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修行の風景〜南木曽岳〜

Posted by yukon780 on 26.2012 南木曽岳/長野 0 comments 0 trackback
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中央アルプス南端の山「南木曽岳」(なぎそだけ・1679m)。

御嶽山、木曽駒ヶ岳とともに、木曽の三岳と呼ばれて古から「修行の山」として信仰される山。


この山にはこのような別名がある。

雨や霧の多い山なので「泣きびそ岳」、額を地面に付けるくらいの急登が連続するので「額付山」。


この「修行」「泣きべそ」「急登」という素敵な響きに魅了された男達がいる。

もちろん、まさかな出来事を楽しむアウトドアマゾ集団「チーム・マサカズ」の面々だ。


今回は悪天候をこよなく愛す「僕」、は虫類をこよなく愛す「アゴ割れM」、重いカメラをこよなく愛す「矢作C」、自分の嫁さんをこよなく愛す「ビビるS」の選抜4名のマゾ達。

そんな男達の報われない急登修行パラダイスが開幕した。


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そもそも南木曽岳にしたのは「曇り時々晴れ」の週間天気予報が決め手だった。

当日の予報では「曇り」に変わっていたが、降水確率は0%。


しかしなぜか南木曽に向かう車のフロントガラスを、何やら見慣れた液体が叩き付けている。

写真

まあいつもの事で想定内。

今回も楽しい山歩きが期待できそうだ。



中津川の駅でみんなを拾って、急いで登山口の駐車場へ向かう。

というのも、人気の山らしく9時前には駐車場が満車になってしまうという事前情報を得ていたからだ。


しかし、現場に到着してみると駐車場はがら空きだった。

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どうやら誰も好き好んでこんな悪天候の時に登る奴らはいないようだ。

しかしチームのメンバーは追い込まれた状況になるほどにゾクゾクが止まらない。

ベテランマゾの僕に至っては、買ったばかりのトレッキングポールが壊れている事が発覚して自らを追い込む離れ業。

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天を仰いで喜びを噛み締めているようだ。

今日のようなハードな急登登山時には(特に下山時)正直無くてはならないポールの離脱。

本日も下山時にガラスの膝小僧が喜びのシャウトを繰り返す事になるだろう。



さあ、修行前の遺影撮影だ。

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湿度とまとわりつくようなジメジメ感がマゾの体に心地よい。

ワクワク感ゼロの最高のスタートとなった。


いきなり出迎えてくれるのは濡れてツルツルの橋。

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さすがは修行の山。

覚悟のない者はここで突き落とされるわけだ。


暗く陰鬱でじっとりとした森を突き進む。

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早くもこの山が「泣きべそ」をかき始め、我々のテンションを強制的にダークな気分に落とし込んで来る。

そんな中、突然アゴ割れMが妙な体勢になった。

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まさか屁でもこくつもりか?

しかしよくよく聞くと大きなカエルがいたらしい。

は虫類好きの彼にとっては、このくらいのじっとりとした世界が丁度いいのかもしれない。


やがて噂に違わぬ急登の世界に突入していく。

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ただひたすらに登っていくだけの「楽しさゼロ」の修行世界。

己と向きあい悔いを改める内省的な暗い登山だ。


そして己と向きあいすぎて方向を見失い、違う道に侵入しては矢作Cに止められて引き返す男。

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この男に先頭を歩かせると、自ら死地に突入していく癖があるから恐ろしい。

毎度見張り役の矢作Cがいないと集団遭難の引き金になりかねないから、今後もアゴ割れMから目が離せない。



さらに深く深く侵入し、自己を見つめ直し続ける男達。

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何度も言うがこれは修行だ。

ここから先は山ガール禁制の男塾。

ひたすらに楽しさの対極の世界を堪能する4人のマゾ達の地味な戦い。

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そしてジメジメした世界ですっかり反省し、気持ちがめげた時がチャンス。

修行の山、南木曽岳が「さらに己と向きあいなさい」とオシャレなステージを用意してくれた。

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思わず見上げてしまうほど急峻でオシャレな階段だ。

我々は貴重な休日に、はるばる長野県まで来て何をしているのか?

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このよじ登っている男は二児のパパだ。

そしてこの二人も幼い子供を家に置いて来てまでここにいる。

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なぜ彼らは「楽しい登山」には目もくれずにこのような修行の道を選んでしまったのか?

それとも意図せず毎度こういう事になっているのか?

それは誰にも分からない。


そしてあまりの修行のハードさに、従軍キャメラマン矢作Cはすでに撮影する事をやめている。

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彼は毎回クソ重たいカメラを持参してはその重さ故に誰よりも先に疲弊して行き、挙げ句にしんどくて撮影できなくなるという本末転倒っぷりを披露してくれる。

彼にとってカメラとは、撮影するものではなく修行道具の一つなのかもしれない。


やがて修行も佳境に入っていき、「鎖」か「桟道」か好きな方をチョイスできるという気配りを見せる南木曽岳。

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左の「鎖」は垂直に近い岩壁が雨に濡れてツルリと滑る素敵なコンディション。

右の「桟道」は木の隙間から踏み外したら滑落を楽しめるというアトラクション。

どちらも魅力的で、豊富な修行バリエーションに喜びを隠せない男達。


とりあえず桟道コースで諸葛孔明の北伐気分を味わう事にした。(蜀の桟道参照)

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しかし欲張りなアゴ割れMの修行心が止まらない。

桟道を登りきってから、何故か鎖道に手を出し始めた。

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大方の予想通り足を滑らせて慌てて戻って来たが、彼の探究心には見習うべきマゾが光っていた。


そしてまたウネウネと急な階段を登っていくという地味でハードな修行が始まる。

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この頃には「カッパを着るほどじゃないけど鬱陶しい量」の雨が降り出す。

体のジメジメ感は勢いを増し、不快指数はさらに味わい深いものになって来た。


もうこの頃には矢作Cは虫の息になっており、しかも脇腹痛に苦しみ出していた。

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それでもこの嬉しそうな表情は、彼の修行が一段上のレベルに達した事を物語っている。

何かが突き抜けて、苦悶の先にあるお花畑の世界が彼にはハッキリと見えているんだろう。



やがて「かぶと岩」という岩の案内看板が出て来た。

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しかし、まだまだ修行が足りない我々にはその姿を捉える事は出来ない。

心眼で「かぶと」っぽい岩を想像する事しか出来ない。

先週の甲斐駒ケ岳山頂に引き続き、本日も真っ白な「精神と時の部屋」の世界に入り込んだようだ。


さらに這いつくばって突き進み、

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やっと「展望ゼロ」の山頂に到達。

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予想通りだが、山頂までが華々しさと無縁の地味な世界だった。


山頂が展望がない事は知っていた。

実はこの先に素晴らしい展望スポットがある事は調査済みだ。

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この先に南アルプスの絶景がお待ちかねだ。

ここまでの修行の苦労が一気に吹き飛ぶ瞬間だ。


おお!雄大なる南アルプスの山々よ!

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かつてジョンレノンは言った。

「想像してごらん」と。

そこに素晴らしい世界が広がっているんだよ。


しかし心眼を開けない男達はただガックリと肩を落とした。

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これがあの辛く地味な修行の果ての結果なのか?

神はまだまだ修行が足りないとおっしゃっているのか?



ここでアゴ割れMが言ってはいけない事をついに口にしてしまった。


「なんかさ、感動が欲しい..。」


野郎、言いやがった。

誰もが思っていたけど、あえて口にしなかったその言葉を。


実はみんななんだかんだと、天気が回復していって山頂に着く頃には景色が堪能できると思っていた。

しかし突きつけられた現実は痛烈なものだった。

修行に感動などは必要ない。

そう言い聞かせて先に進んでいった。


やがて霧まみれの世界にぼんやりと幽霊船のような避難小屋を発見。

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本来であれば絶景を堪能しながらメシを食うはずだったが、まさかの避難小屋ランチとなった。

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そんな我々に対し、小屋の壁にはイヤミな写真が貼ってある。

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ああ、本来であればこのような景色が広がっていたんだね。

別に悔しくないよ。

悔しくないさ。

悔しくなんて...



おっと危ない。

せっかく鍛えて来た精神がグラつく所だった。

さっさとメシを食って修行の続きだ。


さらに霧に包まれた世界を先に進んでいくと、またしてもイヤミな看板と展望スペースに到達。

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親切に中央アルプスの山容図入りの看板を立ててくれちゃっているが、中央アルプスどころかすぐそこに立つ僕の姿すら霧で消えかかっている。

しかしここまで来ると、ついに我々にも修行の成果が現れ始めた。

奇跡的に展望が開けて、ビビるSのバックに中央アルプスの山々が現れたのだ。

37_original_20120726112000.jpg

うおお、絶景だ。

親切に山の名前まで分かり易いように巨大な標識が刺さっているし。


報われた。

誰がなんと言おうと我々の修行はこれで報われたのだ。



こうして絶景を満喫した我々は下山していった。

IMGP9864.jpg

この下山記念写真で笑っているのは僕だけのように思えるのは気のせいだろうか?

何にしてもみんな大満足の登山だったね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


この後温泉へ行った。

そこの入浴料は700円なんだが、ビビるSがJAFの会員証を持っていた為に200円割引で500円になった。

そこでアゴ割れMが、またしても呟いてしまった。


「この割引、今日で一番感動した」と。


その一言に、誰も異を唱えるものはいなかった。

男達は静かに浴場に消えていった。


彼らの修行はまだ始まったばかりなのだ。


ー完ー


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