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熊野 HomeAgain〜カヌー野郎の原点回帰〜

Posted by yukon780 on 16.2016 熊野川/三重 6 comments 0 trackback
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十数年前。


まだ若くて髪の毛が黒々としてた頃。

そして今ほどお腹が出てなかったあの頃。

もちろんサウザー様(嫁)に出会う前の奴隷じゃなかったあの頃。


その青年は買ったばかりのレクリエーションカヤックで初めて単独の旅に出た。

選んだステージは紀州の名川熊野川(北山川)。

野田知佑さんに憧れまくっていたその青年は、そこで数多くの良質な体験と失敗を繰り返し、すっかり川旅の魅力に引きずり込まれて行った。


やがてその青年は「カヌー野郎」となり、日本全国、果てはカナダやアラスカの川まで放浪する立派な社会不適合者となった。

そう。

熊野川は、まさにカヌー野郎が誕生するきっかけとなった「故郷の川」なのである。


そしてその青年は中年となり、養子としてカサンドラに収容されてサウザー様の元で奴隷として働くようになった。

以降彼は時間的な自由が無くなり、日帰りの川下りばかり。

1泊でどこかに行っても、気が狂ったかのように一日で数本の川を下るという荒行。

自由な時間を1秒も無駄にしたくないと、血の小便を流しながらのトリプルヘッダーに邁進。

少ない時間で新たな川への好奇心を鎮めるためには、どうしてもそんな無理な行程を繰り返すしかなかったのだ。


しかし本来はそんなせわしい川下りなんてしたくない。

あの頃のように、野営道具一式と酒をカヌーに積み込んでのんびと一つの川を味わい尽くす川旅がしたい。


そんな時、前回の記事のような顛末で僕は再び「熊野川」に呼び戻された。

まるで「あんたなんだか生き急いで空回っちゃてるから、もう一度ここで原点に戻りなさい」と言っているかのようだった。


HOME AGAIN

BORN AGAIN


久しぶりの大河。

久しぶりの川旅。


原点回帰の旅が今始まろうとしている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


摩訶不思議な1日半を費やし、僕は瀞峡(どろきょう)がある田戸の船着き場に到着した。

最後にここに来てから何年経ったか分からないが、やはり故郷に帰って来たかのように落ち着く空間だ。

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若い頃は30キロもあるレクリエーションカヤックを、死にそうになりながらここまで一人で下ろして頑張ってたのを思い出す。

それが今や3キロにも満たないパックラフトという進化した道具と共にここにいる。

時代の流れというものか。

しかし残念ながら自分本体の方がかなり重量アップしてしまっている。

時代の流れって事にしておこう。


ここは観光ジェット船が止まる場所なので、ビールや鮎の塩焼きなどが売っている。

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今日はもちろん車の移動の無いフリーダムな一日。

もちろんここで早速ぐびり一発。

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ビールの無い川旅なんて、ジョン・レノンのいないビートルズのようなもんだ。

プルタグを「プシュッ」っとした音が、まさに自由への号砲。

これが無いと川旅なんて始まらないのである。


そして観光客からパシャパシャ写真を撮られる中、韓流スター気分で出発。

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まるでロードオブザリングの世界に入り込んだかのような瀞峡の渓谷美。

その世界観の中に浮かぶは、違和感ありまくりのギターケース。

恐らく瀞峡史上初の、ギター持った流しのパックラフターのご光臨である。

とにかく僕は何事においても「史上初」という言葉にメロメロなのである。


そしてここからは奇岩怪石の中を流れて行く見せ場づくしの区間。

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最近こじんまりとした渓流ばかり漕いで来たから、このスケール感は久々で新鮮だ。

その代わり「瀞峡」というだけあってトロ場ばかりなので頑張って漕がなければならない。


でも急ぐ必要は無い。

今日は疲れたら休めば良いし、上陸して昼寝しても良い。

この広大な瀞八丁のどこでいつ野営しようと自由。

誰にも遠慮する事無く、全ては自分の判断ひとつである。


いい感じの川原があれば上陸し、のんびりしながらジェット船の乗客に手を振ったりする。

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乗客の人達もみんな手を振り返してくれて、ジョット船の操者が小粋に「プアーン」と汽笛を鳴らす。

人けのない世界でストイックにアウトドアするのも好きだが、こういう人情に触れる川旅も大好きだ。


その後もフラフラ流れて行っては上陸してカシュッとビールなどを飲む。

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そして気が向けばまた川の人となってのんびり流される。

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時折漕ぐ手を休めれば、静かに流れる川の音と鳥の声。

ピーヒョロロロという鳴き声とともにトンビが現れては頭上を旋回して行く。

パックラフトに横たわり、ただただ新緑と青空を眺めてユラユラと漂流する。

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ほろ酔い気味の感じと、気持ちの良い自然のバックミュージック。

さいこうにきもちいい。

No Needs Words.


とは言え、夕方が近づくにつれ徐々に向い風が吹き始めるのがこの私。

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でもこの川を何度も下ってる身としてはそれは想定内。

いつもの日帰りならここからゴールを目指してのマゾリングが始まる局面だが、今日はそんな必要は無い。

お気に入りの川原を見つけたら、さっさと今夜の宿を作って停滞してしまえばいいだけの事だ。

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急な増水時にも対応出来るように川から一段上がった川原で、それでいて川に近いベストスポット。

そこにちょうど風防になる段差があって、しかもご丁寧に流木まで集まっちゃってる場所を本日の宿と定めた。

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そして今回は実は人生初のタープ泊を目論んでいる。

今の僕はここからが川下りよりも楽しみな時間。

タープの設営は、それ自体が頭と経験をフル動員させたエンターテイメントなのである。


どの向きや位置が一番風の影響を受けないか?

それでいて居住性を考慮しつつ最適な空間が作れるか?

夜半に雨が降るか降らないかでも張り方は変わる。

しかも雨風が凌げるだけでなく、形が美しくなければならない。

何よりタープとは、どれだけ自分に酔えるかどうかの最重要アイテムなのである。


以上を考えながらああだこうだと試行錯誤し、時折川で冷やしてあるビールを飲みに走り、流木集めも頑張るという姿がこれである。



大満足。

というか楽しすぎる。

やたら時間はかかったが、これ自体が楽しいからそれでいいのである。

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このように服をロープで乾かすのもオツな演出の一つ。

実は特に濡れていないんだが、そんな事はこの際どうでも良い。

ロープに服がかかっているって事が重要なのである。


そのロープもメインロープにファイントラックのゴージュロープを使用。

アイスクライミング用に買ったスリングとカラビナも無駄に使用して岩に固定。

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正直、この状況を見ているだけで「ちくしょう、絵になるじゃねえか」とビールが進む進む。

とにかくいちいち細かい所に酔えてこそ川旅の勝者。

イメクラに行った時、ナース相手にしっかり患者の役になりきれるかが勝負のポイントだってのと同じ原理である。


もちろん設営と薪集めが終わってしまえば、後はもうとことん己に酔う時間。

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この世界は己だけのもの。

ここでは嫁の罵声に怯える事も無く、ご両親にも気を使う必要も無く、子供たちの奇声とイヤイヤでストレスをためる必要は無い。

あるがままの自分を解放するのみ。

さすらいの流しの男は酒をしこたま飲み、ガンガンにギターをかき鳴らし、周りに誰もいないからたとえ声が激しく裏返ろうと熱唱するのみである。

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もはや自慰行為以外の何物でもないが、気持ち良ければそれでいい。

この時間だけは桜木ルイに興奮していた中学二年生に戻れるのである。


しかし気持ちよくなりすぎたのか、二曲目で早くも1弦が切れるという早漏さ。

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替えの弦なんて持って来てないから、これ以降1弦抜きの低音ギター演奏がひたすら続いた。

でもそんな細かい事はもうどうでもいいのである。


そういえばタープ設営中に重い石を持った際に痛めた左手首が、なんだかもの凄く痛くなって来た。

でもそんな事だってどうでも良い。

あれからだいぶ時間が経ったこれ書いている今でも痛いんだけど、そんな細かい事は気にしてはいけない。

タープ泊とはそれほどまでに人をおおらかな気持ちにさせてしまうのである。


そうこうしてるうちに辺りも暗くなって寒くなって来たから、早速メインイベント。

焚き火のお時間の始まりだ。

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焚き火の無い川旅なんて、フレディ・ マーキュリーのいないクイーンのようなもの。

もしくは忌野清志郎がいない日本ロック界のようなものなのである。

とにかくこれをやらないと、何しに来たか分かんないってくらいに川旅にはマストのイベント。

正直川下りなんてどうでも良く、僕はただ人がいない所で焚き火がしたいだけのために川下りしている所がある程だ。


炭水化物ダイエットもこの時ばかりは解禁して、やっぱり米を炊く。

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米が炊けるまで酒飲みながらギターギター。

そんでもって米が炊けたら、やきとりとサバ缶を温めながら酒と共に食らう。

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間違いなくどんな高級レストランのメシよりこっちの方が美味い。

なぜならここには「ダンディズム」という名のスパイスが、北方謙三級に振り撒かれているからである。


やがてそんなダンディタイムが終わる頃には、広い空に夜の帳が降りて来る。

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腹も満たされたし、散々飲んで歌っていい気分。

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あとはバーボンをちびちびとやりながら、ただただ焚き火の炎を見つめ続けるのみである。

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もちろんここはビールや焼酎ではダメ。

バーボンかウイスキーじゃなきゃダメなの。

もし今ここで蓮舫が「チューハイじゃダメなんですか?」なんて聞いて来た日にはグーパンチよ。

誰が何と言おうと、ここは黙って眉間にしわを寄せながらバーボンなんですよ。


やがて世界は上下感覚もおぼろげになりそうな、真っ黒な深淵の世界へ。

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怖さなんて無い。

あるのは深い深い開放感と自由のみ。

対人が無いと己がむき出しになり、やがてそれは闇に溶けて個が曖昧になる。

思考回路はどんどんシンプルになって行く。

やがて気持ちのいい酔いの中、いつの間にか眠りにつく。


良い夜である。

やっぱこれなのである。

思わず「である調」が増えてしまうのである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝が来た。

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ここでコーヒーを忘れて来たのが痛恨の極みだったが、それでも川原で迎える朝は何とも言えない清々しさに包まれる。

川には川霧がたゆたい、山肌は徐々に日の出に照らされて眩しい新緑へと化粧をして行く。

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久しぶりのこの感覚に芯から身が目覚める思いだ。


そして初日に勢いだけで買ってしまったこの化繊キルト、ローカスギアのNyx(ニイクス)。

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これがことの外快適で快眠出来たのも気分的にホクホクにさせる。

化繊だから水辺使用でも安心感があった。

新アイテムを買っては毎度その度にサイズが合ってないだの、思ってたのと違うだの、もしくは即座に壊すか失くすかして来た私。

普通に良かったってだけで、それだけの事がたまらない幸せを運んで来てしまうのがやらかし男の利点である。

このNyxに関してはもう少し使い込んでからレビューする事にしよう。


早速焚き火を熾し、朝飯タイム。

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のんびりやりすぎて、米がお焦げだらけの発ガン率高めの仕様で炊けてしまったが気にしない。

昨日痛めた左手首も尋常じゃないほど痛いけど、基本川旅ではそのような細かい事を気にしてはならないのだ。

何があろうと「あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。」の、CM前一休さんスタイルでいる事が重要なのである。


そして川原に荷物を広げてひとしきり乾かし、

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サクッとパッキングしたら、いざ出発。

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と言っても、今日はゴールまでそんなに距離は無い。

何も頑張らなくていい。

昔の僕は「いかに頑張らずに下るか」ばかり考えていた。

なので再び当時のように、出来るだけ漕がずに寝ながら流される。

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山と違って頑張らなくても進むから、生産性を感じられてこれでも怠けている気がしない。

もしろ充足感がハンパ無く、ただただシアワセ気分。

鳥達の声と川のせせらぎを聞きながら、眩しい新緑と青空を体一杯で感じて流される。

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こういう感覚はツアーやラフティングでは味わえないだろうし、もちろん単独行じゃないと味わい尽くせない。

僕のように普段から対人関係で(家庭関係で)疲弊していればいるほどに、そのカイカンはセーラー服と機関銃を遥かに越えてしまうのである。


そしてまたこの熊野の川の景色ってのが、なんとも懐が広い所も気分が良い。

なんというか、山も森も全てが一回り大きくて(おおらかで)、まるで母体に包まれているかのように安心してしまうのだ。

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ここにアリのような↑小ささのカヤッカーがいる事で、その懐の深さが推し量れる。

その懐の深さは往年の名大関・貴ノ浪を彷彿とさせてしまう安定感。

飛び込んで来たカヌー野郎達にがっぷりと二本差しを許しながらも、ひっかり己の懐に引き込んで十分に上体が伸びきった所で寄り切ってしまうその力強さ。

熊野川を下ると、その懐の魅力に誰もが納得してその身を委ねてしまうのだ。


そしてこれほどの大河なのにそこそこの清流をキープし、

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さらに「どうぞキャンプしてください!」と言わんばかりの、生唾ものの川原がそこらじゅうに溢れている。

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まさに川旅に持って来いの川。

僕が若い頃、どっぷり川旅の魅力にはまった理由がここには詰まっている。

今思えば初日に大雨降って二日目に大増水してなければ、再びこの川を下る事は無かった。

そう思えば今回はこれで良かったかな。

危うくいつもの1分1秒を争う気狂いマゾ道場になってたところだ。

まあそれはそれで好きなんだけど...。



後はゴール手前の静かな川原に上陸し、

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この木なんの木的なステキな木を探して、

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木漏れ日の中で、「ビール」「焚き火」に次ぐ川旅三種の神器「お昼寝」の時間がやって来るのである。

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何がステキって、この時点でまだ10時半。

この余裕感が気持ちE。

これが我が家のファミリー旅行ともなれば、10時半と言えばまだ嫁の「身だしなみ待ち」の真っ最中でまだ家だ。

お一人様って何て気楽なんだろう。

明らかに僕は結婚向きの体質じゃなかったって事ね。

あの悲しみファミリー三部作(花見カヌー、ファミキャン、北陸旅行)とのギャップが激しする。

やっぱ自分の落ち着くべき場所は川だなあ...。


ちなみに夏場はここに「素潜り」が加算されて珠玉の川旅カルテットが完成する。

川を下るだけじゃ川旅じゃない。

その川の流木で焚き火をし、川原で野営して一晩抱かれ、実際に川の中に包まれてこそ初めて川旅だ。


良く考えたらそんな川旅の魅力を伝えたくてこのブログ始めたんだっけ。

なんかどっかから明らかに方向性がおかしくなって、最近では「おもらしプレイ」という検索ワードでこのブログに行きつく人さえいる始末。

基本的に己のマゾ性癖紹介だったり、嫁のグチだったり、乱れた飲み会の様子を公開するだけの妙なブログになって来ていた。

なんだか久々にこの手の記事が書けた気がする。

僕が野田さんに影響されて川に行ったように、誰かこれきっかけで旅に出てくれると良いなあ。

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こうしてここでガッツリ昼寝(朝寝)をかまして、名残を惜しむように小川口の船着き場まで漕いでゴール。

荷物を車に入れて、瀞流荘で温泉。

この時バック駐車時にフェンスにぶつかって軽く車が凹んだが、そんな事はどうだっていい。

手首の事もそうだが、後悔するのは日常生活に戻ってからで良いのである。





そして午前中で遊び終わった分、あの頃のように帰りは移動しながら「ついで観光」。

ここは丸山千枚田ですな。

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若い時はこの川旅後の「ついで観光」が凄く楽しかった。

観光メインで行ってもたいして面白くない所も、遊ぶだけ遊んだ後の「ついで」で行くと妙に得した感がある。

川以外たいして何も期待してないから、思わぬ景色とかに出くわすとかなり興奮した。

しかもナビで面白そうな所を見つけては寄り道して行くから、結構マニアックな武将の墓とかに行きついたりして面白い。


熊野も高速が延びて随分行きやすくなった分、これから行く人が家と目的地の往復になってしまうのがもったいない。

下道は大変だったけど、日が暮れるまで寄り道しまくって色んな発見があったからね。

世界遺産になって観光客も増えてこれからどんどん変わって行くんだろう。

今の熊野の姿はいつまで今のままでいられるだろうか?


だから若者たちよ!

今すぐ下道で行って来やがれ!

それまで結婚とかするんじゃない!


と、おじさんは声を大にして言いたいのである。



こうしてカヌー野郎は久々に故郷で再生した。


「これでまたしばらく頑張れる。」


そう呟き、彼は再びサウザー様の待つカサンドラへと戻って行った。

社会生活不適合者であり家庭生活不適合者。


彼の戦いはまだまだこれからなのである。




熊野HomeAgain 〜完〜


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って感じの後編でした。

あのいつもの展開の前編と分けたかった気持ちがお分かりいただけたでしょうか?

なんだか久々にいい回でしたね。

これ見て山関係からこのブログ入って来てくれた人とかが「行ってみてえなあ」と思ってくれればこれ幸い。

山の記事書くと「お前の記事見てると山をやろうという気が起こらない。だっていつも辛そうだし景色真っ白だし。」と言われて来たが、川はノンマゾでも十分楽しい世界なのであります。


とは言いながら実はこの日から10日経った今。

タープ設営中に痛めた左手首が、本日まさかの「じん帯損傷」という診断を受けて左手首完全固定というハイパーな事になってます。

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当時「こんなものはどうでもいい。細かい事は気にしない。」と息巻いていたが、今になって激しく後悔が止まらない。

結局今回もハードにマゾってるじゃないか...。

これによって僕は、カヌー野郎にとってもっとも光り輝く残りの「5月」をほぼ失う事に。

患部を痛め続けると最悪手術だなんて言うんですもの。

きっと鮎釣り解禁までのこのゴールデンシーズン、どの川も行楽日和になる事でしょう...。


あわてない、あわてない。

ひとやすみ、ひとやすみ。



く..

くそっ...たれ......



それではひとしきり泣いたので、ここらでおまとめ動画です。

今回は毛色を変えてロードムービー風に。

曲は、川下りしながらずっと鼻歌で歌ってたマイケル・キワヌカのズバリ「HomeAgain」であります。

それではのんびりとどうぞ。




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今回のギア


【上半身】
・ベース/ファイントラック「アクティブスキンロング」
・ミドル/ファイントラック「フラッドラッシュジップネック」
・リラックス着/パタゴニア「キャプリーン3」
・防寒/モンベル「ライトシェル サイクルジャケット」
・ライフジャケット/モンベル「フリーダム」

【下半身】
・ベース/ファイントラック「アクティブスキンロング」
・タイツ/ファイントラック「フラッドラッシュタイツ」
・ハーフパンツ/モンベル「リバーガイドショーツ」
・下着/ノースフェイス「ドライショート」
・リラックス着/マムート「ソフテックトラバースパンツ」
・防寒/モンベル「スーパーメリノウールタイツ」

【足】
・シューズ/NRS「パドリングシューズ」
・サンダル/モンベル「ソックオンサンダル」
・ソックス/スマートウール「ハイクミディアムクルー」

【頭部】
・ヘルメット/プロテック「Ace Water」
・キャップ/マムート「MTR 201 Cap」
・サングラス/オークリー「ピットブル」

【ギア】
・パックラフト/NRS「NRSパックラフト」
・パドル/アクアバウンド「スティングレイ・カーボン4P」
・パドルリーシュ/シートゥーサミット「パドルリーシュ」
・レスキューロープ/ファイントラック「ゴージュバッグ25」
・ヘッデン/ブラックダイヤモンド「ストーム」
・ランタン/UCO「キャンドルランタン」+防虫キャンドル
・ランタン/ブラックダイヤモンド「ボイジャー」
・クイックドロー×2,カラビナ×3,スリング×4
・ギター/ヤイリギター+譜面台

【ザック類】
・ザック/エクスペッド「トレント50」
・インナー防水袋×3
・ゴミ袋/モンベル「O.D.ガベッジバッグ」
・エマージェンシーキット

【デジ物】
・一眼カメラ/ペンタックス「K30」+レリーズ
・防水バッグ/ハクバ「ドライクッションポーチL」
・三脚/ベルボン「キューブ」
・三脚/JOBY「アクションゴリラポッド」
・ウェアラブル/GoPro「HERO4silver」

【住】
・タープ/ローカスギア「タープX・デュオ・シル」
・シート/デュポン「タイベックシルバー」
・マット/サーマレスト「リッジレスト」
・化繊キルトシュラフ/ローカスギア「ニィクス」
・ピロー/モンベル「U.L.コンフォートシステムピロー」
・チェア/イーグルクリーク「ザ・チェア」

【食】
・コッヘル/ロータス「アルミポッド」
・ナイフ/オピネル「ステンレススチール#8 」
・箸/「割り箸」
・シェラカップ/モンベル「チタンシェラカップ」
・水筒/プラティパス「プラティ 2L ボトル」
・浄水器/ソーヤー「ソーヤーミニ」
・着火剤/割り箸にガムテーム巻き
・ライター/ソト「ポケトーチ」
・無洗米2合+缶詰×5
・ビール×4、ハイボール、バーボン


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さまよう刃〜必死奴隷放浪記〜

Posted by yukon780 on 09.2016 熊野川/三重 0 comments 0 trackback
ゴールデンウィーク。


毎年のように言っているが、それはカヌー野郎達にとって「魂の季節」。

鮎釣り解禁前だから気兼ねなく川を下る事が出来、新緑も眩しいスペシャルウィーク。

僕が1年のうちで最も大切にしている、まさにゴールデンなウィークなのである。


今年はGW前半戦を全て家族へのごますり強化デイとして費やし、後半の脱出に向けて万全を期した。

まあ結果としては3回にわたって家族をツラい目に導いてしまったのは記憶に新しい。


何はともあれその努力の結果、僕はGW後半に3日間の仮釈放の恩赦にありついた。

そこで計画したのが、和歌山に残る今だ未漕の謎の川の開拓遠征。

それは「和田川」「静閑瀞(せいかんとろ)」「四村川」の超マニアック3本立てという、アドベンチャー色満点の企画だった。

静閑瀞に至ってはもはや「川」というワードすら無くなっており、沢屋さんが突っ込んで行くような世界。

もう考えるだけでワクワクと勃起が止まらない大冒険なのである。


しかし我がワクワクが止まらないほど、満を持して準備すればするほどに天はそれを見逃さない。

天気予報はみるみる悪化の一途を辿り、桜の開花のように傘が華やかに開花する。

最悪和歌山がダメだったら他に天気が良い所に行こうと思っていたが、見事に日本全国逃げ場がない傘乱舞。


結果的にせっかく手に入れた3連休の初日を失う羽目に。

普通の人にとっては「しょうがないね」で済む話だが、僕にとっては楽しみにしていた初体験をとんでもない老婆に捧げてしまったに等しい喪失感なのである。

この時のショックが伝わるだろうか?


しかし我がショックはそれだけでは終わらない。

今回は次回の記事に向けてのプロローグ記事。

というか次回の綺麗な記事と混同させたくないんで、汚れ物をここに分離したかったための強制前編なのである。


それではそんな彼の年に一度のゴールデンなウィーク。

彼が全く下る予定じゃなかった「熊野川」に至るまでの彷徨の模様をサクッとお送りしておこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


貴重な一日を雨で失ってしまった。

結局その日は「移動日」として諦め、二日目の早朝から最高のスタートを切るべく気持ちを切り替える。

なんせ二日目と三日目は好天の予報。

今日一日我慢すれば全て報われるのである。


しかし移動日と言えど、移動だけで無駄にしては遊び人の名がすたる。

移動の途中、前々から行ってみたかったアウトドアショップのモデラートさんへ寄ってみた。

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ほんのちょっと店内の様子を見たかっただけだ。

そもそも今僕はかつてないほどの金欠状態だから、何かを買ってる場合じゃない。

ではなぜだろう?

なぜここに2時間もいてしまったのか?

そして助手席にまでついて来てしまったこのニューアイテム達は何事なのか?

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まさかまた散財してしまったのか...。

ちょっと店内の様子を見るだけだったのに、気づいた時にはキルトシュラフ・レインパンツ・ハーフパンツ・ロングペグをお会計してしまっていた。

今日という一日を意味あるものにしたかったばかりについ魔がさして...。

だってめったに現物見れないローカスギア・ティートンブロス・アークテリクスの欲しかった商品置いてやがるし、試着させやがるし、サイズピッタリだし、店員さん可愛かったし、イーストンのペグなんて廃番で諦めてたやつがレジ横においてあるんだものつい...。

クソ...雨さえ降らなければ買わずに済んだものを...。

私は何も悪くない。

悪いのは貴重な初日に雨を降らした天である。


こうしてスーパー金欠からEX金欠に進化した僕は、できるだけ先々の事を考えないように一路和歌山へ向かった。

やがて数時間後。

熊野近辺に到着した僕に「あれ?今日って台風だっけ?」と思ってしまったほどのウェルカム大暴風雨。

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相変わらず熊野の歓迎は凄まじい。

車のワイパーのマックスを繰り出すのは、いつだって熊野なのである。

さすが天下の多雨地帯。

コンビ二行って車に帰って来るだけで全身がグッショグショになるほどである。


基本雨で前が良く見えないし、両手ハンドルで唾を飲み込むのも忘れるほど運転に集中しないと暴風で車ごと崖から落ちそうなエキサイトドライビング。

そのあまりの雨の勢いに「おや?さては明日河川は大氾濫なんてオチじゃないのか?」と不安がよぎりまくる。

スマホの天気予報も良い感じの注意報を展開。

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河川の増水なんて訳のわからない事まで書いてある。


しかし和歌山の名川たちの回復力を私は知っている。

豊富な森林に覆われた山の保水力はハンパ無く、例え増水していても清流はキープされている。

それが和歌山の川の力なのである。

僕は何も疑う事なく暗闇の中で熊野川を北上し、道の駅でビリギャルのDVDを観て一発泣いてから酒を飲んで眠りについた。




やがて朝が来た。

勝負の二日目である。

ここからやっと我がGWは始まるのである。


車から出る。

熊野川を見る。

するとそこには「あれ?ここって黄河だっけ?」と思ってしまうような状態が展開していた。

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たっぷりと大増水して濁流と化している清流熊野川。

僕は思わず優作と化して「なんじゃこりゃあ!」と叫ぶのが精一杯。

ワナワナと震えてすぐには事態を飲み込めなかった。

たった一日の雨でここまで増水するって、一体どんだけ降ったんだ...。


しかし僕の中の清流ランキングでベスト3に入る、支流の赤木川なら大丈夫だろうとそこに向かう。

あの川が汚れた姿なんて想像する事が出来ない。(赤木川↓)

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さあ、いざその大清流の底力を見せつけてくれ。

来た!

さすがと言わせてくれ!

これぞ赤木川だ!

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ジーザス...


あんたわかってんのか?

年に一度の楽しみで、中々ない3日間の仮釈放のすでに二日目なんだぜ。

どれほど今日という日を楽しみにしていた事か。

川下りする気満々だから、登山靴も持って来てないし今更登山に切り替える事なんて出来ないんだよ。

こっちは川を下りに来てるんだよ!

清流に癒されに来てるんだよ!

ここに来るまで5時間かかってるんだよ!


なんだかちょっぴり涙が出て来た。

ビリギャルで涙腺が緩んじゃったのかな?

あの映画って「頑張れば願いは叶う!」的な内容だったっけ。

俺...結構頑張って生きて来たんだけどな...。


しかし諦めたらそこで試合終了だ。

そんな赤木川の更なる上流にあるのが、本来の目的である「和田川」。

その川は普段は水量が少なく、逆に増水時じゃないと下れないと見込んでいる。

ヘタしたらベストコンディションなんじゃないだろうか?


で、はるばる向かってみるとベストを遥かに越えてしまった和田アキ子状態に。

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渓相はもの凄く雰囲気いいだけに、悔やんでも悔やみきれない。

この風景の中で大清流間違いなしだったのに。

そして今日は天気が良いのに。


それでも諦めきれない男。

こうなったらとことん上流に行って、意地でも下れる区間を探し出してやると魂の大移動。

道は落石まみれの荒れ荒れ道で、一歩間違えたら崖から転落して行くというスリリングな冒険。

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しかも途中で「道に滝が落ちて来る」というジョークのような展開にも巻き込まれる。

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もはやネイチャー洗車場。

これはこれで立派にアドベンチャーだが、僕はこんな事がしたいんじゃなくて川を下りたいんです。


やがて行けども行けども増水フィーバーは続き、「どっちみち下れないね」って状況になってしまった。

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もうこれ以上アッコにおまかせはできない。

唯一発見した川に降りれる場所で、しかたなく無念の朝飯。

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初日の無念を晴らすべく、今日は早朝から下り出そうと思っていたのに。

ちくしょう、天気良いなぁ。

このままじゃ貴重な二日目も無駄にしてしまう。


「こうなったら海に行って無人の浜へ上陸して遊ぶしかない」と新たな目標設定を立てる。

海なら増水もクソもないし、熊野灘の海は凄くキレイ。

全く情報はないけどそれに賭けるしかない。


で、和田川から再び時間かけて大移動。

しかし海の手前の高田川(ここも以前から気になっていた川)をチラ見した時。

「あれ?結構綺麗だぞ」と気づいてしまう。

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ここで再び川スイッチがオンになって、高田川を大遡上調査開始。

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良さげな雰囲気だが、どうしても他の大清流を知ってるだけにあまりそそらない。

しかも道路から確認出来ない区間が多かったし、こんなとこも出て来るからちょっと怖い。

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そもそも清流をのんびり漕ぎたくて来てるのに、中途半端な川で激流下りなんて望むところではない。


しかしこの一件で「支流によっては綺麗な状態の川がある」と確信した僕は、「大塔川なら行けるかもしれない」と思い立つ。

大塔川は赤木川と並ぶ、我が清流ランキング殿堂入りの名川。

しかしそこに行くには再び熊野川を1時間くらい戻って行かねばならない。

だがそこに1%でも希望という名の花が咲いているのなら、私は行かねばならない。

それが仮釈放中の奴隷が出来る精一杯の努力なのだ。


やがて貴重な時間を削りながら大塔川へと大移動。

これがかつて行った大塔川の写真↓

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さあ、今こそ諦めない男に光を!

奇跡という名の清流を!

いざ!

これが大塔川である!

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だよね。


うすうす分かってたんだ。

分かってたけど来ちゃったんだよ。

1%の可能性なんて元々無かったんだ。

僕の人生は所詮こんなものである。

そして...

なんて天気が良いんだろう...



これにて完全に希望が0%になった男。

今更普通の観光になんて切り替えられない不器用な男は、まだ諦めもせずに古座川観光協会に電話しては増水確認をしている。

もちろん結果は「濁流化してますね。来ない方がいいです」と言われて絶望の上塗り。


全てを諦めた男はついに嫁に電話をした。

「あのう...川が全滅で行き場が無くてですね...。今帰ったら今回の旅は無かった事にならないかなあって...。次回持ち越しとかにできたりするのかなあって...」と。

すると嫁は「あぁ?」と一言のみ。

電話口なのに眉間にしわが寄ってるのがハッキリ見て取れる。

男は慌てて「いやいやいや。ウソウソウソです。楽しんできまーす。」と言って電話を切るのが精一杯。

たった「あ」の一言だけで威圧殺される所だった。

こうなった以上、なにがなんでも遊ばないと。


でも行く当てが無い彷徨い人。

もうすでに朝起きてから5時間が経とうとしている。

この間のお天気の良さが余計に男を凹ませて行く。

もういっそ海でのんびりした後、軽く身投げでもしようかと思ったその時、

男は一瞬のチャンスを見逃さなかった。

走行中にチラッと見えたこの景色。

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ここは北山川と熊野川の合流地点。

濁流の熊野川に対し、北山川の水の色がハッキリと清流をキープしてるのが確認出来る。

これで「本流だから最初から諦めてたけど、さては北山川の方はいい感じなんじゃないのか?」と思い立つ。


良く考えれば北山川は観光ジェット船も運航してるし、上流部では観光筏流しなどもやっている。

ってことはGW中の今、増水調整で水がダムで止められている可能性が高い。

これは行けるかもしれない。


ってことでさらに北山川を遡上して、瀞流荘前の川原へ。

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良い...。

行ける...。

やっと我がゴールデンウィークが始められるぞ!


こうしてここに至るまで、三連休の半分である1日半を費やしてしまった男。

実に長い長い放浪の旅路だった。

しかも当初の目的の川ではなく、まさかの熊野川(北山川)。

でもそれでいい。

もうわがままは言わない。

川を下れればもうそれだけで私は幸せです。


でも考えようによっては、この熊野川は「カヌー野郎生誕の地」。(参考記事:カヌー野郎の誕生

言ってみれば故郷に帰って来たようなものだ。

最近は奴隷生活が長過ぎた事もあって、1本の川をゆっくり二日かけて下る川旅から遠ざかっている。

一発ここらで原点回帰。

これぞ川旅って言う昔のスタイルを楽しもうではないか。


ってことでなぜか初の「流しスタイル」で流されてみようとギターを持って行く事に。

もちろん野営道具一式も担ぎ、酒もしこたま入れ込んで荷物はこんな事に。

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軽装の観光客が観光ジェット船を待つ場所で、ただ一人片道切符を手に船を待つ異質な流し男。

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しかしこの手の恥ずかしさはもう慣れて来た。

特にこの川は何度も下ってる勝手知ったる川。

ジェット船にも乗り慣れてるからやたら僕だけ段取りが良い。


そしてこの一人で戦争でも始めそうな騒々しい男が、周囲の観光客の視線を一心に浴びながらジェット船へと乗り込む。

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いよいよだ。

やっっっっっっっっと私のゴールデンウィークが幕を開ける。

まさかここまでで一つの記事が出来上がるとは思ってもいなかった。


やがて男は瀞峡(どろきょう)の川原へと降り立つ。

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時は来た

流し流され熊野川

紆余曲折こそ男の人生

奴隷奴隷と人は言う

泣くも演歌

笑うも演歌

演歌を求める人あれば

流しは流され歌歌う

粋な男の瀞八丁

故郷に錦の漕ぎしぐれ


さあ歌っていただきましょう

カヌー野郎さんで


「熊野川旅情〜熊野の夜に酔いしれて〜」



この1日半の事は忘れてはりきってどうぞ!





後編へ 〜つづく〜



熊のメモリー〜マスオと熊野の果たせぬ夢〜

Posted by yukon780 on 29.2015 熊野川/三重 2 comments 0 trackback
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過去の旅を振り返る「あん時のアイツシリーズ」第28弾。

梅雨で遊びに行けない今のうちに、ちゃちゃっとやっつけとく。


4年以上続けてきたこのシリーズも、全31回でフィナーレになるのが見えてきた。

これが終われば、あとは未来だけ見て遊びに集中できるぞ。


ってことでサラサラと振り返って行こう。

今回はこのシリーズの第1弾で登場した「熊野川」だ。


熊野川は、カヌー野郎生誕の地として深く印象に残っている川。

第一回目は、束縛彼女から解き放たれた勢いでの初の単独カヌー行だった。(参考記事:カヌー野郎の誕生


今回はその後の熊野川と、その支流の赤木川にまつわる思い出を簡単に残して行く。

例のごとくほとんど記憶が残ってないから、写真中心でザクッと行こう。


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2003年9月。

もう12年も前のことになるのか。

この時が2回目の熊野川。


最初の時は初の単独行だったが、この時は初のテン泊単独行。

何もかもが全て初めてで新鮮だった頃だ。


しかしである。

早速1枚目の写真から彼は「雨の中」にいる。

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もちろん好き好んで、こんなザザ降りの時に熊野川くんだりまで来たわけではない。

当時の僕は今よりもハードな雨野郎。

確か当時「降水確率0%」の天気予報を信じてやってきた挙げ句、こんな目に遭ったのを覚えている。


顔は映ってないが、写真からは「楽しさ」は何も感じず「悲壮感」だけが漂っている。

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今なら若干「おいしい」と思える状況。

しかし当時は当然ブログもやってないから、ただただ一人でこの惨事を噛み締めるのみ。

まだうら若きマゾ黎明期の彼には、さぞやツラい旅だったはずだ。


そしてその日の夜、念願だった初のテント泊。

お金がないから、ヤフオクで4000円で買ったソロテントがこれ。

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今見ると、どう考えてもこのフライシートは意味をなしていない。

そして折からの雨。

テント内は瞬く間にずぶ濡れとなって行き、ダウンシュラフ(ヤフオクで1500円)もヘナヘナに。


それでも彼は「テント泊とはこういうものなのだ」と己に言い聞かせ、根性で眠りにつく。

そして翌朝。

彼のテント内は3cmほどの床上浸水を巻き起こし、起きた時に「耳が水に浸かっていた」というまさか。

実に壮絶なテン泊童貞喪失体験である。


そしてこの日もまた雨。

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で、最終的にはバケツをひっくり返したかのような豪雨へ。

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家出る前は降水確率0%だったのに、この記録的豪雨感。

もはや目も当てられない若き日の旅路。

しかし若いからこそ、このような訳の分からない旅に耐えられるというものだ。(今でも似たような事してる気もするけど)


結局この日は、浸水テントで二夜連続の男塾名物「水中睡眠愚」は無理と判断して民宿泊。

どうにも理想としていた野田知佑さんみたいな旅と、何万光年も離れた旅になっている。

この頃から所詮僕は僕だったのだ。


しかし翌日の3日目。

やっと天気予報通りの快晴が舞い降りて、熊野川支流の赤木川へ。

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この時の感動は今でも鮮明に覚えている。

生まれて初めてこんなキレイな水の川を見たから、とにかくコーフンが止まらなかった。

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この時の晴れた赤木川がなかったら、僕の心は折れてカヌーをやめていたかもしれない。

とにかくずっと僕はニヤニヤしては潜り倒して遊びまくった。


そして唐突に現れた野犬と友達になり、

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鴨のアカちゃんギーちゃん(勝手に命名)と一緒に川を下った。

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この二羽とは15分くらい一緒に下ったという、なんとも不思議な体験をした。

これで猿でも出てこれば気分は桃太郎だ。


その後もひたすら気持ちよすぎる赤木川体験が続く。

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もう夢見心地だった。

この時の経験が僕の中で赤木川を特別な存在の川にし、清流ハンターへと駆り立てる体験になったのは間違いない。


そして桃太郎のようにどんぶらこしながらゆっくりとゴール。

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前半2日間は地獄でしかなかったが、この最後の赤木川に救われた。

「辛すぎた」のと「良すぎた」という、中途半端がない旅。

この様な旅は12年経った今でも鮮烈に記憶に残っているものである。


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そして翌2004年の7月。

去年のリベンジとばかりに再び熊野川に向かった僕。

しかしそんな彼を待っていたのはこの仕打ち。

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再び降水確率0%からのワイパーMAX。

見事なる返り討ちである。


結局この時も失意のまま、「赤木川に助けてもらおう」と再度赤木川へ。

するとそこで奇跡的な出会いが。

なんとアカちゃんギーちゃんがいるではないか!

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彼らが1年前と同じ鴨かは分からなかったが、実に感動的だった。

そして再び晴れ上がって、僕は赤木川を潜り倒して満喫。

そして「桃源郷」と呼んでいる川原でテント泊。

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さすがにテントはモンベルのムーンライト1型へと変更されている。

この頃は仮想ユーコン川で色々と買い足していた頃だからね。


で、翌日赤木川を下ってから大塔川の川湯温泉へ移動。

ここは川を掘れば温泉が出て来るのである。

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この時に感じた大塔川の美しさが、10年以上後に「大塔川下り」へと導くのである。

それは僕の中で1,2を争う清流下りとなった↓

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こうして僕の清流の歴史は巡り巡るのである。(参考記事:和歌山三大清流祭り3〜大塔川編〜


そして僕の好きな場所「もっこり山展望台」に立ち寄り、(今はこの場所何か工事してるらしい)

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海水と淡水が混じり合う「ユラユラ帯」でお馴染みの銚子川で泳ぎ、

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たっぷり清流と戯れて3度目の熊野来訪は終わった。

そして帰り道では、この怪しさ満点の個人動物園に驚愕する。

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あまりのインパクトで、もの凄い印象に残る看板だった。

しかし運命のいたずらなのか。

僕はこの数年後にこの看板のリニューアルデザインを依頼される事になる。

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人生とは何が起こるか分からないものだ。

ただ自分で作っておいて何だが、個人的には前の看板の方が好みである。


ちなみにその後、彼は帰り道の鈴鹿でスピード違反にてオービスに撮影される運命に。

数日後、違反金を払うためだけに3時間かけて鈴鹿警察署まで出頭した思い出がある。

所詮我が人生とはそんなもんなのである。


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そして2005年4月。

今度はこのシリーズでお馴染みの山田(仮)と、ビビるSとの3人での熊野川再訪。

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まず注目すべきはビビるS。

今ではアンパンマンみたいな彼だが、この頃はまだシュッとしていた。

【Before】

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【After】

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これが結果にコミットしないビビるSの逆ライザップ。

明らかにビールの飲みすぎである。


10年後にパンパンになるなんて夢にも思ってない彼は、その原因となるビール片手にえびす顔。

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何気に僕もゲソヘアーのくせにロン毛であるという事にも注目したい。

色々と突っ込みどころの多い回である。


そしてこの日が4回目にして初めて晴れた熊野川。

心行くまでこの独特な景観を楽しんだ。

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今となってはどんな出来事があったか思い出せないが、写真を見る限り非常に楽しそうだ。

そして川湯温泉へ行って散々露出プレイを楽しみ、

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赤木川の川原で散々飲み倒す。

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ダッチオーブン持って行って随分と凝った事をしていたものだ。

今では面倒くさくて米炊くくらいしかしないが、当時はとにかく手間をかけていた。

まあやたら時間かかるから、出来上がる頃には大概みんなつまみで腹一杯で食えないってのが定石だったけど。


翌朝はこんな感じ。

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僕が桃源郷の川原と言うだけあって強烈な美しさである。

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そして赤木川下り。

もう晴れた日の赤木川は、とにかく言葉の必要のない世界なのだ。

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この浮遊感たるや筆舌に尽くしがたし。

そして川でダイレクトにビールを冷やし、

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飲みながらダラダラ下る。

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これ以上の幸せがあるでしょうか?

そしてトドメの川遊び。

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天国だったねえ。

これ以降、この赤木川は僕の中の「友達をおもてなすならここ」って感じの聖地となった。


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で、その年の7月。

今度は当時の会社の同僚達と熊野へ。

前にも数回このシリーズに出てきたメンバー達。

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左から茶髪だった僕、先祖が村上水軍という「海賊I」、やり過ぎた筋肉の「筋肉K」、老けすぎたおっさんの「加齢臭S」の4人だ。


この時は、熊野川に行く途中でまずは銚子川へ寄って豪遊した。

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豪遊とは吉原や祇園に繰り出して狭い部屋の中でどんちゃんすることではない。

清流に飛び込み、泳ぎ、小魚とテナガエビを穫って油で揚げて食らう。

これを我らの世界では「豪遊」と呼ぶのである。


そして赤木川へハシゴして再び豪遊。

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肉を食らい酒を食らう酒池肉林の世界。

茶髪シンガーは熱唱し、

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加齢臭ジジイは山賊化し、

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筋肉野郎は屍となる。

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素晴らしきかな豪遊の世界。

最近はこういうのやってないなあ。


で、翌日にやっと熊野川へ漕ぎ出す。

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しかし基本的に「カヌーはあくまでも楽しく遊ぶための移動手段」としか考えてない我々。

特に海賊Iは先祖の血がたぎってしまってすぐに泳ぎ出し、

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岩壁をよじ登り、

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喜々として身投げ行為を楽しんでいる。

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そして洞窟と見るや上陸し、

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探検して遊ぶ。

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こういう無駄な動きだらけの川下りが大好きだ。

川だけ下って終わりのカヌーなんて、牛丼のない吉野家と同じなのである。


その後も無駄な動きをふんだんに取り入れた、楽しすぎる川下りは続いて行く。

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うーむ。

なんかこれ書いてたらウズウズしてきたな。

今じゃあ鮎釣り師に遠慮して夏場は山ばっか行ってるけど、夏のカヌーはやっぱり楽しすぎるよ。

この熊野川は観光ジェット船も通ってて川幅も広いから、夏場でも気兼ねなく遊び倒せる貴重な川なんです。


で、下り終わった後は、ゴールの瀞流荘からトロッコに乗り込む。

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このトロッコに乗って湯の口温泉へ行けるという、旅情感あふれまくる場所である。

で、温泉でサッパリした後は、再びベースキャンプ(赤木川桃源郷川原)へ戻って二夜連続酒池肉林の宴。


そして3日目。

心行くまで清流赤木さんの懐に抱かれて豪遊。

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どこまでもスケスケなのです。

そして探検もして遊び倒すんです。

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で、海に移動して七里御浜で波と戯れ、

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子供じみた大人たちのステキな三連休は終わる。


ああ。

やっぱいいなあ。

今なら三連休なんて手に入れたら、4泊5日の行程を無理矢理3日で費やす強行軍を企画してしまう。

でも本来はこうやって同じ場所に腰据えて遊び倒すスタイルが好きだったんだよなあ。

いつからこんなに自由を焦るようになってしまったんだろうか。

思えばこの頃が一番川で輝いていたのかなあ...


そうしてマスオさんは遠き日に思いを馳せる。

まだサザエが優しかったあの頃に...


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マスオさんの脳裏に浮かぶ思ひ出。

熊野川を下った最後の思ひ出。


今では全てを諦めているマスオさんだが、過去に一度だけサザエさんを川下りに誘った事がある。

時は2008年5月。

今では絶対に考えられないが、まだ新婚さんだったサザエさんは熊野川での川下りに付き合ってくれたのだ。

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隣にいる人が将来世界屈指のドS嫁になるなんて夢にも思ってない顔でへらへら笑っている。

哀れな男である。


マスオはこの時、夢と希望で満ちあふれていた。

ここから素晴らしきアウトドア夫婦生活が始まるのだと。


しかし現実は甘くなかった。

熊野川に漕ぎ出した途端。

サザエは「漕がない・感動しない・笑わない」という驚異的な拒否反応を表明したのである。

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3アウト、ゲームセット。


それでも諦めないマスオは「僕の一番愛する場所に連れて行ってあげる」と、赤木川の桃源郷へ。

しかしサザエの口からは「早く買い物したい」「クーラーのあるところが良い」「疲れた」という断固たる意思表明。

そのまさかな返しに、思わず「ええっ〜〜」と声が裏返るマスオ。

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ここで彼の運命は決まった。

こうしてマスオは新婚早々、夢と希望をぐしゃぐしゃに丸められてベンキマンに流されてしまった。

もちろんそれ以降、マスオがサザエを川に誘う事はなくなった。

そして熊野川にも行かなく(行けなく)なってしまった。


マスオは思う。

遠い熊野の空を眺めて思う。

もう一度熊野川を下りたい。

ロン毛で茶髪で笑顔だったあの頃へ。

桃源郷で熱唱していたあの頃へ。

そしていつかはサザエとタラちゃん達も連れて...

無理な願いなのだろうか...



マスオの頬にキラリひと雫。


しかし熊野は待っている。


きっと待っていてくれるのである。


我々がファミリーでやって来る日を....






来週のサザエさんは、


マスオ、全てを諦める

マスオ、結局一人で熊野へ行く

マスオ、嫁にバレて殺される


の、三本です。

お楽しみにね!


うふふふ

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カヌー野郎の誕生

Posted by yukon780 on 11.2011 熊野川/三重 0 comments 0 trackback
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このブログ創設前の過去の旅を振り返る「あん時のアイツ」シリーズ第1弾。

といっても「北海道中膝栗毛」や「アラスカ珍道中」があったから、正確には第3弾だけど。

最近山関連やマゾ関連の記事が続いていて、カヌー関連の記事が全くなかった。

このままではカヌー野郎じゃなくて、ただのマゾ野郎になってしまう。

そこで原点回帰。

僕の旅人生の第一歩目の「熊野川カヌー単独行」を振り返る。


ちなみにこの「あん時のアイツ」シリーズは、ページ右のカテゴリ欄の過去の旅の記録を網羅するまで不定期に開催されます。

正直記憶も定かじゃない旅もあるけど、写真を中心に振り返ってみる。

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今回は三重と和歌山と奈良の県境の川「熊野川」。

かれこれ10年ほど前の記憶。

僕の人生で初めての一人旅にして初めてのカヌー単独行。

デジタル画像で残っている最古の旅の記録だ。

日帰りだったけど、当時の僕には大冒険だった。

お粗末な装備しか持ってなかった当時だけど、あの頃の冒険心と感受性は今もって越える事は出来ない。

目に見て体験する全ての事が新鮮だった頃。

当時はまだ画期的だった防水デジカメで、画質は良くないがどれも思い出深い物だ。

全体的に写真がどんよりしているのは、当然晴れていないからだ。

彼の「晴れない単独行」は、ここから4年間続く事になる。


ただただ野田知佑さんに憧れていた、無鉄砲な青年時代の記憶です。(今でも無鉄砲か)

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当時付き合っていた強烈な「束縛しい」の彼女と別れた僕は、カヌーと貧相な装備を車に乗せて熊野川を目指した。

自由に飢えていた僕は、カヌー野郎の第一歩を踏み出した。

単独行の場合、カヌーの搬送の問題が重要だったので(当時はポリの二人艇、キウイ3)、観光ジェット船で川を上下出来るこの川を選んだ。


熊野川に向かう途中、大台水系の川は信じられないほどの美しさだった。

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今までの人生で、こんなに奇麗な川は見た事がなかった僕は相当感動した。

この頃から、完全に僕は川にはまって行った事を覚えている。


熊野灘の海も奇麗で、風土から食べ物まで見る物全てが新鮮だった。

コチラは獅子の頭に見える「獅子岩」だ。

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この手の「亀岩」だったり「ナポレオン岩」ってそこら中で見たけど、かなり強引なものが多い。

地元観光協会の苦肉の策と思えてならない。


熊野川町は、一応「カヌーの町」という事になっている。

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だからといって、カヌーする人のために何かあるわけでもなければ、地元リバーガイドも存在しない。

熊野川にいるはずもないシャケのオブジェも気になる所だ。


熊野川の支流の川は美しい川ばかりで、当時の僕のテンションはかなり上がっていた。

沈下橋なんかもあって、気分は四万十川だったな。

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熊野川近辺の集落は日本の原風景的な所が多くて、当時たまらなく旅心を満足させてくれた。


スタート地点である田戸に向かう途中、熊野川が俯瞰で望める場所がある。

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なんだか野田さんの本に出てくるような川の光景に、当時の僕は夢見心地だったな。

道はどんどん山深い秘境チックな雰囲気になって行き、車一台分のトンネルを越えて行く。

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青年の心は「冒険」「探検」「好奇心」といった少年の心に戻って行くようだった。

当時の僕は、10円ハゲならぬ「500円ハゲ」を二つ所有していたほど激しいストレスを抱えていて、非常に疲れ果てていた。

それだけに、純粋なトムソーヤに戻れた事が嬉しくもあった。


秘境感は益々高まって行く。

すごい所に作られた橋の上から覗くと、生唾モノの清流が流れている。

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一発目の旅先がこれだけ清流まみれの場所だった事も、今後の人生を変えたかもしれない。


やがて田戸に辿り着き、川へ降りる階段を下りて行く僕に素晴らしい風景が飛び込んで来た。

「瀞峡」だ。

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まさに秘境。

ここを一人で下って行くのか。

期待と恐怖が入り交じり、武者震いした事を今でも思い出す。


重いカヌーを一人引きずって川まで降ろしておいて、一旦車をゴールまで移動させる。

ゴール地点の志古のジェット船乗り場からジェット船に乗り、再び瀞峡を目指して移動。

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当時あきらかな経験不足な僕は、25kmほどの長い距離を一日で漕ぐという暴挙だった。

本来のんびりと2日はかけて下る距離だ。

この頃の僕に計画性は皆無だった。


カヌーで漕ぎ始めると、奇岩怪石のオンパレードだった。

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なにより、遠く離れた秘境の地で一人きりで旅をしている事が嬉しくてたまらなかった。

人生で一度だけ許される「初めての単独行」は、今後何物にも代えられない経験となった。


ただ、秘境と言っても観光ジェット船が行き来するから、その度に横波を食らって結構焦る。

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でも、この時何となく観光船の中にいる人達に対する優越感というものを味わった。

この時にはっきりと「一般的な世界」から、自分が違う場所にいる快感の虜になった気がする。

それがエスカレートして、後々カナダまで旅立ってしまうんだけど、それはまだまだ先のお話。


そしてメシは豪快に焚き火で作る。たまらない瞬間だ。

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こんだけ豪快に焚き火しておいて、作ったのは具無しラーメンだが半端なくうまかった。

この頃はかたくなに、カヌーで旅と言えばチキンラーメンだと強く思っていた。

熊野名物「目張り寿司」も最高だった。


その後はひたすら漕ぎ続けた。

いつまでたってもゴールしないから結構焦った。

今後長い付き合いとなる「雨」ももちろん一緒だ。

どんどん日も暮れて来て、果てしない恐怖に怯えながら漕ぎ続ける。

後半は腕がもげそうになって散々な感じでゴールしたことを記憶している。

この頃から惨敗の歴史が始まるんだが、当時の僕はそれでも大満足に包まれていた。

華々しいマゾの歴史が幕を明けた瞬間だった。

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と、まあこんな感じで振り返って行きます。

熊野川は今後初めてテント泊した思い出の場所でもある。

また何度か登場する川です。

まずは僕の単独行カヌー旅、デビュー戦の模様でした。


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