病み上り決死隊 中編〜DMレボリューション〜

Posted by yukon780 on 22.2012 富士川/山梨 0 comments 0 trackback
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病み上りの男が放つ、日帰りカヌードラマ「22」。

男に残された時間は残り14時間。


しかし、全員が集合したこの段階で問題が発覚。

本来下ろうと思っていた区間が「渇水気味」であまり状態がよろしくない。

前回の四国は増水で今回は渇水。

そろそろ「通常」の川下りがしてみたいものだが、晴れているからしょうがないのだろう。

通常を求めるなんて贅沢な事は考えてはいけないのだ。



いつも下る区間以外だと、「大激流コース」か「ロングマゾコース」しか選択肢が残されていない。

正直「激流疲れ」の状態の我々は、もはやお腹いっぱいで吐いてしまう事間違いなしだ。

かと言って、こんな時間がない時に18キロのロングコースなんて、自らを激しく追い込む事になるだろう。


通常日帰りツーリングは8キロくらいの距離が最適なんだが、18キロはまさしく二日分以上の距離。

しかし、何度も言うが今は5月。

むしろ「二日分も漕げるなんてラッキー」程度に考えるべきではないだろうか?


過去には一日で35キロ漕いだ事もあるし、ユーコンでは50キロくらい漕いだ事もある。

「行けるんじゃないか」という、何の根拠もない考えに支配されて、僕らは自らマゾの道を選んだ。

四国以来、みんな何か大事な思考回路を失っている気がしてならない。


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〜タイムリミットまで残り12時間30分〜

7時半。


スタート地点の堤防に到着。

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富士川って川は、何と言っても車で川原に降りる場所がない。

あったとしても必ず柵がしてあるので、エントリーポイントが非常に少ない川でもある。

ここで荷物だけ降ろして、車の回送作業開始。

当然ロングコースなので、それだけで随分と時間を食ってしまう。


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〜タイムリミットまで残り11時間〜

9時。


車の回送を終え、やっと準備開始。

まずはこの写真をご覧いただきたい。

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うなだれているのはダッチャーSだ。

なんと病み上り決死隊は僕だけではなく、ダッチャーSも決死隊メンバーだったのだ。

彼は病み上りというより「病み中」の風邪男。

僕もそうだが、彼もそんな体を引きずってまで何故来たんだろう?

死国でのマゾ塚カヌースクールの1期生らしく、忠実にマゾっている優秀な生徒だ。


しかもバターNも今回風邪による欠席の噂が漂ったが、見事に参加して来ている。

ハッキリ言ってみんな変態だ。


そして今回、以前紹介した中古プレイボートが初登場。(参考記事

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一度乗ってみたかったと言うB旦那のリクエストに応えて、今回持参したものだ。

以前静水でのロール練習で使用していたものだが、今回初めて流れのある川での使用となる。


しかし試し乗りしたB旦那から「無理だ。怖い。これで18キロは自殺行為だ。」といった泣きが入った。

そんなに怖くはないでしょって言って僕も試し乗りしてみた。

すると信じられない不安定さで、それはもう怖いのなんのって。


今日の川が清流で、気候も暑くて水に入るのが気持ちよければいい。

しかし富士川は生活排水がっつりの臭い濁った川で、しかも本日は寒くて病み上り野郎が3人もいる状態。

ちなみにこれは後に撮った泡にまみれる富士川。

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絶対に水に落ちたくない。


でももう車は搬送して、もう一艇のダッキーはゴールに置いて来てしまっているからこれで行くしかない。

この時のB旦那の「しまった」という顔が印象的だ。


皆、思い思いのマゾを楽しんでいるようだ。


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〜タイムリミットまで残り10時間30分〜

9時30分。


ようやく我々はスタートした。

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B旦那はプレイボートに乗り込むだけでもう顔が引きつっている。

しかし無事に川に出れば、見た目はなんだか「凄く上手い人」って感じが漂うのがこのカヤックのいい所。

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しかし、B旦那の気分的には「常に死と隣り合わせ」という激しい緊張をまといながらのツーリングだ。


そして前方にはダッチャーSとバターNのダッチバターコンビ。

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あの「那賀川渦巻き三回転」でお馴染みの伝説のペア。

今回は「チーム・風」と名乗るこの2人組。

何やらカッコいいネーミングだが、ただの風邪を引いている野郎二名の「隔離カヌー」チーム。

彼らは颯爽と風邪のウイルスをまき散らしながら進んで行く。

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さあ、もう後には引けない。

家に帰る時間と回送時間を考えると6時間くらい必要だから、この16キロを約4時間30分くらいで漕ぎ抜ける必要がある。

出来れば温泉も入りたいから、なんとか3時間半位で下れないものか?

実にスペクタクルな展開だ。


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〜タイムリミットまで残り10時間〜

10時。


水は相変わらず汚くて臭いが、天気もいいし流れもあるからそれなりにいい感じの出だし。

しかしB旦那がいつ粗沈するか分からないので、僕らも心配でしょうがない。

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巨大な後頭部は山田だ。

心配そうにB旦那を見つめているのか、それとも「行け、沈しろ」という顔をしているかは後ろからは判断できない。


巨大な岩壁をバックに実に絵になるチーム・風の二人。

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あの二人が病人だとは誰も思わないだろう。


一方でB旦那の方を見てみると、川を下っているのか川に埋まっているのかよく分からない状況だ。

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このカヤックは見る角度によってはこんな感じに見えるので、一瞬ビクッとする。

知らない人が見たら、救助要請が出されてしまいそうだ。


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〜タイムリミットまで残り9時間30分〜

10時30分。


このラオウばりに天に拳を突き上げている男は僕だ。

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別にこんな中途半端な地点で「我が生涯に一片の悔いなし」と言っているわけではない。

むしろまだ後悔だらけだ。

実はこれは休憩地点でカヌーから降りる際にいつものように左脇腹をツった男の姿だ。

そろそろ快晴に対する「犠牲」を払う時間がやって来たようだ。


これを機に僕の体は「快晴モード」にチェンジして行く。

ここ数年痛くなった事のない「歯痛」が突然始まり、その痛みはやがて左こめかみへと移動して「偏頭痛」を巻き起こす。


一体僕の体には何が埋め込まれているんだ?

いつのまにキャトルミューティレーションされてしまったのか?

それともこれは嫁に埋め込まれた孫悟空の頭の輪っかか?

楽しい気持ちになったら暴れる設定になっているのか?


ここからしばらくは、僕のテンションは一切浮上の気配を見せなくなって行く。


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〜タイムリミットまで残り9時間〜

11時。


この汚くて臭くて遠い川にも、他の川では味わえない時間がやって来る。

それがこの「富士見カヌー」の瞬間だ。

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富士山を見ながら川を下れる贅沢。

川の上から見ると、何やら銭湯にでも浸かりながら下っている気分になる。


すごくいい富士の景色だが、僕の偏頭痛も不治の気配。

分かってるよ。

僕ごときが富士山を優雅に眺めるなんて分不相応である事くらい。

空が快晴で、5月にカヌーが出来ている。それだけで幸せだ。


地元の観光和船のおっちゃんたちが迫って来る。

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一瞬怒られるかと思ったが、凄く良い人たちだった。

こういうちょっとした地元の人とのふれあいがたまんなくいい。


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〜タイムリミットまで残り8時間30分〜

11時30分。


ついにバターNの鼻からバターが抽出された。

余りにも汚いので処理させていただいた。

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風邪を引いていて、鼻からバターを出すほどになっているのにこの笑顔。

鮎釣り解禁前の川には、このような「無理をしているけど快感に浸るカヌー野郎」という種族が溢れ返る。

皆この短いゴールデン期間を必死で楽しんでいるんだ。


しかし、中々終わる気配がないこのコースに皆疲れ果てていた。

この漂流者のような痛々しい光景と言ったらどうだ。

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彼らは楽しんでいるのか?

偏頭痛中でタイムアタック中の男、絶賛風邪ひき中の男、鼻からバターを出す男、プレイボートで緊張しっぱなしの男、好奇心を抑えられない骨折疑惑の女、胸を揉みながら寝ている男、山田、etc...

一体彼らを突き動かしているものは何なのか?

何とか彼らを救い出す事は出来ないものだろうか?


しかしここでのお昼寝タイムで時間を浪費してしまったが、何とか僕の歯痛と偏頭痛が鎮静の方向へ向かい始める。

さあ、休憩はここまでだ。


チーム・風の二人も、遠近法を駆使した気合いの入った放尿を披露する。

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方々に風邪の菌をまき散らすウイルステロ軍団。

さあ、ここから一気に距離を稼ぐぞ。


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〜タイムリミットまで残り7時間〜

13時。


ダッチャーSとB女房のダッチ女房コンビが、深く謝罪しながら川を下って行く。

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己の人生を回顧して、突然天に許しを請い始めたのか?

さにあらず。

ここにきて我々の前に「逆風のシャア」が立ちふさがったから、空気抵抗を減らして風に立ち向かっているのだ。


時間のない時のロングコースでの強い逆風ほど容赦のない拷問プレイはない。

TMレボリューションばりの風が正面から僕らに吹き荒れて、盛り漕ぎしないと進んで行かない。

このような状況を今後はDMレボリューション(ドM革命)と呼ぶ事にする。


そんな中見事に「温泉タイムリミット」を川の上で迎えた。

もう温泉につかって帰るなんて夢のまた夢だ。

ゴールはまだまだ先で、風はまだまだ強く行く手を遮る。

もう温泉どころか子供の風呂までに帰れるかどうかも怪しくなって来た。


風と風邪にまみれたバターNも随分と体力を奪われている。

風で苦労するB旦那を救うためにロープを投げようとしたが、そのまま体勢を崩して川の中へ。

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一番レスキューが必要なのはあなただ。


この逆風の強さを表現するために撮った写真は以下のもの。

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B旦那のフードが立ち上がっちゃってる。

このような暴風の向かい風を、ただただ突き進む病み上り決死隊の面々。


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ちょっと、思いのほか長くなって来たんで今日はここまで。

まさかの三部作となってしまった。

今回は苦しい括りだが「中編」ってことでご勘弁。


さあ、残り時間がいよいよ迫って来ているスペシャル日帰りドラマ「22」。

タイムリミットまで残り7時間を切り、暴風の向かい風に敢然と立ち向かう7人のマゾ侍。

この先には僕史上最大の瀬の出現も控えている。

果たして男は子供のお風呂時間までに無事帰還することが出来るのか?


次回、ドラマは感動のクライマックスへ。

そして「22」の先にあったもう一つの驚愕のドラマ。

そのエンディングは誰にも予測不可能。


ドラマ史上に残る大どんでん返しのエンディングに、観客達は惜しみないスタンディングオベーションを男に送り続ける。

その時は刻々と近づいて来ていた。



〜後編につづく〜

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