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乗鞍リベンジ〜フェアリー真田丸の悲願〜

Posted by yukon780 on 10.2016 乗鞍岳/岐阜 0 comments 0 trackback
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「乗鞍岳」

それは「最も簡単に登れる3,000m峰」として、多くの人々に親しまれている山。

特に登山をした事ない人や、子供老人にも登りやすい難易度の低い山だ。


しかしである。

そんな乗鞍岳を、過去に三度挑戦して三度敗退した男がいる。


彼の一度目の挑戦は、晴れ予報を信じて有給休暇まで取って行ったら現地でこの状況↓になった時。

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この時は登山靴を忘れて麓まで靴を買いに走り、戻ってきて往復のバスチケット買った直後に豪雨という悲惨さだった。(参考記事:連鎖する悲惨〜福地山〜


そして二度目のチャレンジは、当時まだ2歳だったりんたろくんを背負ってのリベンジ登山。

その時は出だしこそ快晴で快調だったが、山頂付近で突然の濃霧&寒気&突風&小雨という乱交パーティー状態に。

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そしていたいけな2歳児は唇が紫色と化し、低体温症寸前になって号泣。

よって山頂まであと50mという寸止めお預けプレイが炸裂して無念の撤退。

撤退時も思いっきり転倒して膝の皿を割ったかと思うほどの追い打ち土産をもらい、完全敗北にて追い出されている。(参考記事:惨敗に乾杯〜乗鞍岳〜


そして三度目は、晴れ予報が当日になって突然暴風雨となり、現地に行く事すら出来なかった。

もはや乗鞍と戦うリングにすら上がれなかったのである。(参考記事:ジョーのつぶやき〜柿の種野郎の化粧品〜


だがそんな男に、ついに4度目の乗鞍リベンジマッチの時が訪れた。

そして前回パープルリップで死線を彷徨った2歳児は、今7歳となって己の足でのリベンジを誓う(本人の意思ではない)。

さらには当時のりんたろくんと同じくらいの歳である次男こーたろくんも、初挑戦にて初登頂を目論む(本人の意思ではない)。


親子二代で挑む乗鞍真田丸。

難攻不落の山・乗鞍岳との因縁、今こそ断ち切ってみせるのである。


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今回は万全を期して、日帰りではなく前泊スタイル。

麓の平湯キャンプ場にて、野郎3人でのキャンプである。

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もう嫁のアウトドア化への道は完膚なきまでに断ち切られてしまったので(参考記事:神々の理想郷〜デスゾーンの彼方に〜)、今後は僕と息子達だけの父子家庭スタイル。

周りのキャンパーのお父さんが笑いながらビール飲んでたり寝転がって昼寝しているのを横目で見つつ、僕は各種設営から子供らとの遊びやオムツ交換に至るまで大汗をかきながらこなして行く。

もはや時給1万円クラスのハードワークな気がしてならないが、父子家庭スタイルでしかキャンプ出来ないんだから我慢一徹だ。


それでも陽気に遊ぶ子供たちを見ればそれも報われる。

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当時まだ2歳だったりんたろくんも、逞しく成長して乗鞍リベンジに向けて「もうパープルリップにはならないぞ」と気合い十分。

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そしてまさかこれから3,000mの世界に連行されるとは夢にも思ってないこーたろくんは、スラックラインを乗りこなして終始ゴキゲンだ。

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今回もこのような無垢な幼児達の唇を紫化させしてしまったら、そろそろ幼児虐待で通報されてしまう。

なので今回は少しでも天気予報が怪しかったら行かないと心に決めている。


フラフラになりながらも何とかメシを作り、

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ジュースから肉に至るまでぶちまけまくりのこーたろくんの面倒を見つつ夜は更けて行く。

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大人一人だと気軽に子供ら置いて便所も行けないし、何より嫁から「何かあったらいかんで」と禁酒命令されているのが痛すぎる。

キャンプ場に泊まって焚き火を前にして酒が飲めないというお預けプレイ。

そんな苦行も全て明日の乗鞍リベンジのため。

4度目のチャレンジ、必ず成功させてみせる。

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ついにやってきました、乗鞍岳スタート地点の畳平。

やっとこさ僕は乗鞍と戦うリングに上がる事が出来たのである。

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そして今回は松本に移住して北アが「ご近所」になった低血圧Mちゃんが急遽参戦。

まるで愛人を連れた疑似ファミリー登山のような光景だが、これも全てこのリベンジマッチを成功させるための秘策なのである。


彼女は松本移住後、松本市の平均雨量を激しく向上させる事に成功して正式にプロのアクテンカー(悪天候人間)となった名選手。

我がマイナスパワーをプラスに変えるには、僕と同等のマイナスパワーをぶつける必要があったのだ。

これぞ「マゾをもってマゾを制す」の深謀遠慮なのである。


さあ、その作戦も成功して空は快晴。

意気揚々と走り出したのはこーたろくんだ。

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さては自力登頂してしまうのではないか?

これを見た僕は、「我が家に麒麟児が生まれていたか!」と司馬懿のように喜んだ。

しかし次の瞬間、こーたろくんは「もう歩けない。背中に乗るの。」と早々にリタイヤ宣言。

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まさかの駐車場の段階で自力登頂を断念した我が家の麒麟児。

2歳で金華山を自力登頂した時は「将来有望!」と喜んだものだが、だんだんとお兄ちゃんに似てきてしまった。

そもそも子供はベビーキャリアに一回担がれると、その楽さに味を占めて頑張らなくなってしまう。

今思うと買って正解だったかどうかは怪しい所である。


一方、2歳の時にこの畳平に来た時のお兄ちゃん。

当時のレインボー過ぎる写真がこちら↓。

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そして5年後の今がこちら↓。

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あんなに無邪気だった2歳児は、今やキン肉マンにかぶれすぎてマスクマンとなってしまった。

そして根性のなさだけは進化して「足が痛い。膝が痛い。もう歩けない。」と、水曜どうでしょうの大泉ばりに愚痴が止まらない。

そしてマスクマンのままベビーキャリアに掴まって引っ張るから、ベビーキャリアの体感重量は25kgほどのしんどさなのである。

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もちろん僕は車にトレッキングポールを忘れて来るという仕込みが済んでいるため、荷重を分散させる事が出来ずに足腰への負担がマゾいことに。


そしてそんなマゾ兄を横目に、低血圧Mちゃんは4年に一度の快晴に対して腰を抜かしている。

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しかし彼女の雲呼びのスキルは向上しており、早くも山間からお馴染みのアイツがコンニチハしているではないか。

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まずい、もう見つかったぞ。

アイツがモクモクして来る前に、早々に決着をつけないとまたしてもパープルリップの洗礼を浴びてしまう。


我々は急いで肩ノ小屋まで移動。

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そこではこんな懐かしいアイテムと再会。

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この毛糸のポンチョ。

りんたろくんがパープルリップになって撤退してきた際、低体温症の体を冷やすべく急遽5,000円はたいて購入した思い出の一品。

その時の写真がこちら。

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ガタガタ震えながらも、この頃からiPhoneを手放さない男。

しかしそんな男もやはり5年経って成長したのか。

レディーの低血圧Mちゃんに対して、「僕のトッポあげる」と親切にお菓子をあげているではないか。


しかしそのお菓子は空箱だった。

かつてチーム・マサカズの小木Kにやられたことを、今ここで別の人(しかも女性)にリベンジするというまさか。

しかも彼は「この人イケメンが好きだと思って。」と言うではないか。

良く見るとトッポの箱の裏にイケメンが。

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低血圧Mちゃんがよほどイケメンに飢えているように見えてしまったのだろうか?


ちなみに僕が「このお姉さんは移住してお山に住んでいる妖精さんだ。自在に雨を降らすんだよ。」と紹介。

それも十分失礼な紹介の仕方だったが、りんたろくんはその上を行っていた。

彼は「この人は妖精じゃないよ!だって妖精は18歳までなんだもの!」と失礼の上塗り。


これが妖精さんの怒りを買ってしまったのか?

小屋の向こう側から、モクモクが一気に浮上してきた。

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急がねばならない。

状況は大惨敗したあの時と酷似している。


さあ、ここからがいよいよ乗鞍への本格的な登りが始まる。

そして嬉しい事に、ここで再び麒麟児こーたろくんが「ボク、のぼる。」と自力登頂宣言。

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しかし開始1分で「もうダメなの」とリタイヤ宣言。

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ベビーキャリアは何かと束縛されるマゾ父には非常に便利なアイテムだったが、子供にとっては麻薬のような中毒性があってなにくそ精神が育たないのかも...。

ただ利点もあって、これで子供担いでるとすれ違うハイカーさんから「まあ、すごい」「お父さんガンバ」などと温かい声援を貰える。

日常生活中に嫁から温かいお言葉をミジンコの糞ほども貰えない身としてはちょっと嬉しい。

ただ乗鞍はヤング山ガール率が低く、おばちゃんが「私も背負ってもらおうかしら。ドゥハハハハハ!」とデーモン閣下のような笑い声で絡んで来るのが実にハードである。


しかし一方で、過去にこのベビーキャリア中毒にどっぷりだったりんたろくんがここで謎のスイッチオン。

突然ガシガシとハイスピードで登り始めたのだ。

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あのパープルリッパーだったりんたろが、ここまで逞しく...。

この成長を目の当たりにして喜びにむせる父に対し、りんたろくんは逞しい顔で言う。

「さっさと終わらせて早くおもちゃ欲しいから」と。


確かに大泉ばりの愚痴が止まらないりんたろくんに対して、「しょうがねえな。ちゃんと登りきったらおもちゃ買ってやるから。」と大人的贈賄策にて懐柔を図っていた。

彼はその希望だけを頼りに、特にリベンジとかしたいとも思わない山に登っていた模様。

彼にとっては、おもちゃを貰うためのやりたくもないバイトのようなものだったのである。


そんな不純な動機で登る男に根気が続くわけがない。

まるで僕を見ているかのように、みるみるヘロヘロ状態になって行くではないか。

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なるほど、僕を客観的に見るとこんな感じなのか。

妙な形でだが、はっきりと親子の血の繋がりを感じてお父さんは嬉しいぞ。


おもちゃのための厳しい苦行が続くりんたろくん。

しかし3,000m目前に来て、他の低山では味わえない光景が彼の前に広がる。

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でも彼は驚きの無表情で無感動。

妙な形でだが、はっきりと君の母との血の繋がりを感じてお父さんは悲しいぞ。


そんなこんなで頑張って登って行くと、ついに因縁の場所に到達。

前回挑戦時、頂上を目前にして撤退を決意した山頂小屋の地点である。

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当時は泣き叫ぶ低体温症の息子を抱えながら、真っ白な世界の中で右往左往しながら苦渋の決断をしたものだ。

しかし今日は低血圧マイナスパワーとの衝突のおかげで、実に良いお天気を持続している。

行ける。

4度目の挑戦にして、今日こそ北ア最難関(個人的に)の山を制覇するとき。

りんたろくんもイケメンに飢える(飢えてないけど)妖精さんに連れられて、逞しく最後のビクトリーロードを進む。

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そして妖精さんの「ここ危ないね。滑落しちゃいそう。」という声に対して、りんたろくんは「この人カツラ落としそうなんだって。妖精ってカツラだったんだ。」とラストスパート失礼発言。

そしてついに5年に渡る因縁の乗鞍岳との戦いに今終止符が。

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喜びに浸って笑っているのはなぜかお父さんただ一人。

りんたろくんはまたマスクマンになってたので無理矢理マスクを剥ぎ、こーたろくんに至ってはあくびをしている始末。

彼らにとって因縁もクソも感じていないこの山頂には何の思い入れもないようだ。


しかもりんたろくんは、突然エロたろうとなって三脚で妖精さんの腹をつつき続けるというセクハラタイムに突入。

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どうやら彼はノリクラとイメクラを勘違いしている可能性が高い。

ここからの下山中、彼はことあるごとに妖精さんの背中やら二の腕やらを堪能しながらの下山となった。


そしてその迷惑なお客さんの執拗な攻撃に対して妖精さんが怒った。

あんなに青空一色だった世界が、まるでドーム球場の屋根が閉まるかのように白に閉ざされて行くではないか。

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慌てて逃げ惑う乗鞍真田丸のご一行。

この頃には「足が痛くてもう限界なのよ」と、さっきまで満面の笑みでセクハラしていたりんたろくんがリタイヤ宣言。

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そこで結局今回も三面六臂のマゾモンスター「アシュラマゾ」が乗鞍にもご光臨である。

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腰が爆発しそうになって苦悶の表情を浮かべながらも、「カーカッカッカ」と喜びに浸るアシュラマゾ。

ポケモンGOの中でも一二を争うレアモンスターで、基本的に山の中での発見率が高い。


さあ、迫り来るモクモクから逃れるように最後の一踏ん張り。

かつてりんたろくんをかかえながら逃亡中に、思いっきり転倒して膝の皿を割る寸前まで追い込まれた道を横目に見つつ、

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なんとかゴールです。

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最終的にはりんたろくんが担がれちゃってるが、これもまたあの頃の再現として良き思い出である。


で、バス待ちの間にご褒美のキモいおもちゃを買ってやり、

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我々は因縁の山、乗鞍岳から去って行った。


それを確認した反対方面行きのバスに乗った妖精さん。

衝突マイナス役として役目を終えた彼女もまた、その力を再び解放して静かにいつもの白い霧の中へと消えて行った。

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こうして乗鞍は再びあの頃と同じ白の世界に包まれた。

ありがとう妖精さん。

また青空が見たい時はよろしくお願いします。



こうして4回、6年の長きに渡る戦いが終わった。

しかし我々にはリベンジ対象の山がまだまだやたらとある。

基本的に山頂で景色見れない事が多いから、もう一回行かないといけない所だらけなのだ。


我々真田丸親子の戦国を乗り切る戦いはまだまだ続くのである。



乗鞍リベンジ〜フェアリー真田丸の悲願〜   完


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今回のギア

【上半身】
・ベース/ファイントラック「パワーメッシュT」
・Tシャツ/ノースフェイス「メンズロゴTシャツ」
・ウィンドシェル/パタゴニア「アルパインフーディニジャケット」

【下半身】
・下着/ノースフェイス「ドライショート」
・ショートパンツ/アークテリクス「パリセードショート」

【足】
・ソックス/ドライマックス「トレイルランニング」
・シューズ/モントレイル「バハダ2」

【頭部】
・キャップ/パタゴニア「ダックビルトラッカーハット」
・サングラス/オークリー「ピットブル」

【ギア】
・ヘッデン/ブラックダイヤモンド「ストーム」
・スラックライン/ギボン「クラシックライン」

【ザック類】
・ベビーキャリア/モンベル「ベビーキャリア」
・カメラバッグ/パーゴワークス「フォーカスL」
・エマージェンシーキット
・財布/スノーピーク「山財布」

【デジ物】
・一眼カメラ/ペンタックス「K30」
・三脚兼腹つつき棒/ベルボン「キューブ」

【住】
・タープ/ローカスギア「タープX・デュオ・シル」
・テント/ゴーライト「シャングリラ3」
・ハンモック/ヘネシーハンモック「ウルトラライトバックパッカーA-sym」
・ペグ/MSR「ブリザードステイク×6」
・ペグ/イーストン「ブラック12′×2」
・ペグ/スノーピーク「ソリッドステイク30」
・シート/ハイマウント「オールウェザーブランケット」
・マット/サーマレスト「リッジレスト」
・マット/モンベル「U.L.コンフォートシステムパッド180」
・シュラフ/モンベル「ULSSダウンハガー#4」
・キルトシュラフ/ローカスギア「ニィクス」
・ピロー/モンベル「U.L.コンフォートシステムピロー」


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惨敗に乾杯〜乗鞍岳〜

Posted by yukon780 on 24.2011 乗鞍岳/岐阜 0 comments 0 trackback
台風一過の快晴に見舞われた秋分の日。

岐阜県の天気予報は全域で快晴。

テレビのお天気お姉さんも「お出かけ日和でしょう」と笑顔で言っていた。

さらに僕は降水確率が完全に0%で、風速も一番穏やかな場所を探した。

雲一つ無い、パーフェクトな秋の登山を親子で楽しむのだ。


そんな秋分の日に、我々親子の眼前に繰り広げられた光景は以下の通りだ。



完全に雲の中の霧の世界。

気温は−1度の極寒ワールド。

風が吹きまくっているので、体感温度はさらにワイルドだ。

りんたろくんはガタガタ震え、唇は紫色の低体温症状態。

さらにお父さんは左膝の骨に、恐らくヒビが入っている状態。

我々親子に何が起こったのか?

振り返ってみよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

パーフェクトな天気を望める場所で、りんたろくんと「軽く登れる山」を探した。

今お父さんは、富士山で破壊した腰痛を抱えているのであまり無理は出来ないんだ。

そこで導きだされた山が「大日ヶ岳」だった。


しかしそこに向かう移動中、あまりにも天気がいいもんだから沸々とある感情が芽生える。

それは「乗鞍岳にリベンジをかましたい」というもの。

乗鞍岳は以前仮想富士山として挑戦し、最終的に無惨な結果になった思い出の場所なのだ。(※コチラを参照

高度は3000m級だが、乗鞍スカイラインを山頂付近までバスで行けて、山頂まではおよそ2時間の距離。

りんたろくんの高山病が心配だが、難易度的にはほとんどハイキング気分だ。

そう、この時お父さんは完全に乗鞍をなめていた。

こうして、りんたろ登頂記9番目「乗鞍岳」への挑戦が始まった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ほうのき平のバスターミナルで、10時55分発のバスに滑り込みで乗り込む。

前回のように、直前でバスが行ってしまうというミスはおかさなかったぞ。幸先よし。

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しかし、どうもおかしいぞ。

雲一つ無い快晴のはずが、辺り一面雲じゃないか。

でもまあ上まで行けば、雲も超えて行って眼下に雲海を眺められると思っていたので、この時は気にもしてなかった。


50分ほどで、畳平のバス終点へ到着。

僕がまだ学生の頃はまだマイカー規制も無かった頃だったから、車で来た時の事を思い出した。

時は流れ、父親になった僕の目の前にレインボーな我が子が笑って佇む。

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というのもここはやっぱり非常に寒いから、しまむらで買ったポンチョを風防代わりに着せたのだ。

基本1700mの大日ヶ岳を想定していたので、大した防寒着を持って来ていなかった。

そもそもここからして乗鞍をなめている。父親失格だ。


結局雲を超える事は無く、基本雲と同じ高さで進んで行く。

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さすがに寒くて不安がよぎるが、晴れ間が出ると途端に暖かくなるのでその後も進んで行った。

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3000峰独特の雰囲気が漂い始めて、大変気分がよろしい。

晴れたり霧だったりの繰り返しだが、今の所なんて事は無い。道も楽々だ。

りんたろくんも笑顔ではしゃいでいる。来て良かったね。

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まるでアンデス辺りの地元の子供といったところだ。


その後も、晴れて実に気持ちのいい景色を堪能する。

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下の写真に注目したい。

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のんきに写真撮っているが、山頂が今まさに雲に覆われて行っているのが見て取れる。

親父はカメラ目線でへらへら笑っているが、ちゃんとりんたろくんは異変に気づいている。

引き返すならここだったんじゃないか?

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平坦な道は山荘へと続き、ここからは本格的な登山道が始まる。

すっかりこの頃には、りんたろくんは背中で寝息を立てている。

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なんとなく富士山に似た感じのものはあるが、そんなにヘビーではない。

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ゴンゴンと雲が流れ、基本的に下界の景色はチラ見がやっとだ。

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調子良く登っていたら途端に景色が一変する。

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頂上まであと少しの所。

尾根に出た事で凄まい突風だ。

しかもかなりの冷気をまとった突風。

強烈に寒い。

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たまらず起きて泣き叫ぶりんたろくん。

降ろしてあやすが一向に泣き止まない。

彼の手や足が氷のように冷たい。

ガタガタ震える我が息子。

唇を見れば、若干紫色になっている。やばい、低体温症になってしまう。


頂上まで残り僅か50mも無い地点。

しかし、とてもじゃないがこれ以上の無理はさせられない。

雲が晴れる気配もなく、寒風は吹き止む気配を見せない。


我々は撤退を決意した。


登頂目前にして、ついに初の「撤退」。

しかしこの場合は迷う事無く撤退だ。


りんたろくんは泣き止まず、再びキャリアにも乗ってくれなくなってしまった。

結局僕は彼を腕で抱え上げ、風から守るように下山して行く。

これは想像を絶する重作業。

腕の筋肉はブチ切れるんじゃないかという程に軋む。

足場も見えにくいし、ストックも使えないから、精神を研ぎすませて下山を続ける。

もう登山じゃなくなって来た。山岳救助だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんとか山荘に辿り着く。

もうお父さんも全身ひどい状況だ。

腕と腰が再びフェスティバルだ。


山荘の中は少し暖かかった。

まず暖かいうどんを注文し、少しづつ食べさせながらりんたろくんの体をさすって温める。

そしてあったかそうな毛糸のポンチョが売っていたので、早速購入しりんたろくんを包む。

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5000円の出費はかなり痛かったが、悪いのは全てお父さんだ、仕方ない。

しかし彼はこんな状況でもiPhoneのしまじろうを手放さない。


しばらくさすり続けていたが、一向に手足の冷たさが変わらないので急いで下山しよう。

りんたろくんをバッグに乗せ、僕はトレイルランナーのように走って行く。

あれほど富士山で痛い目に会っているのに、同じ事をやっているが、今回は状況が状況だ。


相変わらず、全体が雲の中で視界は効かず、風は冷たく悲惨な光景は続いて行く。

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僕はりんたろくんを大声で励ましながら走る。

「がんばれ!あと少しでバーブー(バスのこと)だ。がんばれぇー!」


その時、ついにやってしまった。


初撤退の次は初事故だ。

勢いで足を踏み外した僕は転倒して行く。

このまま転倒してしまったら、りんたろくんが大変な事になってしまう。

咄嗟に両腕でりんたろくんを支え、僕は左足の膝で全ての体重を支えることを選んだ。

僕、りんたろくん、荷物の総重量90キロ近くが膝の一点に激しくのしかかる。

90キロのハンマーを「ごんっ」って膝に打ち付けられたかのような激痛。

「あ、いったな」って即座に思った。

痛すぎて立ち上がれない、歩けない。

損傷してはならないものが損傷されてしまったのか。

間違いなく骨にヒビいってますって感覚だ。

いつかやるとは思っていたが、ここで来るのか。


それでも今はりんたろくん優先だ。

僕はびっこを曳きながらも、それでも走って進んだ。

楽々ハイキングだとなめていた乗鞍岳は、今までで一番ハードな脱出劇となった。

本気で救助も考えてしまったよ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんとか畳平に到着して、即座にバスに乗り込む。

「完全なる敗北」

親子して、完膚なきまでに惨敗を喫してしまった。

乗鞍岳二連敗。今までで一番簡単な登山道にして、一番ハードな経験をさせてくれた。


真っ白な風景の中をバスは下山して行く。

運転手がマイクで所々解説を挟んでくる。

「晴れていれば前方に北アルプスの山々」「晴れていれば白山が」「晴れていれば左手に御岳が」「晴れていれば・・・」

ああ、もうやめてくれ。

打ちひしがれた我々親子への追い打ちなのか。

外の風景は全部霧じゃないか。

わざとやってんのか?ケンカ売ってんのか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

バスは50分後、ほうのき平へ帰って来た。

速攻で荷物を車に降ろし、ほうのき平の温泉へ。


冷えたりんたろくんを湯船に入れると、彼は「ふはぁ〜〜」と言った。

2歳とは思えない程のオヤジ的な入浴の一言。よほどつらかったんだろう。

みるみる体が温まって行き、唇も赤みが戻って来た。

途端にご機嫌になるりんたろくん。

「また山登りたいか?」と聞くと「うん」と甲斐甲斐しく答える我が子。

ついでに聞いてみた。

「お父さんとお母さんとどっちが好きだ?」

「おとうしゃん」

最高だ。

やはり命がけの戦いを終えた我々に熱い親子の絆が芽生えたのだ。

おそらく、彼は聞かれた内容の意味を理解してないだろうけど。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

温泉から出て、空を見上げると人をおちょくったような快晴が目に入る。

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まあいいさ。いつものことだ。

またいつかリベンジしてやるぞ。因縁の山、乗鞍め。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰り道、本来登る予定だった大日ヶ岳はすさまじいまでの快晴に包まれていた。

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その後、りんたろくんがiPhoneを遊びまくって充電がなくなった。

その時に僕の大事な腕時計が無い事に気づく。

真っ青になる僕。(どれほど大事かはコチラ

間違いなく温泉に置いて来たのだ。

りんたろくんが脱衣所で大暴れしてたどさくさで棚に置いて来てしまったのだ。

しかし、温泉に電話しようにもiPhoneの充電が切れている。

車で充電できるやつはiPhoneバッテリーカバー用のもので、最近りんたろくんに破壊されてしまったのだ。

結局5000円のポンチョに続いて、iPhone用の車充電器を2000円程で購入。

惨敗した上での余計な出費は、金額以上にこたえるものがある。


なんとか温泉に腕時計はあった。

心の底からホッとした。着払いで送ってくれるみたいだ。

この時のホッとした感じが、本日で一番満足できた瞬間だった。


こうして、我々親子の惨敗の1ページが秋分の日に刻まれた。

まだ病院に行ってないから、お父さんの膝がどんな状況かは分からない。

現時点でも、相当に痛い。

しかし明日は家族サービスで「日本昭和村」に行かねばならぬ。

お父さんの戦いはまだ始まったばかりだ。






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