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紅葉挟撃作戦7〜完結編・新時代かっぱ橋宣言〜

Posted by yukon780 on 01.2013 前穂〜奥穂〜涸沢/長野 4 comments 0 trackback
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時は来た。

今こそ積年の恨みを晴らす時。

北ア維新完結へ向けての最終侵攻。

今こそモクモク幕府に引導を渡し、我らの手に快晴を取り戻すのだ。



激闘に次ぐ激闘の末、ついに紅葉挟撃作戦「赤きマゾの血」を成功させた男達。

さらには「前穂高岳」「奥穂高岳」「涸沢岳」の3つの3,000m拠点も制圧。

もはや誰もが「快晴奉還」の瞬間はすぐそこだと確信していた。


しかし悲願達成まであとわずかという所で、まさかの「涸沢カールの変」勃発。

涸沢陽動部隊のセンセーショナルな裏切り行為により、ついに崩壊したハママサ同盟。

これにて挟撃作戦自体が不可能となり、ついに孤立する奥穂奇襲部隊。


しかし諦めたらそこで試合終了だ。

我々は安西先生からボールを受け取ると、勝利の瞬間を信じて下山を開始。

奇跡の「大快晴・大紅葉・大絶景」に向けて、男達の最後の戦いが始まった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ついに涸沢カールへ攻め込む下山戦線に突入した奥穂奇襲部隊。

ここまではじっと息を潜めていたが、いよいよ敵の背後に攻め懸かる時。


「突撃ー!」というB旦那の大号令。

そして奇襲部隊の荒武者達が敵の本陣めがけて、義経以来の怒濤の「逆落とし」だ。

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そしてその馬群から、真っ先に飛び出したのはまさかのバターN。

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昨日までの「ミスター高山病」とは思えない、実に機敏なる動き。

そう、彼は標高を下げるたびに高山病から解放されて元気になって行くという、「下山に強い男」として横浜で名を馳せる男。

やっと彼が本領を発揮する時がやって来たのだ。


目指す標的は涸沢カールのテント場。

あそこで涸沢陽動部隊の面々が、今か今と我々の到着を待っているはずだ。

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しかし実はもうすでにこのテント場に奴らはいない。

もちろんこの時点では、自分たちが「劇的な裏切り行為」に遭遇しているなんて思ってもいない奇襲部隊。

結果的に本能寺の火の中に突っ込んで行く事になっているが、奇襲部隊はただただ愚直に任務を遂行するのみだ。


そしていよいよここからは「重太郎」「吊り尾根」に次ぐ、最後の難関「ザイテングラート」の下りに突入。

岩の支稜をひたすらに急降下して行くのだ。

奇しくも昨晩の挟撃作戦成功により、見晴らしが素晴らしくて高度感も半端ない。

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このザイテングラートがあるせいで、登山初心者は奥穂高岳までの到達を諦める人も多いという難関だ。

でも僕は少しだけ心の中で、「ひょっとしたらあいつら、高い所から涸沢の紅葉を観る為に下から登って来てるかもしれないな。途中で会えたら面白いな。」なんて事を考えていた。

裏切られているとも知らずに。

実にめでたい男だ。


そしてザイテングラートに突入すると、とても爽やかな光景が展開。

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連日の変態攻撃に、さすがに「もういいよ...」と高所恐怖症の僕はウンザリ顔で呟く。

しかし急速に高度が下がるにつれ、どんどんスピードを増して行く下山マスター・バターN。

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一方で、昨日は最も元気だったB旦那の勢いが弱い。

実は彼は膝に爆弾を抱える男で、「下山時に勢いを失う男」として横浜で名を馳せる男。

バターNと入れ違いで失速して行くミスター下山病。

このチームは「常に誰かが問題を抱えている」という、実にバランスの取れたチームなのだ。


そして岩を這い上がる地獄の亡者達のような状況は続いていく。

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やはりモクモクを蹴散らしたとは言え、敵の本丸までの道は実に険しい。

しかも下りだから、変な恐怖と膝への負担が実に心地よいではないか。

そして目的地がずっと見えているのになかなか近づかないと言う、富士下山にも似た耐久戦も楽しめるのだ。

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だが、やはりそこは天下の北アルプス。

景色はやっぱり最高で、僕が一番好きな形の常念岳もずっとこっち見てる。

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思えば3週間前、僕はこの常念岳山頂からこっちの方を眺めて「ああ、来月は奥穂に登るんだなあ」と思ったものだ。

そう言えばあの時もチーム・マサカズメンバーと途中で合流する作戦だったな。(参照記事:常念山脈北上野郎


あの時、あいつらは雨でずぶ濡れの僕を置き去りにして先に下山してたよなあ。

あの時の裏切り行為はショックだったね。

でも今回は雨も降ってないんだし、まさか先に下山してるなんて事はないだろう。

むしろ今こっちに向かって登って来てるかもしれないし。

そろそろ仲間を信じてみてもいい頃だろう。


そう。

僕たちの友情は永遠なのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その頃、涸沢裏切り部隊。

早々と仲間を見捨てた男達が、すでに本谷橋まで下山を完了していた。

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何の迷いも無い足取りで、橋を渡って行く小木Kの勇姿。

何も荷物を背負ってない所を見ると、大方矢作Cに「いい写真撮れそうだからあの橋渡って」とでも指示されたんだろう。

こんなおっさんが橋を渡る不毛な写真撮ってる時間があるのなら、もう少し涸沢で我慢できなかったのだろうか?


そう。

僕たちの友情は、この吊り橋のように脆くて不安定なのだ。


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そうとも知らず、早く合流を果たそうと必死で駆け下りて行く哀れなピエロ部隊。

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いよいよザイテングラートの核心部をくぐり抜け、敵の本陣間際にまで下降して来た。

もうこのくらいの標高ともなれば、バターNが見違えるようなパワーみなぎる風貌に変化している。

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すっかり肌艶もよろしく、弾ける笑顔が爽やかだ。

ちなみに昨日の3,000m付近での高山病マスターの勇姿がこれだ↓

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人はたった数百m標高が違うだけでこうも変わってしまうものなのか?

そもそも何故彼はこうなる事が分かっていながら高山ばかり登り続けるのか?

高山病マゾプレイという新ジャンルを切り開いたパイオニアの心中は、我々のような一般マゾには到底窺い知る事ができないようだ。


やがてザイテングラートの区間を突破した奥穂奇襲部隊。

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これにて全ての難関を突破したぞ。

三大拠点の「前穂高岳」「奥穂高岳」「涸沢岳」を制圧し、三大難関の「重太郎新道」「吊り尾根」「ザイテングラート」も突破した。

もうここからは維新達成に向けたビクトリーロードの始まりだ。

ただこの先には、日本の歴史上で明智光秀・小早川秀秋に次ぐ「三大裏切り野郎」でお馴染みの「チーム・マサカズ」の面々はもういない。

挟み撃ちが出来ない奥穂奇襲部隊にとって、勝算などはもうないのだ。


しかしどういう事か、ここから晴天の中で素晴らしい絶景区間が続いて行くではないか。

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紅葉も始まり、いよいよ敵の本丸に侵入した感がある。

これには裏切られた事に気付いていない奇襲部隊も、涸沢陽動部隊との挟み撃ちが大成功した結果だと大喜び。

完全なる北ア維新達成はもうすぐそこだとばかりに、早くも勝利目前の記念撮影。

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このあり得ない大快晴と絶景に、これまでの地獄のような行軍が報われたと涙する3人。

そしてちゃんと待っていてくれた涸沢陽動部隊への感謝の念がこみ上げてくる。

早く彼らと涸沢カールにて大合流し、お互いの健闘を称え合ってガッチリと握手を交わしたい所だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その頃、涸沢裏切り部隊。

彼らは後ろ髪を一本も引かれる事も無く、一直線に横尾までの下山を完了していた。


もはや写真すら撮られていないが、周囲からの目撃情報が寄せられている。

その情報によると、何やらメガネをかけた40手前のノッポと小太りのおっさん二人が、シュワシュワしている黄金の液体を体内に流し込んでいる姿が目撃されたらしい。

恐らくそいつらは、早朝の涸沢で目撃された二人のワインおじさんと同一人物と思われる。

もしそうだとするならば、彼らはこの北アルプスをただの巨大な居酒屋と勘違いしている可能性が高い。

何もはるばるこんなとこまで来なくても、近所の和民にでも行けばよかったんじゃないのか?


色んな意味で突っ込みどころの多い涸沢裏切り部隊。

下山時の写真を全く撮ってない従軍キャメラマンにも多くの謎が残る所だ。



このように絶望的な状況で挟撃作戦を放棄したチーム・マサカズメンバーたち。

それではなぜこの3人が裏切ったにもかかわらず、この時奇襲部隊に快晴がもたらされているのか?

もう孤立無援の奥穂奇襲部隊と挟み撃ちできる者などは存在しないはず。

まさか別の誰かがこの挟撃作戦に加わってくれているのだろうか?


残りのチーム・マサカズの初期メンバーは、今回参加できなかったゲリMとアゴ割れMの2名。

その内ゲリMに関しては、前回の燕岳で僕を置き去りにした裏切り男の一人。

結果的にチーム・マサカズは、僕を除く初期メンバー5人の内4人がすでに裏切り済みという「背信集団」だという事が判明した。


そんな中で、ただ一人僕を裏切っていない男がいる。

それは「アゴ割れM」。

しかし彼は仕事により、今回の1泊2日の登山には参加していない。

この時点での彼の消息は不明だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そんな中、奇襲部隊の快進撃が続いていた。

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いよいよ勢いを増す絶景ワールド。

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一歩一歩標高を下げるごとに、周囲が紅葉に包まれて行くという素敵すぎる世界。

赤・黄・緑に染まるその美しき肢体を節操もなく見せつけてくる涸沢さん。

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汚い文章と白い写真ばかりのこのブログで、かつてこれほどカラフルに彩られた美しき世界をお送りした事があったろうか?

ついに我々はモクモク幕府の居城に無血入場し、憧れの「大奥」の絶景の中にその身を置く事に成功したのだ。

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いつもは「真っ白」な世界の住人だから、僕もバターNもただただ挙動不審にうろたえるばかり。

もう気分は突然ニューヨークに連れてこられたマゾ原人。

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あまりにも青空と紅葉が輝き過ぎていて、白に慣れた目も焼けてしまいそう。

まるで数万人の水着プレイガールに取り囲まれて、もう一体どこに目をやっていいかも分からないような錯乱状態の奇襲部隊。

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この大絶景に対する感動は、昨日の厳しい道のりがあったからだけではない。

今まで負の歴史を繰り返して来た彼らだからこそ、誰よりも深く味わえた大感動なのだ。

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高山病に苦しめられ地獄の3,000mを味わったバターN。

そろそろ色彩感覚を忘れそうになっていた悪天候男の僕。

そしてそんな二人のお守をし続けて来たB旦那。


今、長い長い大迂回路を経て、我ら奥穂奇襲部隊が堂々と涸沢カールへ勝利の進軍。

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さあ「約束の地」はもうすぐそこだ。

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ついに涸沢山荘を越えて、

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涸沢陽動部隊の仲間達が待つテント場に到達。

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しかし見渡す限り奴らの姿が見えない。

そうか、さては涸沢ヒュッテのテラスで我々を待っているんだな。

まさか「おめでとう!お疲れ様!維新達成!」なんて横断幕とか用意してたりして。

実は周りにいる人たちはみんなエキストラさんで、その瞬間に拍手喝采なんて事もあるかも。

そんな粋なサプライズが用意されているのかな?


しかしテラスに行っても、横断幕どころか奴らの姿すら見えない。

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そしてここにいる全員は明らかにエキストラでもなんでもなく、誰一人クラッカーとか持ってる奴もいない。

携帯も繋がらず、連絡も取れない。


この時、ふと僕の脳裏に3週間前の「置き去り事件」の悲劇が浮かび上がった。

そしてにわかに脳内でビジュアル化されて行く「裏切り」というワード。

まさか一ヶ月の間で、私は二回も置き去りにされてしまったのか?


しかし振り返ると、そこには「大快晴・大紅葉・大絶景」の世界が広がっている。

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思いがけない形だが、見事にここに「北ア維新」達成。

とてつもない喜びと、置き去りにされた切なさが入り乱れて複雑な感情。


しかし形がどうであれ、これにてモクモク幕府からの「快晴奉還」が成立。

ハママサ同盟の挟撃作戦というか、これじゃただ単に横浜の友達と登山しただけと言った競演もクソも無い結果に。


だがこの時はまだ知らなかったのだ。

この維新達成は、間違いなくハママサ同盟による「新・挟撃作戦」に他ならなかった事を。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その頃。

北アルプスからはるか250km南方。

三重県・鈴鹿山脈。

ある一人の男が「竜ヶ岳」をさすらっていた。


その男の名は「アゴ割れM」。

チーム・マサカズ初期メンバーの中で、唯一裏切っていない最後の男だ。


彼は今回の革命戦には参加せず、たった一人で別動部隊として鈴鹿から太平洋に睨みを利かせていた。

そう、彼こそがチーム・マサカズの切り札「鈴鹿陽動部隊」。


奥穂奇襲部隊が大快晴に包まれている時、彼はこの竜ヶ岳で孤独なゲリラ戦を敢行。

太平洋から北上するモクモクの援軍を食い止めていたのだ。

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そして美しいまでの白い世界の中で、彼はエクスタシーにひたっていた。

一人だからその時の彼の写真は残っていないが、過去の写真から抜粋すると恐らくこのような表情だったに違いない。

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そして重要な役目を果たし、こんな感じで大満足で下山した事だろう。

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まさにしてやったりのアゴ割れMの壮大な作戦。

隠密行動すぎて、現場の誰一人彼の活躍に気付いている者はいない。


そう、決裂したと思われたハママサ同盟はまだ生きていたのだ。

これぞ奥穂〜鈴鹿間という壮大なスケールで展開した、ハママサ同盟による「新・挟撃作戦」の真相。

そしてこの「新・挟撃作戦」にはさらにもう一人の革命児が関与する事になる。

アゴ割れMが中岡慎太郎だとするならば、もう一人の革命児は...。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


思いがけない維新達成に沸く奥穂奇襲部隊。

もちろんまさかはるか遠方の鈴鹿山脈で、孤軍奮闘してモクモクを食い止めてるイボ痔部隊がいるなんて想像もしていない奇襲部隊。

何はともあれ「大快晴・大紅葉・大絶景」と「大裏切」まで堪能してしまった。


ひとまず、何故こんなに晴れているのかよく分からないまま下山を開始する。

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ひたすら紅葉に包まれながらの幸せすぎる下山タイム。

今まではいつも敗北感に包まれながら、うつむいて唇を真一文字にして下山するのが常だった男達にとっては珠玉の時間だ。


振り返れば、雲間から差し込んだ陽光がスポットライトのように紅葉を照らし、

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もう何の文句もつけようが無い世界が続く。

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これにはいつも急登の世界でしか「ニヤリ」としないこの男も、ついに人間らしい感情を取り戻して笑っている。

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一体何年ぶりに思い出しただろうか?

いや、初めての気付いた感情かもしれない。

登山はマゾるもんじゃなく、楽しむものだったという事を。


そしてひたすらに爽快な景色の中を、涸沢陽動部隊に追いつくべくひたすら下山して行く奇襲部隊。

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いつもの絶望ため息とは違う、「幸せため息」が漏れてしまう絶景の数々。

快晴が奉還された世界とはかくも素敵なものだったのか。

あの吐く程しんどかった前半とのギャップが凄まじすぎる。


そしてやはり涸沢までの登山道はしっかり整備された歩きやすい道で、昨日までの変態道と違って快適に歩いて行ける。

しかしこの快適登山道で涸沢陽動部隊はヘロヘロになった挙げ句、反省会で「悪いのは全てあのマゾ野郎」だと言い放ったのだから、いかに無駄で重い荷物を背負って行ったかが伺える。


やがてすっかり標高が下がって、いよいよ脱高山病の下山マスター・バターNの勢いが止まらない。

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彼は元気になり過ぎたあまり、ついに走り出してしまった。

昨日の3,000m付近で牛歩戦術を決め込んだ男とは思えない、猛烈なダッシュ下山がスタート。


それにつられて膝に爆弾を抱えるB旦那も走り出す。

そして僕もその後を追う。


せっかくの快晴絶景を素直に楽しめばいいものを、なぜかマゾの方マゾの方へとシフトして行ってしまう奇襲部隊。

彼らはあまりにも不器用過ぎて、素直に幸せを受け止めきれないのだ。


バンバン他の登山者を追い抜きながら、ほぼトレラン状態で駈け下る奇襲部隊。

あっという間に本谷橋も越えて、屏風岩を横目で見つつ、

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やがて横尾に到達。

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すっかり足を痛めた僕はここでかなりグロッキーになったが、こんなに急いだにもかかわらずここでも涸沢陽動部隊の姿は無かった。

もちろん彼らがここで黄金水を補給していたなんて事は知る由もない。


で、こっからは地味な時間帯。

ただただ平坦な道を上高地目指して突き進むという耐久戦に突入だ。

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やがて徳沢に到達したが、もちろんここでも陽動部隊の姿は見当たらない。

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一体いつになったら彼らと合流できるのか?

それでもきっと彼らは挟撃作戦の役目を果たしているはずだ。

だってこんなに晴れているし、いつもなら溢れかえってくるモクモクさんも見事に上部で食い止められている。

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いくらなんでもこれはいつもの感じじゃない。

もううすうす気付いているが、涸沢陽動部隊が任務を放棄しているのは明らか。

ではなぜこんなに晴れが続いているのか?

いくら「鈴鹿陽動イボ痔部隊」が南方で頑張っているとはいえ、さすがに距離が遠すぎる。


何者かが我々との「挟撃作戦」を、この北アルプス内で実行しているに違いない。

そしてその仮説はやがて確信に変わった。


フラフラと長い上高地までの道のりを歩いて行く奥穂奇襲部隊。

すると前方からこちらに向かって来る見覚えのある顔。


なんと変態マゾ超人「レボリューションI」ではないか。

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彼は今朝、我々とは逆方面の岩の中に消えて行ったはず。

そして長大な北アルプス最難関ルートを越えて上高地に降りるルートだったはず。

彼がここにいる事は到底あり得ない事なのに...。

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話をしてみると、その謎が解けた。


彼はあれから滑落必至のジャンダルムを軽々と越えて行き、西穂高岳までの最難関ルート(通常登山タイム6時間40分)を2時間半で駆け抜けたという変態さ。

さらに西穂高岳から上高地までの通常登山タイム5時間の道のりを、なんと2時間で駆け下りて来たというハレンチぶり。

そしてゴールに着いたにもかかわらず、彼の歯止めのかからないマゾ魂がかっぱ橋でスパーク。

なんとそのまま我々の方に向けて余分すぎる延長戦に突入し、徳沢付近まで我々を出迎えに来てくれたのだ。


恐らく彼は途中で涸沢陽動部隊と出会っているんだろうが、彼らとはハツラツさの温度差が激しすぎる。

しかも例の我々が聞いた「大落石音」は彼の前を行く人が発生させたもので、彼は数mの差でその落石の直撃を免れたという。

しかもそんな強烈エピソードを、笑顔全開で話すという飾りの無いマゾヒスティックさ。

まさにマゾ界の革命児「坂本龍馬」だ。


ちなみに彼の変態さを地図で現すと以下の通り。

青色=涸沢裏切り部隊、黄色=奥穂奇襲部隊、赤色=レボリューション

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これはあくまでも一泊二日のお話。

分かる人には、このハレンチさをご理解していただけることだろう。


彼のこの弾け過ぎたマゾ出迎え行為が、結果的にとてつもない壮大なスケールでの「挟撃」となったのだ。

これが鈴鹿イボの中岡慎太郎と、変態マゾ神の坂本龍馬による「新・挟撃作戦」の全貌だ。


そしてそんな龍馬を自軍に加えて、意気盛んにかっぱかっぱ橋を目指す奥穂奇襲部隊。

完全にタイミングを失ったモクモクも、ただただ明神岳後方でうろたえるばかり。

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さあ、ここまで来たら間違いなく涸沢裏切り部隊はかっぱ橋でくつろいでいるはず。

こうなったらかっぱ橋でのハママサ同盟大合流をもって、勝利の「新政府樹立宣言」と行こうではないか。


やがて明神館も越えて、いよいよラストスパート。

ついにゴールのかっぱ橋を視界に捉えた。

それと同時に、バターNが歓声を上げる。

「あ、いた!」

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彼の視線の先には、矢作C・ビビるS、そしてベンチで熟睡している小木Kの姿が。

ついにハママサ同盟の大合流の瞬間だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして涸沢裏切り部隊。

すっかりかっぱ橋でのんびりしていると、何やら前方から重々しい加齢臭。


矢作Cがふと見上げた先には、「あ、いた!」と叫ぶバターNと脇から匂いを放出するマゾ野郎の姿が。

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そしてその後方にはB旦那と見慣れない男。

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何やら人が増えているぞ。

ただ小木Kと矢作Cとしては、前回の燕岳の時も合流時に人が増えてたから特に気にしない。

いつもの事だ。


こうしてマゾ革命児によって引き合わされたハママサ同盟。

そしてこの歴史的な大合流を呆然と眺めている奴がいる。

ここまで何度も裏の裏をかかれ、「紅葉挟撃作戦」に翻弄されて最後まで実力を発揮できなかったモクモクさん。

実に悔しそうに、穂高の峰々の上から苦々しく我々をを眺めているではないか。

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しかし今回ばかりは、味方ですら欺かれる事しばしばのギリギリの作戦だった。

これが我々革命軍の「赤きマゾの血」の目指した終着点なのだ。



時は2013年10月6日。

龍馬の立ち会いのもと、無事に調印式を終えた「横浜組」と「チーム・マサカズ」。

ここでついにモクモク知らずの快晴軍団「ハママサ新政府」が誕生したのだ。

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これが世に言う「かっぱ橋宣言」。

新たな時代の幕開けだ。



こうしてあまりにも長過ぎた革命戦は終焉を迎えた。

もはや何もやり残した事が無い男達は、心地よい達成感に包まれながらバス乗り場へ向かう。

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しかし冷静に考えて欲しい。

当初「横浜組とチーム・マサカズの夢の競演」と大々的に言っていたが、実質彼らが行動をともにしたのはほんの一瞬。

スタートとゴール時の、この「かっぱ橋〜上高地バスターミナル間のみ」の数百mだったという事実を。


競演もクソもないわずか数百mだけの共同時間。

へたすると、その辺の観光客よりも短い競演時間。

どう考えてもそれぞれがそれぞれの登山を楽しんだだけという、ただの「普通の登山」だったという説もある。


しかし彼らが自分たちで負の力をはねのけた事には変わりはない。

ただビール飲んでただけの奴もいるが、紛れも無くこれは歴史的な革命戦だったのだ。


いつかハママサ新政府が本当の競演を果たす時。

そこから新しい歴史は始まって行くのである。




紅葉挟撃作戦  〜完〜



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜おまけ〜


革命を成功させ、興奮状態で帰宅したマゾ男。

彼はこの勢いを借り、一気に二つ目の革命を成功させようと企てた。

その革命の相手は不落の砦「嫁幕府」だ。


今回撮影した美しすぎる涸沢の紅葉写真を嫁に見せて、「わあ、ステキ!私もこういう所に行ってみたい!」と言わせて、嫁を少しでもアウトドアの世界に引きずり込もうというのが真の目的だ。

かつて何度かこの嫁幕府に対して同じような革命戦を挑んで来たが、そのことごとくが「無感情マグロ無言」という名の強烈な迎撃ミサイルでことごとく打ち負かされて来た。


しかしどんなに無感情・無感動の女だろうと、この写真を見て感嘆詞が飛び出ないわけが無い。

僕はパソコンで写真を表示し、嫁に見せつけた。

食らえ!

これがマグロ粉砕紅葉アタックだ!

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この写真を見てしばらく動きが止まる嫁。

恐らく感動して言葉も出ないんだろう。

じっと嫁を見つめて、「わあ!ステキ!」という言葉が発せられるのを今か今かと待ちわびるマゾ男。

そしてそんな僕の視線に気付いた嫁が振り返る。

そして彼女はその重い口を開く。

いよいよ革命達成の瞬間。

彼女は言った。



「象の尻みたいな顔してこっち見てんじゃないよ。」と。




しばし時が止まるマゾ男。

大紅葉の絶景写真を背にして解き放たれたまさかの言葉。

まるで事態が把握できずに、その場にただただ立ち尽くすマゾ男。

そもそも象の尻みたいな顔とはどんな状態なのだ?


それでもめげない象尻男は、必死で「もうあり得ない光景なんだよ。行ってみたいと思わないのかい?」と攻撃の手を緩めない。

しかし彼女は強烈な上から目線で、「綺麗なホテルとコンビニと服屋さんがあるなら考えてもいい。車から徒歩5分くらいのね。」と言い放つ。

決定的に話が噛み合ない異種格闘技戦。


そしてノックアウト寸前の僕に対して彼女は言った。

このあまりにも意外すぎる一言を。


「それよりさ、ドラゴンズの谷繁監督ってさ、名字が谷で名前が繁なの?気になってさ。」と。



もはや紅葉や北アルプスから8万光年程それまくった話題になっているぅぅッッッ!


あまりの衝撃にガタガタと震えながらその場で膝をつく革命軍。

圧倒的な敗北。

調子に乗って革命を挑んだ私が馬鹿だった。


一体どうしたら彼女を感動させる事が出来るのか?

この後何故か「目が合ったら殺す」とか言われたし...。

もうこれはジャンダルムよりも陥落不可能な事なのか?

それとも僕が吊り尾根あたりで滑落でもしていれば、「わあ!ステキ!」と感動してくれてたんだろうか?



男の革命はまだまだ道半ばなのである。



〜完〜



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ふう・・読み終わり7話完結の大作堪能です。
様々なドラマがありましたね、かくも事実とは奇なり。

写真の素晴らしいですね、奥穂系の写真はまさに地獄絵図の様、昔の人は修験者さんとかが登る場所だったでしょうから、絵図のヒントはこのような場所から来たんだろうなとか、思ってしまったりしています。
後半は快晴、ちょと彩度が高いのがなんですが、ご褒美を手に入れられよかったですね。トレランの人も尋常ではない、すさまじいです。

高度感と荒涼とした景色の写真堪能しました。
いい意味でゾクゾクします、スカイスポーツ出身なもんで。

革命後の今後の活躍にも期待をしております。
(あとカヤック話も・・・)

このエピソード、今年のボクデミー賞間違えないのではないでしょうかw

そういえば、櫛田川の件少々お待ちください。なんの影響か8TBのファイルサーバーが逝きました。
あらゆる手を尽くして復旧中ですが、RAID5なのに復元しません--;、何でしょうね、この負の雰囲気。今回の奇襲にパワーをとられたのでしょうか。
2013.11.02 21:35 | URL | hamatoshi #9Lqq.z4E [edit]
hamatoshiさん、毎度ながらこんな変なものを長々と読んでもらってありがとうございます。
今回は各方面で悲惨な事が繰り広げられてたんで、それらを全部書いてたらえらい長くなってしまいました。
たかが一泊二日の登山なんですがね。

今回は写真も1000枚を越えて、編集作業だけで相当なマゾでした。
でも前半の悲惨さと後半の天国な感じの対比がすご過ぎて、編集してても楽しかったですわ。さすが北アルプスです。
涸沢の紅葉は、実は彩度いじってないんですよ。
むしろわざとらしい程の発色に、あえて彩度を落とした写真もあります。
そう考えると紅葉時の涸沢はやっぱり絶景で、しかも快晴だったから味わえた至福の時でした。
それもこれもここに到達するまでの苦悩の日々あってこそ。(遡上済みのhamatoshiさんならお分かりでしょう)

レボリューションIさんに関してはもうすご過ぎて、今となってはあれは幻覚だったんじゃないかと思ってます。
そして高所恐怖症の僕からしたらスカイスポーツやってるhamatoshiさんも十分信じられない存在ですよ。


革命後の活動に関しては、最後の「象の尻発言」した人の影響で、また外に出て行けてない日々が続いております。
しばらくは奥穂効果で大人しく出来ましたが、そろそろヤバいですね。
カヤックに関してはどうしても子供が大きくなるまでは、5月の鮎釣り解禁前だけって感じですわ。
基本的に旅カヌー好きなんで、ほんとはテン泊道具積み込んで2〜3日はさすらいたいんですがね。
しばらくは山で気を紛らわせて、ちょくちょくカヤックを織り交ぜて行きますよ。

あと、心からお詫びいたします。
8TBのファイルサーバーが破損って、自分だったら相当に立ち直れない状況ですよ。
もしこの破損が我々奇襲部隊の為の挟撃作戦だったとするならば、1TB=1晴れ相当なのであと7回は晴れそうです。
また鈴鹿セブンでも行こうかな。

復旧を心より祈っております。
2013.11.05 15:47 | URL | yukon780 #- [edit]
この行程というか、行脚というのか、オペレーション、遡上人としては感動です。
彩度の件失礼しました。確かに2000M超えると空気の澄み具合というか、空の色やら、音の響き方やら、何やら変わりますよね。あの荒涼感はたまりません。

スカイスポーツは基本一人でやるので、結婚後封印状態です。そこで家族でできる遊びとして復活したのがキャンプやカヤックです。子供が1才半でデビューし、今では5歳にして長瀞下っても余裕になりました。キャンプはもっぱらファミキャンですが、子供と2人の時は25年くらい前に買った2人用超小型テントで行くようになってきました。脱キャンプ場もそう遠くないと想像しています。
yukon780さんも、もう少しで、お子さんと旅に出られるのではないでしょうか?
そう願っています。

「あと、心からお詫びいた・・」の下りですが、帰宅中の電車内で思わずにやけてしまいましたよ、危ない所でした。不審者にならない様、気を付けなければ。

新政府による新時代の、素晴らしい冒険話を、お待ちしています。
2013.11.06 00:39 | URL | hamatoshi #9Lqq.z4E [edit]
ペンタックスのカメラは、ナチュラル設定してても彩度高めに出るみたいなんですよ。
やっぱり矢作Cのキャノンフルサイズ機に比べると味が無い分、なんか突き抜けた画になります。
というか今まで暗い場所(悪天候)でしか撮った事が無いだけに、設定の仕方も分からずオドオドしてましたよ。

で、うちのりんたろは4才にしてすでに「カヌー嫌い宣言」してますんで、しばらく様子見の状態です。
若干やり方を間違えて変なトラウマを与えてしまったようです。hamatoshiさん家がうらやましいです...。
子供二人と旅に出られる日が来たら本当に嬉しいんですがね。
そんな旅の模様を早くこのブログで綴りたいです。
多分僕は号泣してるでしょうね。

と、お詫びの件ですがまだにやけで済む分には僕も安心です。
最近小木Kあたりの「お前が外出したせいでゴルフ場で雨が降った。どうしてくれる」などの苦情を言う奴が続出してるんで恐ろしいばかりなんです。
遊びに行く際は、事前に早めに僕の行動を察知して逆方向に向かう事をお勧めします。

ハママサ新政府で何か出来るのは来シーズンでしょうね。
これからのテーマはいかにして雪山に行けるかどうかです。
全ての鍵を握る象尻発言女の今後の動向に注目ですね。

2013.11.06 13:58 | URL | yukon780 #- [edit]

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