スポンサーサイト

Posted by yukon780 on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

四国清流行脚6・穴吹川編〜猛き黄金の滝〜

Posted by yukon780 on 27.2014 穴吹川/徳島 4 comments 0 trackback
anabuki.jpg

激動の2日間が過ぎて行った。

自由と清流に飢えた男がここまで下った川は5本。


1本目の「上八川川」では大満足の清流スタートダッシュ。

2本目の「仁淀川」では逆風地獄の孤独な戦いと三脚奉納。

3本目の「安居川」では奇跡の大清流で桃源郷を堪能。

4本目の「土居川」では世紀の早漏戦でマットに沈む。

5本目の「面河川」では過労と飢えに耐えながらの里川探訪。


色々とあったが、実に色濃い2デイズ。

くたびれた中年でも、無理に無理を重ねれば2日でここまで遊べるんだって事が判明した四国清流行脚の旅路。


しかし彼の釈放時間は残り1日。

なんとかシャバに出ている間に、穴吹川と鮎喰川の残りの2本を下っておきたい所。

そうすれば合計7本となり、3日で1週間分遊び尽くしたという「ゴールデンウィーク」が完成するのである。


そしてその3日目の1発目は、僕の大好きな清流「穴吹川」。

穴吹さんは、僕を清流好き・四国好きにした張本人。

言ってみれば穴吹さんは、四国清流の「鉄板リバー」なのである。


さらにここで、やっとこさ横浜組との合同川下りが実現。

今回僕は嫁に対して「横浜組の皆さんが四国に行く。私も行って四国の川を案内せねばならんのだ。私が行かないと彼らは四国の地で路頭に迷ってしまうのだ。」と言って出て来たが、ここまでの5本は完全に一人旅。

案内するも何も、勝手に一人で四国内の川をシコシコと徘徊するだけの驚異的自慰プレー。

結果的に横浜組の前には夜にしか現れないという、レアな隠れキャラ的存在と化していた。


しかしついに僕はぼっちから卒業。

清々しく晴れた空のもと、大清流穴吹川を愉快な仲間と一緒に楽しい川下りだ。

もはや後はただただ浮かれるだけなのだ。



だが前回に引き続き、彼は無念にまみれて四国を追い出される事になる。

前回は39度の高熱による強制送還だったが、今回は実にストレートだ。


四国清流行脚・最終章「穴吹川」。

「7本下る」と言いながら、この6本目で「最終章」と言っている時点である程度は察していただきたい。


それではそんな最終章。

しとしとと振り返って行きましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ここはどこだ?

私は今どこにいる?

なんだ、この体の気怠さは?


思い出せ。

そうだ、ここは四国。

確か昨日は1日で3本の川を下ったんだった。

そして疲れ果て、僕はテントを立てるのも億劫で車中泊したんだ。


そうか。

最終日の朝が来たんだ。

今日は鉄板清流の穴吹川を下るんだ。

一人じゃなく、横浜組のメンバーと一緒にワイワイと。

しかも本日も快晴予報。

この旅の出発直前の天気予報では、晴れ時々曇りだったっけ。


さあ、そろそろ目を覚まそう。

僕は朝日を浴びながら、一杯の熱いコーヒーを飲む時間が何より好きなのだ。


さあ、穴吹の爽やかな朝よ。

おはようございます!

IMGP2156_20140526152018b88.jpg

こ、これは...。


この感じ。

私はこの感じを知っている。

過去に何度も味わっているこのまさかな感じを。

この胸中に広がる、何とも言えないダークな感情のことも。


ついに追いつきやがったか。

我が相棒・モクモクさんよ。

IMGP2154_201405261520193c6.jpg

話が違うじゃないか気象庁。

あなた達は「晴れ時々曇り」って意味をちゃんと理解してるのか?

いや、今更気象庁に文句を言っても仕方が無い。

だって私は所詮、私なのだから。


僕は美木良介よりも深いため息を吐きながら、静かに己の宿命を受け入れる。

そして本日の天気予報を改めてチェック。

今日の予定は、9時から15時くらいまでに2本の川をカヌーをする予定で、

IMG_4180.png

夕方くらいに四国を出て行く予定なのね。

IMG_4181.png

僕は静かにiPhoneを置く。

そして天を見上げて、もう一度長く深いロングブレス。


さあ。

いつも通りの朝が来た。



車を出ると、猛烈にテンションの下がってる横浜組の顔。

誰も口にしないが、その表情からは「もう川下りしなくてもいいんじゃないすか」的なオーラが立ちこめている。

しかし今日が一時釈放最終日の僕としては、「雨が降っても川に入ればどうせ濡れるのです。さあ、みんな張り切って穴吹川を下りましょう!」と必死のアピール。

しかしこれに対しサディスティックシスターズの顔は、「お前が合流した途端このザマだ。この腐れビッチぼっち雨野郎!」と雄弁に罵倒していたのを僕は見逃さない。

僕はハラハラしつつ、もみ手で「えへへ...コースもショートコースに変更できますけど、どうすか?」と問えば、横浜組の面々は光の速さで「もちろんショートで」と言い放つ。


これにて本来の予定の半分の距離設定へ変更し、我々は白人神社下のスタート地点へ。

IMGP2159.jpg

そして今回はパックラフトではなく、今シーズン初めて「ゴエモン(NRSバンディット2)」の出撃。

そして僕が1年ぶりにゴエモンを広げると、何と中から煮干しみたいな魚が出現。

IMGP2158_20140526155457c9b.jpg

恐らく1年前に偶然艇内に忍び込み、そのまま我が家の倉庫で熟成されてしまったのだろう。

このまま下っていたら、相当良いダシが取れてしまう所だった。

普段からあまり家でカヌーを洗わない僕は、たまにこのような「時空を超えたメッセージ」を受け取る事がある。

横浜組からも以前のカヌーは「ぬめりカヌー」と言われたものだが、今後このゴエモンは「煮干しカヌー」と讃えられる事だろう。


そんなこんなをしていると、とりあえず雨はギリギリな感じのしとしとをキープし始める。

僕からしたら、これはもう十分なツーリング日和。

そしてこんな天気だろうと、鉄板清流穴吹川はご覧の透明感。

IMGP2162.jpg

さすがは四国が誇る清純派アイドルリバー。

太陽の光でお化粧しなくても、スッピンですら僕を悩殺して来るではないか。


これにはあれ程心が帰宅モード一色になりかけていた横浜組も満足。

僕としてもこの四国清流行脚も3日目にして、やっとぼっちから卒業して笑顔の出発記念写真。

左からサディスティックシスターズの女優EとサケヤK、ダッチャーS、ビッチボッチ、バターNの面々。

IMGP2160_20140526160609951.jpg

今にも悦びのコサックダンスが始まりそうなほど、皆のテンションも上がって来た。


そして僕の後ろにはケツ叩き係として女優Eが配備。

IMGP2166_20140526160613e59.jpg

彼女も笑顔で人差し指と中指を立て、「調子こいたらいつでもお前の両目を潰す準備はできている」と言わんばかりだ。


一方天然系マゾ男のバターNは、同じくサディスティックガールのサケヤKとペア。

IMGP2165.jpg

出発前からダッキーのベイラーの開閉がうまくできずにまごつくバターNに対し、イライラするサケヤKの酒焼け罵声が発せられてさらに焦るバターN。

それでももたもたするバターNに対し、サケヤKはサンダルを水で濡らして「そろそろアタイのサンダルにモノ言わせるよ?」と準備開始。

IMGP2169.jpg

スタート直後から止まらない青と黄色のSM艦隊。

そしてそんなSM艦隊の模様を、遠くで一人雄大に待ちぼうけプレイを食らうダッチャーS。

IMGP2172_201405261606233ed.jpg

天気も良いし、本日も陽気な川下りの始まりだ。


しかし、実はこの時期の穴吹川はとある危険が潜んでいる。

それはこの川の上に張り巡らされた「鵜避けのテグス糸」だ。

IMGP2175_2014052616403958c.jpg

これがまた川ギリギリで張ってある事も有り、気づかずに突入したら大惨事。

言ってみれば、川の両岸にライガとフウガがいるのと同じ危険度なのだ。

fraiken.jpg

知らずに突入したら、スパスパに切り裂かれてしまう。

何とかそうならないように、我々はこの「穴吹二神風雷拳」を見切りながら突き進む。

IMGP2178.jpg

まるでダッチャーSが凄く面白いことを言って、バターNとサケヤKがドッと大笑いしているように見えるがさにあらず。

リンボースタイルで紙一重で糸を避けるという、彼ら流の二神風雷拳破りの様子なのである。

IMGP2182.jpg

何も面白い事言ってないのに、どっかんどっかんウケまくる二人の新喜劇が止まらない。

いいぞ。

これなら雨だろうと、知らない人が見たらものすごく楽しそうな川下りに見える事請け合いだ。


やがてお馴染みの沈下橋が出て来たので、

IMGP2185.jpg

恒例の撮影会でさらなるテンションアップを狙う。

IMGP2189_201405261656534df.jpg

沈下橋は雰囲気も抜群だが、このような写真が撮れるのも魅力の一つ。

女優Eが颯爽と漕ぎ抜けて行くと、

IMGP2195.jpg

ダッチャーSが二刀流パドルという画期的な漕法を見せつける。

IMGP2199.jpg

見た目は馬上の前田慶次みたいで勇ましいが、実際はパドルが干渉し合って全く船をコントロールできていない。

そしてそんな男らしい二刀流男の次には、バターNがタバコ片手に北方謙三ばりのダンディ漕法。

IMGP2210.jpg

IMGP2213.jpg

このように、雨だからといって無理矢理テンションを上げて行こうと必死の茶番が展開。

やがて彼らは「SM船隊セイリュージャー」となって、強引に気分を盛り上げる。

IMGP2218_20140526165713894.jpg

やはりこのような気分が沈んじゃうような時にこそ、仲間が必要なのである。

今日だけは己撮りで体育座りしてるぼっち写真とか撮らなくても良いのである。


やがてメンバー交代を繰り返しながら、相変わらずの天気の中下って行く。

基本的にこの日はスペシャルな渇水日で、瀬に迫力は無い。

IMGP2220.jpg

雨が降ったときこそ大きな瀬でザッブンザッブン水を浴びて楽しみたいんだが、それもできない中途半端さ。

それでもテンションを下げる事無く、良い雰囲気の中を下って行く。

IMGP2242_2014052617214937e.jpg

IMGP2251.jpg

しかしそんな状況の時にこそ手を緩めないのが我が相棒。

ついにしっかりとした雨が降り始め、水面に波紋が広がってもはや清流の姿すら拝めない。

IMGP2238.jpg

再び下がって行く士気。

すっかり本降りになって来た頃には、「ショートコースにしたけどさ、さらにショートにして途中でやめようか?」という哀しい会議が執り行われるまでに。

IMGP2250_20140526173054134.jpg

無理矢理テンションを上げて来たが、やはりそこは所詮ヤラセテンション。

彼らの会話は雨で良く聞き取れないが、その端々から「やっぱアイツが...」「アイツが合流してから...」「アイツさえいなければ...」的な会話が聞こえて来たような来ないような。

結局さらにショートコースに設定して、ここで早々と撤退宣言炸裂。

雨の中でサクッと瀬を越えて、

IMGP2253_2014052617222222e.jpg

いよいよ色彩が黒ずんで来た光景の中を突き進み、

IMGP2257_20140526172228dbd.jpg

早々とゴール。

IMGP2259_201405261722341a0.jpg

こうして僕が憧れ続けた「いよいよ横浜組の面々と大快晴のもとでワイワイと川下り」という夢が、あまりにもイメージと遠い場所に着陸した。

もはやこの頃には、雨も「本降り」と言っていいほどのあまりにもしっかりとしたものに。


そしてコース途中下車をしたと言う事が何を意味するのか?

それはこの雨の中、僕が走って車を取りに行くという事を意味するのだ。

IMGP2266_20140526174654d51.jpg

こうして彼は再びビッチぼっちマゾに邁進する事に。

今まで一人の時でもなんとかランニング回送だけは免れていたが、なぜか車が二台あるこの穴吹川でまさかのレイニーソロランニング。

結局一人だろうと数人だろうと、マゾの道はマゾなのである。


カヌー自体はあっという間だったが、意外と長いスタートまでの3kmの道のり。

パドリングシューズで走る地味な雨の道は、もはや罰ゲーム。

IMG_4188.jpg

時折すれ違う車の運転手が、何か見てはいけないものを見てしまったかのような顔で僕を見る。

それでもこのズブ濡れのドブネズミは、シューズの中をガッポガッポ言わせながら仲間達の為に走り続ける。

IMG_4187.jpg

この時の姿が、後に太宰治虫によって「走れマゾス」として発表された事はあまりにも有名だ。


そして全身から湯気をモクモク出しながら男が車とともに帰還。

IMGP2280_201405261746459cc.jpg

こうして2.4kmの短すぎる戦いは終わりを告げた。


より大きな地図で 穴吹川ショート2.5km を表示


本来であれば僕は穴吹川のゴール地点で横浜組に別れを告げ、その足で7本目の鮎喰川へ行く予定だった。

しかし雨は美しいまでの本降りを決め込み、僕はずぶ濡れな上にランニングによって汗だくだという汚物状態。

そしてタイミング良く、このゴール地点に温泉施設があった。


これにより僕の中に葛藤が巻き起こる。

まだまだ遊び抜きたいが、はっきり言って心身共にボロボロの状態。

すると僕の心の中にもう一人の僕が現れる。

やがてその僕はボロボロの僕を抱きかかえて、こう言った。

img165.jpg

ボロボロの僕は、「7本下るって言っておきながら、あと1本...あと1本が....」と涙する。

しかしもう一人の僕は、優しく「もう十分だ。温泉に入りなさい。さあ、ヘリが迎えに来ている。獄長がカサンドラで君を待っているぞ。」と耳元で囁く。


こうして僕は温泉の魅力に抗う事が出来ず、そのままそこでご入浴。

もちろんここでサッパリしてしまった僕は、再びあえて雨の中の鮎喰川に突入して行く気もキレイさっぱり無くなった。

あくまでも今回は清流を求める旅路だったので、好き好んで雨の川を下るようなマゾ行為は必要ない。

鮎喰川はまた次回のお楽しみに取っておく事にしよう。


これですっかり骨抜きになったご一行。

徳島ラーメンの名店、王王軒の行列に並んじゃったりして完全にただの観光客に。

IMG_4194.jpg

IMG_4196.jpg

そして前日はカロリーメイトかじって餓死寸前になりながらでも遊び抜いたものだったが、早くもこの3日で失ったカロリーを取り戻してしまった僕。

やはり人間一度快楽に身を任せてしまうと、もはやその先は欲望のローリングストーンなのだ。


そしてここで横浜組と別れ、即座に四国脱出。

IMGP2286.jpg

2年前は発熱強制送還だったが、今回は「純粋に雨」という王道パターンでの退去となった。

もちろん僕が出て行くのを待っていたかのように、この頃にはすっかり四国の雨は上がっている。


で、ヘロヘロにくたばった状態の僕の前には「お待ちしていましたよ」とばかりに、このような素敵なおもてなしが展開。

IMGP2287_20140527135940f19.jpg

吹田ジャンクション付近で突如始まった「GW渋滞 featuring 事故渋滞」のスペシャルゲリラライブ。

次々と観客が殺到し、車の列はピクリとも動かない。

「次のSAでオシッコしよう」と心に決めていた僕には、もはやそれは絶望への行列にしか見えない。


額に滲み始める脂汗。

次第に小刻みに震え出す手足。

瞳孔はカッと見開き、膀胱は無言の悲鳴を上げ続ける。


そしてこんな時に限ってペットボトルが無く、我が手元にあるアイテムはコンビニのコーヒーカップ(Sサイズ)のみ。

IMG_4199.jpg

どう考えても、コイツが私のこの熱く溜まった思いを受けきれる気がしない。

何度頭の中でシュミレーションしてみても、結果は大惨事にしか辿り着かない。

万が一ギリギリの表面張力状態でおさまったとしても、そこからの運転は「頭文字D」ばりの高級テクニックが必要とされる。

もうダメだ...。


いよいよ決断の時を迫られる脂汗男。

この旅で最も過酷な命のやり取り。

コーヒーカップという無謀な挑戦に挑んで後世に名を残すか、それとも堂々と窓から露出放射して警察のご厄介になるかの攻防戦。

最悪パックラフトの空気注入口から中へ...などという、新しいパックラフトの使い方のご提案すら頭をよぎり始める。

しかし二児のパパとしてのプライドが、なんとか彼を自制させる。


そんな厳しい戦いをどれほどした事だろう。

やがて事故区間を抜け、車が動き出す。

そして現れた吹田のSAに、男は一切の迷いの無い表情でピットイン。


男は走る。

しかしその走る姿は激しい内股。

額の汗は蛭子さんの漫画みたいにダクダク。

もはやその顔色はデスラー総統のように青い。


やがて駆け込んだトイレという名の桃源郷。

男は募りに募った熱すぎる想いをぶちまける。

純白の陶器に、あまりにも美しい黄金の滝が流れ落ちる。

手足に電撃が走り、感動のあまり男の目にはひと雫の涙。


そう、このゴールデンな滝こそこの男にとっての7本目の川。

そしてそこで流されたひと雫の涙こそが、最後の大清流。

こうして男の「7本の川を巡るゴールデンなウィークの清流行脚」は、この吹田SAでめでたく完成したのだ。


偉業をやり遂げて、ふぅぅーっと深い安堵の息を吐く勝利者。

IMG_4202_2014052714361642b.jpg

これにて男は人間としての尊厳も守り抜き、何とか家路に着く事にも成功。

そしてこの長い長い清流行脚の旅路は終わり、彼は再び育児お父さんに戻って行った。

実に過酷な「下見の旅」でございました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜おまけ〜


2日目の夜、彼が疲労と酔った勢いで落とした大事な一眼カメラ。

その後レンズに大きなヒビが入っている事が発覚し、レンズを買い替えざるを得なくなると言う無駄な出費。

そしてレンズ購入後に、カメラ本体もおかしくなっている事に気づいて要修理に。


さらに仁淀川でなくしたヌンチャク三脚。

己撮リストとしてはどうしても今後必要な物だから、同じものをネットで探すが生産中止でどこも在庫ゼロ。

唯一売っていたサイトで購入したら、見事にそこが詐欺サイトだったというまさか。

飛んで火に入る初夏のアホ。

当然三脚は僕の元には来ず、振り込んだお金は今頃遠く中国の地で元気で暮らしている事だろう。


そしてその後は、銀行との長い交渉や交番での警察とのやり取りに邁進。

被害金額以外にも貴重な時間までもが削り取られた挙げ句、当然返金の見込みはゼロ。



四国。

そこは美しい清流を提供する一方、毎回僕から何か大事な物を奪って行く死国。

四国を訪れる度に貯金は削り取られ、嫁の愛も衰退の一途。


それでも僕は四国が大好きだ。

例えまたチャイナサイトに詐欺られようが、嫁にサドられようが僕はまた四国に行くだろう。

何の犠牲も払わずに、清流には巡り会えない。

だからこそ価値があるはず。


僕は今後も清流を求めて、ボロボロになってでも全国をさすらう事だろう。


なぜなら私は清流ハンターなのだから。

そしてただのマゾ野郎なのだから。




四国清流行脚 〜完〜




スポンサーサイト

激流どうでしょう最終夜〜哀愁の朦朧流し〜

Posted by yukon780 on 15.2012 穴吹川/徳島 5 comments 0 trackback
IMGP7468_20120514174923.jpg


発熱強行軍で突入した穴吹川。

激流疲れの我々が求めた清流は、「アナブキよお前もか」と言ったまさかの激流ブルータス状態。

ユリアの川は裏切りのユダに支配された。


時は20XX年。

そこは暴力と激流と発熱が支配する混沌の世紀末。

新たな救世主伝説が始まるのか、それとも悲しみの敗退伝説で終焉の時を迎えるのか?


哀愁の穴吹川、後編です。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


増水で小濁りの穴吹川だったが、沈下橋までは非常に穏やかなツーリングだった。

しかし突如としてユダの親衛隊達が襲いかかって来た。


今回「ここは穏やかな川だから」と僕に促されて、初めてソロでダッキーを操る事になったダッチャーSに非情な試練が訪れる。

IMGP7424.jpg

彼は僕にコーディネートされるままに那賀川では渦にまかれ、今回穏やかな川と紹介された穴吹川で一人で激流に突入させられる羽目になってしまった。

しかしそれが我がマゾ塚カヌースクールの生徒の育て方。

彼も期待に応え、見事なドリフトで瀬と岩壁を乗り切った。

IMGP7427.jpg

しかし彼の顔に笑顔が見当たらない。

僕が彼の立場なら同じ表情だったことだろう。


さらに「ここは穏やかな川だからカナディアンカヌーで優雅に行きますか」と促され、優雅に瀬に突入するB旦那とバターNコンビ。

IMGP7430.jpg

彼らはたおやかに瀬を乗り越えて、その先のエディーで捕まり優雅に水没して行った。

マゾ塚カヌースクールの教えを忠実に守った男達。

IMGP7434.jpg

穏やかなはずだった川でのまさかの沈がこの先の不安を煽る。

以前僕がカヌーを引っ張りながら歩いて下った区間が、ことごとくユダ化している事を認識した。

IMGP7438.jpg

ユダ親衛隊に「UD」の焼印を刻み込まれて、二人はすっかりユダに忠誠のポーズだ。

恐ろしい。

絶対に僕は沈しないぞ。


しかし親衛隊達の波状攻撃は続く。

前方で穴吹川には似つかわしくない轟音が聞こえたので偵察。

IMGP7449.jpg

IMGP7450.jpg

結構な隠れ岩と勢いのある瀬。

小歩危に比べたら赤ちゃんのような瀬だが、安心を金で買っていない分その緊張感は小歩危を上回る。


そんな瀬も果敢に静水用カナディアンで攻めて行くマゾ&バター。

IMGP7453.jpg

陽気にガッツポーズしている男は、実はこの時点で体温38度くらいのヒートアップ状態。

まさに己の体を限界までいじめ抜いてユダに戦いを挑んだ、南斗水鳥拳レイのようなこの男の覚悟。

トキに最後の秘孔を突かれているから、僕はまだわずかだけ戦えるぞ。

(北斗の拳を知らない人には訳が分からないと思うが、気にせずに突き進みます)


続いてダッチャーS&B女房。

IMGP7457.jpg

思いがけず激流にまみれる事になってしまった男と、骨折疑惑のある女の果敢なるパドリング。

そして、B旦那が僕のゴエモンで突入。

IMGP7470.jpg

ゴエモンは船体が軽いから、このようなアッパーロデオを提供してくれる暴れ馬だ。

とんだ利かん坊だが、今回の旅で僕は決定的にゴエモンの事が好きになった。

散々悩んで買ってほんと良かったよ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ユダ親衛隊の追撃を逃れ、ようやく一時の静寂が訪れた。

IMGP7477.jpg

これでこそ、やっとカナディアンカヌーらしい雰囲気だ。

天気もよくて(時折突風に見舞われるが)、バターもとろけて寝漕ぎを始める。

IMGP7481_20120514175012.jpg

ああ、しあわせだなあ。

体調さえ良ければ。


川原での優雅な休憩風景に見えるが、僕はもうパドルで体を支える事がやっとだ。

IMGP7493_20120514175034.jpg

もう14時を過ぎて、朝マックのガソリンがきれて来てみんなぐったりしている。

今更ながら思うが、なぜこの人達は昼飯を買って来なかったのか?

IMGP7497.jpg

そう、これが当カヌースクール名物の集団マゾ奥義「ノンチャージパドリング」。

僕は講師なので、そこに個人マゾ奥義「発熱パドリング」を加えた上級テクニックを披露。


この辺りからついに僕は弱音を吐き始め、意識の朦朧化が始まり出す。

そう、これは鎮魂の「朦朧流し」。

これから失うであろう僕の最後の魂の叫びを、本人自らで弔うビッグイベントだ。


その後も容赦ないユダ親衛隊達の奇襲が続くが、僕の記憶は正直飛んでいる。

IMGP7525.jpg

IMGP7530.jpg

IMGP7531.jpg

ちなみにこのB女房の頭上にきらめく、川を横断する糸たち。

ミッションインポッシブルの赤外線の罠でもなければ、カサンドラの衛士ライガとフウガの二神風雷拳でもない。

恐らく漁協によるなんらかの目印かと思われるが、これがたまにたわんで川面付近にまで垂れ下がっている事がある。

これにカヌーのまま突っ込んで行こうものなら、それこそ南斗水鳥拳で「シャオッ」とやられた感じになるので気が抜けない。

上から糸、下から瀬、内から熱。

実にハードな三つ巴の戦い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ユダ本人との対決は突然やって来た。

今までの親衛隊の瀬などは目じゃない瀬に突然突入してしまった。


僕が先頭だったのでその際の写真はないが、この時は僕とダッチャーSのマゾダチコンビ。

今まで通りの親衛隊の瀬だと思っていたから、下見もせずに突き進んでしまった。

そんな隙を見逃さず、すかさずユダが水中から奇襲をかけて来た。

僕らをガツンと突き上げて、その先は落ち込みと岩壁がウェルカム体勢を取る。


この写真は後に撮ったものだが、水流が岩壁へ一直線だ。

IMGP7532.jpg

そんな岩壁に向けて、我々マゾダチコンビは意図に反して流れに逆らう事なく突っ込んで行く。

見事にダッキーの頭から男らしく岩壁へ突入していった。


「うわー」とかの叫び声は一切なく、お互いに無言。

必死さと恐怖で、お互いの顔が引きつっているのが分かった。

そのまま岩壁に頭から激突し、車の衝突テストのダミー人形のようにガクンと体が揺れる。

必死でバランスを取る無表情のダミー人形達。

そのままダッキーの頭を起点にして、回転しながら僕らは流された。


なんとか沈は免れたが、ダッチャーSは那賀川・吉野川に引き続き、本日もこの穴吹川で激流大回転する羽目となった。

もう誰にも彼の事を初心者なんて言わせない。

彼は入校するカヌースクールを間違えてしまったようだが、誰よりも「回転する事」と「挟む事」をこの旅で学んだようだ。


無事に岸につけた我々は、急いで後続の連中にパドルを使って大きく「×」印を作ってユダの存在を知らせた。


僕はこのユダの瀬でのパワープレイで、いよいよ体調の悪化が決定的なものとなった。

もはや引退時の千代の富士のような心境で、気力と体力の限界を感じていた。

しかし、その犠牲のもとについにユダをねじ伏せる事に成功したのだ。

レイの宿星は「義星」だが、僕の宿星は「犠牲」。


ユダよ、我が胸で安らかに眠れ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その後もユダ親衛隊の残党を駆逐しながらの行軍。

IMGP7538.jpg

穴吹川ってこんな川だっけか?

あの穏やかだった日々を取り戻したい。


そして僕の朦朧度と体温は右肩上がり。

もはや立っているのもやっとで、僕一人だけが「ゴールデンウィークのレジャー中」から「ゴールデンマゾのデンジャー中」のオーラを放ち始める。

食あたりならぬ、普段から日光慣れしていない男の「日あたり」状態。

そしてこれがわざわざ苦心して嫁からGW外出許可を勝ち取って、はるばる四国まで楽しみに来た男の末路だ。

IMGP7545.jpg

一般の人はこの姿を見て「この人は楽しんでいるのか?」という疑問を持つかもしれない。

もちろん、さすがの僕でもこの状況を楽しめたら今後「マゾキング」と名乗るが、まだまだそんな器ではない。



しかしここで思いがけない出会いがあった。

以前にマニアックなニッチ雑誌「カヌーライフ」で記事を読んだ事のある、四国の川や山のガイド会社「Trip」の代表の方に遭遇したのだ。

旅先での出会いを大事にする僕としては、朦朧としている場合じゃない。

IMGP7548.jpg

僕は渾身の空元気を発動し、一緒に写真を撮ってもらった。

悪寒の為にバターNからパドリングジャケットを借りて着ている姿が痛々しいが、中々貴重な出会いを楽しめた。

「後で遊びにおいでよ」と嬉しいお誘いがあったが、遊びに行ったら僕はそのまま彼に介護してもらう事になるだろう。

それはあまりにも申し訳なかったし、基本的に無理だった。

また今度落ち着いてゆっくりとお話がしたいものだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


フラフラと流されていく朦朧野郎。

すると川の岩壁に立っている子供達を発見。

そしてその下流でその母親らしき人が「その子達を助けて下さい」と言ってるじゃないか。

どうやら、流されて岩に辿り着いて立ち往生していた状態だったようだ。

正直僕の方が「私を助けて下さい」と言いたかったが、ここは一発レスキューカヌー部隊の出動だ。


まず僕が小さい方の子供二名を救出。



この子達も、まさか病人に助けられるとは思ってもいなかったろう。

その後、大きな子の方をダッチ女房コンビ(このネーミングは危険だな)が救出。

IMGP7568_20120514175406.jpg

そして何気に岸に戻れなくなっていたお母さんをバター旦那コンビが救出した。

IMGP7573_20120514175505.jpg

カナディアンカヌーで救出される姿を見て、僕が助けた子供達が「あっちのが良かったな」などとぬかし出す。

発熱をおしてまでの勇気ある救出おじさんに対する、子供達の心ないツイート。

フォロー損のくたびれもうけだ。


まあ、しかし人助けの後には我々の心には清々しい風が吹いていた。

こんな我々でも人様のお役に立てたのだ。

基本ただ遊んでるだけなんだが、何やらそれも正当化されたようで気分がよろしい。



意外と長い旅だったが、最後にある堰を越えて、

IMGP7574_20120514175524.jpg

いよいよゴールの川原が近づいて来る。

IMGP7580.jpg

以前に来た時は僕はここで一人きりでBBQ客の衆目に晒され、子供達に指を指されながらの羞恥ゴールだった事を思い出す。

しかし今回は仲間がいる事で堂々とゴールだ。

IMGP7587.jpg

そして僕はフラフラと上陸し、その場に倒れ込む。

長い戦いを終えた美しき男の姿だ。

IMGP7588.jpg

IMGP7589.jpg

IMGP7590.jpg

男は静かに息を引き取った。

トキの秘孔の効果が無くなって、犠牲の男は南斗の星に還って行った。


新車購入のため今回の旅が最後となる相棒のエクストレイルが、変わり果てたご主人様の姿を見てすっかり「お手上げ」の状態だ。

IMGP7598.jpg

平熱が36度に満たない僕だが、恐らくこの時の僕は39度近い熱が出ていたはずだ。

目も当てられない旅の終焉となった。


僕の意識はほとんどなかったが、eTrexはしっかりとログを取得しています。


より大きな地図で 穴吹川 を表示



本来であれば僕はここで皆と別れて別行動を取る予定だった。

限りあるGWをフルで遊ぶ為、翌日は帰宅がてら京都の宇治川を下ってやろうと目論んでいた。

しかし先ほどの写真をご覧になってお分かりのように、僕の頭上には「GAME OVER」の文字と死兆星が輝いている。

それでもまだ「遊ぶ」と言い張る僕だったが、結局見かねたB旦那が僕の車を運転してくれて、何と岐阜まで搬送してくれた。

僕はもはや自力で死国を脱出する力が残っていなかったのだ。

ワンピースで廃船直前のゴーングメリー号が瀕死で動けないルフィを運んだように、最後のエクストレイルが動けない僕を死国から運び出してくれた感動のワンシーン。


こうして僕の念願だったGWの四国遠征は壮絶な最期で幕を閉じた。

腰痛を抱えて家を出た男が、病人となって帰って来るという悲惨な末路。

僕もたまには普通の人のような楽しいGWを味わってみたい。

でもこれが僕の生きる世界。


こうして男はいつも通りの旅を満喫し、また新たなマゾを求めて彷徨い始める。

死して屍拾う者なし。

男は再びイバラの道を歩き始めた。



激流どうでしょう 〜完〜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜おまけ〜


GW最終日の早朝に無事帰宅。

風邪を引いている事が分かった途端、嫁に「近寄るな」「触るな」と汚物扱いを受ける男。

頑張って帰宅した男に対する無情な罵声の嵐。

昔はちゃんと心配してくれたのに、時の流れとは残酷なものだ。


久しぶりに会う我が息子を抱きしめようとしたが、もちろん嫁によって引きはがされた。

熱が38度あるなんて言ったら家を追い出されそうだったから、僕はあくまで「風邪気味」だ「熱もない」とアピール。

だったらってことで、何故かデパートの「アンパンマンショー」に行かされる事になってしまった。

そこで下された無情な指令が「屋外ステージでの場所取り」というミッション。

523787_403152803050159_100000663292144_1276768_185862501_n.jpg

野外の風が、病人の身に染み渡る。

こんな事なら無理してでも宇治川下っておけば良かった。


やがてアンパンマンが登場したが、一番助けを求めている僕に目もくれずにバイキンマンと戦っている。

今この会場で一番真っ白な顔をしているのはショクパンマンではなく僕だ。


思った以上に長いショーが終わったとき、僕はジョーになっていた。

僕だけがモノクロで劇画チックにうなだれている。

僕の風邪はこの屋外アンパンマンショーで、ついにパーフェクトな完成型となった。


僕は大人しく高熱である事を白状し、激しく怒られながら帰宅した。

そこからの先の記憶がない。

それとも自分で記憶から消してしまったのか。

今となっては分からない。


男はこの日から一週間以上、たっぷりと風邪と戯れる事になる。

男のゴールデンウィークはまだまだ終わらないのだ。


〜完〜


激流どうでしょう第4夜〜裏切りのユダ〜

Posted by yukon780 on 15.2012 穴吹川/徳島 4 comments 0 trackback
IMGP7405_20120515151945.jpg


初日は濁流にまみれ、二日目は激流と病魔の狭間で揺れた小歩危ラフト。

我々の中に「そろそろ清流でのんびりとカヌーがしたい」という欲求が高まっていた。


しかしその点、今回の四国旅の敏腕コーディネーターの僕としては抜かりはなかった。

抜かりはなかったはずだった。

裏切りの宿星を戴く、あいつが現れるまでは。




那賀川、吉野川と来て3本目にチョイスしたのは「穴吹川」。

まさに僕の中では満を持しての登場で、絶対に皆に堪能してもらいたかった「THE清流」。

以前にも紹介した通り、現実的じゃない程の良い女としてユリアに例えて絶賛した四国一の清流だ。(参考記事


しかし今回、我々の目の前に現れた穴吹川にはユリアの面影はなくなっていた。

清流ユリアが三日前の雨によるまさかの激流化で、「南斗紅鶴拳のユダ」へと変貌を遂げていたのだ。


そんな妖星のユダとの戦いの記録を、2回に分けて振り返って行こう。

前編の今夜は、本格的なユダとの戦い前のプロローグです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝。

僕は明らかな体の異変で目が覚める。


鼻の奥と喉が激しく痛み、体は熱っぽくて凄まじいほどの倦怠感。

実に分かり易く僕に襲いかかってきた「風邪の諸症状」達。

連日の冷水川下りと寒風ダッチナイトの傷跡からついに死国の病魔が侵入して来たようだ。


僕はもそもそとテントから這い出る。

そこに展開されていたのは、この旅で最高の快晴の世界だった。

IMGP7257.jpg

これはイヤミなのか?

寄りによってこんな体調の時に晴れるなんて。

快晴を得るにはこれほどの犠牲を払わねばならんものなのか。


何やら悔しいが気を取り直す。

せっかくの快晴に体調が悪いだの熱っぽいだなどと言ってる場合じゃない。

ここは一発、朝一の快調な放便からスタートしてやろう。

僕は川原に併設してあった公衆トイレへ向った。



なんて事だ。

分身を切り離した後に突きつけられた真実。

紙がないじゃないか。


周りを見渡すとポケットティッシュが落ちていたが、残機はわずかに2枚。

こいつは朝からスペクタクルな展開になって来た。


僕は慎重に2枚のテッシュを切って4枚へとセパレートし、1枚1枚に渾身の集中力を注ぎ込みケツを拭く。

不幸中の幸いで本日の出血サービスは見送られていて助かった。


こうして僕は無事に早朝のハイレベルな排便をこなした。

今日の長い一日を予感させる、不安な立ち上がりとなった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


みんなはまだ寝てるから、一人で周辺をサイクリングし川の状態を見に行った。

ゆっくり休んでればいいものを、晴れていると気持ちが焦って動かずにはいられないのだ。


キャンプした川原を反対から見るとこんな感じだ。

IMGP7261.jpg

このだだっ広い川原に、キャンプしてるのはわずかに2組。

みんなGWにわざわざ混雑するキャンプ場に行かなくても、こんなに極上なキャンプ地があるんですよ。


で、肝心の川はと言うとご覧の有様。

IMGP7266.jpg

やはりこの前の豪雨で、増水して濁っちゃってる。


この時の僕のショックがお分かりいただけるだろうか?

何も知らない人は「そこそこ奇麗じゃない」なんてことをぬかすだろう。

しかし、僕はこいつの本来の姿を知っている。

上流からミネラルウォーターを流し続けているんじゃないかというクリアウォーターの世界だったのに。

こんなのユリアじゃない。


あの豪雨から3日経っているから、ユリアの力を持ってすれば回復していると踏んだんだが。

やはり川の回復力が落ちて来ているんだろうか?

このままでは僕はみんなから「ウソップ」呼ばわりだ。

僕の名誉の為にあん時のユリアの写真をここに載っけておく。

DSC03153.jpg

DSC03147.jpg

DSC03171.jpg

これこそユリアの本来の姿なのに。


期待を大きく裏切られた。

ユリアだと思って抱きついたら、筋肉ムキムキの厚化粧のユダでしたという驚愕度。

さすがは裏切りの宿星のユダ。


せっかくの晴天なのに、清流は濁流で僕の平熱は微熱と化す。

あまりにも悔しすぎる。

本日もバッチリと起き抜けからの一人ガッカリを楽しんでテントへと戻った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


もう風邪だろうがユダだろうが、ここまできたらこの晴天を堪能するまでだ。

晴天時に焦燥感に支配される僕は誰にも止められない。


僕はまだ寝ている人間を叩き起こし、皆がテントを乾かしている間に時短の為に一人で全員分の朝食をマックに買いに行く。

IMGP7267.jpg

わずかな時間も惜しい。

急がないといつ天候が崩れて、僕の体調も粉々に崩れていくか分かったもんじゃない。


早々に撤収作業を済ませ、スタート地点の白人神社下の川原へと移動。

ここが神社脇の川へ降りて行く道。

IMGP7272.jpg

ここにある宮崎駿風の穴吹の「A」マークが目印だ。

IMGP7271.jpg

でも、川原までは車で降りれないから途中のスペースに車を停めてカヌーを運びます。

IMGP7275.jpg

ふと、穴吹川を見てみる。

何やら増水して、清流穴吹川が「激流化」している気がするぞ。

IMGP7274.jpg

以前来た時は渇水気味で、僕はこの川をほとんど歩いて下ったものだが、本日は随分と荒れていらっしゃる。

もうあの頃の面影は全くなく、見事にユダに支配されてしまったようだ。


ここでやっと登場するのが「清流用」として持って来たカナディアンカヌー。

本来は静水域を優雅に漕ぐもので、決して激流のユダと戦う為のものではない。

ましてや大人三人で乗るものでもない。

IMGP7279.jpg

IMGP7302.jpg

IMGP7306.jpg

試しにやってみたんだが、その不安定感はかなりのスリルを味わえる。

しかし悪ノリは続き、四人でのトライ。

「仕掛けた罠に大ウナギがかかっているかを見に行く原住民」と旅行者たち。

IMGP7322.jpg

約一名、先頭に裸体の原住民が乗っているように見えるがこれはバターNだ。

まだ着替え前なのに落水の危険がある遊びが始まってしまったので、いっその事脱いでしまったのだ。


あれこれ準備しながら遊んでいると、地元のおっちゃんが話しかけて来る。

IMGP7325.jpg

「てっきりなんかの撮影してるのかと思ったよ」と言われてしまった。

裸体でカナディアンカヌーに荒々しく乗る男のグラビア撮影会とでも思ったんだろうか?

我々は月刊さぶの関係者と思われたかもしれない。


実は色々あって、まだスタートしてないのにずっとこの場所で遊んでいた。

IMGP7355_20120514174340.jpg

なんとあんなに早く起きたにも拘らず、昼の1時からのスタートになってしまった。

本日も初日に続き昼メシ抜きで、朝マックだけで今日一日を乗り切ることになった。

IMGP7358.jpg

実はこの時点で僕の体調は、良くなりそうな予感ゼロの絶望的な下り坂を転がり始めていた。

それでも、せっかくの快晴を無駄に出来ない。

こうして死国3本目の川下りが始まった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


前回は水量がなくて苦労した区間も、増水によりスイスイと流れて行く。

IMGP7365.jpg

やはり四国随一の川、穴吹川。

たとえ川が濁っていても、その優しげな雰囲気と周りの景色が雄大で気持ち良い。

味わい深い沈下橋が「ようこそ」と出迎えてくれる。

IMGP7369.jpg

しかし、僕の気分は沈下橋よりも沈下してした。

体がしんどすぎて中々浮上出来ない。

「晴れている」という事が、逆に僕を「せっかく晴れているのに」という気分にさせて気持ちをへこませるのだ。


でもここは、沈下橋恒例の橋の上からの撮影会でテンションを無理くり上げてやろう。

IMGP7371.jpg

こういう写真が撮れるのが沈下橋ならではだね。

IMGP7377.jpg

IMGP7392.jpg

そして再びここでも悪ノリが始まる。

晴れていると何か人間の大事な線が緩んでしまうようだ。

よせばいいのに再び四人乗りカナディアン。

IMGP7403.jpg

先頭を漕ぐ僕だけが必死だ。

今ここで沈してこの冷水に身を預けた瞬間に、僕の旅はゲームオーバーになってしまう。

ホイミすら使えない状態でラスボスに挑んで行くドラクエパーティー気分。

先頭を行く勇者の残りHPはわずかなオレンジ色状態で、「いてつくはどう」ですら食らったら死んでしまいそうだ。


ここまでは、中々のんびりとしたカヌーを満喫出来ている。

IMGP7409.jpg

しかしここまではまだユダは本当の実力を出して来ていない。

ここからが「裏切りの宿星」と言われるユダの真骨頂。

この先は「UD」の焼印が入ったアップダウンの瀬が押し寄せる。


この先、清流穴吹川が増水によって激しい激流に変貌している事をこの時の僕らは知る由もない。

何も知らない陽気な四人と病人一人が穴吹の黒い穴に吸い込まれて行った。


ある者は静かに川に転落し、ある者は人命を救助し、またある者は最後に力尽きてしまう非情なる穴吹の世界。

そこは体温38度オーバーの夢のマゾワールド。

男の朦朧度が加速する。



〜激流どうでしょう、最終夜へつづく〜


ユリア・・・永遠に〜穴吹川編〜

Posted by yukon780 on 20.2012 穴吹川/徳島 6 comments 0 trackback
DSC03153.jpg

「四国なアイツ」の2回目一人カヌー旅6日目。

「海部川」「黒尊川」「四万十川」の川旅を経て、徳島県の「穴吹川」に到達。

実は今回の旅で、一番楽しみにしていた川だ。


穴吹川は大河吉野川の支流の小さな川。

この当時、「四国一の清流」と評価され始め、年々カヌーで下る奴らが徐々に増えていた頃。

何やら「最後の清流」とか「日本一の清流」とか、その手の称号を冠する川が増えていて大阪のたこ焼き屋みたいになっているが、僕はここで断言する。

四国で堂々と「清流」と名乗ってしかるべきは、この「穴吹川」だと。


黒尊川の夜に己の「穴」と「清流」を守り抜いた男へのご褒美タイムが始まる。

そんな穴吹川のカヌーツーリングの模様を振り返ってみよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

朝5時起床。

朝食をすまし、車でスタート地点の白人神社へ移動。

カヌーを膨らませ出発。

DSC03143.jpg

そして、出発後すぐに僕はもう感動の渦に巻き込まれていた。

なんなんだ、この水の透明度は。

DSC03144.jpg

とにかくもう素晴らしく美しい川だ。

ただただ呆然と立ち尽くし、その水質の良さに見とれてしまった。


四万十川のホッとする温かさが八千草薫で、海部川が落ち着いた美人の黒木瞳、黒尊川が平井堅だとするならば、穴吹川は北斗の拳のユリアような透明度の美しさを誇る川だ。

例えが自分でもよく分からないが、とにかく現実世界ではあり得ない程の美しさという事を感じていただきたい。

とにかく、こんないい女はそうはいないぞと呟きながら川を下っていく。


DSC03145.jpg

少し高い位置から川を覗くと、どでかい魚から小魚の群れがもう申し訳ないくらいに丸見えだ。

DSC03148.jpg

DSC03147.jpg

雨が降り続いた後なのに、この水質状態。信じられます?

上流の方でパートのおばちゃん達が大量のミネラルウォーターを流してるとしか思えない水質。

清流という言葉はこういった川のことを言うんだと思い知らされる。

DSC03149.jpg

DSC03152.jpg

全体の距離は短いが、漕いでは上陸、そして呆然を繰り返したので結構時間がかかる。

この時の僕は、ずっと口を開けて随分とアホ面だったはずだ。


深い部分に長いパドルを突き刺してもこの通り。

DSC03154.jpg

底まで丸見え。

羞恥心のかけらも無い川だ。

いくらなんでも見せ過ぎだろう。


周囲の風景も、道沿いではあるが色濃い自然で目にも楽しい。

DSC03156.jpg

山深い川というより、山里の小川といった感じがなんとも可愛らしい女だ。

さすがは南斗の慈母星と言われるユリア。

ラオウが夢中になるのもうなずける。


岸の水たまりでは大量のオタマジャクシ。

DSC03157.jpg

なんとものどかで良い感じ。

DSC03158.jpg

DSC03159.jpg

DSC03160.jpg

下を覗けば、僕とカヌーの影が川底に映り、まさに空を浮かんでいるような感覚だ。

DSC03164.jpg

僕はこの時までまで20本以上の日本の川を下ったが、それはこの川に出会うために旅をしてきたと思えるほどに感動していた。

和歌山の赤木川もすばらしいが、清流っぷりでは穴吹川は群を抜いている。

ジゴロのジュウザが夢中になるのもよく分かる。



ほんと、良い川と良い女はよく似ている。

その美しさと母性であっという間に男を魅了し、やがてずるずると引きずり込み男の動きを止める。

やがてラオウは愛馬黒王号から降ろされる事になった。

DSC03167.jpg

DSC03165.jpg

ユリアは時折愛が浅くなるので、カヌーを引っ張って川を下る事になる。

しばらくは川下りというか「川歩き」がつづく。

中々に大変な作業だが、美しいからすべてを許してしまう。

DSC03168.jpg

夏場だったら、多分所々で潜って遊んでしまうから全く進まないだろうな。

DSC03170.jpg

DSC03172.jpg

DSC03171.jpg


ただしこの素晴らしい清流もいつまで持つだろうか。

穴吹川の観光地化が着々と進められていたからだ。

観光客用の新しい施設がぽこぽこ出来てきており、途中大規模な河川工事も行われていた。

正しく美しい日本の川穴吹川が、どこにでもある日本の川になる日は遠くないかもしれない。

そうなる前に下る事が出来て本当によかった。

僕に権限があれば世界遺産にでも登録して保護したい程だ。

南斗の正統血統を絶やしてはいかんのです。

この時を境に、僕は南斗五車星の山のフドウと共に「マゾのフコウ」として彼女を守って行こうと決めた。

ちょっと不幸で変態なのが玉にキスだけど。


やがて、良い気分でゴールの川原に近づいてかなり驚いた。

DSC03174.jpg

朝ほとんど人のいなかったゴールの川原にファミリーデイキャンパー達がうじゃうじゃいたのだ。


家族連れがワイワイとBBQに興じる中、むさ苦しい男が一人で川上からカヌーに乗って下ってくるのである。

明らかに異質な空気を身にまとい、衆目に晒されるマゾのフコウ。

皆の視線を一身に浴び、子供達に指を指され、恥ずかしさにまみれてゴール。

他にカヌーやってる人もいないから、これは実に恥ずかしかった。


上陸して周りの視線を感じつつ、いそいそと昼飯を作る。

周りが大勢でBBQをやっている中、僕は一人黙々と具なしのマルタイ棒ラーメンを作り上げる。

まるで居残りで給食を食べる悲しげな小学生のように、黙々とそれを食べる。

重い。僕の周りだけ空気が重いぞ。

子供達の笑い声が、一層空しさに拍車をかける。


本来ならそこで昼寝でもしてゆっくりとバスが来る時間まで待つつもりだった。

しかし、もうその場にいるのが耐えられなくなって歩いてスタート地点まで行く事にした。



しかし、美しい川を見ながら歩いて行けるので苦にはならずむしろ楽しかった。

DSC03177.jpg

DSC03178.jpg

DSC03179.jpg

途中、拾った木を杖にして歩いてたらお遍路さんと間違えられた。

さらには地元のおじいちゃんに捕まって、延々と川自慢された。

そして地元民と思われたのか、観光客に沢ガニの穫れる場所を聞かれたりした。

知ってるわけ無いだろう。

DSC03180.jpg

歩いて行くのも中々おもしろいもんだ。


1時間半ほど歩いて、やっと車を回収。

カヌーを取りに戻るとさらにファミリーが増えていて僕は逃げるように穴吹川を後にした。


この川は絶対にまた来たい。

いつまでも「清流」であり続けて欲しい川だ。

変に夢を持って上京して、数年後「アリスJAPANから衝撃デビュー」とかはやめてもらいたい。

ずっと、ここで。ずっと変わらない純真な美しさを維持してくれる事を願ってやまない。

まさに名川中の名川だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後、温泉に入ってフェリーにて四国脱出、和歌山港へ。

翌日の朝10時に大阪に修理中の自転車を取りに行かないといけないので、そこらの海辺でキャンプ。

DSC03196.jpg

DSC03197.jpg

翌日、朝5時起床。

海沿いだからなのか、凄まじい結露でテントから寝袋までビッシャビシャだった。


10時まで時間がたっぷりあったので、テント乾かしたり近辺をウロウロしているとマニアック武将の墓を発見。

DSC03198.jpg

普通の民家の間に突然出て来た。

こいつは実にレアな武将だ。

戦国のお騒がせ野郎「塙団右衛門」の墓じゃないか。

前回の長宗我部元親に続いて、出会い頭の武将の墓は実に興奮する。


まだ時間があったから、よく分からない山をトレッキング。

DSC03204.jpg

DSC03213.jpg

途中の滝で、滝だけに光が当たっていて強烈に神々しかった。

DSC03217.jpg

DSC03216.jpg

やはり、寄り道は悪くない。

そして大阪へ自転車取りに行ったら、結局「自転車は治りませんでした」というフィナーレだった。

3ヶ月で壊れた4万円の電動自転車を車に乗せ、僕は我が家に帰って行った。



こうして僕の2回目の四国一人カヌー旅は終わった。

この時の四国行脚も、とても思い出深い旅となった。

やっぱり四国は良い。

本当に良い。

是非みんな、四国へ旅立って欲しい。

僕のくせにこんだけ楽しめたんだから、普通の人が行けばかなり最高だと思う。


さあ、「四国なアイツ」特集はまだまだ続く。

次回は一番最近行った、2009年5月の3回目のカヌー旅。

この時はたまにこのブログに登場する山田(仮)との二人旅。

行き先は再び「四万十川」と「仁淀川」。

正直、カヌーよりも讃岐うどんばかり食い歩いていた思い出のが濃くてあまり内容覚えてないけど。

中年二人がグダグダと旅する様をお送りします。


プロフィール

yukon780

Author:yukon780
気の毒な男のネガティブな日常へようこそ!

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリ

興味のあるテーマを選んでね。

Visiter

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
旅行
104位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
13位
アクセスランキングを見る>>

にほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログへ
にほんブログ村 アウトドアブログ カヌー・カヤックへ
にほんブログ村 アウトドアブログ ソロキャンプへ
にほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ
ブログランキング・にほんブログ村へ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。