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マゾピース2 薬師沢編〜夢をあきらめないで〜

Posted by yukon780 on 25.2015 雲ノ平〜高天原/富山 0 comments 0 trackback
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受け継がれる後悔、

時代のうねり、

人の夢。


これらは止める事のできないものだ。

人々が自由の答を求める限り、

決して留まる事は無い!


おマゾ王に

俺はなる!


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【後悔日誌 8月8日】


10:40


私は熱さのあまり、ついに沢の魅力に打ち勝つ事が出来なかった。

全く予定になかったこの航路。

私は情報ゼロの「薬師沢沢下り」の世界へと吸い込まれて行った。

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正確には、現在いる場所は薬師沢に流れ込む「左俣」という支沢。

パックラフトをするには明らかに水量不足だが、薬師沢本流に出ればきっと生唾ものの楽園が待っているはずだ。

私はその淡く不確かなロマンだけを胸に、岩を乗り越えひたすら本流を目指した。

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ここまでがクソ暑い中でクソ臭い衣をまとっての航海だっただけに、この爽快感は何事か。

言い知れぬ不安はあるものの、ドキドキとワクワクが止まらない。

今の私なら、隣にモリマンがいたとしても吊り橋効果で恋に落ちてしまった事だろう。


そんな中、ついに薬師沢本流へ到達。

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いざ、これから進んでいく下流方向に目をやってみる。

地図を見るとちょうど川幅が広くなっていて、パックラフトで下るのに最適な区間と見立てた所。

そこにはやはり、このようなスバラシイ淵が...

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うすうす分かっていた事だ。

こんな水量のない所で、パックラフトなんて出来るわけがないじゃない。

時には夢は夢のままにしておいた方が良い事もあるのである。


しかし、まだまだ先は長いから諦めずに航海は続いて行く。

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何より、天下の北アルプスで今この場所にいるのは己一人。

このディープな世界を独り占めしているというコーフンと開放感は、思わず全裸になって「フォッー!」と叫びたくなる気分。


私は登山道という安息の道から外れたアウトロー。

こんな男を養子にしてしまったご両親には、心の底から陳謝したい気持ちでいっぱいである。


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11:30


中々先に進めない。

なぜなら私の目の前を、

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10 2

このようにイワナ嬢が横切って「ワタシを指名して」と、いちいち誘惑して来るからである。


私はつい己の竿(テンカラの事ね)を、ボロンと取り出して振り回したい衝動に駆られる。

しかし今そんな事をして「延長延長また延長」を繰り返したら、3杯目のポッキーグラスが無くなった頃には日が暮れて遭難だ。

この薬師沢近辺はテント泊禁止だから、何としても16時までには小屋に着いておきたい。

こんな訳の分からない場所で遭難してしまったら、「人目につくとこで死んで来い」という嫁との約束が果たせないではないか。


でもやっぱムラムラ気分がおさまらず、ついつい岩の下に手を入れてイワナ嬢がいないかまさぐってしまう。

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この余計な動作を3分おきにやるものだから、全く進んでいかない。

恐るべし、魅惑のセイレーン。


しかしそれでも頑張って先に進んで行くと、今度は突然このようなステキなプールが登場。

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こういう出会い頭の美淵があるから冒険はやめられない。

先を急がねばならない事は重々承知しているが、目の前にこんな透けるような裸体を晒されて男として黙っているわけにはいかない。

私はその妖艶な魔力にフラフラと引きずり込まれてしまった。

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冷たい!

死ぬほど冷たい!

嫁のように冷たい!

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ハッと我にかえり、慌てて私は陸に逃げ帰る。

危うく冷やし殺される所だった。


さすがはグランドラインの淵。

甘い誘惑につられてホイホイついて行くと、あっという間に低体温症まっしぐらだ。


しかしそんな急速冷却の後、熱い岩の上に寝転がってのピロータイムがたまらないのである。

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あったかいなぁ。

気持ちいいなぁ。

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空も青いなぁ。

最高だなぁ...


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12:20


しまった!

思いっきり寝てしまったではないか!


時間が無いというのに、もうお昼過ぎちゃってるじゃないの。

私は薬師沢が仕掛ける「鞭と飴作戦」に、まんまとはまってしまったのだ。

急がないと、また本来の目的であるパックラフトをする時間が無くなってしまう。

もう去年のような過ちは冒したくない。


私は大急ぎで前進を続け、なんとか水量がある場所に到達。

ついに「パックラフトin薬師沢」という、前代未聞の状況が目の前に展開したのである。

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そして荷物を降ろしたついでに、テンカラの竿を取り出す。

とりあえず出航前に、「パックトランパーとして一応形だけでも釣りしましたよ」という証拠写真を撮らねばならない。


私としては基本的に「釣れない」という前提でここに竿を持って来ている。

そもそも半年間に渡る我がテンカラ釣果は「0匹」。

それどころか1匹釣る前に、先に竿を失くすという離れ業をやってのけたほどだ。

正直「テンカラ引退表明」をしようと思っていたが、薬師沢に行く記念にまた竿を買って来たのだ。


私は釣る気ゼロの軽い気持ちで竿を振った。

例えるなら「ダメ元の軽い気持ちでハリウッド女優のスカーレット・ヨハンソンを口説いてみたww」的なやけくそ感だ。


すると開始わずか3分。






スカーレット・ヨハンソンが私の手の中に!

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その時歴史が動いた


まさか私のような汚れたマゾが、ハリウッド女優をいとも容易く口説き落としてしまうとは。

「日本にのみ生息する世界遺産」と言われる黒部イワナ。

我が半年に及ぶテンカラ童貞は、今この天下の薬師沢で最高の相手で喪失されたのである。

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私の顔の全長が松井秀喜サイズのおよそ50cmだから、軽く80cmオーバーの大物イワナだ。

ちょうど釣り上げた時の写真も激写されていた。

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素晴らしい戦いだった。

あまりに嬉しすぎて、一人で「アッー!アッー!アッー!」と加藤鷹のように叫んでしまったほどである。


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13:50


叫びすぎてしまったからなのか。

それからは1匹も釣れなかった。


それどころか、「次は釣れるはず」「次は釣れるはず」のループに入り込み、またしても貴重な時間を大幅に喪失。

気がつけば、パッックラフトを膨らませてから1時間半も経っていたというまさか。


いい加減目的を遂行しなくては。

いざ、薬師沢パックラフティング!

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終了!


素晴らしい戦いだった。

距離にしておよそ20mほどだろうか。

苦労してここまで担ぎ上げて来た来た甲斐があったというものだ。


後悔なんてしていない。

後悔なんてしていないぞ。

男の冒険度は距離で決まるものじゃない。

その20mにどれだけ熱い情熱を注げたかどうかが問題なのだ。

後悔なんてしていないのである。


とは言えまだ私のロマンへの追求は留まる事を知らない。

そこからはクソ重いザックとパックラフトを担いで、水深のある場所を探して放浪する。

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そしてやっとの思いで再び挑戦。

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今度はわずか10mという光の速さで座礁し、再び過酷な移動。

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きっとあるはずだ。

まだ見ぬステキなパックラフト区間があるはずだ。

諦めたらそこで試合は終了だ。


その時、我が頭の中で同郷の岡崎市出身の岡村孝子が登場して歌い始める。


あなたの夢を

あきらめないで

熱く生きる瞳が好きだわ

負けないように

悔やまぬように

あなたらしく

輝いてね

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苦しいことに

つまづく時も

きっと上手に越えて行ける

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切なく残る痛みは

繰り返すたびに

薄れて行く

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あなたの夢を

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あきらめないで.....

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15:00


どれほど気を失っていただろうか。

私は精根尽き果てて、この大海原と同様の深い後悔にまみれている。


念願だったパックラフティングの総移動距離、およそ30m。

予定外だったパックショルダリング時間、およそ1時間。

夢をあきらめた瞬間、プライスレス。


一体何の為に私はこんな無駄な物を担ぎ続けて来たのか?

そしてこれから2日間、ただの重りとしてこれを担ぎ続けなくてはならないのか?


なーんて事を言ってしまうのは素人だ。

私はあくまでも孤高のパックトランパー。

誰が何と言おうと、私はプロとしてその責務を全う出来た事に誇りを感じている。

こっちを見るな。

目にゴミが入っただけだ。



さあ、気を取り直して先に進もう。

そうだ、記念に己撮りでもして英気を養おうではないか。

ええと、カラビナに黄色いひもで括り付けていた三脚は...と...

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おや?

気のせいだろうか?

去年買ったばかりの、高価なクイックシュー付き三脚が見当たらない。

合計およそ7,000ベリーの我が三脚が見当たらないのだ。


三脚は己撮リストの命。

まさか初日に失ってしまったとでも言うのか?


私は「そんなバカな」と吐き捨て、再び今苦労してパックショルダリングして来た区間を無駄に戻って行く。

きっとすぐに見つかるはずだ。


そんな時、頭の中に井上陽水が登場してエールを送る。


探し物は何ですか?

見つけにくいものですか?

ザックの中も、沢の中も

探したけれど見つからないのに


【捜索開始から20分】


まだまだ探す気ですか?

それより僕と踊りませんか

夢の中へ

夢の中へ

行ってみたいと思いませんか?


うふっふー

うふっふー

あ〜あ〜

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結局三脚は見つからなかった。

めちゃめちゃ戻ったのに見つからなかった。


それどころか、タオルまでいつのまにかどこかに消えていた。

嫁が「すごく水を吸う良いタオルみつけた」と喜んで買って来たタオルだ。

私はそれを「高天原の温泉で使おう」と勝手に今回持って来てしまっていた。

これで帰宅後の私の死は確実なものとなった。

恐らく再び買った新しいタオルで、我が血が吸われる事は間違いないだろう。



こうして私は前日の「9,000ベリー+2点減点」だけでは飽き足らず、本日も「7,000ベリー三脚+嫁タオル」という奉納を済ませた。

これで明日の快晴も間違いなしである。


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15:50


私は失意のどん底にいた。

イワナを釣って浮かれていたのが10年以上前の出来事に思える。

結局あの沢に入って手に入れた秘宝は悲報だけだった。


そんな私の前に、ついに本日のお宿「薬師沢小屋」の橋が見えて来た。

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なんとかギリギリ16時に間に合った。

しかし今は達成感というより、喪失感の方が勝っているのは何故なのか。

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しかもこの時、他の登山者達の視線が猛烈に痛かった。

そりゃ突然沢の上流から、妙なもの背負って頭にGoProつけたずぶ濡れの中年が現れたのである。

明らかに彼らが私を見る目は、「変な奴が来たぞ」と雄弁に語っていた。


せめて「沢から来たんですか?」とか「ボートで下って来たんですか?」と話しかけてくれれば救われたんだが、何やらこっちを見てヒソヒソ呟くのみ。

まるで田舎から都会に来た転校生のような気分だ。


そして厳しい視線に晒されながらいそいそと荷物を降ろし、本来下る予定だった黒部川を見る。

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水量豊富で、とても快適に下れそうだ。

なぜあと少しの我慢が出来ずに、あんなところで沢に入っちゃったかなあ...。


なんて泣き言を言わないのがプロパックラフター。

早速勝利の秘宝「美威瑠」を手に入れ、我が喪失の美しさに乾杯。

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おばちゃん登山者の洗濯物越しで、実に生活感溢れる秘境感ゼロの到着記念写真となった。

なぜなら私には三脚がないからこのアングルしか撮れなかった。

これから2日間、私はどうしたら良いのだろうか?


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16:10


もうこれ以上一人でいたら本気で泣いてしまう。

船医であるチョッパーおじさんを失ってから、孤独な航海が続いている。

そろそろここらで優秀な新しい船員を仲間に引入れる必要がある。


私は小屋の中でめぼしい男を捜索した。

すると、私が寝る予定の場所にこのような死体が転がっていた。

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よく見ると、パパラッチKではないか!


そう。

彼こそ私より3時間遅れで入山し、この小屋で待ち合わせをしていたパパラッチK。

彼は私が沢でおマゾ三昧中に、通常の登山道でサクッと抜かして行ったのである。


私は彼を叩き起こし、外に連行する。

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パパラッチKはこの壮大な場所での再会に対し、「あれぇ、髪切ったんすね...」という感激ゼロの第一声。

せっかく忘れてたのに、起き抜けから我が大失敗の童貞刈りを無意識に攻めて傷つけて来るとはさすがである。


そして早朝の新宿ホストのような眠たげな表情で、小屋をフラフラと出て来た彼の様子がおかしい。

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何やら足を引きずっているぞ。


どうやら彼は私がちょうどイワナを釣っている時間帯、一人で激しく転倒して足を捻挫していたというまさか。

そんな彼の第二声目が「僕...もうダメかもしれません...」という敗北宣言。


まさか出会って早々リタイヤ宣言を食らうとは思ってなかった私は、相変わらずの彼のトリッキーな展開に感心する。

私もプロのパックトランパーだが、彼もやはりプロフェッショナルなマゾ野郎。

私が船医の次に選んだ職業は、航海士でも料理人でもない。

それは一流の「怪我人」なのである。

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こんな男を連れて行っても何の役にも立ちそうにないが、彼もプロの怪我人としてしっかり私の航海を支えてくれる事だろう。

とりあえずは飲み相手として、私の壮大な冒険譚を聞いてもらった。

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みるみる酒で赤くなって、炎症部分の治癒力を低下させて行く怪我職人。

私もそうだが、彼は彼でしっかり奉納は済ませたようだ。


そして本当の地獄はこの後に待っていた。

それは小さな小屋の中に、「100人越え」という登山客がいたというビッグサプライズ。


小屋内はさながら奴隷船の様相を呈し、熱気ムンムンの人間と人間が織りなすイモ洗いフェスティバル会場に。

しかも妙に中高年層が多く、老人ホームのような異様な世界観。

漂う匂いも、何が何だか分からないがとにかく濃度が濃い。


そんなイモフェス会場。

もちろん寝る場所は、布団一つに対して二人が寝なくてはならないという地獄絵図。

荷物を置く場所すらなく、ザックの上にザックを載せ、それを乗り越えて布団に辿り着かねばならない状況。


そして私とパパラッチKとの、臭気をまとった暑苦しい中年二人がベッドイン。

同じ布団でくんずほぐれず。

頑張ってテント担いで来ているのに、なんでこんな思いをしなくてはならないのか?


しかしいつまでも嘆いている暇はない。

早く寝ないと大変な事になる。

時が経つと共に、「ググ..グォォッ!」とか「ゴッ、ゴガァァァッ!」とか「プシューップシューッ」という、ウィーンイビキ合唱団がご唱和を始め出すのだ。

たちまち「ゴゴゴゴゴゴゴ」というジョジョ的な効果音に包まれるイモアライロックフェス会場。


早く寝たもん勝ちの世界だが、何かと繊細な神経を持つ私は絶対寝られる気がしない。

気を抜くと、仲間であるはずの同じ布団内の怪我人も「ズゴーッブシューッ」と合唱に参加。

彼はプロの怪我人というだけでなく、実はチーム屈指のイビキストとして名を馳せる男だ。


私は全てを諦め、持参の睡眠薬を二錠飲んで無理矢理気絶する道を選んだ。

実に長い一日だった。


その後聞いた話では、気絶後の私も相当ソリッドな合唱を披露した模様。

おかげでパパラッチKが隣のおっさんに蹴られたらしい。



旅は道連れ 世は情け



こうして新しい仲間を得た私の航海は、明日に向かって行く。

いよいよ明日は大秘境「雲ノ平」上陸。

そして新世界と呼ばれるグランドライン後半の海、「高天原(たかまがはら)」へ。


大秘宝マゾピースへの道のりは長く厳しいのである。





マゾピース3 雲ノ平編へ   〜つづく〜


 
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