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りんたろ七五三〜そして父誤算〜

Posted by yukon780 on 20.2014 伊吹山/滋賀 3 comments 0 trackback
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ケツからご来光を覗かせながら必死で走る男がいる。

そこは早朝の伊吹山中。

独立峰ならではの吹きさらしの寒風が容赦なく男に襲いかかる。

その風を切り裂いて、ただただ父は走る。

全ては息子の「七五三祝い」のためである。



そもそも彼はこの日、こんな所でグヘグヘ言う予定ではなかった。

では何故このように早朝からマゾることになったのか?


時は前日に遡る。

この日彼は、5歳の息子りんたろくんの七五三参りに訪れていた。

この落語家みたいな男がそのりんたろくんだ。

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このように、彼は父の「立派なアウトドアマンに成長して欲しい」という思いをはねのけ、順調にお笑い芸人として成長している。

そして誰彼構わずキスしまくるエロ太郎としてもハードに成長中。

基本的にこの神社にいる間、彼は男女問わず常に誰かにチューをかましていた。

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このままではまずい。

一体どこで育て方を間違えてしまったのか?

まだ5歳だから許されるが、このまま成長したら立派な変態だ。


やはり通常の七五三参りでは彼の変態路線への成長は止める事が出来ないようだ。

そもそも神社に金だけ払って子供の健やかな成長を祈願するなんて、随分と虫の良い話じゃないか。

男親たるもの、やはり「己の体」を奉納してこそご利益があるのではないか?

大人には大人の七五三が求められる時代ではないだろうか?


という事でその男は、愛する我が子の為に自らの身を山に捧げる決心をした。

ここからは大人の七五三のお時間だ。


この「大人七五三」という行事は、まず家庭内に祀られてある「嫁」という名の神に祈りを捧げる事から始まる。

男による伝統的な祝詞(のりと)が神殿に響き渡る。

「掛けまくも畏き嫁大神。岐阜に住めるマゾが真名児りんたろ。今年五歳になりぬれば 世の常の例のまにまに伊吹山山頂に参出敬ひ拝み奉る。早朝だけでいいのです。嫁大神の寛大なる御心のままにどうか僅かばかりの奴隷解放を。ご迷惑はおかけいたしません…あなかしこ…あなかしこ…」


この祝詞を現代訳すると「どうか早朝だけ伊吹山トレランさせてください。全ては子供の為なのであります。」といった所。

過去最高に威力のない「口実の剣」。

要するにただ単に山に行きたいだけの苦肉の策だったが、奇跡的に「10時までに帰ってこい。遅れたら殺す。」という比較的寛大なご采配を賜る事に成功。

10時までの帰宅なら無理すればかなりのマゾが楽しめる。


そして男がその大人七五三のステージに選んだのが「伊吹山」。

トレランには向かない直登直下の独立修行峰。

そしてこの山の山頂には日本史上最強の男「ヤマトタケル」が祀られている。

りんたろくんの男らしい成長を祈願するには持って来いの参拝場所なのである。


こうして男は早朝4時に家を出発して行った。

全ては息子のため。

この身を伊吹の神に捧げる「大人七五三」の神事が幕を開けたのである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


暗闇の伊吹山麓。

人々が寝静まる町中を、犬に吠えられながらひたひたと走り始める男がいた。


2キロほどロードを走り、伊吹山の登山口に到達。

大人の七五三を前に彼の気分は高揚していた。

高揚しすぎてヘッドライトを消し忘れたまま記念写真を撮ってしまい、もはや本人確認も出来ないほどだ。

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何やら顔が爆発した瞬間を激写された人みたいになっているが、彼が今回の伊吹山七五三参拝者。

子供の為と言い張って、己の欲を満たす為だけに山に突入しようとしている聖者である。


本当は大人しく予定通りお留守番してるはずだったんだけど、なんせ天気予報が晴れだったもので...。

しかも来週末には京都一周トレランの続きが控えているだけに、ここらで一発体を作っておきたかったんですね。


なんて本音がポロリしてしまったが、意気揚々と七五三スタート。

ひたすら暗闇の地味なハイクアップで、順調なマゾミングアップ。

いい感じで胃酸もアップして来た頃、一合目到達。

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ここは旧スキー場なんだが、ここから山頂までは一切の妥協は許さない延々直登ルート。

累積標高差は実に1167mで、「ひたすらまっすぐ登るだけ」といった実に男らしい独立峰。

はっきり言ってとても走れるような山じゃないんだが、今回は山に身を捧げるのが目的なので問題ない。


問題なのはむしろ、この「伊吹山って屋根付きだったっけ?」と思ってしまったほどの天を覆うモクモクさんの存在だ。

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天気予報が晴れだから無理してここまで来たんだが、あの情報はギャグだったのか?

七五三とともに、早くも父の誤算がスタートしてしまったようだ。


そして懸命に登って行くほどに、辺りはお馴染みの光景に包まれて行く。

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そして三合目に着く頃にはこんな事に。

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白いにもほどがある。

秋なのにほとんどホワイトアウトじゃないか。


しかしこうなればもうこっちのものだ。

やはり山はこうでなくっちゃ始まらない。

我が白き土俵で、伊吹の神にこの身を捧げる事が出来るなんて私は実に果報者である。


という強がりを呟いた後、男はひとしきり泣いた。

だったら何も伊吹山くんだりまで来なくても、近所の山でも同じ風景だったんじゃないのか...。


そう言えば確かヤマトタケルも伝説ではこの三合目で遭難したとある。

かくいう僕も以前伊吹山登った際、この三合目のトイレでケツから吐血した遭難の思い出がある。(参考記事:流血の挑戦者〜伊吹山前編〜

どうもこの三合目には魔物が潜んでいる気がしてならない。


しかしこれぞ大人七五三の試練。

肉体のみならず、このように精神もえぐってこそご利益があるというものである。


その後、その三合目の呪いに抗うかのように、ひたすら突っ走って高度を上げて行く。

やがてモクモクさんと同時に五合目に到達。

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伊吹山はこの五合目からが勝負。

こっから斜度はキツくなる一方で、筋肉破壊のお祭りが開演だ。

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そして木々などの遮るものもなくなり、その寒風はダイレクトに我が身にマヒャドを直撃させてくる。

それでも愛する我が子の為、ここは歯を食いしばって突入だ。


一方で、この頃には日が昇って来て辺りは幻想的な景色に包まれた。

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このマゾと絶景のバランスがたまらない。

モクモクさんは毎度迷惑な奴だが、彼がいるおかげで見られる景色だってある。

振り返ってみれば、もはや空襲でも受けたかと思うようなモクモクの町並み。

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鉄塔に至っては、まるで20世紀少年のロボットのような荘厳な佇まい。

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一瞬「嫁か?」と戦慄が走ったが、よく見るとこれは鉄塔だ。


そんなこんなで六合目の避難小屋を越え、

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さらに順調に高度を上げて行く。

猛烈にしんどいし、何やらやたらと寒いがここまでは順調に事が運んでいる。


と思った矢先。

景色が白いだけならまだしも、まさかの「足元も白い」区間がスタート。

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どうりで寒いわけだ。

というかさすがにまだ雪はないものと想定してこの伊吹山に来たんだが、この先大丈夫なのか?

そんな不安に対し、伊吹さんはバッチリ「ホワイトカーペット」でお出迎えしてくる余計な歓迎セレモニー開始。

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これじゃ滑って走れないじゃないか。

というかこんな所をトレランするなんて全く想定してなかったから、なんだか異常に怖いじゃない。

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斜度も鋭くなって来てるし崖もあって、中々の位置での計ったかのようなホワイトカーペット。

こいつはとんだマゾな映画祭に迷い込んでしまったようだ。

絶対にこの作品を滑らせてはいけないぞ。


そこからは慎重に、そしてハードに早朝マゾに邁進。

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大人の七五三とはかくも激しい行事なのか。

この霜っぷりは、またしてもモクモクに次ぐ父誤算である。


やがて九合目ともなると、世界は完全に冬の装い。

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もはやエルサが駆け抜けて行っかのようなこのアナ雪感。

想定外の樹氷を見ながら、冷え性の薄着トレラン男が懸命に駆け抜ける。

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「なんなら紅葉も楽しめるかも」なんて感じで秋の山を楽しむ予定だったんだが...。

さすが大人の七五三。

父の誤算はとどまる事を知らない。


しかしそれでもお父さんは、プルプルしながら山頂台地に到達。

そこはまさに凍てついた寒々しい世界だ。

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ここはキグナス氷河が修行した東シベリアのコホーテク村なのか?

最近マゾってなかった僕に対してなんて上質なおもてなしだろう。

スパシーバ、イブキ。


さあ、もたもたしてると吹き上がる寒風でホーロドニースメルチされてしまう。

凍る前に、急いで山頂へ。

ついに七五三参り目的地、ヤマトタケルに拝謁だ。

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早速「りんたろくんが男らしく成長しますように」という願い事と、「嫁が優しくなりますように」という絵空事を祈願。

そしてここまでのマゾ奉納に気を良くしたヤマトタケルから、この快晴のご褒美だ。

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なんという神のお力。

なんだかんだと、無理してここまで来て良かったよ。


となると欲が湧いてくるのがマゾの性。

この広い山頂台地の反対側に行って、眼下に広がる絶景を拝んでみたくなるというもの。

神が降臨して来そうなこの世界の先に待つその絶景を。

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こうして調子に乗った男は「山頂からの絶景」という見慣れない世界に向かって再び走り出す。

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やがて辿り着いた先の展望台は凍り付いたベンチ。

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滑らないように慎重にこのベンチの上に立つ。

目をつぶり、深く息を吐く。

そして静かに目を開ける。

ビバ!

眼下に広がる絶景よ!

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彼は北島康介風にこう言った。

「何も見えねえ...」と。


空はバッチリ晴れてるのに、見事なほどに眼下は真っ白。

もうただただ涙がこぼれ落ちないよう、天を仰いで白きため息を吐くばかり。

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これぞ大人の七五三。

数々の誤算の上に成り立つ身を切るような行事。

このおめでたさで、息子りんたろくんの順調な成長は約束されたようなものである。


やがて「何が何でも東側の景色は見せないぞ」と言わんばかりのモクモクさんのやる気がさらに鬱陶しくなってきた。

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これ以上の深入りすれば、一気にあのモクモクの餌食になることは明白。

と言うかこんなとこでもたもたしてたら、10時に間に合わなくなって嫁の餌食になる事の方が超明白。

やる事はやったから帰ろう。

もうマゾ高は十分だ。



で、こっからがお待ちかねのお時間。

ただただひたすら滑降してかっ飛ばして行く猛烈ダウンヒル。

この場にランボーNがいたら「飛びたい」と言う事間違い無しの、琵琶湖を眺めながらのこの大急降下。

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怖いんだけど、帰宅が遅れてしまう方がもっと怖い。

ここからは一気呵成に猛ダッシュ下山スタートです。

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ここからは写真も撮らず、本気で走り続けた。

腿の筋肉は壮絶なパンプアップフェスティバル。

この時間帯から通常の登山者が下から続々と登ってくるので、すれ違うたびにスピードを殺して腿に爆発的なハード負担。

それでもこの世界を滑降していく爽快感はスペシャル極まりない世界だ。


通常コースタイム2時間半の下山を、嫁に対する恐怖を味方につけて見事50分で駆け下りる事に成功。

そして腿の筋肉を10本くらい断裂した状態で、ヘコヘコとフィニッシュ。

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久々に壮絶な筋肉痛。

実はこの日以降本日に至るまで、まともに階段が降りれないほどの筋肉痛が続いている。

今週末の「京都トレランの為の体作り」で始まった行事だったが、まさかの「京都トレランの為の肉体破壊」を達成。

まさかの連鎖が止まらない。

父の誤算が止まらないのだ。


そして足を引きづりながら車に向かう途中、「伊吹薬草の里」という薬草風呂が登場。

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冷えた体、筋肉が強ばった状態の僕には生唾ものの施設。

この時点で家に10時に帰れる事は確定していたので、ついつい嫁に甘えてみる事に。

僕は電話で陽気に「サッとお風呂入っちゃっても良いかな?」とタモさんの「明日来てくれるかな?」的な軽いノリで聞いてみた。

今の私にはヤマトタケルが憑依しているから、きっと神の力で良いお返事が頂けるに違いないと踏んだのだ。


しかし電波が悪いのかと思うほどに、受話器の先は漆黒の闇の無言が続く。

僕は「あれ?もしもし。もしもーし。」と言っても応答がない。

やがてその氷結の無言に絶えられなくなって「スミマセン...。すぐ帰ります...。」と力なく言ってしまったヤマトタケル。

するとその闇の底から低い声で「よし」というお声。


いよいよ嫁は圧力だけで会話するようになって来た模様。

気持ちが大きくなって、思わず甘えてみたくなった私が愚かだった。

本日一番の父誤算は、意外と身近に存在していたようだ。


男は帰り道、おいしいパン屋さんでお土産のパンを高価な順に数個買って帰った。

そして嫁大神の御前にうやうやしく奉納。

七五三は終わっても、彼と神との隷属関係は終わらないのである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


何はともあれ、無事にりんたろくんの七五三が終わりました。

随分話が脱線した気がするけど、要するにそれが言いたかっただけの回でございます。


最後に今回は前回ご紹介したGoProでもテスト撮影してるので、おまけでここに載せときます。

やたらとスピーディーに走り倒してる感が出てますが、その辺は編集の妙でございます。

補正はかけてるけど、後半は画面がブレブレなので吐かないように気をつけてご視聴ください。



はい。

お疲れさまでした。

もう筋肉アウトです。



今週末の京都...


もう走れる気がしない....



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▶ Comment

こんにちは。
yukon780さん初めまして。

山へMTBで分け入るのが好きな40代男です。
次はどの山に行こうかと、山の情報を調べている時にこちらのページを知りました。
11月頭の3連休に風邪で倒れていたので布団の中で膨大な過去ログを読み漁り始めました。先日、よーやくほぼ読み切った感じです。超!長文ですね。でもどれも面白くて楽しませてもらいました。
仲間のみなさんと楽しそうに遊んでおられる様子が羨ましいです。

先週、ちょうど伊吹山のお向かいの霊仙山に友人とMTB担いで登ってきたので、何だか親近感を覚え(?)コメント入れさせていただきました。
霊仙山では山頂付近の見晴らしのいいところでは「台風?」ってくらいの暴風で、自転車で下ってたら横風に飛ばされそうになりました・・・歩くのも大変なくらいな状況。その日は周回25キロのコース設定だったのですが、ま〜〜ハードでハードで・・・「マゾ仲間に入れていただけるのでは?」ってくらいでした・・・何とか暗くなる前にゴールは出来ましたが。
我々も毎度毎度詰め込みすぎての、辛い思い出作りが得意です(苦笑)。

今後も更新、楽しみにしております!
それでは失礼します。
2014.11.21 21:54 | URL | madara #- [edit]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014.11.22 21:30 | | # [edit]
madaraさんはじめまして!
ようこそ変態ブログへ。

昔は僕も少しだけMTBやってましたが最近はめっきり己の体を酷使する方の道に進みまして。
このブログは風邪ネタ満載なので、風邪中の身にはグッと来る場面もあったかもしれませんね。
というかこんな無駄な長文の参考にもならないブログを、そんな状態で良く読み切りましたね。
その時点で一級品のマゾな匂いがします。
霊仙山での出来事といい中々のハードマゾですね。
霊仙山は僕もたまに走ってるんで(早朝だけど)、いつかバッタリ出くわして出会い頭にクラッシュするかもしれませんね。

こんな変なブログが闘病のお慰みになっていたのならこっちも書いていた甲斐があったってもんです。
今後ともおヒマな時にでも覗いて疑似マゾ体験してください!
読破ありがとうございます!
2014.11.24 21:27 | URL | yukon780 #- [edit]

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