和歌山三大清流祭り2〜小川編〜

Posted by yukon780 on 25.2013 小川/和歌山 11 comments 0 trackback
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空中を浮遊する女がいる光景。

これは決して新興宗教のプロモーションビデオではない。

これはついに合流した横浜組のB女房の勇姿。

しかしこの空中浮遊までの道のりは長く険しいものだった。



覚悟はしていたが、ここからの時間帯は鮎釣り師さん達との一進一退の攻防戦。

そもそもこの鮎釣りシーズン真っ盛りの時期に来てしまった時点で、スムーズに事が運ぶとは思っていない。

特に今回の「小川」は鮎釣りで有名な川。

そんな中で下れるのかすら不安な状態で挑んだのだ。


しかしもちろん川は誰の物でもなく、鮎釣り師にもカヌー野郎にも平等に提供されるべき遊び場だ。

でも僕は過去に鮎釣り師の人に石を投げられた辛い過去がある。

以来夏という最高のシーズンは我慢して、出来るだけ気を使って春と冬だけカヌーをするようにして来た。

でもお互いに「川を愛する者同士」。

今回は何とか夏でもお互いに楽しめる方法は無いものかという、一種の挑戦的な遠征でもあるのだ。

(このあたりの「鮎釣り師とカヌー問題」に関しては、ここで書くとかなりの長文になってしまう。なのでそこは野田知佑さんの本を読んでもらうか、こちらのページを読んでくださいな→讃岐うはうは隊隊長の見解。この隊長さんの見解はほぼ僕と同じなので、出来ればカヌー野郎達はもちろん鮎釣り師の人・漁協の人・観光協会の人にも読んでほしいな。)



そんな中、勇み足で勝手に一人不眠不休のまま祭りに突入した男の姿は前回お送りした。

今回はいよいよ横浜組と合流して、二本目の清流、古座川の支流「小川(こがわ)」を目指す。


一般的には古座川の方がカヌーフィールドとしては有名だ。

しかし以前にも一度紹介した事があるが、地元の人に「小川を下らずして、古座川を語るべからず」言わしめた隠れた名川。

僕の中でも「清流度」はもちろん「雰囲気」抜群の大切な川だ。(参考記事:まわる柿太郎


それでは和歌山清流祭り二本目、小川を振り返って行こう。


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新宮市のローソン。

その駐車場に立つ疲労度と不眠度マックスの男。

すでに朝飯前の赤木川一本を下り、早くも加齢臭に包まれたその男は僕だ。


そしてその男の視線の先に現れた一台の「横浜ナンバー」の車。

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はるばる横浜から9時間近くかけてやって来た「横浜組」の面々だ。


岐阜に住む僕からしてもこの和歌山は外国のような遠さ。

しかし彼ら横浜組は、関東が誇る一線級のマゾ達。

その顔に疲労をにじませながらも、誰もがニヤニヤしている。

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B旦那、B女房、バターN、女優Eの4名。

ついに横浜組合流。

本来はここから全てが始まるはずだが、もうこの時点で全員足下がおぼつかないほどに疲弊していた。


しかしマゾヒストツーリスト代表の僕のスケジュールに「体力回復」などという項目は無い。

フラフラとローソンでからあげクンを買っている彼らのケツを叩き、さらに大移動。

新宮市から1時間ほど南下して、はるばるやってきました「古座川町」。

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海を隔てた先に浮かぶは、本日3本目に予定している「九龍島(くろしま)」だ。

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写真では防波堤のせいで陸続きに見えてるけど、実際は海を30分ほど漕いで辿り着ける無人島。

以前ここに行った時は、ちょうどよゐこ濱口の無人島生活のロケ真っ最中で、僕らは島から追い出されるようにここを脱出した。(参考記事:良い子の犠牲者たち〜九龍島編〜

今回は当時のリベンジのためにここに渡り、洞窟探検&シュノーケリングで遊び倒す予定だ。


でも疲労困憊な僕の体は「3本目は無理っす」と弱気な事を言っている。

しかし体が動かないなら幽体離脱してでも遊ぶ覚悟はできている。



ここからは一気に古座川を北上。

横浜組にとってはまだまだエンドレスの移動地獄は続く。

やがて本日のキャンプ予定地、少女峰の川原に到達。

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実に和歌山らしい光景。

「夏」って感じの空と、中国的な峰々。

そして美しい古座川で戯れる川ガキ達。

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美しき日本の正しい風景がここにはある。

気分は「ここまで来た」っていうより「帰って来た」という感覚が近い。

どこか日本人の琴線に触れる空気がここには漂っている。


そして古座川に注ぎ込む小川に到達。

赤木川ほどではないが、やはり相変わらずの清流さんだ。

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そしてここから、小川を偵察しながらさらに北上して行く。

やはり早くも鮎釣り師さんのお姿が。

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ここからは、車の降りれるゴール地点の確定と鮎釣り師さんの数とポジショニングのチェックをしながらの移動。

所々で川原に降りては、釣り師チェック。

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とにかく可能な限り鮎釣り師の少ない区間をチョイスして、お互いに気兼ねなく遊べるようにしたい。

と言ってもやはりこの日は、要所要所に釣り師がいて非常に厳しい状況だった。

これはかなりのショートコース設定になってしまいそうだ。


でもこの小川には絶対に外せないポイントが二つあって、その二つのポイントだけはどうしてもコースに組み込みたい。

それは「滝の拝(たきのはい)」と「柿太郎のまわり」だ。


特に柿太郎のまわりはこの川で一番好きな区間で、川が道路から大きく蛇行してそれて人工物の一切見えなくなるという秘境区間。

道路上から見える柿太郎の入口はこんな感じで、川が山の奥へ奥へと向かっている様子が分かる。

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さすがにこの秘境区間には鮎釣り師さんも立ち入れないと踏んで、この柿太郎のまわりが終わる辺りをゴール候補地にした。


そして一気にスタート地点の、二つ目の外せないポイント「滝の拝」へ。

久しぶりに来たが相変わらずの異質な場所。

なぜもっと観光名所として有名にならないか不思議なくらいの圧巻な光景。

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すごい光景なんだけど、まあこれだけのために一般観光客がこんなマニアックな山奥までは来ないだろうね。

そしてこの滝の拝の場所の水がキレイな事。

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スケスケの川の中には、大きな鮎がウジャウジャ。

さすが鮎で有名な川。

以前NHKの特番でここが取り上げられていて、釣った鮎をその場で生で食うおじいさんの物語をやっていたが、この日はさすがにそのじいさんはいなかった。


ここの無料駐車場に車を停めて、川に降りられる場所からカヌー一式を下ろす。

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本日ダブルヘッダーの男と、横浜から移動し続けて来た者達には中々に過酷な作業。

しかしそんな疲れも吹き飛ばすほどのエロさで誘惑してくる小川さん。

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たまらない。

日も昇って暑くなって来ているから、すぐにでも飛び込んで小川さんを抱きしめてしまいたい衝動に駆られる。

そんな想いをグッとこらえて、僕とバターNで車をデポしにゴールまで移動させる。

でもここからが長かった。


ゴール予定地で鮎釣り師の人に会ったのでしばし談笑。

しかしここで思いもよらなかった発言。

「兄ちゃん達、柿太郎行くんか?あそこは鮎釣り師のオンパレードやで」と。


聞けば、鮎釣り師侵入不可能と思っていた柿太郎区間には「鮎釣り師のための林道」がこしらえてあるらしく、そこはかなりの鮎釣りスポットだというではないか。

なんて事だ。

川幅の狭い柿太郎で、竿のアーチの中をくぐっていく勇気はないし楽しい訳も無い。


無念にまみれて「絶対に行きたかった」柿太郎より前の段階でゴール設定することに。

そのゴール設定作業がまた難航を極め、そこで余計な時間を浪費する事でさらに釣り師の数が増えて行くという悪循環。


何とか釣り師二人くらいを乗り越えればOKといった区間を発見したが、その釣り師のものと思われる車が「なにわナンバーのベンツ」だった事から怖じ気づいてしまう我々。

そんな所に突っ込んで行って怒りを買ったら、そのまま我々は夜の北新地の闇へと送り込まれてしまうだろう。


結局我々はその「なにわの瀬」までも回避する事にし、無念のベリーベリーショートコースにしてしまうチキンっぷり。

そんなこんなで滝の拝からわずか2.5キロ程の位置に、やっと川原に降りられる場所発見。

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やっとここに1台車を停めて、ゴール地点確定。

小川に来てから、ここまで実に「2時間」という貴重な時間を失った。

夏に川を下るという事は、このようにスタートまでに非常に大変な思いをする。

もうこの時点で誰もが3本目の九龍島は諦めていた気がする。



気を取り直してスタート地点へ。

そこではそんな事情も何も知らされず、ただひたすら待ちぼうけを食らっていたお留守番の女性が二名。

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B女房はまだしも、横浜屈指のサディスティックガールこと「女優E」の動向が気になる所。

長い待ちぼうけで、怒りのあまり鮎を生で食ってNHKの取材を受けているかもしれない。

もしくは鞭で襲いかかってくる可能性もある。

僕は期待しながら彼女達のもとに向かったが、何とかゴキゲンさんでいてくれたようだ。

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やはりこれだけ川が美しければ、長時間の待ちぼうけでも大丈夫だったようだ。


僕も炎天下の中で鮎釣り師のことばかり気にして来たから、ここで一気に気分解放。

早速川に潜って遊びスイッチオン。

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ここまでが大変な道のりだったが、やっぱり気持ちよすぎる小川さん。

見上げた先には懐かしい滝の拝の独特な光景が目に入る。

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以前来た時、この光景を見て「カヌーやってて良かったなあ」としみじみ思ったものだ。

一般に知られていて人だらけの観光地じゃなく、人もいなくてカヌーでしか見られない光景ってのにたまらなく優越感を感じたものだった。

そしてその独特な世界へ、今再び横浜組とともに突入です。

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何やらディズニーランドのアトラクションでありそうな、作り物のような回廊を進んで行く。

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滝に近づくと、しぶきが霧状に舞って清涼感とともに迫力満点の世界。

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両サイドの岩の下はえぐれてて、そこがダウンライトのように光ってまるで青の洞窟のような雰囲気だ。

やっぱりここはいつ来ても良いなあ。

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こういう他の川では味わえない独特な光景は、奇岩怪石が多い和歌山ならでは面白さだ。


その後も岩の世界を下って行き、

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ホクホク顏で清流を満喫して下って行くメンバー達。

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しかしこう見えて誰もがここまでの長い移動で疲労困憊の状態。

しかも僕だけじゃなく、横浜組メンバーも徹夜明けのような状態。

必然的にこのようなハイテンションになっていく。

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大爆笑で早くも危険な状態。

もはや今後の予定なんて関係ない。

スタート直後から早くも漕ぐ事をやめ、その場でもう上陸。

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そして後はひたすら狂人ように遊ぶ倒す道を選ぶことに。


女優Eがサディスティックに小川さんに突き刺さって行ったかと思えば、

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B女房が突然空中浮遊を見せつけ、

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その教祖の旦那の方はシーマンのような人面魚スタイルで直立浮遊し、

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バターNは新喜劇ばりに大きく後方にずっこけて吹っ飛んで行く。

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もう川を下ってる場合じゃない。

おかしなテンションに支配されたメンバー達の、狂った行動が止まらない。

皆一様によだれを垂らしながら、目を血走らせての蛮行。

こんな清流ではカヌーなんて「良い場所に行くための道具」にすぎないのだ。


僕も負けじと水中メガネを装備して、空中浮上開始。

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久しぶりのエスキモーロールの練習。

こんな気持ちの良い練習場所なんて他に無いだろう。

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久々だったけど見事にカッコ良くロール成功。

しかし気持ちよさと楽しさに反比例して、体の弱りっぷりが凄まじい。

上陸する時にはフラフラでご覧の有様だ。

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中年が自分の体力を自覚せずに必死で遊ぶ姿の痛々しさよ。

それでも休む事を許さない小川の清流度。


この猛暑の中で摂取したエネルギーは、レンジで暖めたかのようにホットになった危険度の高いおにぎり1個のみ。

たったそれだけしか飯を持って来ていないいつものスタイルがそもそもいけない気がするが、これが我々の川下りだ。


あとは延々と1艇のプレイボートをたらい回しにしてロール遊びに邁進する素人軍団。

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これだけ見ると、バターNがサディスティック教官に根性を叩き直されている光景に見える。

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容赦ないサディスティック教官の拷問。

物議をかもしそうな写真だが、一応これでも彼らは楽しんでいます。


そしてそんな教官に対する生徒達のお礼参り開始。

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何やら水が透明すぎて、B旦那とバターNが軽々と女優Eを持ち上げているように見える。

そして女優Eがパドルを振りかぶって、今にもバターNの頭をカチ割ろうとしているようにも見える。

どちらにしてもセンセーショナルな光景だ。


その後も次々とロール遊びは続いて行く。

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光が反射してとてもキレイな光景。

しかし数秒後には「誰が救助されているのか」すら分からないぐちゃぐちゃ感。

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でも実に楽しい。

楽しすぎて、この場でなんと2時間も遊び倒してしまった。

もはやどう考えても九龍島になんて行けやしない。

まあでもこれでいいさ。

目的はトリプルヘッダーをこなす事より「遊び倒す」ことだからね。



いい加減その場を離れて、うだうだと流されて行く。

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ただただ気持ちの良い清流に、B女房なぞは仏のように穏やかな顔になってしまっている。

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一方で、相変わらず鬼のサド教官にしごかれているのはバターN。

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遠くからでも「おら、さっさとカヌー持ってついてこいや、この豚野郎。」といった罵倒が聞こえてきそうではないか。

でも実はこれは鮎釣り師さんに気を使って川原をポーテージしているお姿です。


そしてバターNがわざとなのか意図せずにそうなってしまったのか、パドルを振り回しながら果敢に後ろ向きのままで瀬に突入して行く大技。

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顔が引きつっているから、恐らく意図せずにこんな事になってしまったんだろう。

どうやったらパドルをこんな風に持つ事になるんだろう?


そんな感じでドタバタとこのショートコースを進んで行くメンバー達。

疲労に疲労を重ねて、徐々に体の各所に異変を感じ始める頃。

ゴール地点に辿り着いた我々は、もうすっかり力尽きていた。

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もういいでしょう。

今日一日、たっぷりと遊び尽くす事が出来た。

コースこそ短くて、肝心の柿太郎のまわりを漕げなかったけど大方大満足だ。


一応地図を載せておくけど、GPSのログを取り忘れていた事が発覚して正式な記録が残っていない。

これはおぼろげな記憶をたよりに作った地図ですのであしからず。


より大きな地図で 小川ベリベリショート を表示


これにて本日2本目の清流「小川」終了。

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なんだか疲れ果ててしまった。

僕達は一体いつから寝てないんだろう?


その後で行った温泉。

そこで目撃されたのは、頭と肩に妖精を乗っけてうなだれる男。

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もはや座っているのもやっとという疲弊した男の哀れな姿。

遊ぶという行為はかくも過酷なものなのか?


しかしまだ立ち止まるわけにはいかない。

九龍島は諦めたが、本来はこのまま古座川合流地点辺りでキャンプする予定だった。

しかし今日一日で鮎釣り師との攻防に疲れ果ててしまった我々。

そこで翌日の「大塔川」は、鮎釣り師が来る前の早朝に下ってしまおうというプランが浮上。

なのでここから再び大移動して、大塔川近くの赤木川の川原まで行ってキャンプだ。


フラフラのメンバーは、眠り行く体にむち打って大移動開始。

はるばる移動して赤木川の川原でテントを設営。

そしてそこで素直に寝れば良いのに、眠い目をこすって根性の酒宴。

そして0時を過ぎた辺りで、皆気を失うように眠りに落ちた。


金曜日の朝に起きてから、実に42時間の時が過ぎていた。

自由な一日を全力で駆け抜けた男。

中年でもまだまだ無理が出来ると確信した長い長い一日が終わった。


男の寝息が満天の星空に美しくとけ込んで行く。

ときおりニヤリと微笑みながら。

そしてときおり無呼吸になりながら。



和歌山三大清流祭り 〜大塔川編へつづく〜




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まわる柿太郎

Posted by yukon780 on 22.2011 小川/和歌山 0 comments 0 trackback
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「あん時のアイツ」シリーズ第4弾は、和歌山県の「小川」(こがわ)をピックアップ。

2004年の5月に、和歌山を一人でぐるっと放浪した際の一コマだ。


小川は串本にある名川、古座川の支流の川。

当初僕は古座川を下ろうと思っていた。

しかし地元の人曰く、「小川を下らずして、古座川を語るべからず」と言わしめるほどの最高の川らしい。

水量があまりないから、雨が降った後がベストらしく条件もばっちりだ。

僕の旅にはいつだって雨が降っているから、その点は問題はない。

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確かこの時は西側から和歌山を回って来たと思う。

7年も前だから記憶がぶっ飛んでいる。

高野山から白浜の方に抜けて、日置川をカヌーで下って東に移動して来たはずだ。


途中にあった恋人岬。

左と右の両サイドから波が来て、岬の先端でぶつかリ合う珍しい場所だ。

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波と波が出会うラブリースポット。

この当時、彼女もいない僕はこの場所を苦々しく眺めた記憶がある。

この頃の僕の放つ恋の波は、誰にもぶつからないワンウェイの悲しい波だった。


悔しいから小便でもしてやろうか。

そんな事を考えていたら、

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見透かされている。

恐らく僕と同じようなワンウェイ野郎達の「怒りの放尿」騒ぎでもあったんだろう。

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やがてとても印象深い「橋杭岩」が登場する。

当時もそうだが、今でもここは結構僕を感動させてくれる。

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何やら伝説によると、弘法大師様が天の邪鬼との橋作り競争の時にバスンバスンと巨大岩の杭をうった名残らしい。

この手の弘法大師ネタは各地に残ってるけど、だんだん弘法大師もアイアンマン並の扱いになってるぞ。

いくらなんでも、ちょっと無理がある。

弘法大師様も「俺、そんな事してへんで。普通の坊主やで。」とビックリしてると思うぞ。

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やがてJR古座駅にあるカヌー艇庫に到着。

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ここは串本町の古座観光協会が管理していて、カヌーレンタルを行っている。

串本町は全国でも珍しいほど、カヌーに対して真剣に取り組んでくれているとても最高な町だ。

カヌー野郎達の天敵でもある漁協とも折り合いを付け、「ここから上流はアユ釣り、ここから下流はカヌー」とばっさり分けてくれているので、余計な事を考えずに下れる数少ない川だ。


さらにこの古座駅には「カヌータクシー」なるものがいる。

町ぐるみでこのカヌーというニッチな世界を応援してくれる、実にマニア受けの心憎いサービス。

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僕は自艇持込みだが、もちろん快くオッケーしてくれる。


タクシーのドライバーも地元の川好きのおっちゃんだったりするので、とても貴重な情報や話を聞くことが出来る。

僕の時は地元のアユ釣り好きのおっちゃんで、「とっておきのスタートポイントがあるから」と言って、おっちゃんおすすめのポイントで降ろしてくれた。

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確かにこんな場所は地元の人しか分からない。

というかこれカヌーどうやって川に降ろすのよ?

降ろされたはいいが、途方に暮れる僕。


結局悩んだ末に、「カヌーを落とす」という画期的な方法を試みてみた。

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実にワイルドな方法だったが、見事に降ろす事に成功。

大事大事に扱う事はもちろん大切な事だが、野山の遊び道具はワイルドに酷使するという美学もありなのだ。


川原に降り立った僕の前には、まさに秘境という感じの光景が広がる。

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最高にワクワクする瞬間。

「初めての川を下るときの高揚感は、10代の初デートに匹敵する」とは野田さんの言葉だが、まさに僕に好奇心や恐怖など様々な感情が駆け巡る瞬間だ。

僕には恋人岬など必要ない。ワンウェイの川下りこそ我が人生だ。


早速小川に漕ぎ出した。

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「ワンウェイの川下りこそ我が人生だ」と言いながらも、実は彼は遡上をしている。

一度遡上をしてから、再度川を下るのだ。

早速ぶれる彼の人生。

その理由は、この少し上流に「滝の拝」と呼ばれる何やらすごい場所があるらしいから。


小川の水は半端なく奇麗だ。

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鮎が泳いでる姿も丸見えで、青年のコーフンは止まらない。


その後もせっせと遡上をしていく。

しかし、瀬が出て来てカヌーを漕いでの遡上は厳しくなって来た。

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そんなに簡単に滝の拝に出ては、秘境感のありがたみが薄れるからちょうどいいだろう。

僕はカヌーを崖の上に担ぎ上げ、陸路で瀬を越えていく。

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この冒険感がたまらない。

気分はまさにインディージョーンズ。


再び川上の人になった僕は、奇妙な岩の回廊に吸い込まれていった。

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実はこの滝の拝、普通に車で来ればこの橋の上から拝めるんだが、それでは風情がないじゃない。

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己の力で下流からカヌーで遡上して、汗だくになって辿り着いてなんぼの世界だ。

思いがけず簡単に見られる事を知った僕の、負け惜しみも飛び出した。


それでもやっぱり川からの眺めは格別のものがある。

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ほんとカヌーやってて良かったと思える瞬間だ。

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最後は滝になっているので、行けるのはここまで。

漕いでも漕いでも進まないので、この場所なら延々とパドリング練習が出来る。

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滝の拝を堪能したら、いよいよ小川の川下りスタート。

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確かに水量は少ないが、水がキレイ過ぎてコーフンは止まらない。

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最高だ。最高すぎる。

まだちょっと寒い時期だったから潜れなかったが、夏場ならパラダイスだ。


途中途中で、いい感じの淵があればフライに興じてみる。

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この手のかわいらしい奴らが、パスパス釣れる。


ツアー客だろうか、色鮮やかなカヌーが何艇か通り過ぎていく。

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こんな川で初カヌーしちゃった日にゃ、今後はまっていくだろうなあ。


その後下っていってくと犬が寄って来た。

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カワイイなあ、と思って見ていると結構デカくてなんか怖いぞ。

すごい勢いで僕に迫ってくる。

顔が笑ってない。

怖くなって急いで漕ぎ抜けた。


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川はやがて「柿太郎のまわり」と呼ばれる区間へと突入する。

なぜ柿太郎のまわりと言うのかはさっぱリ分からないが、川が半端なく蛇行している区間。

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道路からも離れて、人工物の全くない夢のような区間だ。

ちなみにこの「柿太郎のまわり」を空から見るとこんな感じ。↓

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一度道路からおもっきり離れて、再び同じような場所に川が戻ってくる。


川野郎にとってまさに桃源郷。

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所々生唾ものの淵が現れ、最高の川原と最高の景色。

僕にとってはドバイのどんな高級ホテルより、ここに泊まりたい。


その後もどんどん下っていくと、とあるカヌーが目に入る。

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写真では分かりにくいが、カヌー犬ならぬ「カヌー猫」だった。

初めてカヌーに猫乗せている人を見た。

その時の猫の切ない表情が忘れられない。

間違いなく彼にとっては迷惑千万な事だったろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

このあと古座川に合流して、河口付近の古座駅近くまで漕いで行くんだがはっきり言って一日で漕ぐ距離ではなかった。

35キロくらい漕いだんじゃないだろうか。

前半あんなに楽しかったのに、後半はつらすぎて下向いて漕いでた記憶がある。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

串本町から北上中、その日の夜は雨が降って良い野宿場所が見つからなかった。

当時僕が乗っていた車はシートがフラットにならなかったので車中泊が出来なかった。

結局国道沿いの、トラックなどがゴゥゴゥ横切る東屋にテントを張った。

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非常に切ない思いをした事を今でも思い出す。

当時の僕は頑に野宿にこだわっていたから、自業自得だろう。

その思いは今も変わってないけどね。


小川はほんとに最高の川だ。

というか和歌山の川が大好きだ。

ぜひ皆さんも行ってみてはどうだろうか?


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