走れ!チェリーメン 後編〜落合さんの陰謀〜

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大人になってしまった二人。

もう無邪気だった青春時代には戻れない。

操を奪われた男達は、よりディープな大人への階段を駆け抜けるのだ。


ここは滋賀の名店「霊仙山」。

山頂までの「脱トレラン童貞」の道程は既に終わった。

ここからはさらに店の奥へと侵入し、いよいよ会員制の周回ロングコースが始まる。


何気に常連客の僕も、この山頂の先の世界は初体験。

毎度時間がないから山頂ピストンで事を済ませていたが、この日は「午前中」という時間をフルに与えられていた。

ついにVIPルームへの挑戦権を得て、僕としてはここからが本番だ。


しかしその先に待っていた「落合さん」という名の熟女が、今まで培って来た我々のトレラン自信を粉々に打ち砕く事となる。

分不相応なトレランチェリーメンの周回VIPルーム奮戦記。

じっくりと振り返ってみよう。


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苦節34年。

ついにトレラン童貞を喪失したジョンボーA。

その余韻に浸って、すっかり放心状態だ。

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しかしまだここはゴールではなく、通過点にすぎない。

トレランの楽しさは、ここから始まる尾根道と下りにこそ集約されている。


そんなVIPルームへの道で、先輩は「早く来いよ」と後輩をせかし、

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余韻に浸る間もなく山頂から駆け下りてくる後輩。

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若いから回復も早いだろう。

ここから先は、この先輩の「追いラン道中」に付き合ってもらうぞ。


やがてそのVIPルームの入口に到達。

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実はこここそが霊仙山の本当の最高到達点。

さっきの山頂は、素人童貞達が間違ってこのVIPルームに入って来れないようにしむけたダミー山頂なのだ。


そして二人はVIPルームの扉を開ける。

そこには眩しすぎる程の絶景世界が広がっていた。

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霧男と晴れ男の同時入店により、奇跡的に水墨画のような幻想的な世界が展開。

朝の光が放射状に山並みに降りそそぎ、ため息ものの妖艶さで我々を挑発している。


汚れたチェリー達には少々刺激の強い世界。

しかしその絶景と引き換えに、ここからの道は「滑落と隣り合わせ」のエキサイティングロードの始まりだ。

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これはさすがに飛ばして走ってしまえば、たちまち転落人生真っ逆さま。

やはりVIPルームだけあって、若さに任せたパワープレーでは乗り切れないようだ。


しかし筆下ろしホヤホヤのジョンボーAは、いい感じで力が抜けていて落ち着いたナイスランをかまして来ている。

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もう彼は若さに任せた速球派のピッチャーではない。

一夜にして緩急織り交ぜた老獪なテクニックを手に入れ、早くも山本昌のような「打って捕らせる」投球を見せつけている。

先輩としても嬉しい限りだ。


そしてこの区間を越えて行くと、もはや「思いっきり抱いて」と言わんばかりの素敵な尾根道が登場。

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これほど走ってて気持ちEトレイルは中々他に無いだろう。

しかし走ってばかりもいられない。

そのトレイルからの景色が絶景すぎて、ついつい足も止まってしまうからだ。

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「山は白いものだ」と教わって生きて来た彼にとって、もうこのノーモザイクの世界をまともに直視する事が出来ない様子。

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いっそこのお店に住んでしまいたい。

さすがは会員制のVIPルームだ。


気を良くした二人は、お店にオプション料金を支払ってさらに奥へと侵入して行く。

すっかりルンルンポーズで下ってくるジョンボーA。

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あの若さでこんな素敵な体験をしてしまったのだから無理も無い。

VIPを体験してしまい、もはや彼は通常のお店では満足できない男になってしまったのだ。


しかし次第にトレイルの踏み跡が消え、周りの様子がおかしくなって来た。

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我々は尾根を走って来たはずだったが、何だか変だぞ。

そこでGPSを確認してみると、猛烈にルートから外れている事が発覚。

やはり浮かれてしまったのがいけなかったのか、我々はすっかり道を外れたアブノーマルな「外道の世界」へと突入していたのだ。


木もウネウネし始め、実に怪しげな気配が漂いまくる。

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さっきまであんなに浮かれていたジョンボーAも不安一杯のご様子。

やはり童貞明けの彼にはこの世界はまだ早過ぎたのか?


しかし「本業はマゾです」と言い張る彼の先輩は、とても居心地良さそうにその悪魔空間を彷徨う。

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地獄的風景の中で、水を得た魚の様にうろつき出すマゾ野郎。

やはり彼には青空や絶景は似合わない。

このような絶望感溢れる檻の中で「ニヤリ」としている時こそ、彼は輝きを放つ。

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さすがはVIP会員。

彼はあくまでも「これは遭難ではない。人に敷かれたレールの上を歩かないアウトロースタイルだ。ここからは自分なりのマゾをこの山に刻み込め。」と言い張っている。

そんな先輩の言葉に感動し、急いで写真を撮ってその言葉をメモする後輩マゾ。

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こうして「樹木牢獄の館」というオプションプレイを楽しんだ二人。

ひとしきり汗を流してスッキリすると、再び尾根道に戻る事に成功。

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余計な店内遭難によって、随分と体力を持って行かれた。

しかしVIPルームの美しさは相変わらずで、まだまだ我々を挑発してくる。

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もう骨抜きだ。

腰がガタガタと崩れ落ちそうなのは、絶景の感動からなのか?

それとも蓄積疲労か、はたまた風邪の諸症状なのか?

もう何だっていい。

この快楽にただただ溺れるばかりだ。


やがて「近江展望台」という所まで到達。

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さすがにそろそろ足に来ていたのか?

何でもない場所で足をグネらせて悶絶する先輩。

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たちまち現場は近江展望台から「老い身展望台」へ。

いつまでも若いと思って無理するけど、思ったほど体が付いて来ないという中年の悲哀を展望できるビュースポットだ。


そんな痛々しい光景を展望した後は、一気に高度を下げる下山タイムに突入だ。

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登山での下りは苦痛でしかないが、身軽で専用シューズを履いたトレランでの下りはまさにご褒美タイム。

日頃の鬱憤やストレスを抱えた人間程、下りの快感は極上なものとなるのだ。

そしてそんな下りを、ミスター・ストレスが猛烈な勢いで駆け下りて行く。

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養子のストレス。

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育児ストレス。

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鬼嫁ストレス。

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男は涙をまき散らしながら駈け下る。

しかしVIPコースの女性は、そんな彼の愚痴をただ優しく微笑みながら聞いてくれる。

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この男がストレスフリーになる唯一の瞬間。

そんな先輩の背中を「かわいそうに」という表情で見守る後輩。

その美しいまでの「早朝育児トレイルランナー」のくだらない下りの姿を目に焼き付けるジョンボーA。


やがてVIPルームならではのサービス提供も開始される。

それがこの「オススメ映画レビュー」だ。

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VIP会員にはお馴染みのこのオススメ映画シリーズ。

誰の仕業か分からないが、以前僕は伊吹山のVIPルームでもこのサービス提供に出くわした。(参考資料↓)

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この時は滑落必至の雪の急斜面で、皮肉たっぷりに映画「スピード」をオススメされたものだ。

そして今回の映画タイトルは「死刑台のエレベーター」。

毎度毎度不安を煽ってくれる愛情溢れたVIPサービスだ。


やがて樹林帯まで降下してきた。

思いがけないVIPサービスは続き、木々はすっかり紅葉に満たされている。

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実に素晴らしい。

ここからは落ち葉の絨毯の上を駈けて行くという素敵さ。

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しかし素敵過ぎて、落ち葉が滑ること滑ること。

結局踏ん張る為に余計な筋肉がパンプして行き、筋肉がプチプチと心地よい音を奏でる。

そんな追い込みタイムに、先輩の表情はすっかり愉悦にまみれている。

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そろそろこの周回コースも、紅葉とともにマゾ色が強まって来たようだ。

一方で、後輩の様子がだんだんとおかしくなって来た。

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彼は明らかに下りになってから失速。

ついに彼の左膝が暴動を起こし、主に対して反乱を始めたのだ。

やはりまだ童貞直後の身の彼を、いきなりVIPルームに連れ込んでしまったのはいささか早計だったか。


しかしちゃんと心得ているVIPルーム。

すかさず現場に熟女を派遣し、疲れきった我々にリンゴを提供してくれたのだ。

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実に熟女らしい心のこもったおもてなし。

そして「写真撮って良いですか?」と聞けば、「顔は撮らないで」って言ってくる恥じらいもまたグッと来る。

やはりVIPルームもここまで奥まで来ると若い山ガールではなく、ツウの要望に添った粋な熟女配置でやすらぎの提供に打って出たようだ。


しかしまだそんな渋みの効いた熟女に癒しを見いだせない男は、かなり限界色濃厚な表情になっている。

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彼の膝の反乱は、もう本人の意思では鎮圧出来ない状況にまで追いつめられていた。

そしてついに反乱軍の一撃が炸裂。

ジョンボーAは、足を取られた曙のようにずっこけたのだ。

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すかさず先輩は「大丈夫か!」と言う前に「はい、そのまま!ビッグチャンスです!」と言ってシャッターを切った。

この時、彼は今更ながらトレラン師匠として選ぶ先輩を間違えた事に気がついたようだ。

そして陽気に「ビッグチャンス」とか言ってるこいつも、いよいよ風邪の後遺症でアップアップ状態。

そろそろチェリーメンの限界が近い。


やがてフラフラの二人は「今畑」という、廃墟の村に到達した。

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いよいよこのVIPルームもマニアックな趣向に彩られた世界観になって来た。

そしてその廃墟の村をゾンビのようにヨロヨロと進んで行く廃人ランナー達。


やがてVIPルーム最後の「落合ルート」に向けて集落を移動。

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その落合ルートさえ抜けてしまえば、いよいよ我々はこのお店から解放されるのだ。

以外と長く辛かったこの周回120分コースも、間もなく終わりを迎える。

風邪中の男と左ひざ反乱中の男にとっては、「もう早く終わってくれ」と言った厭戦ムードが漂ってくる厳しい時間帯。


しかしそんな二人の前に現れた最後の熟女「落合さん」。

なんと彼女は、入口に堂々と「通行不能」という札を掲げて拒否宣言ではないか。

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ここまで優しかった霊仙山VIPルームのまさかなラストサービス。

我々は周回コースだから、落合さんを越えて行かないと元に戻れない。

ここが通行不能となると、今まで来た道を全て戻って山頂経由で帰らななきゃいけない。

そんなの無理だ。


先輩後輩はここで緊急会議。

「なぜ通行不能かの理由が書いてないし進入禁止の柵もない。このライトな書き方は、きっと荒れてるけど通れなくは無いんだよって事ではないだろうか?」

「という事は、言ってみれば一休さんの“この橋渡るべからず”的なトンチの可能性が高いな。」

「きっとこれは落合さんが我々を試しているんだ。ここでひるむような男は相手にしてくれないんだよ。」

「見せてやるか、我々の男気を。」

「見せてやりましょう。落合さんをひいひい言わせてやりましょう。」


意見はまとまった。

我々は重い足を引きずりながら落合さんへ突入。


すると、予想通り荒れに荒れた落合さんがご登場。

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凄まじいまでの落合さんの乱れっぷり。

もはやこの豊丸のような激しさに、ただただ呆然とするジョンボーA。

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道は所々崩壊し、「攻めて来ても良いけど、それなりの覚悟を持って攻めてらっしゃい。でも私はそう簡単には落ちないわよ。」といった状況が続く。

そして何気にずっと登り基調で、病み中限界男はみるみる疲弊して減速して行く。

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ベテラン熟女落合さんによる、いぶし銀のサド攻撃をモロに被弾しまくる限界マゾ。

結果的に早くもひいひい言わされてるチェリーメン。

この段階でのアスレチック・サディスティックに対し、もう走る事なんて到底出来ない男。

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そしてリアルに燃え尽きる風邪先輩。

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まだ我々にこのVIP熟女は早過ぎた。

もはや快楽を越えた地獄。

しかし、縛り上げられて苦痛にまみれた地獄の果てにこそ「真の快楽」は存在すると落合さんは言う。

我々も、いつしかそんなベテラン熟女に導かれるようにそのディープな世界へと溶け込んで行く。

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やがてズルズル滑る大急登の果て。

我々は突き抜けて真の快楽の世界の住人と化した。


後はもうその快楽に身をゆだねるのみ。

そして頭の中も真っ白になった頃。

我々は、ついにシャバの世界へと退店していた。

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新しい世界を体験し、長くディープな夜を越えて放心状態で朝日を浴びる男達。

もう彼らはチェリーメンではない。

立派な変態マゾメンへと昇華したのだ。


ただ一つ残念なのは、これがちゃんとしたトレイルランニングだったのかどうか怪しいという所。

ジョンボーAはただ単に「早朝にマゾさせられただけ」と言った状況で、この時点でも彼は「トレラン童貞」を捨てられていないという事くらいか。






その後先輩の方は病み上がりの無理がたたって、かつて経験した事のない強烈な筋肉痛に見舞われたという。

そんな筋肉破壊男の元に一つの招待状が届いた。

差出人はジョンボーA。

「先輩、この度はお疲れ様でした&ありがとうございました。おかげさまで、この度無事に左膝がご臨終と相成りました。つきましては、左膝お疲れパーティーを開催する運びとなりました。会場ではお食事やスイーツ、ドリンクをご用意しております。ご多忙のところ恐縮ではございますが、何卒ご来臨賜りますようお願い申し上げます。」


恐らくこのパーティーに行ったら、ドリンクに毒が盛られている可能性が高い。

彼には悪い事をしてしまったようだ。


お返しに最後のレッスンを彼に贈っておこう。



「レッスン8.マゾな先輩を信用してはダメだ」と。



まだまだチェリーメン達の魂のランは続いて行くのである。




走れ!チェリーメン 〜完〜


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走れ!チェリーメン 前編〜7つの喪失レッスン〜

Posted by yukon780 on 18.2013 霊仙山/滋賀 0 comments 0 trackback
「先輩、ボクそろそろ童貞捨てたいッス。」

「よし。私の行きつけの店に連れて行ってやる。しっかり付いて来い!」

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「先輩、待ってくださいよう。」


こうして二人は山中に消えて行った。

二人は高校・大学の先輩後輩。


先輩の方はお馴染みの男で、後輩の方は「ジョンボーA」。

以前北アルプスの焼岳でチーム・マサカズに天候勝負を挑み、善戦の末に惨敗を喫したマゾルーキーだ。(参考記事:焼岳天候決戦1〜ジョンボーからの挑戦状〜


実はジョンボーAは、かねてよりトレランデビューを飾りたいと画策していた。

しかし突然一人でトレラン童貞を捨てるのは男子校出身の彼には荷が重い。

そこで彼が白羽の矢を立てたのが、先立ってトレランデビューを飾って大人の仲間入りを果たしていたこの先輩だったわけだ。

彼はそんな先輩に優しくご指導を賜り、その導きによって無事にトレラン童貞を喪失してやろうという堅実な作戦を考えたという訳だ。


しかし彼はこの時点で頼る相手を間違えている。

その先輩ははトレイルランナーではなく、あくまでも「早朝育児トレイルランナー」。

ただ単に時間がないから早朝に大急ぎで山を走ってるだけの、いわゆる「素人童貞」だったのだ。


そんなトレランの何たるかを正直あまり理解してはいない、という致命的な欠陥を抱えた丘サーファーのようなニセ喪失男。

しかもこの時、この先輩は見事なまでに「風邪」真っ最中。

はっきり言ってとても走れるような状態ではなかったのだ。


そんな病み中の素人童貞とリアル童貞の二人。

そんな「先輩後輩チェリーメン」が、トレイルランニングの真似事を楽しんだだけという日曜日の模様。

じっくりと振り返ってみよう。


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集合時間はもちろん早朝だ。

ジョンボーAは別に育児中じゃないから、わざわざ早朝から動かなくてもいいはず。

しかし彼が声をかけたのは「早朝育児トレイルランナー」だから、早朝集合もやむなしなのだ。


しかも5時集合だったのに「ごめん、ミルクの時間が5時になったから6時集合にして」と言われる始末。

早速勝手が分からずに振り回されるジョンボーA。


そして集合時間になって、絶賛風邪中の先輩が登場。

後輩としても心配で「ほんとに大丈夫ですか?」と聞くが、その先輩は「風邪は病院で治すものじゃない。男は黙って山を走って治すものだ。」と言い張る始末。

よっぽどこの先輩は遊びに行きたいらしい。

これももちろん、この先輩による重要なトレラン童貞喪失レッスン。


「レッスン1.無理を重ねずしてマゾは無し」


ジョンボーAは、ここでまた一つ童貞喪失の為の大事なノウハウを先輩から学んだようだ。

こうして悩める後輩は「先輩行きつけのお店」に連れて行かれた。


行き着いたのはお店の名は「霊仙山(りょうぜんざん)」。

先輩が足しげく通っているという、トレラン童貞喪失には持ってこいの滋賀県の名店だ。


今日が後輩の人生の重要な記念日になるので、お店の入口で記念撮影。

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緊張からか虚勢を張ったジョンボーAと、すっかり余裕の表情の常連さん。

ここでも先輩による「レッスン2.肩肘張らずに自然体で」という教えが炸裂だ。


しかし気持ちばかりがガツガツと前に出てしまったジョンボーAが、先輩の制止を振り切って凄い勢いでご入店。

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するといきなりの行き止まり。

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開始10秒で途方に暮れるジョンボーA。

気持ちは解るが、あれほど焦りは禁物だと言っただろう。

緊張やガツガツ感は相手に悟られるもの。

まずはじっくりと軽妙なトークから始め、お互いの心をほぐす所から始めるが吉なのだ。


と、そう言われたにもかかわらず、収まりが効かない若きますらおの血潮。

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もう頭の中は「早く喪失したい」という一念で溢れかえっている。

結果、このように早くもヘロヘロに燃え尽きる始末。

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あまりにも早過ぎた早漏昇天。

まだご入店直後の待合室ソファーの段階にしてのこのグッタリ感。

しか一方で、常連のはずの先輩の動きもヨロヨロと鈍い。

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早くも風邪の無理がたたって、体の節々が痛い模様。

なんせ1週間以上全く体を動かしてないばかりか、昨日は普通に寝込んでいたのだ。

しかし彼は自分が風邪だとは認めない。

可愛い後輩を喪失まで導く為、先輩は「レッスン3.事前の仕込みでマゾ度は決まる」と背中で語り続けるのだ。


この自らの身を犠牲にした先輩の背中を見て、やっと落ち着きを取り戻したジョンボーA。

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ようやく店内の素敵な装飾に目が行くようになった。

しかし先輩がまた余計な仲間まで連れて来たようで空が白い。

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この日もいつも通り、晴れ予報にも関わらず空はモクモクさんに包まれている。

相変わらず先輩は背中で「レッスン4.白い世界でこそ想像力は養われる」と語っている。

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全体としてどれもトレイルランニングとは関係ないレッスンに思えるが、ジョンボーAはそんな先輩の背中を見て多くのものを吸収して行く。


やがて二人はついに台地状の広大な世界へ。

まさにここからが「トレランに持ってこい」の素敵なステージだ。


しかし先輩はここでトレランの基礎を教える事無く、おもむろにカメラをセットして「トレラン時の己撮りとは何ぞや」の教義に入った。

訳も解らず、先輩の言うがままに走らされるジョンボーA。

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そして突然「はい!ここでターン!」と言われて慌ててターン。

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この無駄すぎる動きは何事か?

時間も体力も無駄に失った気がするがいかがか?


そしてカメラまで戻ってカメラチェックを始める先輩。

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そろそろ気がつき始めるジョンボーA。

「こいつはトレイルランナーなんかじゃない...。ただの早朝マゾランナーじゃないか!」と。

結局トレランの事を何も教えてくれないばかりか、「2人撮り」という茶番に付き合わされたジョンボーA。

自分の貴重なトレラン初体験を汚され、彼は泣きながら台地を疾走。

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これが先輩流の「レッスン5.悔しさと恥ずかしさを力に」という教え。

まさにこの不器用な先輩なりの、「自分は嫌われても良い、後輩には立派に独り立ちして欲しい」という愛情の賜物なのだ。


それを知ってか知らずか、彼は順調にお虎ヶ池を越え、

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先輩の後を追う。

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ただこの風邪で病み中の人は、別の意味でも病んでいる人だった。

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恐らく度重なる育児自宅待機により、山の中で何かがスパークしてしまう人なのだろう。

先輩は「レッスン6.夜泣きのストレスは山で発散させろ」と言っているようだが、ここはジョンボーAとしてはあまり見習うべき所ではないようだ。


やがてそんな先輩の負の力が蔓延し始めたこの店内が、たちまち怪しい雰囲気に包まれた。

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九合目の経塚山に続くイカつい道のり。

その頂上標識が、まるで十字架の様で実に重苦しい雰囲気だ。

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そしてその十字架に向かって、静かにゴルゴダの丘を登って行くマゾ1匹。

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人々の負の罪を一身に背負ったイエス・マゾヒスト。

しかし今日はさらに罪深い「晴れ男」という裏切り者「ジョンボー・ユダ」も引き連れている。

ここでその晴れパワーは炸裂し、イエス・マゾヒストの頭上になんと「青空」が舞い降りた。

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奇跡。

白と後悔しか知らない早朝育児トレイルランナーに訪れた奇跡だ。


これを合図に店内に陽光が降り注ぎ、イエス・マゾヒストが今まで見た事のない霊仙山の姿があらわになった。

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ジョンボーAも、童貞を喪失するにはあまりにも明る過ぎてすっかり赤面している。

でも今まで暗い世界で生きて来た先輩は猛烈に喜んでいる。

喜び過ぎて、ケツから元気玉まで出す始末だ。

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実際はセルフタイマーセットしてから立ち位置に行こうとして、石に足を取られてよろけている姿。

しかしそれも全て喜び過ぎて浮き足立ってしまったからだろう。


さあ、これにて舞台は整った。

あとはあの先にそびえる、霊仙山山頂にて筆下ろしするだけだ。

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こんな青空のもとでご卒業できるなんて、きっと忘れられない初体験になる事だろう。


さあ、先輩はもう見守る事しか出来ない。

あとは自分の力で道を切り開くんだ。

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どうした?何をうじうじしてるんだ?

相手はもう今か今かと待っているぞ。

何も考えずにその懐に飛び込めばいいんだ。

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そうだ!いいぞ!

いい感じだ。

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焦るなよ。

ようく相手の事も考えるんだ。

自分だけスッキリしようなんて思うなよ。

そう、その下った勢いを利用するんだ。

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その勢いで一気に卒業に持って行け。

今だ。

駆け上がれ。

ああ!転んだ!

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負けるな。

最初は誰だってそんなもんだ。

そこで一回深く深呼吸だ。

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そうだ、いいぞ。

頂はすぐそこだ。

行けえ!

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やったな。

これでもうお前は立派な「早朝育児トレイルランナー」だ。

君には子供はいないが、先輩のように早朝育児トレイルランナーを名乗っても問題ないぞ。

正式なトレイルランナーとしての正しい道程も喪失した感が否めないが、そんな事は気にするな。

ほら、君の初めての相手「琵琶子ちゃん」もニッコリと笑って祝福してくれているぞ。

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先輩としても、ここまで無事に導いてやる事が出来てよかった。

君の表情も、すっかり自信を持った大人の顔になってるじゃないか。

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でも何気に先輩もこんな青空登頂は初体験だよ。

私の方も一つ夢を叶えても良いだろうか。

いつもいつも悔しい思いをさせられて来たけど、ついにこの時が来た。

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やってやったぞ。

ついに「Facebookに青空の写真を投稿する」という夢を叶えてやった。

いつもは「白い世界で修行ナウ」的な投稿しかしてこなかったが、やっと人並みの投稿が出来たぞ。


でも何気にここに来て、山頂に猛烈に寒い暴風が吹き荒れた。

たちまち鼻水の流出に歯止めが利かない風邪男。

結果的にジョンボーAパワーで晴れたが、やはりこの男は「風邪の悪化」という代償を支払ったようだ。

これぞ卒業達成した後輩に贈る、「レッスン7.浮かれた時こそマゾりどき」という先輩からの贈る言葉だ。



こうして無事に筆下ろしを達成させた二人。

しかし「店を出るまでがトレランレッスン」。


実はここから先は、先輩も初のコースを辿って下山する「周回120分コース」。

まだまだたっぷり時間は残っている。

この先をいかに過ごすかで、我々の男度が試されると言うもの。

変態男子校「岡崎城西高校」出身者としては、ついに校訓である「質実剛健」を見せつける時が来たのだ。


さあ、いよいよここからはアブノーマルなネクストステージ。

童貞喪失直後のチェリーメンに突きつけられた、ベテラン熟女落合さんによるまさかの「通行不可」宣言炸裂。

そしてそんな過酷な状況下で、節々の痛みに悶える者と左ひざを爆発させる者の悲鳴が店内に響き渡る。

果たして彼らは無事にこのお店から脱出できるのか?


大人への階段は長く険しいのである。




走れ!チェリーメン 〜後編へ〜 つづく



霊仙UMA大戦争〜ミイラと空魚と雪男〜

Posted by yukon780 on 30.2013 霊仙山/滋賀 4 comments 0 trackback
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地獄の原野をさすらう孤独な亡霊。

ついにGWの遊び過ぎがたたり、彼は嫁に毒殺されたのか?

死してなお、己の行き場を見失った哀しきマゾ野郎の成れの果て。


しかしこんな地獄絵図のような状況だが、この男はまだ死んだわけではない。

実は彼はこう見えても、今「パンを買いに行く途中」なのだ。


なぜ彼はパンを買いに来たはずだったのに、この様な無間地獄に堕ちる事と相成ったのか?

振り返ってみる必要がありそうだ。


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GW明けの僕は、さすがに暫く大人しくしていた。

しかしそれも2週間と続かない。

週末の「晴れ」という天気予報を見た途端に、ウズウズしてケツのソワソワが止まらない。


かと言ってさすがに嫁に対して「一日中遊ばせて」なんて言おうものなら、命がいくつあっても足りない。

そこで今回も、得意の子持ちアウトドア野郎奥義「早朝トレラン」にて短時間で無理矢理マゾる道を選んだ。


嫁との交渉の末、彼女から2つの条件が僕に提示された。

それは「歯医者に行くから10時までに帰って来て車で送迎せよ。」というものと「美味しいパンが食いたいから帰りに買って来い。」という条件。


正直、家から歩いて10分程度の歯医者への車送迎のために帰還しなくてはいけないというのも微妙な所。

さらには普通のパンではなく、あくまでも「美味しいパン」を買って帰らなければ許されないという過酷な条件。


その条件から僕が炙り出した早朝トレランステージは「霊仙山」(りょうぜんざん)。

以前チーム・マサカズで登った時はこんな感じの山だった↓

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この時に「ああ、ここはトレランしたら絶対に気持ち良いぞ」と思って以来、近いうちに走ろうと狙っていた山だ。(参考記事:ロマンティック浮かれモード〜さわやか霊仙山〜

6月にはヒルにまみれる山としても有名だから、行くなら今しかないと踏んだわけです。

しかもうまい事に帰り道には美味しいパン屋さんもあるから、ここしかないというチョイスだ。


こうして僕は「はるばる霊仙山経由でパンを買いに行く」という戦いに突入する事になった。

許された時間は少ない。

日の出と同時にアタックを開始し、9時には下山して美味しいパンを買って帰れるかが勝負のポイントだ。


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早朝4時過ぎ。

誰もが寝静まる中、コッソリと家を出て行く日陰者。


実は「早朝養子トレイルランナー」にとって、ここからすでに勝負は始まっている。

ここでわずかでも物音を立てると、飼い主の僕に対して敵意むき出しのトイプードルが猛烈に吠えまくるのだ。

その上、1階でご両親が扉全開で寝ているので、起こしてしまったら早朝から面倒な騒ぎになってしまう。


でも毎回2階で咳払いしただけで1階のトイプードルが吠えまくるという図式。

結果、犬に追い出されるような形で僕は家を出て行く事になる。

早朝から実に惨めな気分を味わう。


そしていつもその後で、決まって惨めな気分に追い打ちをかけて来るのが天気予報。

確かに晴れ予報なのは間違いないが、僕の帰宅予定時刻は10時だ。

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この「トイプードルからの天気予報」という失意攻撃が、僕の早朝トレランの王道スタート。

いつも通りの朝だ。


やがて1時間程車を走らせて、登山口到達。

当たり前だが誰もいない。

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前回来た時は駐車スペースが全然無かったけど、さすがにこの時間には僕のような物好きしかいないようだ。


さあ、出発前にはもちろんこれ。

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そろそろこのジョニーさんに活躍してもらう時期になってきたようだ。

以前紹介した山ヒル対策スプレー「ヒル下がりのジョニー」だね。(参考記事:昼下がりの情事


なんせこの霊仙山は「ヒルの温床」として有名な山だ。

過去の別の人の登山記録を見ると、「沢の道を登る間に200〜300匹のヒルを引きはがした」とある。

どんなに振り払っても、5分後には10匹程が食らいついているという恐ろしさ。

そして上からもヒルが降って来るという阿鼻叫喚の地獄の世界なのだ。


まだ5月中旬だからそんなにヒルはいないだろうが、やはりジョニー無しで登るのは勇気がいる。

でもダイエットがうまくいかずに中々体重が落ちない時は、6月以降にこの山を全裸で駆け抜けてみる事にしよう。

恐らく下山する頃にはこのくらいスリムになっているだろう。↓

河童のミイラ1

きっと下山後に誰かに撮影され、翌日の東スポに「UMA発見」の見出しが躍る事だろう。

中々痩せないとお悩みの方は一度試してみてはどうだろうか。



そんなこんなでジョニーをたっぷり足と肩に振りかけて、5時半にスタート。

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薄暗い早朝の廃村を孤独に走り抜けるという爽快さ。

背筋もヒンヤリして気持ちがいいね。


いかにもヒルがいそうな沢筋を駆け抜けて、5分で山小屋かなやへ到達。

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前回はここでのんびりしたもんだが、まだまだヒルの危険ゾーンなので迷う事無くスルー。

グッハグッハと駆け上がって、さらに5分後に汗拭き峠へ。

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ここまで来ればヒルの心配も無いだろう。

でもここまでの猛烈なヒルクライムのせいで、体力の方が心配だ。


しかしヒルんでいる時間はない。

さっさと下山して、美味しいパンを買いに行かねばならんのだ。

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パン屋への道は長く険しいのだ。


その後も美味しいパンを求めて黙々と走る男。

やがてその男は知らず知らずのうちに奇跡に遭遇する事になる。

まずはこちらの写真をご覧いただきたい。

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この時は気付かなかったが、家で写真を見て驚愕。

画面左側で飛んでいるコイツ↓

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これはミイラに次ぐ2発目のUMA。

こいつははまさかの「スカイフィッシュ」ではないか。(これね↓)

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まさかヒルだけでなく、スカイフィッシュまで生息する山だったとは。

さすがのジョニーでもスカイフィッシュまではカバーできないぞ。

なんせ空中を時速280kmで移動する生き物だから、ぶつかったら大変な事になる。

こいつはパンを買いに行くのも命がけだ。


しかもこの時点で頭上は晴れているんだが、

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その目線の先はこんな状況。

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スカイフィッシュからのご報告を受けたモクモクさんが、急いで僕の元に急行している様子が確認できる。

やがてあっという間に追いつかれ、必死でモクモクさんの追走から逃れようとする男。

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後方から迫り来るミシュランマン。

今まさに男に三ツ星のマゾがご提供されようとしている。


やがて「ここからが走って楽しい」という台地状のステージへ到達。

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しかし見るからに、走って楽しいというより「マゾって楽しい」といった様相を呈している。

確かに10時までは「曇り」の予報だったが、曇るにも程というものがあるぞ。


そしていよいよ風も吹き荒れ、凄い勢いでモクモクに包まれて行く男。



しかしこれはいつもの男がいつもの状況に落ち着いただけの事。

いちいち気にしている場合ではない。


だってここからは猛烈に気持ちのいい道が続くからだ。

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早朝で悪天候だからこそのこの独占感と開放感。

ある意味これは「家から1時間で来れるアラスカ」と無理矢理思い込めば、さもデナリ国立公園を走っているんだと思えなくもないではないか。

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カリブーの群れとか登場しそうだなあ、と自分に言い聞かせてみる。

幸か不幸か「琵琶湖」も見えないから、無理矢理のアラスカ妄想が広がって実にいい気分だ。


そんな中で、絶対にアラスカには無いであろう「鳥居」が登場。

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僕の妄想をぶち壊すのは、お馴染み「お虎ヶ池」だ。

せっかくなんでいつものように「嫁の優しさ祈願」。

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毎回突き返される願いだが、いつかは神にこの思いが届くはず。

せめてこんな早朝に一人で山を走らないでいいようにならんもんか。

でも育児中なんでしょうがないやね。


そしていつものように「嫁の優しさ祈願」が妙な形で天に届いたのか、さらに辺りはモクモクに。

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もはや雲の中に突入して行く気分だ。

何度も言うが、前日の天気予報は「晴れ」でした。



九合目の経塚山へ登る頃にはこんなことに。

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辺り一面がグレイッシュな寒々しさで覆われ、悲壮感がハンパない。

僕はただ週末の朝を爽やかに過ごしたかっただけなのに...。

穏やかに山を楽しみたかっただけなのに...。


そして目から水滴がこぼれ出した頃に、九合目経塚山へ到達。

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360度に真っ白な絶景が広がる。

感動で言葉も出ない。



さあ山頂まであと少し。

見よ、この山頂までの美しきビクトリーロードを。

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これはパリ挑戦権をかけたパネルクイズなのか?

間もなく全てのパネルが白で埋め尽くされてしまうぞ。

なんとか白の勢いを止めないと、僕に逆転のチャンスは無いどころか本気で遭難してしまう。


僕は意を決して「アタックチャーンス!」と叫びながら、真っ白な世界に飛び込んで行く。

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自ら黒いパネルとなって、エールフランスで行く地獄旅行への挑戦権獲得。

パンを買いに来ただけの男は、こうして地獄へと堕ちて行った。


そして閻魔の判決を受けるべく、一匹の亡霊が霧の中に消えて行く。

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やがて山頂への道が「ほんのりと」見えて来た。

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写真ではさっぱり分らないと思うが、一旦ここを駆け下りて行って目の前の最後の急登を登って行くのだ。


もはやこれ以降、写真も撮らずに黙々とモクモクの中をグハグハと登って行く。

だって写真を撮った所で全部真っ白なんだもの。


やがては頭の中まで真っ白になって行く。

そしてふと「あれ?僕はここで一体何をやっているんだ?なんだかちっとも楽しくないぞ。」と気付いてしまう。

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これが世に聞く、突然ローテンションが襲って来るという「クライマーズロー」なのか。

まだ暗いうちからコソコソと犬に吠えられながら家を抜け出してまでして、この惨憺たる状況は何事か?

僕は山を気持ち良く走りたかっただけだろ?

いつの間にか望んでもいないのに「精神と時の部屋」に迷い込んでしまってるじゃないか。

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しかし鳥山明氏によると、この部屋の中ではこ外界での1日が1年(365日)に相当するという。

早朝しか時間のない僕には、この何も無い真っ白な空間にこそピッタリなのではないだろうか。


でも実際には外界同様の時間は刻一刻と過ぎて行く。

こんな白い世界でのんきに修行してたら、嫁を歯医者に送れなくなってしまうではないか。

そうなったら嫁の裏拳を顔面に食らい、僕の歯が全て砕け散る可能性だってある。


僕は立ち止まる事無く白い世界を彷徨い続ける。

やがて霊仙山の山頂に到達です。

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それを合図に凄まじい突風が山頂に吹き荒れる。


本来であればここで琵琶湖の絶景を堪能しながら、持って来たソーセージでも食ってやろうと思っていた。

しかし冷たい暴風が休憩する事すら許さず、僕は真っ白い絶景を堪能しながら後悔を飲み込む事しか出来なかった。


山頂滞在時間2分で再び修行の部屋に戻って下山を開始。

一体これは何の部活の朝練風景なんだろうか?


やがてそんな僕の前に、ついにミイラとスカイフィッシュに次ぐ3つ目のUMAが。

九合目の経塚山付近に、何やら仙人の人影のようなものが。

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まさかあれは世に聞く「イエティ(雪男)」ではないのか?

今こんな奴に襲われたらとても対抗できないぞ。↓

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雪男 VS マゾ男の霊仙ラウンド。

勝つのは毛むくじゃらの大男なのか、それともモチモチ白豚肌の養子野郎なのか?


僕は覚悟を決めてイエティに突っ込んで行く。

するとイエティの正体は登山者の人でした。

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僕の他にも物好きはいるもんだ。

イエティの大発見かと色めき立ったが、相手が人間で良かった。

よく考えてみれば雪も降ってないし、ここはヒマラヤではなく滋賀県だ。

パンを買いに行く途中で出会える生物ではない。



さあ、くだらない茶番はもう終わりにしてさっさと下山しよう。

下りはひたすらにかっ飛んで行く。

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何やら高度を下げるにつれ、みるみる空からモクモクさんが離れて行く。

ある程度僕を懲らしめた段階で、モクモクさんは20時45分の黄門様のように「もういいでしょう」と印籠を出して戦いを強制終了だ。


ちょうど僕を境目にして右手は晴れ、

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頭上は晴れとモクモクさんの境界線で、

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左手は精神と時の部屋。

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実に分かり易い状態。

恐らく雲で覆われていたのはこの早朝の霊仙山だけだったんだろうね。


そこからもモクモクさんの追撃から逃れるように猛烈ダッシュで下山。

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展望が無い森林地帯まで降りてくれば、木々の間から素敵な木漏れ日。

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ここに来て強烈に晴れ渡る空。

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もうUMAが出て来そうな雰囲気すらない「登山日和」。

しかし僕は今、この快晴下を絶賛下山中。


山小屋かなやに着く頃には、まばゆいばかりの日差しが降り注ぐ。

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暗闇を徘徊し続けて来た僕は、この光を浴びてサラサラと砂になって風で飛んで行く。

もうこの頃には、僕自身が「マゾキュラ」という新種のUMAになっていた気がする。


輝いた世界では生きられない哀しきマゾキュラ。

嫁に生き血を吸われ、養子というストレスから早朝の真っ白な世界でしか生きられなくなってしまった惨めな生き物。

近年、日本各地の山や川でよく目撃されるという。

たまに子供を担いでいるらしい、と東スポにも載っていた。



やがて徐々に人間らしさを取り戻して下山。

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この時点でまだ7時30分。

登山口には「さあこれから楽しい登山を始めようか」と言った登山者の皆さんが沢山いた。

見上げた空は、スカイフィッシュのかけらも見当たらない雲一つない大快晴。

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もはや何も言うまい。

皆さん。

快晴の霊仙山を心いくまで楽しんで来てくださいね。


男はそうボソリと呟いてその場を去って行った。


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随分と壮大な回り道をした気がするが、ようやく美味しいパン屋さんへ。

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素直に直接買いにこれば良かった気もするが、まあいいだろう。

僕はいくつか「美味しいパン」を購入して帰宅。


そして無事に帰宅して、お茶を飲もうと冷蔵庫を開けるとこんなものが。

何やら貼紙がしてあるぞ。

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「このお茶、〇〇(僕の名前)だけが飲んで」とある。


僕はかつてこれほど死を覚悟した瞬間は無かった。

いよいよ盛られてしまったんだ。

僕には「お〜い、お茶」の文字が「お〜い、毒」としか読めない。

とてもじゃないが恐ろしくて飲むことが出来ない。


後からよくよく嫁に聞いてみると、二日前に自分で開けて飲んだお茶を部屋で置きっぱなしにしていたらしく、腐ってるかもしれないからそれを自分で飲むのは嫌だし、ましてや子供が間違って飲んだら大変だ。

しかしまだ腐ってないかもしれないし、もったいないから「旦那に処理させよう」という独自のご発想に行き着いたらしい。


我が家にも「ミセス理不尽」と言う名のUMAが潜んでいたとは。

世紀の大発見というか、結婚後にこんなUMAを我が家で発見したくはなかった。


さらには僕は数日後に驚愕の光景を台所で目撃する事になる。

なんと僕が苦心して買って来たパンのひとつが、棚の中でカチンカチンになっているではないか。

嫁が食いたいと言ったからはるばる買って来たのに。

恐るべしミセス理不尽。


僕は本来ふわふわ感がウリであったはずの、カチンカチンの米粉シフォンケーキを涙で濡らしながら食べきる。

そして愛すべき二人の我が子を見る。

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彼らのために僕が出来る事はひとつしかないのか?

この「カチカチシフォン」をあの「お〜い、毒」で流し込み、彼らに大量の保険金を残してあげるべきなのか?


しかしお父さんにはまだまだやり残した事が沢山ある。

僕は嫁へのささやかなる対抗心を持って、あの毒堕身茶(どくだみちゃ)を流しに捨ててやった。




今後も各地で早朝マゾキュラが目撃される事だろう。

もしあなたが目撃したとしても、あまり近づかないように。

危険はないですが、哀しくて見てられないですから。


どうかそっとしておいてやってください。



ロマンティック浮かれモード〜さわやか霊仙山〜

Posted by yukon780 on 24.2013 霊仙山/滋賀 3 comments 0 trackback
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地獄の鬼ヶ塾から1週間。

早くも山中を彷徨い出した春のマゾ達。



先週の強烈過ぎる戦いで彼らはすっかり疲弊していた。

鬼ヶ牙の呪いは下山後も体にまとわりつき、チーム・マサカズの全メンバーが壮絶な全身筋肉痛の集団C3-PO状態で仕事に突入して行った。


そんな中での週末登山。

週間天気予報はめまぐるしく変動し、日曜の登山予定日はみるみる傘マークへと進化。

いつもなら「絶好のマゾ日和」と言う事で、喜んで雨の山中に突っ込んで行くのがチーム・マサカズ。

しかし今回に関しては、先週のマゾ三昧で「もうお腹いっぱいだよ」と言う声が相次いだことにより日曜日は雨天中止に。

僕もさすがに雨の山に子供を担いで行くわけにも行かず、仕方なく比較的天気のマシな土曜日へ変更。

これによって行けるメンバーは減ったが、少数の手負いマゾ達にて滋賀の名山「霊仙山(りょうぜんざん)」を攻める事になった。



霊仙山は1000m程度の山だが、そこには福寿草なるお花が咲き乱れ、可愛い野鹿が戯れるというロマンティックな山だという。

ゆえに今回は「さわやか&ノーマゾ宣言」が発動し、平和で「正しい」登山を楽しもうという意気込み。

先週に必要以上の悲惨な目に遭った今の我々には、「ムチ」ではなく糖分たっぷりの甘い「飴」が必要なのだ。


そんな少数のチーム・マサカズが堪能した平和なさわやか登山。

たまにはこんな日があってもいいじゃないか。

しかしこのブログは「正しくて楽しい登山」を書くと、なぜか作者が非難を浴びるという不思議な現象が起こる。

どうも人が苦しんでいる姿を見てスッキリしたいサド読者と、疑似体験でコーフンするマゾ読者が入り乱れているから「楽しかった」なんて報告なんて聞きたくないという者が大半だからだ。

なので今回は「ロマンティックのなんたるか」を心得た、清い心を持った暇人の方だけご入室いただきたい。


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今回は直前に予定が変更になった為、「失踪おしゃべり男・小木K」「嫁自慢晩酌男・ビビるS」「絶倫イボ痔男・アゴ割れM」の騒々しいメンバーが来ていない。

このチーム・マサカズ内における「かしまし三人衆」がいない事により、静かで穏やかな登山は約束されたようなものだ。


なので今回はチーム内でも穏健な「ハト派」メンバーによる登山となった。

穏健すぎて、一番右のゲリMなどは出発前から早くも瞑想中だ。

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先週の鬼ヶ塾卒業メンバーの矢作C・低血圧Mちゃん・僕、そして先週我々が地獄を彷徨っている時にのんきに家族旅行していたゲリMの4名。

別名「チーム・ロマンティック浮かれモード」の皆さんだ。


低血圧Mちゃんに至っては、先週のデビュー戦であれ程酷い目に遭ったというのに早くも2戦目の登板。

前回は企画者の僕が、彼女から訴えられても文句の言えない内容だったのに。

にも関わらず、嬉々として今回も参加して来るあたりはさすがは8球団競合の末に引き当てたゴールデンマゾルーキーと言った所だ。


そしてこの日は、寒の戻りで2月下旬並みの寒さ予報。

なので今回は心配性のお義父さんによる「風邪を引かせると大変だから、りんたろを寒い山に連れて行くな指令」が炸裂。

これによって僕のマストマゾアイテム「りんたろう」を担がずに単独登山を許されたのだ。

久々の重り無し登山で、鉛の道着を脱いだ悟空並の身の軽さと責任の軽さを手に入れた僕。

これで純粋に登山を楽しむ浮かれモードの準備は整った。



このようなハト派メンバーでのテーマはやはり「さわやか登山」。

もちろん出発直後から、早速「今は誰も住んでいないジメジメした暗い廃村を通って行く」というさわやかさを満喫だ。

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しかもこの道は、来月あたりからヒルの絨毯と化すらしい。

その時にはここで僕の血による大技「ヒルクライムレッドカーペット」を披露しようと思うが、今日はあくまでもさわやか登山なのでやめておく。

そん時が来たら、「行きは黒いズボンだったのに、真っ赤なズボンで帰って来る」というイリュージョンをお見せすることが出来るだろう。


やがて廃村を抜けて行くと、山小屋かなやへ到達。

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ここには名物の「手動飲料販売所」があって、ビールやジュースが販売されているというさわやかさだ。

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この近辺の山では中々味わえないサービスだ。


ここで低血圧Mちゃんが動く。

前回はわざわざ重い一眼カメラと三脚を背負って来た挙げ句、「生きる事」に必死で10枚程度の写真しか取れなかったという悲しい思い出の持ち主。

しかし今回は余裕があるので、ここぞとばかりにこのさわやかなシャッターチャンスを見逃さない。

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やはり低血圧だからなのか、無意識に願望を込めて「元気ハツラツ」に鋭く寄っている。

我々低血圧人間が一度は大声で叫んでみたい憧れのワード。

今日こそは山頂で「元気ハツラツ!」と叫んでやるという、彼女なりの意気込みが見てとれる。


その後もキレイに整備された素敵な登山道を登って行くさわやか部隊。

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今回ばかりは矢作Cと低血圧Mちゃんの「さっさと撮影を拒否してしまう従軍キャメラマンコンビ」に余裕があるので、彼らもさわやかに撮影を楽しんでいる。


やがてさわやかな汗が出て来た所で「汗拭き峠」に到達。

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それでも余裕があるので、ここで矢作Cによる写真撮影講座が始まるという余裕。

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しかしこの面子だと、まるで卑猥な画像を持ち寄った中学二年生のような情景になってしまうのが不思議だ。


その後も快適に進んで行くと、やがて道は岩場の道になっていく。

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しかし鬼ヶ塾の変態道で鍛えられた我々にはこの程度の道は舗装路のようなさわやかさだ。

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マゾレベルがさらなる高みへ押し上げられてしまった我々には屁でもない道で、なんだか物足りない。

しかしそんな我々の気持ちを察してくれたのか?

先頭を歩いていたゲリMが道を間違え、我々を登山道から外れた急登コースへとご案内という余計なサービスを提供。

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これにはグハグハと喜びの吐息が漏れる鬼ヶ塾卒業生の「喜び組」。

しかも後続の関係ない登山者までついて来てしまい、慌ててゲリMが「すいませーん。こっちの道違いまーす。」と叫んでいる始末。

厳しい訓練を受けた我々だけならいいが、一般の方を巻込んではいけない。


そして今回は余裕があるので、要所要所で休憩。

思えばチーム・マサカズで「休憩」などというオシャレな行為に及んだ記憶がない。

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何やら突然矢作Cがマイケルジャクソンのモノマネを披露し、僕が拍手喝采しているように見えるが一応これでも休憩中。

慣れない「休憩」という行為に若干戸惑っているようだ。



やがて景色が開けて行き、雄大な琵琶湖も姿を現した。

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さわやか登山と言いながらも、空はいつものモクモクさんに支配されていて真っ白だ。

しかし「3m先が見えればそれはもう快晴です」というセルフルールにより、気持ちだけはさわやかさをキープするメンバーたち。

普段真っ白な世界しか見られない彼らにとって、琵琶湖の景色はフライデーの袋とじ付録ページ内のセクシー写真のように輝いて見えたはずだ。


やがて霊仙山は、1000mとは思えないような雰囲気になっていく。

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まるで森林限界を超えた高い標高の山を歩いているかのようなさわやか気分。

身長は低いが、人間の屈辱限界を越えた罵倒を浴びせて来る我が嫁のようなお得感だ。


これにはいつも眉間にシワを寄せて苦渋の表情で山に登る彼らからも、やはり自然と笑顔がこぼれる。

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こんなにさわやかな表情で山に登る矢作Cを僕は初めて見た。

いつもはテクノメガネで、全てを諦めたような表情を見せる男なのに。

↓(資料写真A)

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そして本来ならマイケルジャクソンではなく、Mr.オクレのモノマネをしながら「たった今オヤジ狩りに遭いました」という風情を見せつけるという特技を見せてくれる男なのに。

↓(資料写真B)

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要するに、この資料からも今回は余裕があってさわやかだと言う事が言いたいのだ。


やがて広々とした台地に到達し、普段は一人でやるべき己撮りを4人でやりだす「浮かれモード」たち。

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以前からこのブログを読んでくれていた低血圧Mちゃんにとっては、「これが噂の己撮りか」と感慨もひとしおだ。

でも恥ずかしいからこういう裏事情を撮影しないでいただきたい。

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いかにいつも一人で、無駄で恥ずかしい事をやっているかがよく分かっていただけたはずだ。


やがて景色は荒涼さを増し、アラスカの原野を彷徨っているかのような満足感。

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戦で家を焼かれて逃げて来た流民のような情景で見た目こそさわやかさはないが、我々のテンションは上々だった。

そして誰とも無く「福寿草」を探し始めるという信じられない行動に。

お花とは全く無縁の世界の住人だったチーム・マサカズに、いよいよ人としての心が芽生え始めた。

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正直ここに来るまで「お花なんてシニア登山者の世界じゃん」と思ったいたが、いざここまで来てまだ出会えないとなると必死にお花を探し求めてしまう。

「ワンピースなんて子供の世界じゃん」と大人ぶっていたものの、いざ読み出すと涙が止まらずにハマって行ったあの感覚だ。

出会えないと益々心は福寿草で満たされて行くが、奴らは中々その姿を見せずに我々を悶々とさせた。

お花を求める我々のロマンティックが止まらない。


やがて色んな意味で名所となっている「お虎ヶ池」に到達。

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実はこの池は琵琶湖の形をしているという触れ込み。

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まあ、言われてみれば琵琶湖だけど、ちょいと苦しいし何だか汚いな。

峯岸みなみのモノマネする八幡さんって感じの池だな。

さらにここの看板が実に混迷を極めている。

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米原市作の「八合目お虎ヶ池」、西出商店作の「ここはお虎ヶ池です」、そして下丹生地区作「ここはお虎ヶ池ではありません」。

現場は大混乱で、看板屋の僕としてもその奇抜な看板の小競り合いについつい引き込まれてしまった。

その混迷っぷりは、最近の石川遼くんの髪型くらいの迷走感だ。


そんな人間たちのよく分からない小競り合いは関係ないとばかりに、悠然とした広い台地は続いて行く。

かなり後方からの、矢作Cによる「アビーロード風」のさすらい写真だ。

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しかし設定にこだわりすぎた矢作Cがこの場でもたつき、他の登山者が詰まって「矢作渋滞」が巻き起こっていた。

そんな事が起こるのも、心に余裕のある登山ならではの情景だ。


その後も広くて気持ちのいい台地を進んで、

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ちょっとした岩場を越えて行くと、

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霊仙山手前の経塚山の山頂へ到達。

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さらにひたすら突き進んで行って、

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ドリフのバックに流れるようなおばちゃんたちの笑い声を横耳で味わいつつ、

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霊仙山の山頂に到達です。

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さわやかな白い青空と、さわやかな2月下旬並の寒さの風を感じながらの登頂。

それでもいつもは何も見えない場所に琵琶湖が見えるから気分はよろしい。

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結局福寿草は咲いてないばかりか野鹿なんていやしなかったが、まあいいじゃないか。

企画者に対する「話が違うじゃないか」という視線を感じるが気にしない。

心がロマンティックである事が重要なんだ。



そして風のない所に避難して昼食です。

矢作Cは久々に無駄に重い鉄板持参で、随分とロマンティックな昼メシを作っている。

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やはり鬼ヶ塾卒業生としては、重い鉄板を担いで来るというプチマゾは入れこんでおきたかったのだろう。

これに反応したのが、もう一人の卒業生で優雅にクラムチャウダーを食べている低血圧Mちゃん。

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なんと「あえて」スープ内に「虫」の混入を許し、自らの昼メシを台無しにするという小技を繰り出した。

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霊仙風クラムチャウダーで小さく自分を追い込むという、自己追い込み型マゾの彼女らしいプレイ。

女性ならではの繊細できめ細かい仕込みマゾだ。


これには本家もだまっちゃいない。

僕は男らしいプチマゾとは何たるかを示すべく、ジェットボイルで激しく大量のお湯を瞬間大沸騰。

たちまち大量の熱湯が溢れ出し、現場は大混乱に。

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バルブの位置にお湯が吹きこぼれて来るので火を消す事も出来ず、たちまち手は熱湯にまみれて僕の顔には笑顔がはじける。

慌てて鍋を持ち上げて火から離そうにも、そこは「一体型」のジェットボイルが追従して来て沸騰が止まらない。

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そして蒸発した激しい煙でメガネが曇り、一人で勝手に追い込まれて行く男。

周りのメンバーもなす術も無く見守るしかない一人マゾ劇場。

結局火傷寸前の状態で手をビショビショにしながらなんとか消し止めた。


見たか。

これが鬼ヶ塾一号生筆頭、剣マゾ太郎の実力だ。


こうしてロマンティックな昼メシを堪能した4人。

僕はこの「360度見渡せる山ガールだらけの山頂でオシッコポイントを探してさまよう」という食後の追いマゾデザートを満喫。

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これは随分と遠くまで行って、無事に任務を遂行して戻って来た時の姿ですね。


さあ、これでそのまま下山しても良いんだが、経塚山まで戻ると気になる表記。

なんとさっきまでいたのは「霊仙山の山頂」なんだが、別の場所に「霊仙山の最高点」があると言うではないか。

お虎ヶ池といい、随分と紛らわしい山だ。

なんだか最高点まで行かないと気持ちがスッキリしないので、追加でそこを目指す。

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で、よく分からないけど本日二度目の山頂記念写真。

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何やら背後の雲っぷりが重みを増して、さらにさわやかさがアップしている気がする。


実はここから大周回コースを経て下山するという選択肢もあった。

実際とても魅力的な稜線が「こっちおいでよ」と無邪気に僕を誘って来ている。

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僕は散々悩んで、喉元まで「周回コースで帰ろう」と出かけていたが、その手前でメンバーから止められた。

今思えばこの時に周回コースに行っていたら大変な事になっていた。

もし今日一人だったら、僕はお馴染みの世界に突入していたはずだ。

恐らくとてつもない距離を延々と歩いて、途中で冷たい雨に打たれながらボロ雑巾のようにのたれ死んだ事だろう。

正しい判断をしてくれる仲間ってありがたい。


結局折り返して帰ることになったが、もう一つ心残りが。

ここまで来たらもはや福寿草は完全に諦めたが、この山では「大量に戯れる野鹿」が見れるというのを楽しみにしていたからだ。

この登山を企画した僕としても、みんなを喜ばそうと「福寿草と野鹿の群れ」というキーワードで散々期待感を煽って来た責任というものがある。

せめて野鹿だけでも拝んでおきたい。


再び経塚山に戻って来た我々は、さらに別ルート上にある避難小屋を目指す事にした。

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どうにもあの小屋の奥に野鹿がいる予感がするし、あの小屋周辺で目撃された最近の記録も見て来ている。

一路野鹿を目指して、何気に今日一のガレた道を降りて行くメンバー。

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ここで僕は自分が危険な位置にいる事に気付いた。

これは先週から続く低血圧Mちゃんの特技、「落石」の格好の位置関係。

まさに「福寿草も咲いてなけりゃ野鹿もいねえじゃねえか。話が違うぞこのブタ野郎。」という怒りの落石攻撃に晒されるのは時間の問題な気配だ。


しかし何とか事なきを得て、無事に小屋が近づいて来た。

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素敵な避難小屋だったんで、試しに中を覗いてみたらいきなりインド人がいたのでビックリした。

しかし我々が見たいのはインド人ではなく、あくまでも野鹿なのですぐさま小屋の裏手へ移動。


うすうす気付いてはいたが、やはりそこに野鹿はいなかった。

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そこには必死で野鹿の声を聞き取ろうとする悲しい男が一人いただけだった。


しかし戯れる野鹿がいない代わりに、浮かれて飛び跳ねる4匹の馬鹿が戯れていた。

もうどうでもいいやとばかりに、プリケツ全開で飛び跳ねるマゾケルジョーダン。

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続いてキツネ目の変質者も陽気に飛び跳ねる。

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さらには低血圧Mちゃんまでも、80年代のアイドルのようにさわやかジャンプ。

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しかし残念ながら、血圧が低すぎて5cmくらいしか飛べていない。

やはり「元気ハツラツ」とはいかなかったようだ。


矢作Cに至っては全体的におかしな事になっている。

飛ぶ前の姿はプンプン怒るおネエ状態だ。

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早朝の新宿二丁目で、こんな人が早足で歩いていそうではないか。


こんな感じで彼らのロマンティック浮かれモードが止まらない。

こういう痛々しい事をする余裕があるという喜び。

たまにはこんな登山もいいじゃないか。


そして元来た道を談笑しながらさわやかに下山。

廃村まで戻って来ても余裕があるので撮影会。

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矢作Cは悠然とポーズを取っているが、セルフタイマーの10秒で石垣をよじ登って来てるので実は息が荒い。

いよいよこの頃には陰鬱とした雰囲気は勢いを増したが、しかしこれはこれで実に雰囲気のある作品になった。


まるでちょっとした映画のポスターのようだ。

マゾの気があるお姫様(低血圧Mちゃん)をめぐる大冒険作品だ。

まのけ

これならマゾの快楽が理解できない少年少女にも見やすい作品となる事だろう。


そしてこんな余計な事をしてる間に、ついに雨が降って来るという「やはり」な展開。

慌てて逃げ惑う4匹のマゾたち。

しかしその最後の雨によって、彼らの顔は満足感でニヤリとしていたという。


下山後、最後に車でゲリMを雨の中に置き去りにするという安定感のあるオチにて登山終了。

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これにて浮かれまくった奴らの「正しい登山」が終わりを告げた。

束の間の浮かれモード登山。

いつかこの代償を払う日が来る事だろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その後。

やはりメンバーは地味に浮かれモードの代償を払う事になった。


・ゲリM

あの後少しでも早く帰って妻の育児を手伝おうというゲリMは、温泉にも入らず急いで電車で帰っていった。

しかしそんな健気な彼に待っていたのは、嫁からの「足が臭くて不快だ。次からはちゃんと温泉に入ってから帰って来い」という優しい言葉だったらしい。



・低血圧Mちゃん

温泉後のメシで担々麺を皆で食い、疲れた体に染み込む美味さ。

しかしその直後に、己の100円玉を担々麺の激辛スープに落としてしまうと言う地味で細かすぎるプチマゾを披露。

僕はその姿に、しっかりと僕の後継者の匂いを嗅ぎとった。


さらに彼女はこの2日後に再び単独にて登山に行くという、僕のような追い込み方を見せつける。

しかも過度な低血圧がたたって寝坊し、全力山ガールの格好で満員の通勤電車に揺られて行ったというから驚きだ。

もはや他人の気がしない。

彼女は実は生き別れた僕の妹なのか?



・矢作C

彼の場合、スマホのマイクロUSB端子が折れて充電が不可能になるという実に華々しい代償を支払った。

そして泣く泣くiPhoneに買い替えたが、以前のスマホからアドレスが抜き取れずに悲嘆にくれる事に。

浮かれた代償によるショックの大きさは彼が一番だったかもしれない。



・僕

僕の場合何事も無く今日まで過ごして来た。

原因不明な背筋痛に苦しめられたが、その程度では代償とは思わない。

しかし今日。

この長い長い記事を8割方書き上げた時点で、なんと間違えてブラウザの戻るボタンを押してしまったことにより、苦労して書き上げた霊仙山の記事の全データを失った。

この計り知れないショックを想像していただけるだろうか?

そして記憶をたどりながら、また同じ記事を書いて行くという当てもない徒労感。

地味だが実に精神をえぐる代償プレイだった。


やはり浮かれるのも大概にしておかないと痛い目に遭うのだね。

また気を引き締めてマゾっていかんと。



なので今週末は子供担いで2191mの恵那山登って来ます。

鮎釣り解禁前だから、子連れだろうとカヌーだってやっていかないといけない。


さあ浮かれてる場合じゃないぞ。

追い込みゴールデンマゾウィークはすぐそこまで近づいている。



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