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魁!鬼ヶ塾 後編〜弁慶の罠と限界男〜

Posted by yukon780 on 17.2013 鬼ヶ牙/三重 2 comments 0 trackback
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ここに「限界の先の世界の住人」となった男がいる。

この時点で、彼が「もう限界だ」と言ってから数時間の時が経っていた。


陽気に笑う背中の重りと、鬼ヶ塾のアホみたいな仕打ちの数々が彼を今窮地に追い込んでいる。

肩は肉離れを起こしているんではないかという程の絶望的な痛みに支配され、体はグッタリとして動かない。

もはやこれは登山ではない。

人間の体の限界に鋭く迫る人体実験だ。


果たしてこの男は生きてこの鬼ヶ塾を卒業する事はできるのか?

そして小木Kはタイムリミットの16時までに下山できるのか?


風雲急を告げる鬼ヶ塾。

そんな彼らの魂の戦いを振り返って行こう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


鬼ヶ牙を制覇し、あとは快適な尾根道が続くと思っていた。

しかし何故いきなりこんな事になっているのだ?

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快適な尾根道が始まるどころか、サディスティックな勢いを増して迫り来る鬼ヶ塾。

決して3歳児が見てはいけない光景だ。


暗闇の地獄に続いて行く蜘蛛の糸。

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まさにここは地獄への入口。

そこへ汚れた大人達が自ら堕ちて行くという地獄絵図。

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いよいよここから本当の鬼の世界が始まるのだ。


そして続々と地獄へ堕ちて行くメンバー達。

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低血圧Mちゃんに至っては、せっかく一眼カメラを持って来ているにも関わらず全くシャッターを切る暇がない。

わざわざ重たい三脚まで持って来ているのに、その三脚が登場したのはスタートとゴールのみ。

結果的に一眼と三脚という重荷を背負っての苦行に自らを追い込む結果に。


優雅な週末登山を期待して参加して来ただろうに、気の毒でかける言葉も見当たらない。

あえて声をかけるとしたら、「ようこそ、チーム・マサカズの世界へ」と言う他ないだろう。


そして急降下の後には、当たり前のように急登ヒットパレード。

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がっつり下降した分、さらにがっつりと登らせる鬼ヶ塾の優しさ。

嬉しくて膝がガクガクして来た。


やがて別の登山者に「長坂の頭への道は分りにくいから、火の用心を目印に行きなさい」と言われていた火の用心発見。

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ようく目を凝らしてみると、微かに消えかかった字で「↑長坂の頭」と書いてある。

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どう考えても、ここで訴えるべきは「火の用心」よりも長坂の頭への道筋だろう。

こんな看板つけるくらいなら、ちゃんとした道しるべをお願いいたしたい。

もしくはアゴ割れMが来る事を想定しているのなら「痔の用心」と書いてあった方がよっぽど親切だ。



そしてさらに不明瞭さを増した痩せ尾根を突き進む訓練部隊。

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やがて強烈な岩壁に突き当たったかと思うと、

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思い出したかのように再び急登まみれ。

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地獄だ。

まだ登山中だが、僕は早々とこの山を「日本サド名山」に迷わず登録した。

そしてまるで長坂の頭に到達できず、いよいよ気になるタイムリミット。

チーム内に悲壮感が蔓延し始め、せっかくの快晴を楽しんでいる者など一人として存在していない。


挙げ句道の不明瞭さは混迷を極め、不安だらけで全く心が穏やかにならない。

何度も地図とGPSを見比べて会議が開かれる。

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一方で、そんな悲壮感たっぷりの大人達を嘲笑うかのように眠りに落ちる男。

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途端に「ずっしり」と重みを増すりんたろくん。

かれこれ3時間くらい背負い続けているお父さんの肩に、総重量20キロ程のザックのショルダーベルトが激しくめり込んで来る。

ケンシロウから岩山両斬波を食らった牙大王の頭のような状態だと言えば分かりやすいだろう。

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正直この段階で僕は「限界」を意識し始めていた。

そもそもこれは病み上りに行なって良い登山内容ではない。

マゾブランクのある今の僕にとって、両肩牙大王は刺激が強すぎる。



やがて何とか2つ目の難関、長坂の頭に到達。

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ここまでの苦しすぎた行程に対する見返りは、展望も何もない山頂の光景。

この「報われない感」がたまらない。

この二人なんて、もうすっかり出発前より老け込んでしまっている。

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一体我々はこんな思いまでして何がしたいのだろうか?


しかしこんな所で自分を見つめ直している場合ではない。

まだ全行程の「半分にも到達していない」というこの時点で13時15分。

下山リミットまであと2時間45分。

いよいよ時間が無いぞ。


そんな我々の気持ちを察してくれたのか、優しい鬼ヶ塾教官の粋な計らい。

標識にダイイングメッセージの血文字のように「悪路」「キケン」の文字が。

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もう勘弁してください。

謝りますから。


そして文字通りの「キケンな悪路」へと吸い込まれて行くマゾ達。

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どう見ても矢作Cの先は崖しかないぞ。

結局見渡すとまたしても崖の端に蜘蛛の糸を発見し、再び地獄へ堕ちて行くパターン。

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よく見ると低血圧Mちゃんの一眼カメラは、もはやザックの中にしまわれている。

写真を撮る事より、生きて帰る事を選択した模様。

彼女なりにこのチームの濁流に飲まれる事を覚悟したのかもしれない。


そして僕も肩と膝をガクガク言わせながらの地獄入り。

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何度も書くが、絶対にこの山に子供を担いで来てはいけない。


そして次々と閻魔大王の審判場に向け、重い足取りで降りて行く罪深き者ども。

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しかしここまで来るともはや笑うしかない状況。

自分の中に眠るスーパーマゾ魂が開花してにやけ出す男達。

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チームのマゾが新たなる高みへ到達した瞬間だ。

そしてコメディーのような状況は終わりを見せない。

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彼女は初参加にして悲惨な状況下に身を置かされている。

恐らく矢作Cに「楽しい仲間と楽しい登山に行こうよ。」とでもそそのかされたんだろう。

しかしその結果がこれだ。

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もはや滑落事故現場のような光景。

そしてついにここまで黙々と我慢を重ねて来た低血圧Mちゃんの堪忍袋の緒が切れた。


怒りで血圧が上がり、その矛先をこの修行登山に誘ってきた矢作Cに向けた。

ついに「落石」で下にいる矢作Cに攻撃を始めたのだ。(偶然なんだけどね)


下でのんきに写真を撮っていた矢作Cに落石が降り注ぐ。

逃げ惑う矢作C。

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低血圧をなめると痛い目に遭うのだ。

そしてもう一人の低血圧野郎の小木Kも必死で下降。

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彼も嫁さんのカラオケに間に合わせるために命がけだ。

この頃から「誰だ、こんな無謀な計画を立てやがったのは」と愚痴がこぼれ始める。

もちろんこの計画を立てたのは、もう一人の低血圧野郎の僕です。



その後も重い足取りで進んで行くヘロヘロのメンバー達。

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すっかりみんな口数が少なくなって来てしまった。

そんな中でやはりあの男だけは絶倫をキープ。

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ホルモンが濃厚すぎて、溢れ出る活力を制御できないアゴ割れMだ。

僕は彼を見て密かに思っていた。

いよいよ本当の限界が来たら、彼にりんたろくんを担いでもらおうと。


しかしこの段階で、先頭に立ってチームを先導したのはアゴ割れMではなく珍しく矢作Cだった。

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いつもは汗ぐっしょりのオヤジ狩り直後状態の彼だが、今回は実に逞しく登って行く。

そしていつも置いて行かれる腹いせなのか、今回へばりまくっている僕を一切待っていてくれない。

日頃の報復が渦巻く血みどろの人間模様が展開されて来た。


やがて「大岩」と地図に書かれていた場所に到達。

僕は「大岩」という名の大きな岩が見所の場所だとばかり思っていた。

しかしそれは見所でも何でもなく、「大岩を越えて行け」という意味だったのだ。

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もうお腹いっぱいだ。

この頃には皆一様に自分の運命を受け入れ、諦めたように黙々と登って行く。

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この登山を企画した僕としても、そんな彼らを見て実に嬉しい限りだ。

しかし今回は珍しく、ちゃんと褒美がご用意してある。

その急登を抜けると、素晴らしい景色が広がっていたのだ。

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今までのこのチームでは決して見る事の出来ない光景。

普段から「快晴」と「眺望」に慣れてない男達はアワアワとうろたえるばかり。

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よくよく考えるとこのチームで去年1年間数々の登山をしたが、こうして「晴れた日に絶景を楽しむ」なんて事は一度としてなく「雨の日にマゾを楽しむ」事ばかりに没頭していた。

常に汚れた世界で行きて来たドブネズミ達にとって、この絶景は堀北真希レベルの清楚な輝きに見えた事だろう。


やはりこれは低血圧Mちゃんという新風の影響なのか?

自称雨女と言っているが、僕とアゴ割れMの悪天候ツートップとコラボする事によって奇跡的なケミストリーが起こったのかもしれない。

孔明が提唱する「天下雨人間三分の計」によってこのチームにも均衡がもたらされたのかもしれない。


しかしその低血圧Mちゃん。

ここでどこかの誰かみたいに「買ったばかりの登山靴が足に合わず靴擦れを起こしている」という事が発覚。

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この大技が使えるのは僕だけだっただけに、こいつはとんでもない「自己追い込み型」のマゾルーキーが現れたぞ。

「雨女」で「低血圧」で「靴擦れ」。

これで「養女」になり「S夫」を持ち「早朝トレラン」を始めるようになれば、いよいよ僕の地位も脅かされる事になる。

彼女は数十年に一度の逸材マゾかもしれない。



その後、やっっとこさ本来の「昼メシ予定地」だった舟石と呼ばれる場所に到達。

ここで学生時代から「おいしいとこ取りの男」と謳われたビビるSによる、勇気あるポージングが炸裂。

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後ろはとてつもない崖なのに、全くビビることなくやってのけた。

これに触発された高所恐怖症男の精一杯がこれだ。

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槍ヶ岳で高所恐怖症を克服するどころかエスカレートさせて帰って来た男の哀れな姿だ。


さあ、この舟石でなんとまだ「中間地点」という絶望感。

高所恐怖症男が岩の上で泡を吹いているこの時点で14時40分。

下山タイムリミットまで残す所「1時間20分」。

誰も口にしないが、恐らく誰もが「ああ、もう間に合わない」と思っていたはずだ。


しかも悪い事に、そこそこ風が出て来てりんたろくんの手足がかなり冷たくなって来てしまった。

寝起きだからなのか、ものすごいテンションダウンで僕としては心配でしょうがない状況に。

考えてみたら、彼も担がれていたとは言え、3歳児といういたいけな体でこの変態みたいな山をかれこれ5時間近く付き合わされているのだ。


これは小木Kのタイムリミットも大事だが、りんたろくんの為にも早くこの道場から脱出しなくてはならない。

いよいよ現場に悲壮感が充満し始めて来た。



大急ぎで先に突き進んで行くメンバー達。

もはや全員(アゴ割れM以外)が満身創痍の状態で、一路最後の難関「臼杵岳」を目指す。

でもこの時、みんな必死すぎて奴の罠にはまっている事に気付かなかった。

我々はすでに「弁慶」の仕掛けた罠に足を踏み入れていたのだ。



ひたすら苦心して辿り着いた場所。

頂上の標識が見えて来たぞ。

ついに「臼杵岳」に到達だ!

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え?

ベンケイ?

臼杵岳じゃないの?


なんと我々は大きくルートからはずれ、臼杵岳よりも標高の高い「ベンケイ」なる名のよく分からない山頂にたどり着いてしまったのだ。

わずかな希望だけを胸に、疲弊した体に鞭打って歩き続けて来たメンバー達。

この時の絶望感を想像していただけるだろうか?


小木Kに至っては、必死で圏外の携帯を見つめて家族に連絡を取ろうとしている。

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僕は山頂でこんなに落ち込んでいる人間を他に知らない。

ここまで悪事を働いて来た報いを今全身で受け止めるが良い。

今後彼を小木Kから「ベンK」に改名しようと思ったが、そこは慣れ親しんだ小木Kで行く事にしておこう。



もはや来てしまったものはしょうがない。

開き直って「本来来るはずではなかった山頂」にて集合無念写真。

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我々はあくまでもこの「ベンケイ」を求めてやって来たのだと思い込む事にする。


この「ベンケイの悲劇」の時点で15時。

タイムリミットまで残り1時間。

また舟石まで戻らなければいけない事を考えると、もはや16時下山は不可能だ。



急いで元来た道を戻って行くメンバー。

例え16時下山が不可能だとしても、出来るだけ小木Kの傷口を浅くおさめる必要がある。

りんたろくんのグッタリ具合も心配なのでハイペースにて移動。


我々が分岐を間違えた場所に着くと、とっても小さな字で「→ベンケイ」と書いてあった案内発見。

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この分りにくさには意図的な悪意が見てとれる。


その後も、もはや疲労困憊のまま相変わらずな道をヨボヨボと進んで行くマゾ達。

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普段は常にしゃべり続けている小木Kも、すっかり大人しくなってしまっている。

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もはや登山の事より、どういった言い訳をしようかと模索しながらの痛々しい行軍だ。

そしてこの写真を撮った時。

時計は無情にも下山予定タイム、「16時」を指していた。



一方でついにエースが限界点に達した。

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今まで多少の事ではギブアップをしなかったが、いよいよリアルな限界が来てしまったようだ。

肩にめり込んだ重みは強烈な痛みに変貌し、歩みを進める程に縄で締め付けられているような亀甲登山。

病み上りの体力もいよいよ限界点に達し、徐々に皆から遅れ出す。

6時間も子供を背負ってこんな道ばっか行ってたら、そりゃそうなるさ。


男は無念の本気ギブアップ宣言をして、ついにりんたろくんを絶倫男アゴ割れMに託す事にした。

しかしザックを降ろすと、りんたろくんは小さなささやき声で「降ろしちゃダメ。お父さんがいいの。」と、色んな意味で泣きたくなるセリフを吐いた。

嬉しいんだが嬉しくない息子から父への追いマゾプレゼント。

こうして限界男は再び息子を担ぎ上げ、まだ見ぬ限界の先の世界の住人と化した。

ここから先は登山ではない。

生死をかけた脱出劇だ。


やがて本来の目的地、「臼杵岳」への分岐に到達。

臼杵岳山頂へはたかだか往復10分程度なんだが、誰一人として「せっかくここまで来たんだから山頂に行こうよ」なんて言う者はいなかった。

それどころか「ベンケイが本来の目的だった」と自分たちに言い聞かせ、臼杵岳への道を見て見ぬ振りをする者も現れる。

そして大した会議を開く事なく、我々は臼杵岳を「なかった事」にして下山開始。


このコース一番の見所「臼岩」「杵岩」も今の我々にはただの邪魔な障害物でしかない。

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そしてひたすら黙々と下山。

もちろん鬼ヶ塾は、これでもかという追い打ち急下降ルートで我々を執拗に追撃だ。

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もうめちゃくちゃだぞこの山。

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今シーズンの開幕戦にして、今シーズン最悪の山だということは間違いない。

誰だ、こんな山選びやがったのは?

もちろん私です。


ここから先は僕も矢作Cも低血圧Mちゃんも全く写真を撮っていない。(撮る元気無し)

かろうじて、途中でぶっ倒れている「限界男」の姿がアゴ割れMによって撮影されたのがオープニングの写真だ。

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救いだったのは、この頃にはりんたろくんの元気が戻っていること。(足にアゴ割れMのジャケットを履かせて防風対策した)

しかし男の限界は対策のしようがなく、幾度も「アゴ割れおじちゃんに担いでもらおうよ」と聞いても、息子は「いやだ」を繰り返す。

間違いなく奴は父の苦しむ姿を見て喜んでいる気がする。

嫁の血め。


この先、再び本日2発目の低血圧Mちゃんによる「怒りの落石」。

最後方からの落石攻撃に、彼女の「話が違うじゃないか」というアツい想いが見てとれた。



そしてどれほどの時間が経った事だろう?

ついに我々は下山した。

僕などはその場に倒れ込んでしまった程だ。


実にスタートから「7時間」。

見事に地獄の鬼ヶ塾の数々の試練を乗り越える事に成功。

心と体を落ち着かせた段階で、やっと最後の記念撮影。

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もちろん18時までに帰宅しなくてはならない小木Kは、下山後休む事なく車に乗り込んで去って行った。

後に彼からの知らせが入る。

「遅刻だが嫁をカラオケに送り届けてミッション完了」と。

時間は19時20分だった。


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凄まじい開幕戦だった。

見事なるスタートダッシュが決まった。

初参加の低血圧Mちゃんには、今はただただ陳謝したい気持ちで一杯だ。


あの後、僕の肩は車が右折する時のGにすら耐えられない程の重傷に。

以来肩はもちろん、「全身が肉離れしてないか?」といった末期的な状況。

長い闘病生活でたるんでいたマゾ魂に強烈な「喝」を与えられたようだ。


すごい塾だったぞ鬼ヶ塾。

もう二度と貴様には登ることはないだろう。



そして今週末。

再びチーム・マサカズは山に登る。


いよいよマゾの季節がやって来た!


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魁!鬼ヶ塾 前編〜全身破壊の開幕戦〜

Posted by yukon780 on 16.2013 鬼ヶ牙/三重 0 comments 0 trackback
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「鬼ヶ牙」と言う名の地獄がある。

別にこれは嫁のことを言っているのではない。


三重県亀山市にある、「鬼ヶ牙」という名の山のことだ。

もはやそのネーミングから「山」や「岳」という言葉は消え、「牙」になっている時点で危険な香りがプンプンと漂っている。


そう、この山は山ではない。

春のぽかぽか陽気に対してすっかり腑抜けてしまった者達に「マゾの何たるか」を叩き込む道場。

男塾風に言えば、「大凶殺鬼ヶ牙周回三連山制覇魔憎道場」といった修行の場だ。



そんな「鬼の棲む山」に挑戦状を叩き付けた勇者達がいる。

もちろんその勇者達とは、マゾを楽しむアウトドア集団「チーム・マサカズ」の面々。


ついに2年目に突入した彼らの今シーズン開幕戦。

初戦から修行色濃厚のフルスロットルマゾ行軍。

鬼ヶ牙から長坂の頭(ながさかのかしら)を経由し、臼杵岳(うすきねだけ)へ抜ける周回ロングコース。

強敵揃いのハードな開幕三連戦が始まった。


それではそんな彼らによる、素敵な全身破壊への道のりを振り返って行こう。


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我ながら見事な調整が決まった。


3週間に渡る胃腸風邪からの追い風邪でフラフラな男。

歩くだけで息切れしてしまう程に弱り切った体。

喉はまだ痛いままで、病み上りというよりは未だに病み中の気だるい体調。

そんな中で子供を担いでハード登山に挑まねばならないという状況設定。


こいつはいつも以上のベストマゾコンディション。

チームのエースマゾが、しっかりと開幕戦に照準を合わせて絶妙な調整に成功したのだ。



開幕戦当日の早朝。

淡路島沖の大地震で目が覚めるという波乱の幕開け。


空は快晴だが、その快晴具合がより一層不安を駆り立てる。

快晴の代償として、メンバーの誰かが無言の帰宅を果たすかもかもしれない。

気持ちは悲壮感で満たされ、少しも「これから登山を楽しもう」なんて気分になれないといういつもの朝だ。


やがて各人が「大渋滞に巻込まれる」という軽めのマゾ調整を楽しみながら集合場所に集結。

皆一様にウォームアップは済ませて来たようだ。


そして早くも鬼ヶ牙の悪魔が小木Kに憑依した。

なんと小木Kがりんたろくんに「チョコあげるわ」と言って、「食い終わった中身のないチョコの空箱」をプレゼントしたのだ。

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相手が3歳児だろうと容赦のない鬼ヶ牙の悪意。

りんたろくんは早速悪い大人による悪の洗礼を受けてしまった。

やがて車の中で空箱だという事に気付き、「チョコが失われちゃってるのよぅ」と切ない目で僕に訴えかける息子。

小木Kは早くも悪魔に魂を売ってしまったようだ。



そんな小木Kにも今回は試練が課せられている。

それは18時までには犬山の家まで帰り、嫁さんをカラオケに送り届けるという重要な任務を遂行しなくてはならないというもの。

もし間に合わなかったら家庭崩壊も視野に入れなければいけない危険なタイムアタック。

このチームから二人目の家出者を排出するわけにはいかない。


しかし僕の立てた計画通りに行けば余裕で18時に間に合う予定。

でも想定外の乱入者「弁慶」の登場で事態はスペクタクルな展開になっていく事になる。


弁慶とは一体何者なのか?

味方なのか刺客なのか?

果たして小木Kは家庭の平和を守れるのか?

それとも3歳児の心を傷つけた報いを受けるのか?


今回のテーマは「僕の体調は持つのか」と「小木Kは間に合うのか」という二点に絞られたようだ。


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移動して登山口へ到着。


僕、りんたろくん、小木K、矢作C、ビビるS、アゴ割れM。

今回チームメンバーのゲリMは家族旅行で来ていない。

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おや?と思われた方もいるだろう。

ゲリMに目が行ってしまったと思うが、この部室臭い男達の中に紅一点の存在がいる。



実は僕にはささやかなる夢があった。

登山を始めて以来、密かに心の中に思い描いていた夢。

それは「チャムスの服を着た山ガールと快晴の山を歩く」というとても微笑ましい夢だ。


しかし「白く曇ったメガネをかけたゲリMと濃霧の山を歩く」が定番だった僕には、それは永遠に叶えられない夢だと思っていた。

しかし今回はゲリMがいないおかげで、そんなささやかな夢が叶えられたのだ。

ゲリMという濁流に慣れたチームに、チャムスガールという凄まじい清流が注ぎ込まれたのだ。


そんな今回初参加となる彼女は、矢作Cのカメラ仲間。

「引越と落石好きの三脚チャムス姉さんM」では名前が長過ぎるので、今後は分かり易くまとめて「低血圧Mちゃん」と呼ぶ事にしよう。


僕と小木Kの「チーム低血圧」に、80の40というダントツの成績で殴り込んで来た期待の低血圧ルーキーだ。

そして何気に雪山に登ったり、単独山行してたりと登山経験はゲリMを遥かに凌駕している。

低血圧なのにハードな道を歩んでいる彼女には、我々と同じマゾの血を感じずにはいられない。


もちろん女性だからといって容赦はしない。

なぜなら我々はマゾを楽しむアウトドア集団。

やがてこの清流も、チームの濁流に飲み込まれていく運命なのだ。


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早速鬼ヶ牙に向けて突入して行くメンバー。


ここでいきなり思いもよらない男が抜け出した。

まさかのりんたろくんだ。

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自力で3mの山にしか登らない男が、まさかの鬼ヶ牙道場一番乗り。

「鬼」というネーミングの山に「母」の姿を見たのか?

ずんずんと進んで行くぞ。



僕の感慨はひとしおだった。

ついに息子が登山に開花したのだ。


しかし突入してわずか3分。

彼のカラータイマーが「ダッコダッコ」と鳴り始め、結局早々と担がされる事に。

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まあ分ってた事だけどね。

お父さんも重量アップしてる息子の重みに、ついついニヤリが止まらない。

こうんなふうに笑ってられたのも最初だけだったけどね。


そして鬼ヶ牙は突入直後からいきなり牙をむいた。

猛烈な「歓迎急登セレモニー」で我々を出迎えてくれたのだ。

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早くもメンバーから荒い息づかいが漏れる。

去年の鳩吹山「みぞれ」登山以来のマゾを全身で噛み締めるメンバー達。

総重量20キロを背負った病み中の僕には、地獄以外の何ものでもない夢の世界の入口だ。


そして右手に崖を見ながらロープ伝いによじ登って行くと、

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鬼の棲家への階段登場。

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絶対に子供を背負って来てはいけない領域だ。

家を出るとき、嫁には心配をかけないように「ピクニック程度の山さ」と言って出て来ている。

もしこの写真を嫁に見られたら二度と山に行かせてもらいないだろう。


わずかな足場を辿って川を横切って進んで行く。

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恐らくこの時点で低血圧Mちゃんは「今日は登山と聞いていたが、何やらとんでもない変態達の修行に付き合わされていないか?」と思った事だろう。

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早くも濁流に染まり始めた低血圧Mちゃん。

そろそろ彼女には覚悟を決めてもらわねばいけないようだ。


その後も容赦のない急登セレモニーは続く。

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道は抜群の不明瞭さで、鬼ヶ牙は我々をしばしば「遭難VIPルーム」へとご招待しようとして来る。

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次々と提供される「岩」と「崖」と「急登」による鬼の熱烈歓迎。

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断言しよう。

恐らくこの山を子供を担いで登った人間は僕が史上初だと。

しかも風邪中というオプション付きだ。

良い大人は真似しないように。



鬼の歓迎は続く。

もはや笑けて来る展開になって来た。

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一体我々は何に向けての訓練を行なっているのか?

いつからこのチームは特殊奇襲部隊になってしまったのか?


徐々に目的を見失いそうになるが、それでも黙々と進んで行く7人のマゾ。

2年目の開幕戦にふさわしすぎるハードマゾの連続だ。

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まだ全行程の1/6の時点で早くも凄まじい疲弊感。

ほのぼのと家族旅行中のゲリMに見せつけてやりたい光景だ。


さすがに休憩。

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やはり絶倫男のアゴ割れMと、担がれていただけの男は元気だ。

しかしのんきに遊んでいるが、もうすでに大幅に行程に遅れが出ていることに僕は気付いていた。

小木Kのタイムリミットに対してふと不安がよぎったが、順調にいけばまだ間に合うだろうと思っていた。


さあ、休憩もしたからここから一気に時間を稼ごう。

そう思った矢先、またしてもあの男の「余計なスイッチ」がオン。

「ボク、歩く」と言ってりんたろくんが山を登り始めた。

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いつもピクニック的な山では一切歩かないくせに、こんな変態みたいな山に嬉々として登って行く男。

僕はそこにハッキリと自分の遺伝子を垣間見た。


しかし喜んでばかりいられない。

鬼ヶ牙は瞬く間に反対野党の「牛歩会場」と化した。

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まるで進まない。

刻々と時間だけが過ぎて行く。

すぐに根を上げるかと思っていたが、意外な程に登り続けるりんたろくん。

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若いお姉さんの登場でエロ太郎スイッチが入ったのか?

それとも小木Kに対する、空のチョコ箱の恨みを晴らす「りんたろ牛歩戦術」なのか?

どちらにしても、見事に時間だけが過ぎて行く。



やがてさすがに限界は来て、再び彼には背中にご乗車いただき先を急ぐ。

サイパンのジャングルを逃げ延びる日本兵のような状態の行軍が続く。

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ここは本当に日本なのか?

今にも草むらから横井庄一さんが出て来そうだ。


やがて徐々に鬼の牙の先端が近づいて来る。

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鬼に近づくにつれ高まる緊張感。

ついに「鬼」にめっぽう弱い男が、嫁の存在を感じていつもの癖で土下座した。

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というのは冗談で、松の枝が乱立しているからくぐっているのです。

子供を背負っていると、自分の見えない所で枝が子供に当たってしまうからこの様な屈辱的な光景が展開されるのだ。

史上、最も過酷な「ハイハイ」。

チーム1のサドの小木Kに至っては、もう枝を越えているのに「まだ頭上に枝あるぞ」と言って僕を騙し、この苦行ハイハイを見て喜んでいる。

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こういう大人げない悪事を繰り返す小木Kには、後々神の鉄槌が下る事だろう。



鬼ヶ牙は東峰と南峰と本峰(頂上)の3つに別れている。

実は先に東峰に行く予定だったのが、いつの間にか道に迷って南峰に到達してしまったメンバー達。

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眼前には広大な景色と、本来行くはずだった東峰の姿。

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正直、東峰に行ってたら死んでたねって思った程の岩の鋭峰だ。

もはや誰も「戻って東峰登ろうぜ」なんて口走る奴はいなかった。


それどころか、口々に「ハラ減った」「メシ食おうぜ」などと言い出す始末。

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僕の立てた計画では昼メシはまだまだ遥か先にも関わらずだ。

結局我慢できずにこの場で昼メシに突入。

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こうして「東峰未遂」「繰上げ昼メシ」「りんたろ牛歩」などの予定外の展開で時間は狂いまくっていく。

本日もハードすぎて中々写真を撮らない矢作Cも、この段階では無駄に凝った写真を撮り始める始末。

鬼ヶ牙南峰に立つりんたろくんの秘書、ガンQの勇姿だ。

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おそらくここにガンQが立ったのも史上初だろう。


この南峰ですっかりまったりモードのメンバー達。

一番危機感を感じなければいけない小木Kに至ってはこのていたらく。

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のんきにうまい棒を食っているが、まだ全行程の1/5しか来ていないんだぞ。

君が18時までに家に帰るには、16時には下山してないといけないのにもはや12時過ぎ。

先はまだまだ長いぞ。


すっかりまったりしてしまったが、ここでまさかの山ガール軍団が登場。

こんな修行山に山ガールがいる時点で驚きだったが、ちょうどいいタイミングで彼女達に追い出されるようにしてやっと重い腰を上げるメンバー達。

本峰に向かう途中の道からは、ちょうど東峰と南峰の山ガール達の眺め。

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改めて凄い所まで来てしまったものだ。


やがて鬼ヶ牙の本峰に到達。

ついに第一の関門、鬼ヶ牙制覇です。

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りんたろくんはガンQと合体して、まるで20世紀少年の「ともだち」みたいになってしまっている。


さあ、ここからは第二の山「長坂の頭」と言う名の張飛が守っていそうな山を目指す戦いだ。

気合いを入れ直し、意気揚々と先を急ぐ挑戦者達。

077A8590.jpg

しかし早くもこの時点で彼らは道を間違えて遭難コースへまっしぐら。

あからさまに急降下の崖道になっていき、「そんな馬鹿な」と言った空気が現場を包み込む。

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結局遭難エキスパートの僕の嗅覚が異常を感じ、元来た道を戻るメンバー達。

骨折り損のマゾ儲けを満喫して、再び鬼ヶ牙本峰へ戻って来るというタイムロス。


なんとかそこにいた別の登山者に正しい道を聞いて、やっと長坂の頭へ向けて動き出す。

さすがにここまでが急登の連続だったから、ここからは穏やかな尾根歩きを楽しめて時間もそんなにかからないだろうだなんて思ってしまったのがいけなかった。

今考えてみれば、この時点で大人しく元来た道を下山しておけば良かったのだ。


それでも先に進んでしまった、のんきでゆかいなチーム・マサカズの面々。

蛇の道は蛇、マゾの道はマゾ。

向かうべくして向かったマゾの道。

この先にこそ、本当の「鬼」が棲んでいるとも知らずに。



タイムリミット「16時下山」まで残す所3時間半。

深い闇の中から、弁慶がこちらを覗いて笑っている。




魁!鬼ヶ塾 後編へ 〜つづく〜



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