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ヤツオリンピック・硫黄岳後編〜埋没マゾ遊戯〜

Posted by yukon780 on 20.2014 硫黄岳/長野 0 comments 0 trackback
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硫黄岳山頂に仕掛けられた衝撃の罠。

後に「クソ&クライの悲劇」と呼ばれた歴史的な事件。

これが小学生なら、間違いなく「うんこマン」というあだ名がつけられる大惨事だ。


しかし一説によると、硫黄岳の名前の由来は「山頂のとある場所から硫黄の香りが漂う」というところから来ていると言うウサワもあったりなかったり。

だとすると、真の硫黄岳の山頂を踏んだ(掴んだ)のはレジェンド団長だという事になる。

この団長の持ち前の嗅覚で、なんとか偽の山頂標識に惑わされる事なく硫黄岳を制した日本選手団。

これは実に美しいエキシビジョンが完成したと言わざるを得ないだろう。


しかし美にどん欲な彼らのエキシビジョンはまだ終わらない。

残すは快適な下山だけだが、残念ながら彼らはアルピニストではなくあくまでもマゾピニスト。

快適な道でこそ、己のマゾを開拓する求道者達。

かつて歴史上の偉人が放った言葉「マゾれぬなら マゾってしまえ ホトトギス」という訓示に則り、自らマゾり出す日本選手団。


ついに終焉を迎えるヤツオリンピック。

そんな彼らの最後の戦いの模様を、しっぽりと振り返って行こう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


クソ&クライの悲劇を乗り越え、見事に硫黄岳を制覇した日本選手団。

観客達の拍手を背に、栄光のリンクから去って行く。

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前日から続くこの日本選手団の華麗な演技に、観客達からは「ありがとー!」という声が飛び交う。


選手達も激戦の連続で、体中が傷だらけで疲労の色も濃い。

足のリーチが合わず苦戦した者、胃もたれで吐きそうな者、金が全てだと言って汚れてしまった者。

中には本当に汚れて手がウンコ臭い者や、背中がウンコ臭い者もいる始末。

ここまでの激しい戦いを物語る名誉の負傷の数々。


しかし彼らの顔は実に晴れ晴れとしている。

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悲願の金メダルを手に入れ、エキシビジョンでも世界中に感動を届ける事が出来た。

母国を捨ててまで日本に帰化したこの二人も、ご覧の笑顔でやりきった感が溢れかえっている。

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そして彼らは、外国人である自分たちを受け入れてくれた選手達に感謝のプレゼントを開始。

弟のジョンボーAが「コレカンシャノシルシ。ミンナデタベルヨロシ。」と言って、行動食を振る舞い始めた。

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どうやら彼曰く、シェルパ族に伝わる伝統的な行動食で名を「カニカマ」と言うらしい。

見た目はカニの身のようなスティック状の食べ物で、非常に美味で渋い行動食だ。

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しかし良く考えたらこの男、山頂でクソ&クライのウイルスを背中に受け入れてしまった男。

たちまち日本選手団にうんこ感染が広がって行く。

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まさに「シェルパパンデミック」。

このシェルパ族の伝統行事によって、身も心も一つになった日本選手団。

これは腹を下す前に急いで下山しないと大変な事になるぞ。


こうしてひとしきり異文化交流を楽しんだ日本選手団は、自らが硫黄の香りに包まれてしまわないように急いで下山してく。

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後はただひたすら下山してくだけのノンマゾな世界。

しかしここでやはりあの男が動く。


何を思ったか、レジェンド団長がトレースを外れてあえて新雪の世界に突っ込んで行ってしまったのだ。

そして案の定、彼は雪に埋もれて身動きが取れなくなっている。

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やはり彼の中のマゾの血が、負の方負の方へと彼の運命を導いて行ってしまうようだ。

体は雪でがっちりと固定され、結構な恐怖も襲いかかる。

何とか力で這い上がり、必死でもがけばもがくほどおマゾな世界が展開されて行く。

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アリ地獄に捕まった白豚野郎の哀れ極まりない世界。

しかしこのまさかな別行動マゾを目撃したパパラッチKのバズーカレンズには、もがきながらも「ニヤリ」が止まらない変態の姿が激写されていた。

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パパラッチKはこの時、この写真を「八ヶ岳山中にマゾイエティ出現」の見出しで東スポに売り込んで一儲けしようと頭に浮かんだらしい。


そんな中、マゾイエティは後方に向けて「こっちは相当なマゾい状況だ!危ないから来ちゃダメだ!」と注意を促す。

しかし時すでに遅し。

彼が振り返ると、まさかの「マゾイエティ妹」が運命に逆らえずに埋まってしまっているではないか。

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飛んで火に入る冬のマゾ。

あれほど来ちゃダメだと言ったのに、やはり彼女もそのおマゾな宿命に身を任せてしまったようだ。


しかもこのおマゾ被害に巻き込まれた者がもう一人。

なんとあのベテランシェルパ族の男までも思いっきり埋もれて、このオプションマゾに参戦してしまっているではないか。

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だがこの悲惨な状況にゾクゾクが止まらない彼は、「ドゥへ、ドゥへ、ドゥへへへ」といつものように変態的な笑みが止まらない。


こうして見事にアリ地獄に吸い寄せられてしまった3匹のマゾ。

普通に下山すれば良かったものを、何故彼らはこのように哀れにもがき苦しむのか?

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特にこの二人は共に立派な二児のパパ。

四十路間際で一体何をやっているのか。

彼らの嫁さんが、年々冷たい視線になって行くのはこの辺に原因があるとしか思えない。

それでも彼らの顔は少年のように輝いたニヤリが溢れている。

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家庭では見せる事の無い輝いたニヤリを炸裂させながら、必死で木に掴まる重度のマゾ患者たち。

いつか嫁さんにも分かってくれる日が来ると信じて、今日もお父さん達は戦っているのだ。


一方、再び足のリーチに苦しんで脱出できない帰宅困難者。

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蝶よ花よと大事に彼女を育てて来たご両親は、この姿を見て何を思うのか。

まさか蝶を通り越して「マゾイエティ妹」として東スポの一面を飾る事になるとは思ってもいない事だろう。



その後、なんとか木に掴まりつつ這い上がって脱出に成功したマゾイエティ三兄弟。

雪って埋まると本当に動けなくなるんだねって事を、身をもって学ぶ事が出来た。


しかし我々マゾイエティの存在が世に知れてはいけない。

なんとか我々の事を東スポに売り込もうとしている奴を成敗しなくては。


こうして自分たちの姿を激撮したパパラッチ野郎の討伐を開始したマゾイエティ三兄弟。

慌てて逃げるパパラッチKを、後方から妹の低血圧イエティがシリセードで追撃。

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そしてイエティ達の迫力に追いつめられたパパラッチK。

彼はそのまま木に激突して自滅。

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そして欲にかられた男は、そのスクープ写真を売り込む前に絶命した。

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これにてマゾイエティの秘密は守られた。

ロマンはロマンのままにしておいた方が人類のためなのだ。

我々はこの八ヶ岳の森の中で、ただ静かにマゾりたいだけ。

放っておいていただきたい。


そしてイエティ三兄弟は、満足げに森に帰って行った。

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こうして日本選手団による余興「森の住人と金の亡者」という演目が終了。

このアンコールエキシビジョンに対して、観客席はすっかり大満足のスタンディングオベーションだ。


これにて完璧なエキシビジョンをこなすことに成功した王者日本選手団。

あとは優雅に八ヶ岳の森を堪能しながら、威風堂々と下山をかますのみ。

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しかしここに来て、連日の激戦の疲れが足に来て足がもつれる者が続出。

もはや疲労のあまり、脳から送られる信号と末端神経との間にタイムラグが生じているのだ。

時折休憩を入れながら下山して行くが、ベテラン勢は一度止まるともう動けなくなっている。

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己の意思に反して、足と腰が激しく動く事を拒否して来る。

先ほどのイエティ寸劇で根こそぎ体力が持って行かれたようだ。


それでもなんとか彼らは、選手村まで這いつくばって帰還を果たす。

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そして部屋に戻ってグッタリと大休憩。

しかしうだうだと寝転がっていたら、山荘のスタッフさんに「もう次のお客さん来るんでいいすか?」とせかされるように追い払われてしまったメダリスト達。


バタバタと逃げるように食堂に移動し、カレーライスを注文して再びグッタリ。

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お茶をすする彼らに漂う雰囲気は、もはや老人会の集まりのような重々しい空気感だ。

レジェンド団長に至っては、顔に死相すら浮かんでいる始末。

この壮絶な2日間のせいで、彼らは一気に老け込んでしまったのだ。


しかしいつまでも死んでいる場合ではない。

家に帰ったらまた嫁の奴隷の日々が待っている。

今もっと死ぬほど遊んでおかないと、必ず後悔する事になる。

私に残されたフリーダムは残りわずかなのだ。



実は団長が悩みに並んだ末、今回この赤岳鉱泉泊を決めた理由は3つある。

一つは「お風呂に入れる」という事と、二つ目は夕食が「ステーキである」という事。

しかしお風呂は冬期は入れないという事を直前になって知り、ステーキに至っては「サンマの悲劇」を巻き起こして我々を絶望の縁に追いやった事は記憶に新しい。


だが最後の希望がまだ残ってる。

それがこの三つ目のチョイスポイント、「アイスキャンディー」という名のアイスクライミング用人工氷壁があるという事だ。

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今こそこのアイスキャンディーに、我がアイスクライミング童貞を捧げる時が来たのだ。


ホットドックプレスを手に、目を血走らせて意気込むレジェンド団長。

しかし他のメンバー達は「僕らはコーヒーでもすすってます。どうぞ団長お一人で頑張ってください。」と驚きのつれなさ。

それでも負けじと受付に行き、ハーネスとロープのレンタルを申請に行く団長。

例え一人になろうとも、童貞男の底力を天下に示してみせる。


そんな鼻息の荒い団長に対し、ランボーNが気の毒そうに言った。

「なんかロープ借りられないみたいですよ。」と。


どうやらネットで「各種クライミング用品レンタル可」と書いてあったのは講習会参加者用のものであって、一般の人への貸し出しはしていないとの事。

しばし時が止まるレジェンド団長。

そして静かにその場に崩れ落ち、肩を震わせながら大粒の涙を流している。

風呂もステーキも、そして筆下ろしすらさせていただけなかった哀しきメダリスト。


こうしてもろくも総崩れとなった「赤岳鉱泉三本の矢」。

そんな失意に暮れる団長を尻目に、急に素っ気なくなった選手団は「さ、行きますか」と黙々と出発準備。

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あれほど一枚岩だった日本選手団も、やはり疲労が重なって来ると己で精一杯だ。


しかしそれでもまだ諦めがつかないレジェンド団長。

せめて雰囲気だけでも、氷壁の前に仁王立ちして「それっぽさ」を演出。

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いかにもこれから登り出しそうな雰囲気だが、足にスノーシュー履いてる時点で滑稽さがスペシャルだ。

そして背中にはゴミ袋までぶら下げてるという情けなさ。


しかしこの旅の前、彼は知り合いに「ついにアイスクライミングデビューです」と言い放って来た手前、このまま帰るのは恥ずかしすぎる。

それはもはや「俺、今夜童貞捨てて来るぜ」と宣言しておきながら、キスすら出来ずに帰って来るようなものだ。


そこで面倒くさがる選手団に頼み込み、このようなヤラセ写真をねつ造。

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自作自演の自慰行為。

彼は今後、有りもしない武勇伝を語り続ける「ニセ童貞喪失者」としてイバラの道を歩んでいく事だろう。


その後、ひとしきり団長の茶番を見送って赤岳鉱泉を後にし始める日本選手団。

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ここからは、ただただ樹林帯の中を駐車場を目指すだけの退屈な道のり。

しかしその沿道に大勢のファンが詰め寄せている。

そう、ここからは「金メダル凱旋パレード」の始まりだ。


もちろん、王者である日本選手団はトレースのついた通常の道で帰るわけにはいかない。

ここはマゾリストらしく、あえて「ノートレースの新雪」をかき分けて帰るのが吉。


そこで我々はスノーシューとワカンというパレードカーに乗車し、もふもふの世界へと飛び出して行く。

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沿道を埋めた5万人の市民達の黄色い声が響き渡る。

次々と現れるスター選手達にフラッシュの嵐。

中継テレビ画面のテロップにも「激しいフラッシュの点滅にご注意ください」の文字が踊る。

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そして当たり前だが、ここの所の大雪によって新雪はスペシャルな積もりっぷり。

ワカン程度ではずぼりずぼりと埋もれてしまう。

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しかしこのような肉体疲労時のマゾ補給こそ日本選手団のお家芸。

道無き道を突き進み先行するベテランコンビも、あたりまえ体操のようなチャーミングなポーズで喜びを表現している。

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これを見た沿道の女性達の「キャーキャー」という声が心地よい。

しかしその中の主婦層からは「お前達、子供を家に置いて自由に遊び過ぎだ!」「さっさと家に帰ってオムツでも換えてやがれ!このクソ豚野郎!」といった罵声も含まれている。

良く見ると彼らの嫁さんのように見えたが、その真相は闇の中だ。


味気ない帰り道も、これだけ無駄な回り道をすれば実に楽しいものだ。

もはや日本選手団の佇まいは、アビーロードを闊歩するビートルズのように堂々としている。

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胸を張って沿道のファンに手を振る選手達。

やがて笑顔のまま、小山に登って行く先頭のレジェンド団長。

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だが彼はこの直後、突然視界から姿を消した。

慌てて駆け寄る後方の選手達。

するとそこには、思いがけない落とし穴に埋没している一人の中年の姿が展開していた。

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カッコつけて歩いていただけに、あまりにも痛々しいセルフドッキリ大作戦。

そして必死でもがいている姿はお茶の間の失笑を誘う。

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いよいよ団長の足腰の限界が近い。


そんな中、何事もクールに決める男パパラッチKがクールに埋没している。

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止まらない埋没の連鎖。

どうやら小川の上にかぶさった雪を踏み抜いた模様。

これにはたまらずジョンボーAも、久々にブラザーになって「So Cool!」と言って誉め称える。

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普段はクールが信条のパパラッチKも、今日のパレードばかりは観客へのサービスが過剰だ。

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今となっては己が他のパパラッチに狙われる立場。

やはり同業者を喜ばすツボを心得ている。


一方、ブラザーも負けてはいない。

彼も瞬く間に「Holy Shit!」と叫んだかと思うと、ファンキーな埋没を披露している。

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そして後方では、もがくブラザーを助けようともしないばかりかシャッターを切り続ける低血圧Mちゃんの勇姿。

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彼女もこのオリンピックで随分と逞しく成長したものだ。


しかし、このような若手の埋没プレイの数々を黙って見ていられない男がいる。

もちろんそれはレジェンド団長。

彼は再びみんなの前から、「ストン」と一瞬にして姿を消す。

まさにトムとジェリーでトムが空中にいる事に気づいた後で、太い叫び声とともに落下して行くあの感覚だ。


そしてそこには金メダル級の「スーパー埋没」を見せつけるレジェンドの姿。

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埋まるにも程がある名人芸。

彼も見事に川の上の雪を踏み抜いて、まさかの「首下ラッセル」を楽しんでいる。

何気に他の選手達の無反応っぷりも恐ろしい。


たまたま下に岩があったから良いものの、そのまま川へゴーしていたら一気に低体温症で命を持って行かれる所だった。

このスレスレのマゾプレイこそ、彼がレジェンドと言われる所以であり金メダリストの実力なのである。

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この世界レベルの埋没マゾプレイに、沿道に詰めかけた人々はため息まじりで見つめるばかり。

中には涙を流して感動している人の姿も見受けられる。


その後も熱狂の凱旋パレードは続いて行く。

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なんとも楽しいマゾクトリカルパレード。

子供から老人まで大満足の様子。


そんな中、興奮したファンが乱入して来るというアクシデント。

いきなりレジェンド団長の前に立ちふさがって来た毛深い女。

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まずいぞ、目がイッてしまっている。

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私を抱いてと言わんばかりのバッチ来いポーズに、団長の動揺も止まらない。

すぐさま係員に取り押さえられたその女は、そのまま連行されて行った。

やはり名が売れるとこのような危険が迫り来るもの。

金メダリストになるのも楽じゃないのである。



そしてその後もパレードは続き、

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間もなくゴールが近づいて来る。

シェルパ族の男も、閉会の儀式を開始して祈りを捧げ始めた。

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この八ヶ岳に、シェルパ族に代々伝わる「戦いの神」を奉納。

これにてパレードは厳かに終焉の時を迎えた。


そして彼らは静かに会場を後にして行く。

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やがてそのまま首相官邸へと招かれた日本選手団。

日本国民に多くの感動を与えた功績が認められ...


なんと、満場一致で「マゾ民栄誉賞」が贈呈されたのだ。

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こうして彼らの長い長い戦いは幕を閉じた。


次回の快晴登山まで4年。

その時を夢見て、彼らは再びマゾ道に精進して行く事だろう。


おめでとう、日本選手団。

そして感動をありがとう。


また4年後。


次こそはステーキを食べてみせる。




ヤツオリンピック 〜完〜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜おまけ〜


深夜。

フラフラの状態で帰宅したレジェンド団長。

もちろん家族はすでに寝てしまっている。


ソロリソロリと荷物を運ぶ。

ここで物音を立てて彼らを起こしてしまったら命は無い。


もう片付けは適当に済ませ、とにかく横になりたい限界男。

激しい疲労からか、あっという間に眠りに落ちる団長。


しかしここでりんたろくんが目を覚まし、団長に向かって「ねえ、お茶飲みたい」とダダをこね始める。

団長はなんとか起きてお茶を取りに行きたいが、泥のような体が言う事をきかない。


やがてりんたろくんは寝ている嫁にその矛先を向ける。

寝ていた所を起こされて嫁の機嫌がスペシャルな状態に。

そしてこの一連の流れで、こーたろくんまで起きて泣き出してしまう始末。


やがてお茶を取って来た嫁が、のんきにまどろんでいる僕を見てキレた。

そして耳を疑う言葉を発したのだ。

作っただろうと疑われそうなほどのその一言を。



「おい、お前。乳首もぎ取るぞ。」と。



あまりの戦慄発言に、金縛りのように動けない男。

しかも冗談っぽくではなく、凄く怒っている。

彼女からしたら、「散々遊んで来た挙げ句にお茶も取って来ないばかりか、こーたろくんまで起こしてのんきに寝てやがって。お前のような男には乳首すらつける資格はないわ。」と言いたい局面だったのだろう。


これは赤岳を遥かに凌ぐ恐怖とスケール感。

薄れ行く意識の中、レジェンド団長は思う。


ヤツオリンピックは全て夢だったんじゃないのかと。

あの快晴は全て幻だったんじゃないのかと。



4年後、彼が次のオリンピックに無事に乳首のある状態で挑めるかどうかは分からない。

しかし乳首がなくなっても、この胸にはいつだってロマンが潜んでいる。


ちなみにこの日から1週間、ずっとこの事で嫁に無視されました。



まあ


とりあえず



前を向いて生きて行こうではないか。




〜完〜


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