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爆発大移動の旅7〜上高地前編/男塾メモリー〜

Posted by yukon780 on 07.2012 上高地トレッキング 0 comments 0 trackback
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ついに長かった爆発大移動の旅も最終章。

長かったって言っても、僕的にはまだまだ物足りないんだけど。

でもそんな事言ったら嫁に殺されるし、何より「育児ご褒美休暇」だったわけだから嫁には感謝です。


鬼怒川カヌー、伊豆山稜線トレッキング、南伊豆歩道トレッキング、富士川カヌー、りんたろ初節句、千曲川カヌー、斑尾高原トレッキングと続けて来た爆発大移動の旅。

そして最後に選んだ場所は「上高地」。

上高地は、北アルプス登山の起点となる場所でもあり、日本有数の景勝地だ。

今更、説明するまでもない場所だね。


前日の悪天候のよく分からない旅路から一転。

ついに快晴のゴキゲントレッキングが実現する事になる。


ここまでの旅路は、どちらかと言えば「修行色」の強い旅路だった。

しかしここに来てやっぱり神様も、育児に奮闘してた日々をちゃんと認めてくれたんだね。

ちょっとだけ、ご褒美をくれたみたいだ。


相変わらずこの数日間で溜まりに溜まった疲労は抱えたままだが、そんな事はまるで気にならないほどの好天。

このブログでは中々お目にかかれない、「普通に楽しむ僕」の姿をお送りしよう。

そんなとてもレアな回です。


最近、僕がマゾにまみれている姿を楽しみにこのブログに来る人もいるが、実は本来「素敵な場所をご紹介」するというポジティブなブログだったのだ。

知ってました?


ここはひとつ、初心に立ち返ってこの旅をキレイに締めくくって行こう。

ちょっと長くなりそうなんで、前・後編に分けてお送りいたします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


雨中の猿まみれを終えた僕は、一路松本市へ。

そして沢渡(さわんど)の駐車場へ移動。

上高地はマイカー規制のため、沢渡の駐車場からバスに乗り換えなくては行けないのだ。


その日はその駐車場で車中泊。

もの凄く寒かったが、この時に見た星空は凄まじく美しかった。

僕らが普段目にする、町の空の星の数百倍の星の量。

野郎一匹のロマンチックな夜が更けて行った。



翌朝。

朝メシを食いながら、駐車場併設の足湯に浸かる。

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天気もよくなりそうだし、今日は一日良い日になりそうだ。


バスに揺られて、いざ上高地へ。


バスから降りて、しばらく歩くとお馴染みの「かっぱ橋」が登場。

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高校生の時に来た以来のかっぱ橋。


橋から前方を見れば、凄い迫力で穂高岳が眼前にそびえ立つ。

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こいつはまいったぞ。

美しすぎるじゃないか。

雲一つない青空、穏やかな風。

そこにはひとかけらのマゾの存在も確認出来ない、スペシャルな世界。


ああ、一般の人々はこのような世界で生きているのか。

僕の知らない世界がここにあった。

断然、こっちの世界のが良いじゃないか。


僕はこの時、快晴時にここにいるという事を一秒一秒噛み締めるように感激していた事を覚えている。

長い事マゾな悪天候人生を生きていると、このような些細な事が最高の幸せに感じられるのだ。



ここから横尾山荘までは平坦な道が続き、快適なトレッキング道となっている。

と言っても、実は往復6時間の長い長い散歩だ。

でもストイックな登山ではないから、僕はただただのんびりと歩いて行く。


森に入れば、美しすぎる小川を横目に、木漏れ日を浴びながらの気持ちよすぎるトレッキングだ。

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そう、本来トレッキングってこういうもんだよね。

決してジャングルの中を脱水状態で歩くものでも、バス探して町まで2時間足を棒にして歩くものでも、雨の中家出少年のように彷徨うものでもないのだ。


素敵な森を抜けると、再び穂高の野郎がぬりかべのようにドーンと立ちふさがる。

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迫力と美力の融合。

バッファローマンに「俺は1000万パワーだ!」と告げられたウォーズマンの気分が味わえる。(分かる人だけでよろしい)


ところで、この時普段は巻く事がないバンダナを頭に巻いている。

大切な帽子は伊豆敗退時の犠牲となっていたから(参考記事)、その後はずっとタオルを巻いていた。

でもそのタオルも軽く異臭が立ちこめ始めていたから、仕方なく上高地の売店でバンダナを買ったのだ。


しかし売っていたのは「山人(やまんちゅ)」「上高地」とでっかくプリントされたものしかなかった。

恥ずかしさ満点のバンダナだったが、背に腹は代えられずにいたしかたなく購入。

今後二度と登場する事のない、貴重な僕のやまんちゅバンダナ姿です。



このトレッキングルートは梓川沿いの道を行く。

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もう、この川のキレイなことったら。


なんとかここをカヌーで下れないものだろうか?

一応ネットでも検索してみたが、ここを下った記事はさすがに見つからなかった。

どうやら国立公園内は環境省の直轄地なので、「管理計画」とやらによりカヌーは禁止らしい。

ここをカヌーで下れたら海外にも誇れる最高のスポットになることは間違いないんだけど、まあしょうがないか。



その後も進んで行くが、ずっと穂高岳が僕を見下ろして来る。

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思えば僕がこの穂高岳に登ったのは、高校時代の「夏山合宿」が最後だった。

夏山合宿って言っても、別に登山部だったとかではない。

むしろ僕は美術部で、体を動かすのとは無縁のへなちょこ野郎だった。


僕の高校は「岡崎城西高校」という男子校。

三河高校と並んで地元では嫌われた高校で、「寄るな城西、触るな三河」と謳われた名門校だ。

僕は頭が悪すぎて、中学の時先生に「お前は単願で城西しか行けない」とハッキリ言われて入校した。


この男子校のモットーは「質実剛健」で、男塾のような学校だった。

正直、まるっきり良い思い出が一つとしてない。

そしてなぜか3年生の夏になると、大学受験に向けて一番大事なこの時期に「夏山合宿」と称して穂高岳や槍ヶ岳に強制的に登らされる。

登山未経験者だろうと、体力が無かろうと有無を言わさずに連行されるのだ。

受験に合格するよりも、「男度を上げる」事の方が重要な高校なのだ。


そして数日間に渡って、風呂も入らず、ひたすらテントで寝かされて山に登らされる。

今まで死人が出なかった事が不思議なほどの、ハードな合宿だったという思い出が蘇った。


まさかその十数年後に、自らの意思でこうしてトレッキングをし、挙げ句登山野郎になって行くとは。

まさに「人生一寸先はマゾ」だな。



やがて、お次に「明神岳」が見えて来た。

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見た目の格好良さは明神岳のがシュッとしててカッコいい。

なんにしても、気分が良すぎるぞ。

快晴とはここまで人を幸せな気分にしてくれるのか。


湿ったネガティブマゾ野郎で地底人のような僕には、その晴れた空が眩しすぎて有害にすら思える。

でもやっぱりこの天気のように、僕もアホでもノーテンキな快晴ポジティブ野郎でありたいものだ。



明神を抜けて、次に目指すは徳沢だ。


風景は多少荒涼として来て、良い感じになって来た。

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アラスカのデナリ国立公園にも引けを取らない景色だ。

平和的な風景も好きだけど、僕はこのような「生命が濃く感じられる」ような風景が結構好きだ。

だからどうしても南国よりは、北方志向なんだよね。


森もさらに色濃さを増し、命が宿っているかのような迫力に満ちて来る。

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この時点ですっかり上高地に魅了されてしまったのも、何やらアラスカと同じ匂いを感じられたからかもしれない。

よくよく木で動くものに目をやると、小動物とも目が合ったりする。

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ふいにこのような可愛い動物と目が合うと、ふわっと幸せな気分になる。

街で可愛い女性と目が合うと「僕に気があるのか?」と妄想し、ふわっと幸せな気分になるのと同じだ。



やがて、徳沢に到達した。

そこには夢のような草原が広がっていた。

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よく「こんな場所でキャンプができたらなあ」なんて思い浮かべるような素敵すぎる空間。

広々とした草原、青い空、そよ風、美しい山と、奇麗すぎる小川。

まさしく、ここは桃源郷だ。


僕は一人で鼻息を荒くして、激しくコーフンしていた。

例えば突然もの凄い理想の金髪美女が目の前にいきなり現れて、セクシーに抱擁して来た挙げ句、耳元で「カモ〜ン」と囁いて来たようなものだ。

こんな状況設定が現実に目の前に展開されるとは。


僕はしばらくこの場を動くことが出来なかった。

どうやらここは昭和初期まで牧場として使われていたらしく、現在はキャンプ場となっているようだ。

ここに泊まる事だけを目的に来ても大満足だろうな。


でも、考えてみたら高校時代の「夏山合宿」でここには来ているはずなんだよな。

まるで記憶に残ってないという事は、当時の僕は本当に嫌だったんだろうな。

思えば、あの時は悪天候でも強制決行だったから悲惨だった事しか覚えていない。

頂上に着いても、激しい濃霧で展望なんて全く無くて楽しさのカケラも無かった。


まあ、そんな過去の事は置いておいて先に進んで行く。

徳沢の次は最終目的地、横尾を目指す。

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相変わらず気分は良い感じなんだけど、実はここまで来るのに3時間近く歩き続けている。

まだ登山してない頃だから、歩き慣れてもいないし体力なんてまるで無い。

挙げ句、この旅で各地で少ない体力を消費し続けて来た体には、そろそろ限界が近づいていた。


それでももちろん歩みは止めない。

こんな滅多にない好天の日に、動かないなんてウソだ。


かなりヘロヘロになりながら、横尾に辿り着いた記憶がある。

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トレッキングの人にとってはここはゴールだが、槍・穂高登山の人達にとってはここが山への「玄関口」だ。

ここから、みんな横尾大橋を渡って行って山に取り付いて行くのだ。


この時は微塵も思っていないけど、今ではいつか僕もこの横尾大橋を渡って行きたいと思ってる。

この橋の向こうには、どれほどドラマティックでマゾヒスティックな世界が広がっているのか?

考えただけでゾクゾクする。



さあ、ここでゴールって言ってもあくまで折り返し地点。

再び3時間かけて戻って行かねばならない。


平坦な道とは言え、正直吐いてしまいそうだ。



〜後編へつづく〜

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