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鈴鹿セブン五発目〜御在所岳〜後編

Posted by yukon780 on 27.2012 御在所岳/三重 0 comments 0 trackback
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因縁の御在所岳の頂を制覇した僕は、満足感に満たされながら東屋に移動した。

あとは東屋でのんびり昼メシを食って、樹氷を満喫して下山するだけだ。


東屋からは鈴鹿セブンの残党「鎌ヶ岳」の勇姿が見てとれる。

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恐らく鈴鹿セブン制覇の最終決戦の地になるであろう山だ。

さすがにあの急峻な山を冬期に登る勇気は無い。


鈴鹿セブンも残す所「雨乞岳」と「鎌ヶ岳」の2座のみ。

待ってろよ、ザ・魔雲天とバッファローマン。

雪が溶けたら貴様らの討伐に向かうからな。


と、こんな感じで余裕をこいていたら、なんとスプリングマンはまだ生きていた。

バッファローマンこと鎌ヶ岳が見えるこの東屋で、バッファローマンとスプリングマンのツープラトン技「スプリング・バズーカ」が炸裂することになる。

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東屋の椅子に腰掛けて、早速バーナーでお湯を沸かす。

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汗冷えしてはいけないので、ダウンジャケットを羽織って防寒もばっちりだ。


しかしここに来て鎌ヶ岳方面からの突風が激しくなって来た。

後で知る事になるが、今シーズン最大の寒波が今まさに襲来している真っ最中。

当たり前だが、すげえ寒い。


ふと鎌ヶ岳を見たら、バッファローマンが死んだはずのスプリングマンをこちらに向けているじゃないか。

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しまった。

「スプリング・バズーカ」だ。

バッファローマンの腕から放たれたスプリングマンは、強烈な寒さを伴った突風で僕に襲いかかる。


動いていないから強烈に寒い。

水を飲もうとリザーバーのチューブを吸ったら、完全に凍り付いている。

まったく水も飲めない。


おにぎりを食ってみるが、もはやおにぎり風アイス。

しゃりのシャリシャリ感を存分に楽しめる。

おにぎりのくせに、食ったら頭がキーンとしそうな程だ。


バーナーの火も全く勢いがない。

やはり寒冷地仕様のガス缶を買ってくるべきだった。

お湯を沸かすというより、ぬるま湯をキープするのが精一杯の火力。

いつまで経っても、翌朝のお風呂程度のぬるさから発展しない。

もうカップラーメンのふたを開けてしまっているだけに、なんとしても温かいラーメンが食いたい。


ここで思い出した。

何かの本に、寒冷地でガス缶の威力を上げるにはガス缶自体を温める必要があるってことを。

僕は賭けに出た。

素手でガス缶を覆って温めてみた。

すると、多少火に勢いがついた。

しかし、ガス缶はあり得ない程の冷たさを僕に提供してくる。

これは本気で凍傷してしまうぞ。

でもこの難関をくぐり抜けないと温かいラーメンは食えない。

かと言ってラーメンごときの為に凍傷で指を切断なんて事態になったらアホすぎる。

五体満足で生んでくれた両親に、何て申し開きすれば良いんだ。


ここからはガス缶を温めては、自分の両手を温める作業が交互に続く。

もはや寒すぎて座ってなんていられない。

僕は立ち上がって、時折その場で激しく立ちランニング。

寒すぎて「ぶふあ、ぶふあ」と妙な吐息が漏れる。


少しものんびりした昼メシではない。

周りから見れば、怪しすぎる真冬の変態行為。

正直この時点でかなり心が折れかかって来て、「帰りはロープウェイで下山しよう」などと弱音も飛び出す。

もうラーメンなんてどうでもいい。


しかしここで男は思い出す。

モンゴルマンの正体は「ラーメンマン」だったことを。

スプリングマンの最後のこの攻撃を、己の力で跳ね返してくれる。


僕は決断を下し、ほとんど「水」に近いぬるま湯をカップラーメンに注いだ。

そして3分間、火事場の立ちランニングでセルフヒート機能を発動。


3分後「味噌バターコーンラーメン」のフタを取り去って、箸を麺に突き刺す。

麺はお湯を入れる前の原形をとどめたまま、持ち上がる。

僕はその持ち上がった「麺と思われる固まり」に食らいつく。

もはやぬるいを通り越したキリリと冷えた麺が、バリバリと音を立てて僕の喉を通り抜ける。

これはもう食事ではない。

男と男の戦いだ。


中から白いキューブ状のものが出て来た。

おそらく熱湯によっていい感じに溶けるはずだったであろうバターキューブだろう。

もちろんガリッと食らいつく。

濃密すぎるバターの味が口に広がっている間に、残った麺の固まりをバリバリ食らう。

冷製スープとともに、すべてを完食。


勝った、勝ったぞ。

温かいラーメンは叶わぬ夢だったが、僕は指を失う事無くクソまずいラーメンを完食しスプリングマンに引導を渡した。

生涯この時のラーメンの味は忘れない。

もう雪山でカップラーメン作るなんてやめておこう。

焦がし味噌バター味の苦い後悔だけが後味として残った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スプリングマンとの死闘は終わったが、体が凄まじく冷えている。

一時も早く体を動かさなければ、この場所がKPPになってしまう。

すぐさま僕は山上スノーシューハイクへと向かった。

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御在所岳の山上公園は結構広くて、モンベルなんかがスノーシューツアーを企画する等結構人気なスノーシューコース。

しかし平日とあって、見事な独占感で中々にいい気分だ。

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でもひとたびこのような場所に出れば、下からの猛烈に寒い突風の急襲を受ける。

写真では優雅に見えるが、寒さで足がガクガクしてます。

だってすぐ横の木の枝見るとこんな状態ですもん。

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そりゃ寒いですよ。

ずっとここにいたら、僕もこんな感じになってリアル・ミシュランマンになってしまう。

でもそんなつらさも吹っ飛ぶ程に素晴らしい世界が展開される。

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怪しいコソ泥忍者野郎が白銀をうろつく。

目指すは最深部「御嶽神社」だ。

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あの神社にお参りしてこそ、御在所岳完全制覇と言えるだろう。

そこまでの道は、まさに白銀パラダイス。

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一面の新雪の上をスノーシューで闊歩して行く。

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強烈に気持ちがいいぞ。

体も温まって来て、折れかけた心も再びアツい鼓動で満たされる。

雪山って奴はメリハリが激しすぎるわ。

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そして、やっとこさ御嶽神社に到達した。

ここからの眺めは中々に壮大で、鎌ヶ岳もすごそこだ。

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バッファローマンめ。

せいぜい冬の間だけ楽しむが良いさ。

雪が溶けたらそのロングホーンをへし折ってくれるわ。


神社には「がん封じ祈願」のドラがあった。

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ここは一発、がんに侵されない為にも高らかにドラの音を響かせてやろうじゃないか。

さっそく僕はその瞬間をおさめるべく、セルフタイマーをセットしてドラに向かう。

雪に埋まっていたドラ叩き用のハンマーの柄を持って持ち上げた。

するとハンマーの柄の先っぽが折れていて何も無いじゃない。

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「思いがけない展開にしばし時が止まる男」という写真作品が誕生した瞬間だった。


一応、その柄だけでドラを叩いてみたが、「バイーン」という乾いた音だけが響いた。

恐らく僕はがんで死ぬんだろう。

医者に見放される前に、すでに神に見放されてしまったから。


奥の方にも別のドラがあったから叩いてみた。

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基本的に寒くて撮った写真の確認は出来ないから、このような酷い構図になる。

まるで行き倒れだ。

フランダースの犬のように、天使に担がれて召されてしまいそうな絵だ。


しっかりとやる事はやったので下山を開始します。

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中々楽しい山上公園だった。

つらい事があってこそ、物事は楽しむことが出来るんです。

そう自分に言い聞かせてみた。


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ここからは再び来た道を戻るんだけど、一つ楽しみにしていた事がある。

それは「シリセード」だ。

登山用語なんだけど、要するに自分のケツをソリにして滑って行くという下山手法。


シリセードをするには持ってこいの場面がやって来た。

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しかし一つ大きな問題がある。

僕は「痔」という重い病に侵されているのだ。


万が一雪の中にごつい岩が隠れていたりした日には大惨事だ。

たちまち僕のケツが裂けることは避けられない。

シャレのようだがシャレでは済まない大事だ。

もし穴にスペシャルヒットしてしまったら、僕はこの白銀の世界に鮮血の赤いシュプールを描く事になるだろう。

人には色んな死に様ってやつがあるだろうが、ケツから血を吐いての失血死ほど救いの無い死は無いはずだ。


しかし、時に男は命をかけて挑戦をしなければいけない場面がある。

ここで逃げたら武士の名折れ。

全国のヂフレ(痔フレンド)達の為にも、ここはパイオニアとなる道を選ぼう。


僕は意を決してケツで滑って行った。

これがまた結構楽しいじゃないか。

少々意気込みすぎたか、思いのほかあっさりと下って行けた。

振り返ってもレッドラインは描かれていない。

成功だ。

ヂフレ達よ、恐れずに滑って行くが良い。

門を守りつつ、門をこじ開けたぞ。


こうして僕は無痔に下山して行った。


下山して、スカイラインを歩いて車に向かう。

この道路の上で、前回の打ちのめされた姿がこれ。

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そして今回見事に勝利を収めて、勝利のガッツポーズ。

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御在所岳との長い戦いに幕が降ろされた。

前回は悔しさから温泉にも入らず帰宅したが、今回は優雅に温泉につかりましたよ。


実はここでひとつ気づいた事がある。

山では余裕が無かったから、温泉から出てから何気に写真をチェックした。

すると、その日の写真が全てISOが1100になっていた。

これは分かり易く言うと、このピーカンの日にすべて「夜景モード」で撮影していた事になる。

当然写真を拡大すると、粒子感がハンパない。


これは写真を撮らない人には分からないかもしれないが、とてつもなくショックだった。

僕にはこんなに天気のいい日なんて、もう来ないかもしれないのに。

先ほどのガッツポーズの1時間後には、もううなだれて落ち込む男の姿があった。


終わり悪けりゃすべて悪し。


すかさず嫁からのメール受信。

「山行く時の約束ってどんなでしたっけ?」という文章。

以前恵那山遭難疑惑の時(参考記事)に、僕は反省文を書かされてその時の約束の事だ。

お義母さんには行き先と下山時間は伝えてあったけど、嫁とは話す時間が無くて伝えていなかった。

必死で釈明メールを打つ。

嫁から受信。

「ふ〜ん。」

うわあ、絶対怒ってるじゃん。

どうせあなた仕事なんだから、お義母さんに伝わってれば良いじゃない。

でもそんなことは言えない。


どうやらこれでまたしばらく山には行けないかもしれない。

もう御在所を制覇した達成感のカケラは、ミジンコのフン程も残っていなかった。

僕の頭は白銀の世界のように真っ白になり、心の中はホワイトアウトで先が見えない。


次に山に行けるのはいつになることか。

次の目標は中級レベルの百名山「伊吹山」と定めていたが、まずは上級レベルの家庭の恐山が立ちふさがる。

アルピニストへの道は長く険しいのだ。



鈴鹿セブン五発目〜御在所岳〜 完


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鈴鹿セブン五発目〜御在所岳〜前編

Posted by yukon780 on 26.2012 御在所岳/三重 0 comments 0 trackback
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実に久しぶりの「鈴鹿セブン」シリーズ。

やっと五番目の山「御在所岳」を陥落させる時が来た。


前回の挑戦は見事な敗退を喫した鈴鹿山脈の主峰。(参考記事「さよならウルフマン」

この時は天気予報のまさかの裏切りにより、吹雪の中で心をポッキリ折られての惨敗。

スプリングマンの必殺技「デビル・トムボーイ」で、ウルフマンは惨殺されてしまったのだ。

(このへんの悪魔超人のくだりが分からない人は、一発目の入道ヶ岳から読み直して下さい)


原作でもウルフマンはこの戦い以降、アイドル超人なのにその後目立った活躍が出来ずに消えて行く運命になる。

そんなウルフマンの無念を晴らし、ミート君の左腕を取り戻す絶好のチャンスがやって来た。


突然会社が休みになり、天気予報を見れば文句なしの晴天日で風速も穏やか。

これ以上無い雪山登山日和。

平日だから他に登山者がいなくて、足場も固まっていない恐れはあったが大丈夫だろう。

待ってろよ、スプリングマン。

今回はこのモンゴルマンが貴様の息の根を止めてやる。


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早朝4時起床。

起きた瞬間から、外の「ボボボボ」という風の音が耳に入る。

穏やかな風速の天気予報のはずだったのにどうしたことだ。

起き抜けから早速不安に支配されたが、一路鈴鹿を目指して車を走らせた。



早朝なので車はスイスイ進んで行く。

と思っていたら突然の大渋滞。

こんな早朝に何事だ。

何が起きてるか分からないが、少しも車の列は動かない。

意を決して細い道で迂回しようとしたが、道が複雑でどんどん遠ざかって行く。

やっと大通りに出たと思ったら再び渋滞。



普段なら1時間半で辿り着けるスタート地点へ、実に3時間近く時間をかけ到着。

さすがはウルフマンを惨殺しただけの事はある。

戦いは家を出た時から始まっているのだ。

すでに僕の顔には疲労の色がにじみ出ていた。


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前回同様、鈴鹿スカイラインの冬期閉鎖ゲート前に車を停めた。

前回は結構車が停まっていたのに、今回は2台しか停まっていない。

こりゃ何かあっても他の登山者の助けは期待出来ない上に、登山道も踏み固まってないからしんどい登山になりそうだ。


しばらく舗装路を歩いて、トンネル前の裏道登山口に到達。

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前回よりは雪の量は少ない。


やがて、登山届けポストがある場所へ。

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実は前回僕は見逃さなかった。

他の登山者がこのゲートを越えて行き、楽々コースでショートカットしていた事を。

ウルフマンの死は無駄にはしない。

彼の敗戦から得られた教訓を、余す事無く活かして行こうじゃないか。


僕はウルフマンに感謝しつつ、ショートカットコースを延々と進んで行った。

すると行き止まりになってた。

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僕があの時見たショートカット登山者は何だったんだろうか。

まだ登山開始間もなかったのに、早くも幻影を見ていたのか。


結局ウルフマンの犠牲もむなしく、僕は引き返して行った。

余計に時間と体力が奪われてしまった。

やはりさすがはスプリングマン。

そう易々とは先に進ませてくれないらしい。


今回は雪が少なめの代わりに、地面が凍っている箇所が結構ある。

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ツルッツルに滑るが、まだ地面が多く出ているからアイゼン装着にはまだ早い。

そんな中での一番の難関が登場だ。

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正直、ここがこの登山で一番恐ろしい場所だ。

この場所で登山者は覚悟を問われるのだ。


一歩一歩全神経を集中させ、じじい牛歩スタイルで渡って行く。

頭の中は、次の瞬間滑落する自分ばかりが登場するイッツ ア ネガティブワールドに満たされて行く。

なんとか渡りきるが、ここ本当に怖いからどうにかして。


前回来たから知ってるけど、もちろん氷の橋渡りはつづく。

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背中に荷物背負ってるからアシモっぽいけど、あんなに高く足は上げられない。

抜き足差し足のへっぴり腰で、情けなさで一杯だけどしょうがない。


ツルツル橋ゾーンを越えれば、耐尿ゾーンだ。

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前回放尿を堪えながら下ったゾーン。

前回は全く余裕がなかったけど、今回は余裕はあるので動物の足跡なんか愛でながら登って行く。

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いよいよ雪が幅を利かせ始めて来た。

相変わらず不安はあるが、なんせ本日は天気がよろしい。

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今日は御在所岳を落とせる気がする。

女は落とせないシャイシャイボーイだけど、本気になれば目にモノ見せるぜ。


やがて藤内小屋に到達。

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前回敗退を食らった直後に、ここで犬におにぎりを奪われるという屈辱を味わっている。

ある意味ここでとどめを刺されたわけだが、今日はあの犬達はいなかった。

せっかくあいつら用にお菓子を多めに持って来てやったのに。

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結局一人寂しくお菓子をほおばる。

前回は恥ずかしめを受け、今回は放置プレイなのか。

犬にしては中々やる。


そしてここで秘密兵器をカメラにセッティング。

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「空がより青く写る」というフィルターを取付けた。

僕は基本的に晴れないので、ずっと出番が無くて道具箱に埋もれていた奴だ。


さあ、ここからはいよいよアイゼンを装着。

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ウルフマンの無念を晴らすべく、モンゴルマンは果敢に蒼穹の空に向かって登り出す。

粉雪が風に吹かれて、時折ダイヤモンドダストチックにキラキラと大気に舞う。

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前回とは全く違う世界だ。

ちなみに前回はこんなでした。

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そりゃウルフマンやられるわな。

逆によくがんばったよ。


やがて前回よく分からなかった「兎の耳」に出る。

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正直、晴れていてもどの辺りが兎の耳なのかよく分からん。

僕には巨大な猫の横顔が景色を眺めているようにしか見えない。


進んで行くと、ツララがキラキラしていてとても奇麗だった。

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微笑ましく眺めてから、進行方向に目をやると「鎖&氷の岩場」が目に飛び込んで来た。

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途端に僕の顔から微笑みは消え、悲しみの表情に。

アシュラマン並みの表情切替だった。

ガシガシとアイゼンの爪を立てて、なんとか越えて行く。


やがて、クライマーのメッカ「藤内壁」へ到達。

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本日も見事にそそり立っている。

あんな所を登ることを考えると、そそり立つどころかシナシナだ。


そこからさらに進んで行けば、ついに因縁の場所にたどり着いた。

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前回の撤退を余儀なくされたウルフマン敗退の地。

僕はこの先に進んで行って吹雪の中、心を折られたのだ。

よく見るとちゃんと「×」マークが赤々と書いてあるじゃない。

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このマークに気づかなかったなんて、逆に己のナチュラルマゾっぷりに呆れるばかりだ。

僕はこの先を進んで行き、不安と寒さと絶望にまみれて引き返す事になった。


正規ルートを進み、上から僕のKPP(心ポッキリポイント)を確認する。

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ちょうどあの辺りか。

ちなみに当時のKPP画像は以下の通りだ。

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あの頃のお前にサヨウナラ。

悪いが僕は先に進ませてもらおう。

さよならウルフマン、さようならチキン野郎。


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さあ、いよいよここからは未知の世界。

いよいよ雪も深くなって来て、緊張感は高まって行く。

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眼下には鈴鹿の街並が丸見えだ。

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登山道も滑落5秒前な雰囲気がぷんぷんと立ちこめる。

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怖いじゃない。

足を踏み外せば、たちまち漫画みたいに雪だるまになって転がり落ちて行ってしまうぞ。

現実はあんなに可愛らしい結果にはならんだろうな。

バキバキに全身の骨は折れ、関節は逆方向へ曲がり、止まった頃にはジョジョになってるだろうな。

結局ジョジョも漫画だけどね。


そんなアホな事考えていたら、どんどん雪が深くなって道が見えない程になってきたぞ。

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恐怖と美しさの夢の競演。

いよいよ木にも雪が付き始めて美しい反面、登山道を見失わないように気を張って歩く。


しかし、歩みを進める程に美の世界はどんどん色濃くなって行く。

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キタキタキタキタ。

これぞ雪山の世界。

雪山の魅力をやっと満喫する時が来たのだ。


景色も藤内壁越しに絶景が広がる。

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ああ、いいじゃない。

たまにはこんな思いしてもいいんじゃない。


しかし「そうはさせじ」とスプリングマンも必死の抵抗だ。

ついにアイゼンでも足がズボッと取られる程に、雪の深さは勢いを増して来た。

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かかったな、スプリングマン!

こんな時の為にアメリカのテリーマンから秘密兵器を輸入してあるのだ。

いでよ、スノーシュー。

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ガシーンと装着。

僕はスーパーモンゴルマンと化し、新雪の上をもろともせず進んで行った。

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僕のレッグラリアートが炸裂する。

たまらず悶絶するスプリングマン。

ざまあみやがれ。


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このスノーシューって奴は相当に楽しいぞ。

膝まで埋まってしまう雪道も、バフバフ進んで行ける。


スノーシューを付けていない他の登山者の苦労の跡がこれ。

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こんな大変な場所も優雅に進んで行く。

さらには僕のMSR EvoTourはヒールリフター付きだから、急坂でもまるでふくらはぎに負担がかからないから快適そのもの。

こりゃ、今後スノーシューで結構遊べそうだ。


そしてついに尾根に到達し、国見峠へ。

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いよいよ木も凍り出し、「樹氷」が始まり出して来たぞ。


そして、ここからがスノーシューの真価を発揮する場面だ。

ついに全くの踏み後の無いバージンスノーロードが始まった。

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平日だからこそ味わえる、僕だけの新雪世界。

散々苦しんだここまでの雪山体験。

ついにそんな僕にご褒美タイムが舞い降りる。


樹氷のトンネルが姿を現したのだ。

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くううう。

僕はすっかり川平慈英になっていた。


いいのか?

こんな僕でもこんな時間が許されるのか?

苦労はしてきたけど、始めて良かったよ雪山登山。

樹氷越しの景色も最高だ。

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堪能しながらさらに登って行くと、ふいに山頂公園の入口が見えた。

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ここをズボッと抜け出ると、先ほどとはまるで違う世界が広がっていた。

なんだ?急に人だらけだ。

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ロープウェイで上がって来た観光客の皆さんだ。

普通におばちゃんとかがワイワイと記念撮影してる。


なんだろう。

さっきまであんなに「雪山登山してるぜ」って感じだったのが、急にただの観光地になってしまった。

みんな普通に厚着してるだけな中に、全身「登山してます」といった格好の男がポツンと立ち尽くす。

当然誰一人スノーシューなんて履いている人なんていない。

「あの人、カンジキ履いてるわ。懐かしいわあ。」等という老夫婦のヒソヒソ声が聞こえて来た。


急速に恥ずかしさのストームに身をさらす事になってしまった。

休日だからか、おばちゃんばかりだ。

僕は東方神起のライブ会場にでも迷い込んでしまったのか?


まあ、ある程度は想定内さ。

完全武装の男は、スキー場を横目に頂上を目指す。

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スキー合宿の子供達なのか、大量に同じ格好したやつらが滑ってる。

皆が僕を見て笑ってるんじゃないかという妄想を抱えながら進んで行く。


やがて人工氷瀑が登場。

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こいつを見るのは二度目だが、やはり所詮人工物。

先ほどの樹氷の感動を越える事は無い。


次第に観光客も少なくなって行き、いよいよ頂上が見えて来た。

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そして、ついにやりました。

前回の敗北の末に、やっとこの頂を踏むことが出来た。

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ウルフマンよ、安らかに眠れ。

君のおかげでミート君の左腕を取り戻したぞ。

実に苦しい戦いだったぞスプリングマン。



僕は満足して、昼メシを作るべく近くの東屋に移動した。

戦い終えた僕は油断していたのだろう。

スプリングマンはまだ死んでいなかったのだ。

いよいよ残虐超人スプリングマンが本気で僕に襲いかかる。


後に「味噌バターコーンラーメンの戦い」と呼ばれる名勝負がついに始まった。

男に決断の時が迫り来る。

「凍傷」を取るか、「ラーメン」を取るかの究極の選択。

果たしてモンゴルマンの下した決断とは?


冬山の恐怖はまだ始まったばかりだ。

男の元に、本年度最高の寒波が忍び寄っていた。



鈴鹿セブン五発目〜御在所岳〜後編へつづく


さよならウルフマン〜御在所岳〜

Posted by yukon780 on 16.2012 御在所岳/三重 0 comments 0 trackback
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こんなはずじゃなかったのに。


前回の池田山で華々しく雪山デビューを果たしたゴールデンルーキーが(参考記事)、二試合目の登板でめった打ちを食らった。

吹雪の中、まさしくプロの洗礼をその一身に受ける姿が上の写真だ。

この直後、心が折れてしまった彼は敗退して無様に下山して行った。

場所は御在所岳6合目。6回の裏のマウンド。

勝利投手の権利を得た直後の、めった打ち降板だった。



そもそも御在所岳は鈴鹿セブンの一角だから、本来ならブログタイトルも今までの流れで「鈴鹿セブン五発目〜御在所岳〜前編」とかになるはずだった。

しかし登頂は叶わず、鈴鹿セブン初の敗退記事となってしまったので、今回は「さよならウルフマン」というタイトルを付けさせてもらった。

例のごとく、御在所岳を7人の悪魔超人に例えるならば「スプリングマン」だ。

本来御在所岳は鈴鹿セブンのリーダー格の山だからバッファローマンで行きたかったが、やはりバッファローマンは最終戦に取っておきたい。


御在所岳は難易度的にはあまり高くなく、他の山を攻める際の足がかりにもなる山。

いわゆる「ホップ・ステップ・ジャンプ」で言う所の「ステップ」に当たる山だ。

なので、強引だが全身バネ超人であるスプリングマンに繋げてみた。(だんだん苦しくなって来たか?)


そのスプリングマンに見事に敗退してしまったアイドル超人が「ウルフマン」である。(※TV版ではリキシマン)

鳥取砂丘においてサンドデスマッチでウルフマンと対戦し、必殺技「デビル・トムボーイ」でウルフマンをバラバラにして惨殺した超人だ。

そして今まさに、僕はスノーデスマッチで心をバラバラにされてしまったわけだ。

そんなウルフマンの敗退の記憶を辿ってみよう。


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そもそも今週は山に行くつもりは無かった。

まだアメリカから雪山装備が到着していなかったからだ。(参考記事

しかし天気予報を見たら、日曜日の午前中はずっと晴れで午後から曇りの予報。

なので、僕は我慢出来ずにスプリングマンの挑発に乗って御在所岳へと向かってしまったのだ。


しかし、御在所付近を走る僕の目の前には明らかに「晴れ」ではない光景が展開されていた。

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本来であれば御在所岳が見える場所なんだが、思いっきり雲の中に隠れていらっしゃる。

なにやらポツポツとフロントガラスに水が滴ってるし。

証拠として、上の写真と同時に撮ったiPhoneの現在地の天気予報が下記のものだ。

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僕はパラレルワールドに入り込んでしまったのか?

何度見比べてみても、目の前の光景とIPhoneの画面の内容とが合致しない。

晴れマークな上に降水量は「0」となっている。

ウェザーニュースよ、フロントガラスを濡らすこの水をどう説明してくれるんだ。


しかし、せっかくここまで来てしまったんだ。

とりあえず出発地点の、鈴鹿スカイラインの冬期閉鎖ゲート前の駐車スペースへ移動した。

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なんとか雨は上がったが、上空は分厚い雲で覆われて御在所岳は見えない。

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まさに今の僕の心の中の情景をビジュアル化したかのような空模様だ。

全く気分が上がらない。

そもそもこんな状況で、ついこないだ雪山童貞を喪失したばかりの初心者が挑んでもいいのか?

こんな浅い経験値と技量で、相手を満足させることが出来るのか?

まあ、とりあえず行ける所まで行ってみよう。

最悪、この山はロープウェイがあるからそれで下山出来るし。


というわけで、裏道登山口までしばらくはスカイラインを歩いて行く。

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トンネル手前の右側の登山口に入れば、いよいよスノーデスマッチのゴングが鳴る。

しばらくは普通に苦もない道が続くが、徐々に積雪が増えてくる。

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まあとりあえず風もそんなにないし、この時点では結構行けるんじゃないかって思ってた。

確かにウルフマンも、出だしは突っ張りが決まって試合を優勢に進めていたはずだ。


やがて凍った木の橋が現れる。

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前方の単独女性登山者を狙っているストーカー野郎に見えるが、単にビビっているチキン野郎だ。

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ほんと、この手のリアルに滑って落ちる事が簡単に想像出来るトラップは勘弁願いたい。

夜這い野郎のように、ソロリソロリと慎重に渡って行く。


なんとか渡ってホッとしたのも束の間、さらにグレードアップした橋が立ちはだかる。

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スプリングマンの容赦ない波状攻撃。

さらに慎重に、ジジイ並の牛歩で先へ進んで行く。


やがて、すっかり雪原になってきた。

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日曜日とあって、前日から踏みならされた後があるからアイゼンを着ければ問題は無い。

所々、極太のツララも登場して「雪山らしさ」を演出してくる。

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こいつでぶん殴られたら、たちまち絶命するだろう。


しばらく進んで行くと「藤内小屋」が現れた。

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以前ビビるSと裏道登山道を通って下山した事があるが、その時藤内小屋は大型台風の影響で損壊していて、当時ボランティアの人達がコツコツと復旧作業をしていたのを見た事がある。

あれから月日が経ち、もうすっかり立派な山小屋が復活していた。

規模は違えど、これを見れば被災地の復興にも希望が持てる。


小屋の休憩広場には二匹の可愛い犬がいた。

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とても人懐っこくて、愛らしい犬達だ。

ちょっとした名物犬の様で、登山者みんなから可愛がられているようだ。

ウチの嫁もこれくらい寄り添って来てくれると嬉しいんだが。


夢ばかり見ていてもしょうがないから、しばらくこいつらと戯れた後出発。

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徐々にあたりは深い雲に包まれて行く。

行く手の山は完全に雲の中で、不安がよぎる。

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とりあえず行ける所までは頑張るぞ。

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途中、信じられない程冷えきった水を飲んで一息つく。

夏場なら最高の冷えっぷりだが、この時期は痛いくらいの冷たさを堪能出来る。


次第に登山道は山深く入り込んで、積雪量もハンパなくなって来たぞ。

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いいね、雪山やってますって感じだ。

アイゼンを着けていても、やはり滑る所は滑る。

しかし今日はセンター試験で学生さん達が頑張っている。

君たちの為にもここで滑って転ぶわけにはいかない。

誰もそんな事は望んでいない余計なおせっかい登山は続く。


さらに途中でこんな強者も現れる。

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ホンモノの方ですね。

マゾってやがるなあ。

多分この先に「藤内壁」っていうクライマー達のスポットがあるから、ここをベースにして攻めてるんだろうなあ。

さすがに当分、僕はこの世界には足を踏み入れる事は無いだろう。


やがてその「藤内壁」への分岐点が現れる。

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そこに佇んでいた男の放つ雰囲気は、やはり初心者の僕とは明らかに異質なものがあった。

彼の視線の先には、どどーんと「藤内壁」がそびえ立つ。

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見ているだけで恐ろしい断崖絶壁。

僕も大概マゾ野郎だが、ここを攻めて快感に浸れる程のアブノーマルさは持ち合わせていない。


よくよく目を凝らして見てみると、まさにこれから藤内壁に立ち入ろうとする一人のマゾ野郎を発見。

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僕がよく人に言われる言葉を彼にも贈ろう。

ほんと、やめときなって。



僕はさらに歩みを進めたが、6合目を過ぎたあたりからどんどん前方が霧に包まれて行く。

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気づいた時には、あっという間に僕は濃霧に包まれていた。

次第にみぞれが降り始め、風も出て来て悲壮感に満たされて行く。

でも頑張ろう。

逆境の中での雪山体験は、恐らく晴天時に比べて「はぐれメタル」一匹に相当する経験値が得られるはずだ。


しかし、いよいよ周りがよく見えんくなって来たぞ。

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分かりづらいだろうが、実は左側は結構落ち込んでいる。

足を踏み外せば、滑落して行ってしまう。

しかも所々、ズボッと足が膝まで取られたりして落とし穴パニックだ。

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なぜか人の踏み後も少なくなって来て、足場が悪い。

このわずかな足跡を辿らないと、いつどこでズボッと行って滑落するか分からない。

実は後で気づくんだけど、僕はこの時登山道が崩落した時の臨時迂回ルートを進んでいた。


それでもなんとか進んで行くんだが、いよいよ不安になって来た。

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なんだか映画とかでよく見る、遭難の風景とよく似てるね。


ここでようやく気づいた事がある。

あ、楽しくないって。


やや気づくのが遅い感があるが、そもそも僕はここにエンジョイ雪山登山をしに来たはずだ。

望んでマゾる必要なんて何も無いじゃないか。

はぐれメタルで一気に経験値を上げるなんて楽をしちゃダメだ。

やはりコツコツとレベルを上げて行こうじゃないか。


こうして男の心はこの瞬間ポッキリと折れた。

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もう...帰ろう...。


チキンと呼ばれてもいいさ。

そう、これは勇気ある撤退なんだ。

そして僕はスプリングマンの「デビル・トムボーイ」をまともに食らって、心がブチブチに引き裂かれた。

そして僕は元来た道の下山を始める。

何度も言うが、本日の天気予報は晴れでした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

藤内小屋まで戻って来た僕は、頂上で食べるはずだった昼食を作り出す。

するとあの可愛かった犬達が豹変し、激しく僕に餌を要求してきた。

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すごいがっつきっぷりだ。

そしてその勢いで僕の食べかけたおにぎりを奪われてしまった。

敗退して撤収して来た上に、犬にごはんまで奪われるなんて。

のび太にも匹敵する情けなさだ。

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犬達の攻撃は止む事が無く、まったく落ち着いて飯が食べられない。

なぜなんだ、他にも登山者がいてバナナとか食ってるやつだっているじゃないか。

どうして僕なんだ?

負け犬だからか?

マスオという弱い立場の人間だからか?


収まらない被害妄想。

少しも飯がおいしくなかった。


オシッコしてから下山しようと思ったが、トイレ利用には100円の協力金が必要だった。

僕の所持金は1000円だったが、札だから100円硬貨が無い。

黙って使えばいいんだけど、変に律儀な性格だもんでグッと我慢した。


案の定そこからの下山は耐尿との戦いとなった。

ちょうどいい放尿スポットが無い。

たまに他の登山者とすれ違うから、放尿シーンを目撃されてこれ以上惨めな思いはしたくない。


もじもじと奇妙な動きで下山し、時折ヤバめな時は座り込んで尿意を落ち着かせる。

スプリングマンの容赦ない追い打ちが続く。

やがて大きな岩があったので、隠れて快感の放尿。

スプリングマンに一矢を報いる事だけは成功した。


やがて下山し、再びスカイラインをとぼとぼと歩いて行く。

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背中に敗北感が漂っている。

車に到着して、空を見上げると雲間から光が差し込んでいた。

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天気、良くなりそうですね。

僕は無言で荷物を車に放り込み、悔しさから温泉にも入る事無く帰宅した。


こうしてウルフマンはスプリングマンに完敗した。

しかし待ってろよ、スプリングマン。

もうすぐアメリカから、雪山装備が到着する。

それを身につけて、再びモンゴルマンとなってリングに立ってリベンジしてくれる。

それまでバネ洗って待っているがいいさ。

次こそは負けないぞ、この野郎。


鈴鹿山脈に負け犬の遠吠えがこだました。


さよならウルフマン〜御在所岳〜 完


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜おまけ〜

失意の撤退から数時間後。

今回の登山をカウントされてはもったいないと感じたから、早速僕は家族サービスに邁進した。

向かった先は長島にある「なばなの里」のウィンターイルミネーション。


鈴鹿から岐阜まで帰って来て、再び鈴鹿方面へと移動する空しさよ。

でもここで家族サービスをしっかりこなしておけば、次回の御在所リベンジも行き易くなるってもんだ。

もうすでに、ここから僕の戦いは始まっているんだ。

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うむ。

僕は人工物には全く興味はないが、りんたろくんも喜んでいるからいいではないか。

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数時間前まであんな吹雪の中で、一人格闘していたとは思えないギャップだ。

実は僕はあの時死んでしまっていて、これは天国への回廊なのか?

結構奇麗じゃないか。

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日本の四季というコーナーでは「樹氷」をイメージしたイルミネーション。

本来であれば、僕は今日本物の樹氷と戯れていたはずだったんだが。

これは当てつけなのか?


そしてソツなく家族サービスを終え、帰宅した。

長い一日だった。


次回は美しい樹氷とともに、御在所岳の頂上に立つ笑顔の僕をお送りしますね。


御在所プレイバック

Posted by yukon780 on 09.2012 御在所岳/三重 0 comments 0 trackback


本日は完全なる子守り留守番の日で、一歩も家を出られず何も出来ない。

というわけで、鈴鹿セブンの残党であり盟主である「御在所岳」の予習と復習。


実は御在所岳は過去に3度訪れている。

僕が登山を本格的に始めた2011年以前に登った数少ない山のひとつ。

他には鹿児島の「宮之浦岳」と香港の「馬鞍山」の変わり種2山を登っているが、これはまた今度。


今回は「あん時のアイツ」シリーズ第9弾として、過去の御在所を簡単に写真だけで振り返っておこう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

DSC05009.jpg

始めての御在所は2006年1月。

まだ登山なんて少しも興味が無かった頃。

カヌー野郎として冬が暇すぎて、試しにその頃世に出始めた「スノーシュー」とやらを体験したくて、会社の後輩とともにモンベルのスノーシュー体験に参加した時のものだ。

もちろん登山的要素は何も無く、ロープウェイで山頂まで行き、周辺をスノーシューでハイクするだけのもの。

格好も、過去にやっていたスノーボード用のものだ。

DSC05006.jpg

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この時は雪もガチガチで新雪とはほど遠く、結局スノーシューの恩恵が味わえなかった。

正直、楽しさをあまり感じる事が出来ずに、山もやっていない身として、はまる事は無かった。

DSC04998.jpg

そもそもこういう団体行動が苦手な時分だったから、なおさらだった。

結局温泉に入って帰った。

(余談だが、この時温泉にパンツを忘れた事を記憶している)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2回目は2008年10月。

鈴鹿セブンの入道ヶ岳と竜ヶ岳の時でおなじみの、ビビるSと共に登っている。

IMGP4164.jpg

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この頃は四国の八十八カ所歩きお遍路さんをやっていた頃で、多少歩くという事に慣れ始めていた頃。

でも登山やろうなんて思ってもいない頃。

ビビるSのお誘いで登ったときのものだ。


この時は、一番人気のある中道ルートで登った。

登山慣れしていないから、体力的には結構きつかった。

でもこの登山道には奇岩怪石が豊富で、飽きずに楽しく登れたのを記憶している。

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この時は、実に楽しくて登山も中々良いじゃないって思った。

でも楽しさよりしんどさの割合が大きくて、まだまだカヌーの魅力には遠く及ばない印象だった。


ちなみに次回の御在所岳厳冬期登山のルートはこの中道ではなく、登山用品店のおっさんのアドバイスで裏道のピストンを考えている。

その道で、馴らしてから再び冬の中道にトライしたい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3回目は2回目の翌月の11月。

再びビビるSと「人工氷瀑」を見に行こうという事になった。

IMGP4356.jpg

前回と同じ中道を通り、頂上へ到着。

そこでは人工的に氷壁が作られていて、ちょっとした名物になっている。

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この時はまだ出来始めで小さかったが、結構なもんだった。

今回の冬期御在所挑戦の一つの目玉として、樹氷とともに今からとても楽しみなもののひとつだ。

最大で10mくらいの大きさまで成長するらしい。


この後は、お隣の国見岳まで縦走している。

IMGP4378.jpg

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そしてまた御在所岳に戻り、ロープウェイで下山した。


以上、登山黎明期の御在所3本立てでした。

なので一応「鈴鹿セブン制覇」に向けて御在所岳は過去にクリアしている事になる。

でも、せっかくなんであえてカウントいたしません。

あくまで厳冬期単独登頂をもって、制覇と見なします。


スノーシューがアメリカから届き次第、天候がベストなときを見計らって挑戦しよう。

それまでは、ひたすら体力作りだ。

すっごく楽しみだな。


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