天気の良さと言ったらどうだ。

結局カメラが入院中だった各週末は、見事な登山日和に包まれて晴れまくった。

しかもなぜか嫁も機嫌が良くて比較的遊びに行きやすい環境も整っていた。

それだけにこの期間中の僕の心は、雨乞岳と戦えないジレンマで激しく身悶えた。


結局、秋が終わり冬の到来を告げる時期にやっと一眼レフカメラが帰還して来た。

もうすっかり紅葉は散り、いよいよ山間には雪化粧が始まり出していた。


こうしてただでさえ難易度の高い雨乞岳が、まさかの雪山へとグレードアップした。

間違いなく遭難率もグレードアップだが、どうしても今シーズン中に完全制覇を達成したいんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


雨乞岳に登る為には、鈴鹿スカイラインという道を車で走って登山口まで行かねばならない。

しかしこの鈴鹿スカイラインは、例年だいたい12月15日あたりから「冬期閉鎖」で通れなくなってしまう。

わざわざ電話で確認したら、今年は12月14日から(路面状況次第で早まる可能性有り)と言っていた。


つまり、今回の週末が今シーズンの鈴鹿セブン制覇へのラストチャンスという事だ。

それだけに僕のこの週末にかける想いは強烈なものだった。


土曜日は天気予報も今イチで、嫁の送迎もあったから大人しく翌日に備えてスタッドレスタイヤの取付け作業だ。

冬期閉鎖前とは言え、鈴鹿スカイラインが凍結している事は十分考えられる。

決戦の日は翌日の日曜日一本に絞って万全を期す事にした。


雪らしきものが降り始める中、寒さに震えながらタイヤ交換。

IMG_1353.jpg

車は買い替えたけどエクストレイルからエクストレイルだから、以前使っていたスタッドレスを装着。

まだ買って2シーズンしか使ってないスタッドレスタイヤだったから、これが再び使えるってのも新車購入の際にエクストレイルに決めた理由の一つだ。


頑張って付替えを終え、いざ車を走らせたその時。

「ガガガガ、ズモモモ」という奇妙な音が鳴り響いた。

何事だ?

車も妙に重たく感じるぞ。


慌てて車を降りて何度か調べてみると、何やらブレーキパッドについてる大きな部品がタイヤのホイールと接触しているぞ。

慌てて日産のディーラーの人に電話。

「以前のタイヤ装着出来るって言ってましたよね?なんかぶつかってるんですけど」と聞くと、

「確かに新型エクストレイルは16インチから17インチにサイズアップしてるんですが、ワンサイズ違いなら問題ないはずです」と言う。


その後色々調べた結果、僕は以前のエクストレイルにワンサイズ違いの15インチを付けていた事が発覚。

確かに僕はオートバックスで購入する際「エクストレイルが履けるスタッドレスを」と頼んでいるから、ワンサイズ違いでも「装着可」という事で購入していたわけだ。

結果、ツーサイズ違いとなってしまった現エクストレイルには装着不可という絶望的な結論が導き出された。


ディーラーの言う事をまとめると、標準の16インチのスタッドレスを着けていたという前提で「以前のものも装着出来ます」と言ったから、ディーラー側に責任は無いと。

お客様の判断で15インチだったわけだから、お客様の責任ですよと。

ちなみにスタッドレスタイヤ新規ご購入ですと「13万円」ですよと。

そして残り1セットしか在庫が無いですよと。

すぐ売れちゃうから今すぐ買うかどうかお返事くださいよと。



なんだこの色々と納得いかない感情は?

ニュースでは今週末は大寒波襲来で雪が降るって言ってるから、鈴鹿スカイラインどころか通勤の為にもどうしても今日履き替えておきたいのに。

大急ぎで近隣の自動車用品店に電話確認したが、在庫はないという。


結局泣く泣くディーラーでお願いする運びとなった。

出会い頭のとんでもない出費となったぞ。

一眼レフカメラが保障期間内で修理費請求されなくてホッとしていた矢先の強烈な右ストレート。

試合に勝ったと思って観客にガッツポーズしている所におもいっきり食らってしまったハードパンチ。


買う予定も無かった物に対し、いきなり13万円も支払うというこの精神的苦痛の重厚感と言ったらどうだ。

ゴング前にも関わらず、もうすでにバッファローマンの先制攻撃が始まっているのか?



まるで3日目のゲリ野郎のようにヨロヨロと嫁の所に行き、なんとか家計から資金を捻出できないかをご相談。

すると彼女は表情一つ変えずに「お前が悪いんだろ?自分で何とかしやあ」とピシャリ。

僕はそのまま静かにマットに沈んだ。

すかさずセコンドからタオルが投入される。

そして僕の預金終了のゴングが高らかに鳴り響いた。



もうこうなったら意地でも明日はバッファローマンと戦ってやる。

奴の1000万パワーに、僕のこの13万パワーの怒りをぶつけてくれるわ。


ディーラーは「最低でも翌日の夕方5時半までには来てください」と言う。

という事は早朝から戦って、早めに切り上げて5時半までに戻って来るというタイムアタック登山だ。


そしてそんなただでさえ厳しいタイムアタック登山に、ステキなスパイスを加えるのがいつもの僕流のやり方。

決戦前の「マゾの仕込み」が必要だ。



この日は以前から約束して楽しみにしていた古くからの友人達との飲み会の日。

年に一度あるかどうかのこの飲み会が、タイムリミットのある最終決戦前夜にヒットするあたり見事と言う他無い。

当然終電近くまで飲みまくり、帰宅したのは0時を回っていた。



痛飲してフラフラな状態で寝て、早朝ウェイクアップに見事に失敗。

時間制限のある登山で最もやってはいけない寝坊をぶちかました。


そして起き抜けから、頭の中がガンガンと陽気なドラマーがソロ演奏で観客を煽る。

頭痛と吐き気とまだ抜けきっていない酔いが、爽やかな朝をぶち壊すハードロック。

体の怠さがハンパない。

執拗なバッファローマンの先制攻撃になす術の無い男。


これで最終決戦に対する仕込みはバッチリだ。

こうして男は重い体と精神を引きずりながら、決戦のリングを目指して旅立って行った。



彼がこの決戦の為に、事前に支払った代償は以下の通り。

「カメラが無い期間の快晴登山日和の日々」

「予想外のスタッドレス13万円による心の路面凍結」

「二日酔いによる万全の体調の損失」

「寝坊によるタイムアタックのハードル上げ」


このようなベストコンディションを味方にして挑む最終決戦。

寒波による雪山登山が予想される中で挑む、鈴鹿セブン一の遭難率を誇る雨乞岳登山。


待ってろよバッファローマン。

今その自慢の角をへし折りに行くからな。




しかし男を待っていたものは新たなる絶望だった。

男は見事に鈴鹿セブン完全制覇を成し遂げるのか、無念の戦死を遂げるのか?

いよいよ最後の戦いが幕を開ける。


〜つづく〜


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