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栄光への架け橋1〜喝采と渇水のリオデジャネイロ〜

Posted by yukon780 on 23.2016 大杉谷/三重 2 comments 0 trackback
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あの男が生きていた。


そう。

彼の名は孤高のパックトランパー「ジョージ・マゾリー」。

かつて北アルプスの高瀬ルートや雲ノ平ルートで、壮大なマゾピースを演じたあの男である。


彼は前回、新世界から帰還した折立の地で海軍に捕まり処刑されたはずだった。(参考記事:マゾピース5 大脱出編〜そして伝説へ〜

しかしやはりマゾリーは生きていた。

しかもこの度、なんと彼はオリンピックの日本代表メンバーとして戻ってきたのである。


彼の長年の普及努力が認められ、ついにリオオリンピックから正式採用された新競技「パックトランピング」。

もちろん世界にパックトランピング人口は1人なので、マゾリーは金メダルの最有力候補。

メディアでもその注目度は破格の扱いなのである。

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日本国民の期待の大きさは内村航平と同等だ。



「パックトランピング」

それはなにかと時間のない養子男が、限られた時間の中でどれだけ遊びを詰め込められるかのセルフSM競技。

2014、2015年は、「登山」「トレラン」「パックラフト」「テンカラ釣り」「野天温泉」「マゾヒスティング」の6種目だった。

そして今回の2016年大会。

今回は「野天温泉」が無くなり、「登山」が「トレッキング」に変更された代わりに、新たに2種目が加わった。


一つ目の追加競技は「ゲーリング」。

マゾリーはこの晴れの舞台に、過去類を見ない下痢状態で挑む事になったのである。


そして二つ目の追加競技は「8耐」。

本来はヒルに血を吸われまくる「ヒルクライム」の予定だったが、急遽「8耐」という競技に変更されたらしい。

しかしその全貌は現時点ではまだ謎である。



さあ、そんな2016・リオオリンピック新競技「パックトランピング」。

会場は何故かリオではなく、ミエの秘境「大杉谷」。

いわゆる日本三大渓谷の一つで、「西の黒部」と言われる大秘境。

そこを流れる川では過去に川下りの記録はなく、まさに前人未漕の挑戦である。


日本国民1億2000万人が固唾を飲んで見守る中、ついにマゾリーの金メダルに向けた挑戦が始まるのである。


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実況:「こちらパックトランピング大杉谷会場。実況はワタクシ富樫源次、解説は虎丸龍次さんでお送りしてまいります。虎丸さん、よろしくお願いします。」

解説:「よろしくお願いします。」


実況:「早速選手の入場です。競技人口は一人なので、日本代表のジョージ・マゾリー選手のみの入場となります。」

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実況:「見た感じ仕上りの方はどうですか?虎丸さん。」

解説:「悪くはなさそうですが、天気が良いのがマイナスポイントですね。これはマゾヒスティング部門で大きな減点となります。」

実況:「しかし晴れたら晴れたで、毎度良い感じの代償を払うのが彼のスタイルですよね?」

解説:「そうなんですよ。前回の雲ノ平では出発前に信号無視で警察に捕まって大金払ってますし、現地では随分と沢山の私物を奉納しましたからね。今回も彼のまさかな巻き返し奉納に期待ですね。」

実況:「そういう意味では、今回彼はヒルまみれで有名な大杉谷にヒルの季節に来てしかも生足ですね。久々にヒル下がりのジョニーも持参していますし。」

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解説:「あえて生足ってのがポイント高いですよ。それなのにヒル対策スプレー持ってきている矛盾もたまらないですね。まるで女の人がスタンガン握りしめながら全裸でスラム街に突入して行くような矛盾ですよ。このあたりが、彼がミスター後悔って言われる所以なんでしょうね。」

実況:「これは新種目のヒルクライム部門で高得点が期待出来そうです。」

解説:「期待しましょう。」


実況:「さあ、ここでついにスタートの笛がなりました。マゾリー選手の挑戦が始まります。」

解説:「この大杉谷会場はいきなりの秘境感&高度感ですよ。」

実況:「おおっと、マゾリー選手早くも腰が引けています。」

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実況:「こういう場所での彼の腰の引けっぷりの安定感には定評がありますよね。」

解説:「ええ。ここでさらに注目していただきたいのは、彼は己撮りのためにこの場所を何度も往復してるってことですね。しかも実はだいぶ先まで進んでから己写真を撮ってない事を思い出して結構な距離を戻ってきてから改めてこれを撮っています。」

実況:「なるほど。そう言った目には見えない部分にもマゾが潜んでいるという事ですね。」

解説:「ポイントに直結はしませんが、マゾ部門の審査員の心証は良いと思います。」


実況:「それにしてもこの会場の川は本当に綺麗ですね。」

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解説:「天下の大台水系の最上流ですからね。マゾリー選手はこの風景の川の写真をネットで見て以来、ずっとここをパックラフトで下る事を夢見てきたそうです。」

実況:「しかもかつて誰も下った記録が無いと言う前人未漕の区間なんですよね。」

解説:「基本的に彼は史上初という言葉が大好きですから。北アの湯俣川や薬師沢を下った時はだいぶ喜んでましたよ。」

実況:「しかし実際は他の競技でマゾリすぎて数mしか漕いでないなんて噂もありますね。」

解説:「そうなんです。それもあって今回彼は並々ならぬ決意でもってこの大杉谷に来ています。彼の目論見だと、3キロくらいは下れるという勝算があるそうですよ。」

実況:「さすがに今回は期待出来そうですね。おっと、そう言ってる間に大岩区間に入りました。」

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実況:「この区間は想定内。この大岩区間を越えた先に彼がパックラフトで下ろうとしている魅惑の区間が現れるわけですね。」

解説:「そうです。そこはまさに大清流と大秘境が織りなすファンタジーな区間のはずだとマゾリー選手は言ってました。」

実況:「さあ、いよいよその大岩区間を越えました。さあ、どんな大清流が...」

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実況:「あ...ああーっと!」

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実況:「川が...川がありません!干涸びてしまっています!」

解説:「そんな馬鹿な!」

実況:「これは一体どうした事でしょう!本来そこにあるはずの大清流がただの水たまりだぁ!」

解説:「これじゃあ彼がパックラフト担いできた意味がわけわかめですよ!」

実況:「たった今情報が入りました。どうやらこの日、地元の人ですら“過去類を見ない大渇水ですよ”と言っていたほどのハイパー渇水だった事が判明しました。日本有数の多雨地帯なのにここんとこ全く雨が降らず、自慢の川がひからびてしまった模様。これは想定外だ!」

解説:「さすがですね。今まで晴れたら晴れたで暴風か濁流かがお約束でしたが、ついに渇水で川を消してしまうとは...」

実況:「これにはマゾリー選手、たまらず膝をついたー!」

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解説:「これは早くも“技あり”ですね。」

実況:「凄まじいスタートダッシュです。」

解説:「ええ。わざわざパックラフト背負ってきて川がないんじゃ本末転倒ですよ。しかも彼はこれからずっとパックラフトを背負って行かないといけないですし。」

実況:「通常ならここでリタイヤですよね?」

解説:「しかし彼はすでに遥か先の桃の木小屋を予約しちゃってるから後に引けないんですよね。いつもは小屋泊なんてしないのに、この大杉谷はテント泊禁止ですから。」

実況:「ということは、彼は小屋泊のくせに使いもしないパックラフト背負って無駄に奥地へと進まなきゃいけないんですか?」

解説:「そうなりますね。実に彼らしいスタイルです。さすがですよ。」

実況:「小屋泊のくせにやたら重装備な背中が痛々しい。これは高マゾポイント間違いなしですね。」

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実況:「さあ、これで恐らく今回も川を下れるのはスタート地点から数100mだけという事になりそうです。だったらそこだけ漕いで日帰りで帰れば良いですが、ここからどれだけ無駄れるかがパックトランパーの見せ所ですね。」

解説:「この辺の無駄感が競技人口が伸び悩んでる要因でもあるわけです。」

実況:「失意の中なんとか足を進めるマゾリー選手。暫く行くと再びチョロチョロと川が復活してきましたね。とても下れるレベルじゃないですけど。」

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実況:「行けども行けども渇水の嵐。しかしたまに樹間から覗く淵はご覧の美しさ。」

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実況:「ここを下れたらさぞや気持ちよかったでしょうね。」

解説:「ええ、マゾリー選手も同じ気持ちなのでしょう。通常水位だったら相当気持ちよかったんだろうなと、渇水の川を恨めしそうに眺めています。」

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解説:「この下れそうで下れないってのが良いんですよね。見えそで見えない的なじらし感ですよ。マゾリー選手クラスになるとそこにすら快感を見いだせますからね。」

実況:「変態ですね。」

解説:「そしてここにも注目して下さい。彼のザックにくっついているアマゴの日釣り券。」

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実況:「これは彼がテンカラのために慌てて買ってきた日釣り券ですね?」

解説:「ええ。実は彼はに後に知る事になるんですが、この大杉谷区間は漁協が管理してないから日釣り券なんていらなかったんですよ。しかも小屋の人の話じゃあんま釣れないしほとんど釣り人を見かけないなんて言ってましたよ。」

実況:「ということは、彼は必要のない日釣り券代を奉納して無駄に魚の釣れない場所にテンカラぶら下げてきたと言うわけですね。」

解説:「川も下れず、魚も釣れず。もはやパックトランパーでもなんでもなくただの重装備ハイカーですよ。」

実況:「そうですね。そうこうしてる間に、結局いつものようにグハグハ急登に突入しています。」

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実況:「ここはアルプスとかと違って大した高地じゃないんでクソ暑そうですね。」

解説:「クソ暑いだけじゃないですよ。彼は前日から酷い下痢のクソ野郎状態なんです。通常の急登に使う筋肉にプラスして、一歩一歩ケツ筋を余計に引き締めてのハイクアップ。気を緩めたら大惨事です。」

実況:「それは過酷ですね。これが新種目のゲーリングですね。」

解説:「いかに漏らさずにマゾれるかが勝負のポイントです。」


実況:「さあ、マゾリー選手。そんな汚い行軍の末についにこのような美しい淵の場所まで辿り着きました。」

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実況:「さすがは天下の大杉谷。そこを越えた先には遠くに“ニコニコ滝”を望む“シシ淵”と呼ばれる美しい淵が登場です。」

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実況:「そしてここで今回一回目のダウンですね。」

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解説:「暑いから淵に潜りたいけど潜っちゃうとお腹冷やしてゲーリングが加速するから潜れない、っていう葛藤が見て取れます。実は彼は今日中に最深部の“堂倉の滝”まで行こうと考えてるんで結構時間がないんですよ。」

実況:「行程がハードなくせに色々無駄が多いのが謎ですね。」

解説:「そこがプロのパックトランパーであり、ズサンプランナーの成せる技なんですよ。」


実況:「さあ、色々と達成出来てない中でなんとか堂倉の滝には辿り着きたい所。その後も良い感じのグハグハを維持しながら酷暑の中を進むマゾリー選手。」

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実況:「それにしても足の筋肉だけやたらキモいですね。」

解説:「15万円ダイエットに失敗してからも懲りずにトレーニングは続けているようですよ。でもやり方がおかしいのか、お腹はプヨプヨのまま足だけムキムキになって相当キモい体になってきました。体重もアップしたそうです。」

実況:「でも相当体が強くなったんじゃないですか?...っと、言ってる側から腕をツッているー!」

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実況:「ザックの水筒を取ろうとしただけで強烈なツりだっ!」

解説:「いいですよ!痛みの緩和よりも先に“とりあえず己撮りしておこう”のこの精神がナイスマゾです!」

実況:「細かい所でポイント稼いでますね。」

解説:「この小さな積み重ねが金メダルへの大きな一歩になるんですよ。」


実況:「そうこうしている間に、マゾリー選手、やっとこさ桃の木小屋に到達しました。」

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解説:「通常の人はここで初日は終了ですが、マゾリー選手はここからが本番ですよ。」

実況:「その割にはいいんですかね?思わずビール買ってすごいニヤケてますけど。」

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解説:「彼はちゃんと知ってますからね。行程の半ばでビール飲むと、そこからの後半がすごくしんどくてだるいってことを。きっと仕込みですよ。」

実況:「なるほど、そういう見方もあるんですね。ただ単に誘惑に負けたわけじゃないと?」

解説:「金メダルへの並々ならぬ執念を感じます。」

実況:「川の誘惑に負けて水浴びしてすっかり時間が経過してますけど大丈夫ですかね?」

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解説:「この手の“伏線”を張らしたら彼の右に出る者はいませんよ。」

実況:「果たして堂倉の滝に間に合うかどうか不安になってきましたが、きっと彼はやってくれるでしょう。ところで彼の他にハイカーがほとんどいませんね。200人入れる小屋にも誰一人いませんし。」

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解説:「何と言っても今日は記念すべき初の“山の日”の祝日ですからね。そんな日にあえて“谷”に来てる奴なんていませんよ。」

実況:「確かにこの時期はクソ暑いですしヒルまみれですしね。」

解説:「訓練を受けていない生半可な素人マゾが立ち入る季節ではないですね。」

実況:「さあ、そんなマゾリー選手。やたら時間かかった水浴びの後は、同じ日本選手団の錦織選手から祝福のエールを受けてエネルギー充填。次の戦いに備えます。」

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実況:「さあ、ここで第一ピリオドが終了ですが、解説の虎丸さん。ここまでのマゾリー選手の戦いっぷりをどうご覧になりましたか?」

解説:「快晴だったのでコンディション的にはマイナススタートでしたが、立ち上がりから“川がない”というウルトラCを炸裂させましたからね。あれには審査員も度肝を抜かれました。」

実況:「ナイスマサカでしたね。」

解説:「ええ。そしてゲーリングの安定感は見ていて全く不安感を与えません。無駄な釣り券といい無駄なツり腕といい、良いバランスでここまで来てるんじゃないでしょうか。」

実況:「これは第二ピリオドにも期待が持てますね。」

解説:「ここからは小屋に荷物を置いて、トレッキング、マゾヒスティング、ゲーリングに続く第4種目のトレランです。」

実況:「ここまででも暑さで結構ヘロヘロですが、果てしてちゃんと彼は最深部の堂倉の滝まで走って行けるんでしょうか?」

解説:「行けないでしょうね。もうビール飲んじゃって戦意喪失してますし。」

実況:「気づいたら川原で2本目行っちゃってますね。」

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解説:「追い込みますねえ。これは期待していいんじゃないですか。」

実況:「楽しみですね。それでは次回第二ピリオド“灼熱の堂倉トレラン”です。」

解説:「楽しみです。」


実況:「それでは一旦CM入ります。」





栄光への架け橋2へ  〜つづく〜


関東祝福遠征 奥多摩編〜皇族とチョコレート工場〜

Posted by yukon780 on 20.2016 多摩川/東京 6 comments 0 trackback
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二子山、長瀞、塔ノ岳。

ヘロヘロの体で駆け抜けた関東の名だたる聖域たち。

それにより、見事に結婚式まで駆け抜ける事が出来た。


しかしまだ足りない。

新郎新婦のさらなるご健康とご多幸のために、翌日の「3次会」で美しくフィニッシュを決めなければならない。


関東に足跡を残す最後っ屁として選んだ場所は「奥多摩・御岳エリア」。

当初の予定だと「多分その頃にはヘロヘロだろうから、静水域を短くサクッと漕いで解散にしよう」と言っていた。

いわゆる食後のデザート感覚だ。


せっかく関東に行くからと、東京在住のランボーNと、以前から誘われていた関東エリアのブログ読者さん二人に声をかけてみた。

最初は「3人増えて8人の大人数になっちゃうけど、まあ気楽に行きましょうや。カヌー野郎の東京ファン感謝祭ですわ。ハッハッハ!」と浮かれていた。


しかしである。

ねずみ講のようにあれよあれよと参加人数が増えて行き、最終的にはなんと「総勢17名」という大船団が結成される事になった。

まるでグレートトラバースの田中陽希気分で「おお!ほんとにファン感謝祭になってきたぞ!」とビビったが、実は増えた人達は特に僕の事を知らない人ばかり。

とうのも、声をかけた一人「フルフェイスMさん」がまず旦那さんに声をかけ、ちょうどその日に御岳で川下りする予定だったそのご夫婦所属のカヤックチームも合流する事になったからである。

要するに「ちゃんとしたカヤックチームの皆様に金魚のフンのようについて行くだけのちゃんとしてない人達」という驚きの図式に。


今まで経験した事のない、ちゃんとした人達との大人数川下り。

しかし恐らく新たに集まったカヤッカー達も、サケヤKの健康とご多幸を祈りたくて導かれたに相違ない。

そうと決まればこのヘロヘロボディにむち打って、最後の一花をこの奥多摩に咲かせるのみ。

コースも当初ののんびりコースから、紆余曲折の末「御岳(みたけ)」からの激流コースへ変更。


登山、ダッキー、トレラン、結婚式からのパックラフト。

まさに関東フルコースのラストデザート「奥多摩・御岳エリア」。

ショートケーキを食べるつもりが牛丼のようなデザートになってしまったが、サケヤKのために美味しく召しあがってみせる。


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御岳駅上流の発電所放水口の川原。

そこには毎度お馴染みのランボーNと、3艇のパックラフト。

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中でも珍しいアルパカのタンデム艇でご登場なのが、二人声をかけたうちの読者の一人。

それがこの「ミスター・チンさん」である。

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初登場にしてミスター・チンさんという不名誉な名前になったのは、彼が本日唯一の轟沈者となったから。

しかも人生で初めての沈。

その姿を僕に目撃されたのが運の尽きで、今後はいかに沈しなくてもミスター・チンさんと呼ばれ続ける事になる。

チーム・マサカズのゲリMも、初日にゲリで登山に来れなかっただけでずっとゲリMなのと一緒の原理である。


そしてお茶目な顔立ちでほんわかした雰囲気の女性なのに、この白いジャギを彷彿とさせるいかついフルフェイスヘルメットで登場したのが「フルフェイスMさん」。

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このヘルメットを見てお分かりの通り、かなりハードな川下りをするモノホンのカヤッカーさん。

そして右側に移っている安倍総理とナイナイのヤベッチに似た人が、フルフェイスMさんの旦那さんの「アベッチMさん」である。


で、そのご夫婦が所属しているカヤックチームの皆さんがズラリ。

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総勢17人ともなると、他の人達にいちいち変な名前をつけてたらこの記事が人物紹介だけで終わってしまう。

なので他の皆さんは「TeamBabyTrout」の皆さんという事で豪快にまとめさせてください。


「TeamBabyTrout」は御岳を中心に活動しているカヤックサークルで、その会員数はなんと100名を越えているという。

孤独に独学で川下りして来た僕としては、零細企業社員がトヨタの従業員を見るかのような羨望の眼差しで見てしまうのである。

ここにリンク貼っておくので、関東エリアの興味ある人は是非参加してみるといい。→「TeamBabyTrout


実はこの日集合場所に大遅刻かましている僕は、何か色々申し訳なくて借りて来た猫状態。

前日まで「ファン感謝祭だ!握手会だ!」なんて言ってたのに、開口一番「遅れてスミマセンでした...」と情けなく平謝り。

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相手が関東人ってだけで萎縮してしまうのに、実力派ぞろいのちゃんとしたカヤッカーさん達に囲まれて完全にビビり気味。

しかしそんな怯えたブタ野郎ですら彼らは罵倒する事なく温かく迎えてくれた。


そしてベテランカヤッカーさんが、我々の川下りでは絶対に登場しないリバーサインの説明までしてくれている。

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この慣れないちゃんとした感じに、すっかりアホ面になって聞き入る横浜自由人達。

まるでお金払ったツアーのようでなんだか得した気分である。


やがて集合写真を撮るが、やはりこの人数感は強烈だ。

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ただ一人、前列右端にクラスの集合写真に渋々参加したヤンキーのような柄の悪い男がいるのが気になる所。

しかも彼だけうっかりミスでヘルメットを忘れて来たもんだから、僕は怒られるんじゃないかとヒヤヒヤなのである。


しかし彼のこの荒くれたアウトロー感がたまらない。

周りがちゃんとしたポリ艇の中、彼だけ子供用のパックラフトにノーヘルでヒゲ面で外人顔。

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やはりランボーNは集団の中でも異彩を放つ男なのである。


そんなこんなでポリ艇9艇、ダッキー3艇、パックラフト3艇の大船団が動き出す。

激流に集団で突入して行く様は、もはや大河ドラマの合戦シーンのような迫力である。

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しかしこんな激流をフニャチンパックラフトで突入して行っても今日は安心。

このように左右前後にチームの面々が待機していてくれて、レスキュー体制が万全なのである。

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まるでSPに守られて川下りをする皇族気分。

安倍総理に似た人もいるし、なんだか国家規模で守られてる感がハンパ無い。


ちょっとした瀬でも、このようにササッとフルフェイスMさんがやって来ては的確なコース指示。

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かつてここまで大事にされた事がない面々は、ただただオロオロするばかり。

特に家庭内ですら大事にされないやさしさ不足の僕に至っては、この国賓級のおもてなしに脳内で関東移住の計画がよぎってしまったほどである。


その後も核心部である「三つ岩の瀬」では、わざわざ遊歩道までかけあがって総理自らルート説明。

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なんだか軍事観閲式に出席して、新兵器の説明を受けている気分だ。


やがてその教えを胸にB夫妻が突入して行った先に、

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岩の上でテロリストに目を光らせるSPの凛々しい姿。

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わずかな異変でもすぐにレスキューできる体勢は整っている。

ちなみにここの瀬を行くB夫妻はこんな感じ。(僕のGoProはONしたつもりがOFFになってて撮れてなかったというGoProあるある)



水量が少なかった事もあるが、ここは水流に押されて岩に張り付く危険がある場所。

瀬の中で漕艇が難しいパックラフト泣かせの場所である。


そしてそんなパックラフト泣かせの瀬と万全のレスキュー部隊に挑戦を挑んだ男がいる。

それがこの場所で轟沈したミスター・チンさんなのである。


だが核心部過ぎて誰もその華々しい沈姿をカメラに収めた者はいない。

一生に一度の初沈が記録に残されず、非常に地味なものとなってしまったミスター・チンさん。

しかし写ってないだけで、彼はギャラリーの多いこの場所で私物のほとんどをぶちまけて周辺のカヤッカーに拾ってもらうという孤独なマゾを演じきった。

以下は、騒動後に己の荷物を取りに行くミスター・チンさんの勇姿である。

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坂東武者らしいナイスマゾでした。


その後も快適な瀬を気持ちよく越え、

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川原で昼休憩。

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ここからはコンビニまで上がって行けるから実に便利。

ただコンビニの中に沈したてのずぶ濡れ全身カヤック野郎がいるのも異質な光景だ。

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これが街中なら即座に防犯用のカラーボールを投げられている所だが、これでも異質じゃないのがカヤックが盛んな御岳エリアなの良い所なのである。


そして人が多すぎて中々話せないチームメンバーとも軽く交流。

古田新太似の「劇団新感線さん」が我々に渋い差し入れ。

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名物「関東風溶かしチョコ」で小粋なおもてなしである。

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ビジュアルも秀逸で、疲れきった体に染み込むスウィートさ。

これで再びもう少しだけ動ける力を得た我々は、その後も数々の荒波を越えて行く。

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そしてそれに渋くついて来るアウトローな男。

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子供用パックラフトのスカウトだから、なんか大人としての体の比率がおかしく見える。

まるで顔だけおっさんのコビトのよう。

なんだかこういうおっさんがチャーリーのチョコレート工場で沢山働いていたような気がするのは僕だけだろうか。

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顔立ちだけやたら渋い渡辺裕之顏だけに、その迫力はやはりどこまでもアウトローなのである。

そんなチョコレート工場野郎も激しく瀬を乗り越えていく。

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そして静水域があればのんびり遊んだり談笑したり、

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普段しっかりしたポリ艇に乗ってるみなさんに、フニャチンパックラフトの試乗会をしてみたり、

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一方でちゃんとしたポリ艇に乗った事がない横浜メンバーも試乗大会。

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ポリ艇の人、ダッキーの人、パックラフトの人、チョコレート工場の人。

同じ川下りを愛する者同士、なんだか不思議な異文化交流が出来たような気がする。


そして驚いたのが、多摩川が想像以上に清流だった事。

多摩川ってあまり良いイメージ持ってなかったけど、今回の旅でかなり多摩川の印象が変わった。

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川も美しければ人も美しい。

四国も良いけど、関東も中々悪くないね。

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こうして大量の人々が駆けつけたサケヤK結婚式の三次会が無事に終わった。

ほとんどの人がサケヤKの事を知らないだろうが、そんな事はこの際関係ない。

とにかくここまで祝いきればあの夫婦の幸せは間違いなし。

有効滞在時間を隙間なく戦いきった(遊びきった)私には、もはや一片の悔いもないのである。





やがて僕は皆に別れを告げ、最後の仕上げ追込み「岐阜へのロングドライブ」へと埋没して行った。

もちろん途中で道迷いをして平塚方面まで南下してしまうライトマゾもあったが、それもまた一興なのである。


そして戦いきった男は6時間後に無事に家に到着した。

結婚式に行っていただけのはずなのに、なぜか左足首を捻挫した状態でグッタリと帰宅。

その時の表情は蓄積疲労がたまりすぎており、写真こそ撮ってないがあの「廃人田沢うどん」と同様の表情をしていた事は間違いない。

そして僕はこの三日分の疲れを切り離すべくトイレでうんこをした。

その姿を発見した嫁が言う。


「ああ...せっかくトイレ洗ったのに...」と。


開口一番、なんということだ。

普通は「お帰りなさい」とか「結婚式どうだった」的な言葉が出て来るんじゃないのか?

そもそも僕は家でうんこしてはいけないのか?

まるで僕自体が汚物みたいな感じで言いやがって...。



まあ...

何はともあれ。

長々と書いて来た関東遠征。

言いたい事はただひとつ。


サケヤKよ。


どうか旦那さんを大切に!





関東祝福遠征  〜完〜


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それではおまとめ動画。

今回は関東遠征で行った二子山、長瀞、塔ノ岳、奥多摩の4つを無理矢理まとめました。

三日間を全力で駆け抜けた軌跡であります。

曲は結婚式と全く関係ないジョン・バトラー・トリオの「One Way Road」で。

まあ「一方通行」って題名だけが人生の中の結婚ってことでそれっぽい。

ただ歌詞が「一方通行を逆走してるぜ!Uターンして元来た道を戻らないと!」っていう内容なんで、これはむしろ方向性を見失った僕に向けた歌とも取れますね。


ではそんな関東遠征の軌跡。

3日を3分で駆け抜けます。

どうぞ!




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今回のギア


【体】
・フルドライスーツ/パーム「カスケード」
・Tシャツ/パタゴニア「メンズロゴTシャツ」
・下着/ノースフェイス「ドライショート」
・ショートパンツ/ホグロフス「リザーズショーツ」
・ライフジャケット/モンベル「フリーダム」

【足】
・シューズ/NRS「パドリングシューズ」
・ソックス/ドライマックス「トレイルランニング」

【頭部】
・ヘルメット/プロテック「Ace Water」
・キャップ/マムート「MTR 201 Cap」

【ギア】
・ダッキー/NRS「バンディッドタンデム」
・パックラフト/NRS「NRSパックラフト」
・パドル/アクアバウンド「スティングレイ・カーボン4P」
・パドルリーシュ/シートゥーサミット「パドルリーシュ」
・レスキューロープ/ファイントラック「ゴージュバッグ25」

【ザック類】
・防水バッグ/シートゥーサミット「Stopper Clear Dry Bag13L」

【デジ物】
・コンデジ/ソニー「RX100」
・三脚/JOBY「アクションゴリラポッド」
・ウェアラブル/GoPro「HERO4silver」



関東祝福遠征 長瀞編〜禊ぎのどんより川下り〜

Posted by yukon780 on 09.2016 荒川/埼玉 0 comments 0 trackback
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「長瀞(ながとろ)」


若い時から、一体何度となくこの響きに一種の憧れを抱いて来た事だろう。

いわゆる荒川上流部の長瀞町の区間の事を指すんだが、昔からカヌー雑誌とかではしょっちゅう特集が組まれていた川。

正直地方もんとしては、「また長瀞かよ」とか「東京もんが東京近郊の川ばっかり特集しやがって」と嫉妬まじりに眺めていたのが長瀞だ。

たまに全国区のテレビ番組で東京のグルメ情報とかやったりするが、地方の人間からするとどうでもいい情報だし「どうだ、東京は良いだろう?」って言われているようで腹立たしいのと一緒。

とかく東京もんはちょっと台風が来た、ちょっと路面が凍結したと言っては全国番組で大げさに報道しやがるし。

ジャイアンツの試合結果はやたら長いのに、ドラゴンズの結果なんて文字だけだし!

...的な、東京に対するひんまがった嫉妬と憧れが入り乱れた場所。

それが長瀞なのである。(埼玉だけど)


そんな長瀞を今まで漕ぐ機会が無かったのは、単純に激流のイメージがあったから。

一人では不安だし、はるばる何時間もかけて行くような大清流でもないし。

僕は激流派ではなく清流派男優なので「関東行くなら四国に行く」って原理が働いて、長瀞に行く機会を逸していたのだ。


しかし今回、サケヤKの結婚式というビッグイベントに招かれた事で長瀞への道が開けた。

僕のような汚れた男がいきなり式場に行くのは失礼に当たる。

そこで、、サケヤKの地元関東の名川で激流に揉まれて、この身を清めてやろうと思い立ったのである。


幸い金曜日だというのにヒマそうな横浜組の仲間が長瀞を案内してくれるとの事。

持つべきものは遊び人且つ、フリーダムな友達である。


ただここに至るまでに、長時間ドライブ、僅かな仮眠のままずぶ濡れ二子山登山という前座余興で若干体はよろけ気味。

そして「絶対安静ね」と言われているこの手首を駆使し、これからパドルを持ってガンガン流されようってんだからいとおかし。

しかしそれもこれも、全ては結婚式に綺麗な体で出席するために避けては通れない試練。

普通にシャワー浴びて出席するなんて、川仲間のサケヤKにあまりに失礼だ。

猛烈に眠たいけど、そんなのいつもの事なので気にしない。


それではどんよりとした天気の中で行われた初の長瀞川下り。

特に何かあったわけじゃないけど、記録としてサクッと残しておこう。


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スタート地点の親鼻橋下の川原。

ここで早くも圧倒的なミスが勃発。

ダッキー2艇で下ろうってんのに、なんと僕もバターNもダッキーに空気を入れるための「ポンプ」を忘れて来てたという衝撃の凡ミスが発覚したのである。

それは「これからチーズフォンデュをするのにチーズ忘れた!」に等しいショック。

はるばる関東まで来て大バカヤロウもいいとこなのである。


まだ写真すら撮ってないのに「早くも撤退か?」と敗戦濃厚な4人。

しかし運良くそこにラフティング業者のガイドさんがいたので、B女房が悩殺スマイルで「ポンプ貸してくれませんか?」と懇願。

するとそのガイドさんがすこぶるいい人で、「川ではみんな助け合いですよ」とポンプを貸してくれたのである。

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これには二子山からずっと関東の悪口を言っていた僕も、「関東人ってもっと冷たいと思ってました!みんないい人だなあ!」と単純に関東ファンに。

しかも初めてラフト用のポンプを使わせてもらったけど、これがまた衝撃的に膨らますのが早くて感動。

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1プッシュで一気に膨らむもんだから、これ知ったらもう普通のポンプには戻れない。

火打石で必死で火をおこしてた北京原人が、突然チャッカマンを手渡されたかのような感動がそこにはあった。


そんな温かい救いの手のおかげで、なんとか出発出来る事に。

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天気はこれでもかというようなどんよりさだが、雨が降ってないだけ僕的には超好天の部類。

ただこの時期にしてはもの凄く寒いのね。

いらんだろうと思ってたけど、念のためにドライスーツ持って来てて良かった。

二子山で散々体が冷えてるから、普通の恰好だったらスタート前に低体温症で搬送されてる所だ。


それでは素晴らしいどんより天気のもと、いざスタートであります。

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実はこの川は鮎釣り解禁後も下れる川としても有名。

なぜならこのように観光和船が運航してるから、熊野川や保津川のように釣り師が舟に対して寛容なのがその要因だ。

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だから激流の川とはいえ、川底が和船用に調整されて厄介な瀬がなくなってるから、ダッキーなら余裕で楽しめる川なのである。


で、早速「鉄橋下の瀬」から「ステミの瀬」「セイゴの瀬」と断続的に楽しい瀬を越えて行く。

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ここ最近のパックラフトによる「沢探検」や、熊野川のような「川旅スタイル」とはまた別のこの激流スタイル。

これはこれで単純に楽しい。

こういう川は気の合う仲間と単純に何も考えず「ワッー!」と叫んで楽しむのが良い。

この川はまさにそんな川なのである。


セイゴの瀬を越えると、ちょうど大量の修学旅行生が川原に出現。

平日に白昼堂々と川で遊んでる堕落した大人達の登場に、ワッと歓声を上げる中学生達。

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それに対して「お前達。ちゃんと勉強しろよ。」と説得感ゼロの大人が、遊びで痛めた手を振る一コマ。

僕が中学生の頃は、基本的に好きな女子の事と少年ジャンプの事と桜木ルイの事しか考えていなかった。

そのまま大人になると「こうなっちゃうぞ」という良い手本が、中学生の目の前の川を流れて行くのである。

なんだか良い教育をしてあげた気分で一杯だ。


やがてこの川の核心部「小滝の瀬」が出て来たからスカウティングへ。

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B旦那曰く、どうも今日はかなり水量少なめで全然激流じゃないとのこと。

岩登りしようとすれば雨で濡れ濡れだし、激流下りしようとすれば渇水とは。

二子山もそうだったけど、中々関東は僕に本来の姿を見せてくれないようだ。


結果的に余裕たっぷりで小滝の瀬に突入。

恐怖が無い分、純粋に瀬を楽しめた。(笑ってるけど手首は痛いです)

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B旦那、バターNコンビも中学生に見守られながら突入。

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なんだかあまりの安心感と、作られたような奇岩怪石の風景もあって何かテーマパークのアトラクションのようだった。

この川は遊歩道が沿っているのか、平日なのにやたらとギャラリー多いし。

夏の休日ともなれば、ここは観光客やラフトやカヤッカーが入り乱れる密集地帯になるらしい。

色んな意味でさすが関東の川なのである。


で、長瀞という名の通り、瀬を抜けると長いトロ場区間へ。

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基本的にこの川は瀬とトロ場が連続する川だから、ある意味せわしくなくてバランスが良い。

この日は渇水のせいで瀬も大した事なく、昔から思ってた激流のイメージとは違ったけどなんだかちょうど良く楽しい。

電車も並走してるし、関東の人がこぞってここに来る理由が少し分かった気がした。


長いトロ場を抜けたら二股の瀬。

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で、またすぐにトロ場。

意外と水も綺麗だったりして、驚かされる。

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いいぞ、だいぶ清らかな体になって来た。

その後も、こっちに気づかず川に石なげてる中学生達の投石に怯えつつ突き進む。

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何やら「がんばってくださーい!」というエールを送られたが、実はおじさん達はただ遊んでるだけなんだよ。

でもこの時見た我々に憧れてしまった中坊が、将来立派な社会生活不適合者になってくれれば嬉しい限りだ。


やがて「洗濯機の瀬」とやらを抜けて行く。

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かつて長良川で人間洗濯機になった事のある身としてはネーミングだけでビビってしまったが、ここも水量なくて難なくクリア。


次第に余裕が出て来ると悪ふざけを始め出すのが悪い癖。

皇族姿勢で品よく手を振りながら下ってみたり、

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岩のスレスレを攻めてみたり、

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うつぶせローアングルで撮影に集中したり、

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犬神家スタイルで瀬に突入したりする。

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それらの操船の全てを女性に任せきり、一人で勝手に長瀞を満喫する。

B女房も迷惑な男とペアにさせられたものである。

それでも難なくダッキーを操船するあたりさすがである。


やがてゴールの樋口に向けてかっ飛んで行く2艇。

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ここのゴール場所は速い流れの中にあって、そこで降りるのを失敗するとその先に結構な落ち込みのパワーボムが待っている。

僕はその流れの中、華麗にB旦那の手を取って岸への飛び移りを図る。

しかし勢い余ってバランスを崩すダッキー。

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そして見事に道連れにされたB女房。

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何の落ち度も無いのに、散々振り回された挙げ句最後の最後で沈させられたB女房。

これがうちの女房だったら起き上がりざまパドルで居合い斬りしてくる所だが、突撃系マゾガールのB女房はいつだってスマイル。

内心どう思ってるかわかんないけど、楽しそうだからオールオッケーとしておこう。


こうして渇水気味ではあったけど、念願の長瀞をしっかり楽しんだご一行。

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これにて二子山での式前準備運動、そして長瀞で式前禊ぎの作業が終わった。

木曜日の朝起きてから1時間半の仮眠だけで動き続けているが、どうにかなるもんだ。





ちなみに車回送中に、あのどんより雲が無くなってやたらと快晴になった事は言うまでもない。

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別に今に始まった事ではないんで何とも思わない。


さあ、まだまだこの程度では我々のサケヤKを祝いたい気持ちは納まらない。

温泉に入る事もせずこっから横浜まで再びロングドライブ。

そしてサケヤKのために肉をたらふく食いまくり、サケヤKのために遅くまで酒を飲みまくり、サケヤKのためにバターNの結婚相談に乗りまくる。

B旦那もサケヤKのために会社関係の飲み会に参加しに行き、帰って来たのは深夜だったりする。


そんな我々の次なる祝福プラン。

それはまたしてもほとんど不眠の状態で行く、楽しい楽しい早朝丹沢登山。

神奈川の名店「塔ノ岳」を、時間が無いからトレランスタイルで無理して往復してやろうとの試み。

僕は4時間の睡眠(2日で5時間半しか寝てない)、B旦那に至っては30分くらいしか仮眠してない状態でのビッグチャレンジ。

もちろんこの手のマゾ企画にはバターNもB女房も参加しないから、僕とB旦那の二人のみ。


40代のお腹が出た中年二人による、嘔吐必至のトレラン大作戦。

計画通りに帰って来れなかったら夕方からの結婚式に間に合わない。

ほんとはゆっくり寝て普通に式場に行きたい所だが、サケヤKを祝いたい気持ちがまだまだあふれて来てしまうからしょうがない。


せっかく来たからには全力で関東を駆け回る。


満身創痍の遊び人の次なるステージは丹沢「塔ノ岳」。


結婚式までの道のりは長く険しいのである。




関東祝福遠征 塔ノ岳編へ  〜続く〜


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今回のギア


【上半身&下半身】
・ミドル/パタゴニア「キャプリーン3」
・下着/ノースフェイス「ドライショート」
・ショートパンツ/アークテリクス「パリセードショート」
・フルドライスーツ/パーム「カスケード」
・ライフジャケット/モンベル「フリーダム」

【足】
・シューズ/NRS「パドリングシューズ」
・ソックス/ドライマックス「トレイルランニング」

【頭部】
・ヘルメット/プロテック「Ace Water」
・キャップ/マムート「MTR 201 Cap」

【ギア】
・ダッキー/NRS「バンディッドタンデム」
・パドル/アクアバウンド「スティングレイ・カーボン4P」
・パドルリーシュ/シートゥーサミット「パドルリーシュ」
・レスキューロープ/ファイントラック「ゴージュバッグ25」

【デジ物】
・ウェアラブル/GoPro「HERO4silver」



熊野 HomeAgain〜カヌー野郎の原点回帰〜

Posted by yukon780 on 16.2016 熊野川/三重 6 comments 0 trackback
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十数年前。


まだ若くて髪の毛が黒々としてた頃。

そして今ほどお腹が出てなかったあの頃。

もちろんサウザー様(嫁)に出会う前の奴隷じゃなかったあの頃。


その青年は買ったばかりのレクリエーションカヤックで初めて単独の旅に出た。

選んだステージは紀州の名川熊野川(北山川)。

野田知佑さんに憧れまくっていたその青年は、そこで数多くの良質な体験と失敗を繰り返し、すっかり川旅の魅力に引きずり込まれて行った。


やがてその青年は「カヌー野郎」となり、日本全国、果てはカナダやアラスカの川まで放浪する立派な社会不適合者となった。

そう。

熊野川は、まさにカヌー野郎が誕生するきっかけとなった「故郷の川」なのである。


そしてその青年は中年となり、養子としてカサンドラに収容されてサウザー様の元で奴隷として働くようになった。

以降彼は時間的な自由が無くなり、日帰りの川下りばかり。

1泊でどこかに行っても、気が狂ったかのように一日で数本の川を下るという荒行。

自由な時間を1秒も無駄にしたくないと、血の小便を流しながらのトリプルヘッダーに邁進。

少ない時間で新たな川への好奇心を鎮めるためには、どうしてもそんな無理な行程を繰り返すしかなかったのだ。


しかし本来はそんなせわしい川下りなんてしたくない。

あの頃のように、野営道具一式と酒をカヌーに積み込んでのんびと一つの川を味わい尽くす川旅がしたい。


そんな時、前回の記事のような顛末で僕は再び「熊野川」に呼び戻された。

まるで「あんたなんだか生き急いで空回っちゃてるから、もう一度ここで原点に戻りなさい」と言っているかのようだった。


HOME AGAIN

BORN AGAIN


久しぶりの大河。

久しぶりの川旅。


原点回帰の旅が今始まろうとしている。


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摩訶不思議な1日半を費やし、僕は瀞峡(どろきょう)がある田戸の船着き場に到着した。

最後にここに来てから何年経ったか分からないが、やはり故郷に帰って来たかのように落ち着く空間だ。

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若い頃は30キロもあるレクリエーションカヤックを、死にそうになりながらここまで一人で下ろして頑張ってたのを思い出す。

それが今や3キロにも満たないパックラフトという進化した道具と共にここにいる。

時代の流れというものか。

しかし残念ながら自分本体の方がかなり重量アップしてしまっている。

時代の流れって事にしておこう。


ここは観光ジェット船が止まる場所なので、ビールや鮎の塩焼きなどが売っている。

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今日はもちろん車の移動の無いフリーダムな一日。

もちろんここで早速ぐびり一発。

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ビールの無い川旅なんて、ジョン・レノンのいないビートルズのようなもんだ。

プルタグを「プシュッ」っとした音が、まさに自由への号砲。

これが無いと川旅なんて始まらないのである。


そして観光客からパシャパシャ写真を撮られる中、韓流スター気分で出発。

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まるでロードオブザリングの世界に入り込んだかのような瀞峡の渓谷美。

その世界観の中に浮かぶは、違和感ありまくりのギターケース。

恐らく瀞峡史上初の、ギター持った流しのパックラフターのご光臨である。

とにかく僕は何事においても「史上初」という言葉にメロメロなのである。


そしてここからは奇岩怪石の中を流れて行く見せ場づくしの区間。

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最近こじんまりとした渓流ばかり漕いで来たから、このスケール感は久々で新鮮だ。

その代わり「瀞峡」というだけあってトロ場ばかりなので頑張って漕がなければならない。


でも急ぐ必要は無い。

今日は疲れたら休めば良いし、上陸して昼寝しても良い。

この広大な瀞八丁のどこでいつ野営しようと自由。

誰にも遠慮する事無く、全ては自分の判断ひとつである。


いい感じの川原があれば上陸し、のんびりしながらジェット船の乗客に手を振ったりする。

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乗客の人達もみんな手を振り返してくれて、ジョット船の操者が小粋に「プアーン」と汽笛を鳴らす。

人けのない世界でストイックにアウトドアするのも好きだが、こういう人情に触れる川旅も大好きだ。


その後もフラフラ流れて行っては上陸してカシュッとビールなどを飲む。

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そして気が向けばまた川の人となってのんびり流される。

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時折漕ぐ手を休めれば、静かに流れる川の音と鳥の声。

ピーヒョロロロという鳴き声とともにトンビが現れては頭上を旋回して行く。

パックラフトに横たわり、ただただ新緑と青空を眺めてユラユラと漂流する。

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ほろ酔い気味の感じと、気持ちの良い自然のバックミュージック。

さいこうにきもちいい。

No Needs Words.


とは言え、夕方が近づくにつれ徐々に向い風が吹き始めるのがこの私。

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でもこの川を何度も下ってる身としてはそれは想定内。

いつもの日帰りならここからゴールを目指してのマゾリングが始まる局面だが、今日はそんな必要は無い。

お気に入りの川原を見つけたら、さっさと今夜の宿を作って停滞してしまえばいいだけの事だ。

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急な増水時にも対応出来るように川から一段上がった川原で、それでいて川に近いベストスポット。

そこにちょうど風防になる段差があって、しかもご丁寧に流木まで集まっちゃってる場所を本日の宿と定めた。

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そして今回は実は人生初のタープ泊を目論んでいる。

今の僕はここからが川下りよりも楽しみな時間。

タープの設営は、それ自体が頭と経験をフル動員させたエンターテイメントなのである。


どの向きや位置が一番風の影響を受けないか?

それでいて居住性を考慮しつつ最適な空間が作れるか?

夜半に雨が降るか降らないかでも張り方は変わる。

しかも雨風が凌げるだけでなく、形が美しくなければならない。

何よりタープとは、どれだけ自分に酔えるかどうかの最重要アイテムなのである。


以上を考えながらああだこうだと試行錯誤し、時折川で冷やしてあるビールを飲みに走り、流木集めも頑張るという姿がこれである。



大満足。

というか楽しすぎる。

やたら時間はかかったが、これ自体が楽しいからそれでいいのである。

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このように服をロープで乾かすのもオツな演出の一つ。

実は特に濡れていないんだが、そんな事はこの際どうでも良い。

ロープに服がかかっているって事が重要なのである。


そのロープもメインロープにファイントラックのゴージュロープを使用。

アイスクライミング用に買ったスリングとカラビナも無駄に使用して岩に固定。

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正直、この状況を見ているだけで「ちくしょう、絵になるじゃねえか」とビールが進む進む。

とにかくいちいち細かい所に酔えてこそ川旅の勝者。

イメクラに行った時、ナース相手にしっかり患者の役になりきれるかが勝負のポイントだってのと同じ原理である。


もちろん設営と薪集めが終わってしまえば、後はもうとことん己に酔う時間。

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この世界は己だけのもの。

ここでは嫁の罵声に怯える事も無く、ご両親にも気を使う必要も無く、子供たちの奇声とイヤイヤでストレスをためる必要は無い。

あるがままの自分を解放するのみ。

さすらいの流しの男は酒をしこたま飲み、ガンガンにギターをかき鳴らし、周りに誰もいないからたとえ声が激しく裏返ろうと熱唱するのみである。

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もはや自慰行為以外の何物でもないが、気持ち良ければそれでいい。

この時間だけは桜木ルイに興奮していた中学二年生に戻れるのである。


しかし気持ちよくなりすぎたのか、二曲目で早くも1弦が切れるという早漏さ。

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替えの弦なんて持って来てないから、これ以降1弦抜きの低音ギター演奏がひたすら続いた。

でもそんな細かい事はもうどうでもいいのである。


そういえばタープ設営中に重い石を持った際に痛めた左手首が、なんだかもの凄く痛くなって来た。

でもそんな事だってどうでも良い。

あれからだいぶ時間が経ったこれ書いている今でも痛いんだけど、そんな細かい事は気にしてはいけない。

タープ泊とはそれほどまでに人をおおらかな気持ちにさせてしまうのである。


そうこうしてるうちに辺りも暗くなって寒くなって来たから、早速メインイベント。

焚き火のお時間の始まりだ。

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焚き火の無い川旅なんて、フレディ・ マーキュリーのいないクイーンのようなもの。

もしくは忌野清志郎がいない日本ロック界のようなものなのである。

とにかくこれをやらないと、何しに来たか分かんないってくらいに川旅にはマストのイベント。

正直川下りなんてどうでも良く、僕はただ人がいない所で焚き火がしたいだけのために川下りしている所がある程だ。


炭水化物ダイエットもこの時ばかりは解禁して、やっぱり米を炊く。

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米が炊けるまで酒飲みながらギターギター。

そんでもって米が炊けたら、やきとりとサバ缶を温めながら酒と共に食らう。

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間違いなくどんな高級レストランのメシよりこっちの方が美味い。

なぜならここには「ダンディズム」という名のスパイスが、北方謙三級に振り撒かれているからである。


やがてそんなダンディタイムが終わる頃には、広い空に夜の帳が降りて来る。

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腹も満たされたし、散々飲んで歌っていい気分。

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あとはバーボンをちびちびとやりながら、ただただ焚き火の炎を見つめ続けるのみである。

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もちろんここはビールや焼酎ではダメ。

バーボンかウイスキーじゃなきゃダメなの。

もし今ここで蓮舫が「チューハイじゃダメなんですか?」なんて聞いて来た日にはグーパンチよ。

誰が何と言おうと、ここは黙って眉間にしわを寄せながらバーボンなんですよ。


やがて世界は上下感覚もおぼろげになりそうな、真っ黒な深淵の世界へ。

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怖さなんて無い。

あるのは深い深い開放感と自由のみ。

対人が無いと己がむき出しになり、やがてそれは闇に溶けて個が曖昧になる。

思考回路はどんどんシンプルになって行く。

やがて気持ちのいい酔いの中、いつの間にか眠りにつく。


良い夜である。

やっぱこれなのである。

思わず「である調」が増えてしまうのである。


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朝が来た。

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ここでコーヒーを忘れて来たのが痛恨の極みだったが、それでも川原で迎える朝は何とも言えない清々しさに包まれる。

川には川霧がたゆたい、山肌は徐々に日の出に照らされて眩しい新緑へと化粧をして行く。

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久しぶりのこの感覚に芯から身が目覚める思いだ。


そして初日に勢いだけで買ってしまったこの化繊キルト、ローカスギアのNyx(ニイクス)。

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これがことの外快適で快眠出来たのも気分的にホクホクにさせる。

化繊だから水辺使用でも安心感があった。

新アイテムを買っては毎度その度にサイズが合ってないだの、思ってたのと違うだの、もしくは即座に壊すか失くすかして来た私。

普通に良かったってだけで、それだけの事がたまらない幸せを運んで来てしまうのがやらかし男の利点である。

このNyxに関してはもう少し使い込んでからレビューする事にしよう。


早速焚き火を熾し、朝飯タイム。

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のんびりやりすぎて、米がお焦げだらけの発ガン率高めの仕様で炊けてしまったが気にしない。

昨日痛めた左手首も尋常じゃないほど痛いけど、基本川旅ではそのような細かい事を気にしてはならないのだ。

何があろうと「あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。」の、CM前一休さんスタイルでいる事が重要なのである。


そして川原に荷物を広げてひとしきり乾かし、

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サクッとパッキングしたら、いざ出発。

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と言っても、今日はゴールまでそんなに距離は無い。

何も頑張らなくていい。

昔の僕は「いかに頑張らずに下るか」ばかり考えていた。

なので再び当時のように、出来るだけ漕がずに寝ながら流される。

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山と違って頑張らなくても進むから、生産性を感じられてこれでも怠けている気がしない。

もしろ充足感がハンパ無く、ただただシアワセ気分。

鳥達の声と川のせせらぎを聞きながら、眩しい新緑と青空を体一杯で感じて流される。

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こういう感覚はツアーやラフティングでは味わえないだろうし、もちろん単独行じゃないと味わい尽くせない。

僕のように普段から対人関係で(家庭関係で)疲弊していればいるほどに、そのカイカンはセーラー服と機関銃を遥かに越えてしまうのである。


そしてまたこの熊野の川の景色ってのが、なんとも懐が広い所も気分が良い。

なんというか、山も森も全てが一回り大きくて(おおらかで)、まるで母体に包まれているかのように安心してしまうのだ。

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ここにアリのような↑小ささのカヤッカーがいる事で、その懐の深さが推し量れる。

その懐の深さは往年の名大関・貴ノ浪を彷彿とさせてしまう安定感。

飛び込んで来たカヌー野郎達にがっぷりと二本差しを許しながらも、ひっかり己の懐に引き込んで十分に上体が伸びきった所で寄り切ってしまうその力強さ。

熊野川を下ると、その懐の魅力に誰もが納得してその身を委ねてしまうのだ。


そしてこれほどの大河なのにそこそこの清流をキープし、

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さらに「どうぞキャンプしてください!」と言わんばかりの、生唾ものの川原がそこらじゅうに溢れている。

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まさに川旅に持って来いの川。

僕が若い頃、どっぷり川旅の魅力にはまった理由がここには詰まっている。

今思えば初日に大雨降って二日目に大増水してなければ、再びこの川を下る事は無かった。

そう思えば今回はこれで良かったかな。

危うくいつもの1分1秒を争う気狂いマゾ道場になってたところだ。

まあそれはそれで好きなんだけど...。



後はゴール手前の静かな川原に上陸し、

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この木なんの木的なステキな木を探して、

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木漏れ日の中で、「ビール」「焚き火」に次ぐ川旅三種の神器「お昼寝」の時間がやって来るのである。

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何がステキって、この時点でまだ10時半。

この余裕感が気持ちE。

これが我が家のファミリー旅行ともなれば、10時半と言えばまだ嫁の「身だしなみ待ち」の真っ最中でまだ家だ。

お一人様って何て気楽なんだろう。

明らかに僕は結婚向きの体質じゃなかったって事ね。

あの悲しみファミリー三部作(花見カヌー、ファミキャン、北陸旅行)とのギャップが激しする。

やっぱ自分の落ち着くべき場所は川だなあ...。


ちなみに夏場はここに「素潜り」が加算されて珠玉の川旅カルテットが完成する。

川を下るだけじゃ川旅じゃない。

その川の流木で焚き火をし、川原で野営して一晩抱かれ、実際に川の中に包まれてこそ初めて川旅だ。


良く考えたらそんな川旅の魅力を伝えたくてこのブログ始めたんだっけ。

なんかどっかから明らかに方向性がおかしくなって、最近では「おもらしプレイ」という検索ワードでこのブログに行きつく人さえいる始末。

基本的に己のマゾ性癖紹介だったり、嫁のグチだったり、乱れた飲み会の様子を公開するだけの妙なブログになって来ていた。

なんだか久々にこの手の記事が書けた気がする。

僕が野田さんに影響されて川に行ったように、誰かこれきっかけで旅に出てくれると良いなあ。

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こうしてここでガッツリ昼寝(朝寝)をかまして、名残を惜しむように小川口の船着き場まで漕いでゴール。

荷物を車に入れて、瀞流荘で温泉。

この時バック駐車時にフェンスにぶつかって軽く車が凹んだが、そんな事はどうだっていい。

手首の事もそうだが、後悔するのは日常生活に戻ってからで良いのである。





そして午前中で遊び終わった分、あの頃のように帰りは移動しながら「ついで観光」。

ここは丸山千枚田ですな。

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若い時はこの川旅後の「ついで観光」が凄く楽しかった。

観光メインで行ってもたいして面白くない所も、遊ぶだけ遊んだ後の「ついで」で行くと妙に得した感がある。

川以外たいして何も期待してないから、思わぬ景色とかに出くわすとかなり興奮した。

しかもナビで面白そうな所を見つけては寄り道して行くから、結構マニアックな武将の墓とかに行きついたりして面白い。


熊野も高速が延びて随分行きやすくなった分、これから行く人が家と目的地の往復になってしまうのがもったいない。

下道は大変だったけど、日が暮れるまで寄り道しまくって色んな発見があったからね。

世界遺産になって観光客も増えてこれからどんどん変わって行くんだろう。

今の熊野の姿はいつまで今のままでいられるだろうか?


だから若者たちよ!

今すぐ下道で行って来やがれ!

それまで結婚とかするんじゃない!


と、おじさんは声を大にして言いたいのである。



こうしてカヌー野郎は久々に故郷で再生した。


「これでまたしばらく頑張れる。」


そう呟き、彼は再びサウザー様の待つカサンドラへと戻って行った。

社会生活不適合者であり家庭生活不適合者。


彼の戦いはまだまだこれからなのである。




熊野HomeAgain 〜完〜


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


って感じの後編でした。

あのいつもの展開の前編と分けたかった気持ちがお分かりいただけたでしょうか?

なんだか久々にいい回でしたね。

これ見て山関係からこのブログ入って来てくれた人とかが「行ってみてえなあ」と思ってくれればこれ幸い。

山の記事書くと「お前の記事見てると山をやろうという気が起こらない。だっていつも辛そうだし景色真っ白だし。」と言われて来たが、川はノンマゾでも十分楽しい世界なのであります。


とは言いながら実はこの日から10日経った今。

タープ設営中に痛めた左手首が、本日まさかの「じん帯損傷」という診断を受けて左手首完全固定というハイパーな事になってます。

IMG_0821.jpg

当時「こんなものはどうでもいい。細かい事は気にしない。」と息巻いていたが、今になって激しく後悔が止まらない。

結局今回もハードにマゾってるじゃないか...。

これによって僕は、カヌー野郎にとってもっとも光り輝く残りの「5月」をほぼ失う事に。

患部を痛め続けると最悪手術だなんて言うんですもの。

きっと鮎釣り解禁までのこのゴールデンシーズン、どの川も行楽日和になる事でしょう...。


あわてない、あわてない。

ひとやすみ、ひとやすみ。



く..

くそっ...たれ......



それではひとしきり泣いたので、ここらでおまとめ動画です。

今回は毛色を変えてロードムービー風に。

曲は、川下りしながらずっと鼻歌で歌ってたマイケル・キワヌカのズバリ「HomeAgain」であります。

それではのんびりとどうぞ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


今回のギア


【上半身】
・ベース/ファイントラック「アクティブスキンロング」
・ミドル/ファイントラック「フラッドラッシュジップネック」
・リラックス着/パタゴニア「キャプリーン3」
・防寒/モンベル「ライトシェル サイクルジャケット」
・ライフジャケット/モンベル「フリーダム」

【下半身】
・ベース/ファイントラック「アクティブスキンロング」
・タイツ/ファイントラック「フラッドラッシュタイツ」
・ハーフパンツ/モンベル「リバーガイドショーツ」
・下着/ノースフェイス「ドライショート」
・リラックス着/マムート「ソフテックトラバースパンツ」
・防寒/モンベル「スーパーメリノウールタイツ」

【足】
・シューズ/NRS「パドリングシューズ」
・サンダル/モンベル「ソックオンサンダル」
・ソックス/スマートウール「ハイクミディアムクルー」

【頭部】
・ヘルメット/プロテック「Ace Water」
・キャップ/マムート「MTR 201 Cap」
・サングラス/オークリー「ピットブル」

【ギア】
・パックラフト/NRS「NRSパックラフト」
・パドル/アクアバウンド「スティングレイ・カーボン4P」
・パドルリーシュ/シートゥーサミット「パドルリーシュ」
・レスキューロープ/ファイントラック「ゴージュバッグ25」
・ヘッデン/ブラックダイヤモンド「ストーム」
・ランタン/UCO「キャンドルランタン」+防虫キャンドル
・ランタン/ブラックダイヤモンド「ボイジャー」
・クイックドロー×2,カラビナ×3,スリング×4
・ギター/ヤイリギター+譜面台

【ザック類】
・ザック/エクスペッド「トレント50」
・インナー防水袋×3
・ゴミ袋/モンベル「O.D.ガベッジバッグ」
・エマージェンシーキット

【デジ物】
・一眼カメラ/ペンタックス「K30」+レリーズ
・防水バッグ/ハクバ「ドライクッションポーチL」
・三脚/ベルボン「キューブ」
・三脚/JOBY「アクションゴリラポッド」
・ウェアラブル/GoPro「HERO4silver」

【住】
・タープ/ローカスギア「タープX・デュオ・シル」
・シート/デュポン「タイベックシルバー」
・マット/サーマレスト「リッジレスト」
・化繊キルトシュラフ/ローカスギア「ニィクス」
・ピロー/モンベル「U.L.コンフォートシステムピロー」
・チェア/イーグルクリーク「ザ・チェア」

【食】
・コッヘル/ロータス「アルミポッド」
・ナイフ/オピネル「ステンレススチール#8 」
・箸/「割り箸」
・シェラカップ/モンベル「チタンシェラカップ」
・水筒/プラティパス「プラティ 2L ボトル」
・浄水器/ソーヤー「ソーヤーミニ」
・着火剤/割り箸にガムテーム巻き
・ライター/ソト「ポケトーチ」
・無洗米2合+缶詰×5
・ビール×4、ハイボール、バーボン


さまよう刃〜必死奴隷放浪記〜

Posted by yukon780 on 09.2016 熊野川/三重 0 comments 0 trackback
ゴールデンウィーク。


毎年のように言っているが、それはカヌー野郎達にとって「魂の季節」。

鮎釣り解禁前だから気兼ねなく川を下る事が出来、新緑も眩しいスペシャルウィーク。

僕が1年のうちで最も大切にしている、まさにゴールデンなウィークなのである。


今年はGW前半戦を全て家族へのごますり強化デイとして費やし、後半の脱出に向けて万全を期した。

まあ結果としては3回にわたって家族をツラい目に導いてしまったのは記憶に新しい。


何はともあれその努力の結果、僕はGW後半に3日間の仮釈放の恩赦にありついた。

そこで計画したのが、和歌山に残る今だ未漕の謎の川の開拓遠征。

それは「和田川」「静閑瀞(せいかんとろ)」「四村川」の超マニアック3本立てという、アドベンチャー色満点の企画だった。

静閑瀞に至ってはもはや「川」というワードすら無くなっており、沢屋さんが突っ込んで行くような世界。

もう考えるだけでワクワクと勃起が止まらない大冒険なのである。


しかし我がワクワクが止まらないほど、満を持して準備すればするほどに天はそれを見逃さない。

天気予報はみるみる悪化の一途を辿り、桜の開花のように傘が華やかに開花する。

最悪和歌山がダメだったら他に天気が良い所に行こうと思っていたが、見事に日本全国逃げ場がない傘乱舞。


結果的にせっかく手に入れた3連休の初日を失う羽目に。

普通の人にとっては「しょうがないね」で済む話だが、僕にとっては楽しみにしていた初体験をとんでもない老婆に捧げてしまったに等しい喪失感なのである。

この時のショックが伝わるだろうか?


しかし我がショックはそれだけでは終わらない。

今回は次回の記事に向けてのプロローグ記事。

というか次回の綺麗な記事と混同させたくないんで、汚れ物をここに分離したかったための強制前編なのである。


それではそんな彼の年に一度のゴールデンなウィーク。

彼が全く下る予定じゃなかった「熊野川」に至るまでの彷徨の模様をサクッとお送りしておこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


貴重な一日を雨で失ってしまった。

結局その日は「移動日」として諦め、二日目の早朝から最高のスタートを切るべく気持ちを切り替える。

なんせ二日目と三日目は好天の予報。

今日一日我慢すれば全て報われるのである。


しかし移動日と言えど、移動だけで無駄にしては遊び人の名がすたる。

移動の途中、前々から行ってみたかったアウトドアショップのモデラートさんへ寄ってみた。

IMG_0726_20160509144246829.jpg

ほんのちょっと店内の様子を見たかっただけだ。

そもそも今僕はかつてないほどの金欠状態だから、何かを買ってる場合じゃない。

ではなぜだろう?

なぜここに2時間もいてしまったのか?

そして助手席にまでついて来てしまったこのニューアイテム達は何事なのか?

IMG_0728.jpg

まさかまた散財してしまったのか...。

ちょっと店内の様子を見るだけだったのに、気づいた時にはキルトシュラフ・レインパンツ・ハーフパンツ・ロングペグをお会計してしまっていた。

今日という一日を意味あるものにしたかったばかりについ魔がさして...。

だってめったに現物見れないローカスギア・ティートンブロス・アークテリクスの欲しかった商品置いてやがるし、試着させやがるし、サイズピッタリだし、店員さん可愛かったし、イーストンのペグなんて廃番で諦めてたやつがレジ横においてあるんだものつい...。

クソ...雨さえ降らなければ買わずに済んだものを...。

私は何も悪くない。

悪いのは貴重な初日に雨を降らした天である。


こうしてスーパー金欠からEX金欠に進化した僕は、できるだけ先々の事を考えないように一路和歌山へ向かった。

やがて数時間後。

熊野近辺に到着した僕に「あれ?今日って台風だっけ?」と思ってしまったほどのウェルカム大暴風雨。

IMG_0730.jpg

相変わらず熊野の歓迎は凄まじい。

車のワイパーのマックスを繰り出すのは、いつだって熊野なのである。

さすが天下の多雨地帯。

コンビ二行って車に帰って来るだけで全身がグッショグショになるほどである。


基本雨で前が良く見えないし、両手ハンドルで唾を飲み込むのも忘れるほど運転に集中しないと暴風で車ごと崖から落ちそうなエキサイトドライビング。

そのあまりの雨の勢いに「おや?さては明日河川は大氾濫なんてオチじゃないのか?」と不安がよぎりまくる。

スマホの天気予報も良い感じの注意報を展開。

IMG_0737.png

河川の増水なんて訳のわからない事まで書いてある。


しかし和歌山の名川たちの回復力を私は知っている。

豊富な森林に覆われた山の保水力はハンパ無く、例え増水していても清流はキープされている。

それが和歌山の川の力なのである。

僕は何も疑う事なく暗闇の中で熊野川を北上し、道の駅でビリギャルのDVDを観て一発泣いてから酒を飲んで眠りについた。




やがて朝が来た。

勝負の二日目である。

ここからやっと我がGWは始まるのである。


車から出る。

熊野川を見る。

するとそこには「あれ?ここって黄河だっけ?」と思ってしまうような状態が展開していた。

IMGP5615_20160509144248e6c.jpg

たっぷりと大増水して濁流と化している清流熊野川。

僕は思わず優作と化して「なんじゃこりゃあ!」と叫ぶのが精一杯。

ワナワナと震えてすぐには事態を飲み込めなかった。

たった一日の雨でここまで増水するって、一体どんだけ降ったんだ...。


しかし僕の中の清流ランキングでベスト3に入る、支流の赤木川なら大丈夫だろうとそこに向かう。

あの川が汚れた姿なんて想像する事が出来ない。(赤木川↓)

DSC00345.jpg

さあ、いざその大清流の底力を見せつけてくれ。

来た!

さすがと言わせてくれ!

これぞ赤木川だ!

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ジーザス...


あんたわかってんのか?

年に一度の楽しみで、中々ない3日間の仮釈放のすでに二日目なんだぜ。

どれほど今日という日を楽しみにしていた事か。

川下りする気満々だから、登山靴も持って来てないし今更登山に切り替える事なんて出来ないんだよ。

こっちは川を下りに来てるんだよ!

清流に癒されに来てるんだよ!

ここに来るまで5時間かかってるんだよ!


なんだかちょっぴり涙が出て来た。

ビリギャルで涙腺が緩んじゃったのかな?

あの映画って「頑張れば願いは叶う!」的な内容だったっけ。

俺...結構頑張って生きて来たんだけどな...。


しかし諦めたらそこで試合終了だ。

そんな赤木川の更なる上流にあるのが、本来の目的である「和田川」。

その川は普段は水量が少なく、逆に増水時じゃないと下れないと見込んでいる。

ヘタしたらベストコンディションなんじゃないだろうか?


で、はるばる向かってみるとベストを遥かに越えてしまった和田アキ子状態に。

IMGP5629.jpg

渓相はもの凄く雰囲気いいだけに、悔やんでも悔やみきれない。

この風景の中で大清流間違いなしだったのに。

そして今日は天気が良いのに。


それでも諦めきれない男。

こうなったらとことん上流に行って、意地でも下れる区間を探し出してやると魂の大移動。

道は落石まみれの荒れ荒れ道で、一歩間違えたら崖から転落して行くというスリリングな冒険。

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しかも途中で「道に滝が落ちて来る」というジョークのような展開にも巻き込まれる。

IMGP5635_20160509155710ffb.jpg

もはやネイチャー洗車場。

これはこれで立派にアドベンチャーだが、僕はこんな事がしたいんじゃなくて川を下りたいんです。


やがて行けども行けども増水フィーバーは続き、「どっちみち下れないね」って状況になってしまった。

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もうこれ以上アッコにおまかせはできない。

唯一発見した川に降りれる場所で、しかたなく無念の朝飯。

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初日の無念を晴らすべく、今日は早朝から下り出そうと思っていたのに。

ちくしょう、天気良いなぁ。

このままじゃ貴重な二日目も無駄にしてしまう。


「こうなったら海に行って無人の浜へ上陸して遊ぶしかない」と新たな目標設定を立てる。

海なら増水もクソもないし、熊野灘の海は凄くキレイ。

全く情報はないけどそれに賭けるしかない。


で、和田川から再び時間かけて大移動。

しかし海の手前の高田川(ここも以前から気になっていた川)をチラ見した時。

「あれ?結構綺麗だぞ」と気づいてしまう。

IMGP5666_20160509160929162.jpg

ここで再び川スイッチがオンになって、高田川を大遡上調査開始。

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良さげな雰囲気だが、どうしても他の大清流を知ってるだけにあまりそそらない。

しかも道路から確認出来ない区間が多かったし、こんなとこも出て来るからちょっと怖い。

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そもそも清流をのんびり漕ぎたくて来てるのに、中途半端な川で激流下りなんて望むところではない。


しかしこの一件で「支流によっては綺麗な状態の川がある」と確信した僕は、「大塔川なら行けるかもしれない」と思い立つ。

大塔川は赤木川と並ぶ、我が清流ランキング殿堂入りの名川。

しかしそこに行くには再び熊野川を1時間くらい戻って行かねばならない。

だがそこに1%でも希望という名の花が咲いているのなら、私は行かねばならない。

それが仮釈放中の奴隷が出来る精一杯の努力なのだ。


やがて貴重な時間を削りながら大塔川へと大移動。

これがかつて行った大塔川の写真↓

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さあ、今こそ諦めない男に光を!

奇跡という名の清流を!

いざ!

これが大塔川である!

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だよね。


うすうす分かってたんだ。

分かってたけど来ちゃったんだよ。

1%の可能性なんて元々無かったんだ。

僕の人生は所詮こんなものである。

そして...

なんて天気が良いんだろう...



これにて完全に希望が0%になった男。

今更普通の観光になんて切り替えられない不器用な男は、まだ諦めもせずに古座川観光協会に電話しては増水確認をしている。

もちろん結果は「濁流化してますね。来ない方がいいです」と言われて絶望の上塗り。


全てを諦めた男はついに嫁に電話をした。

「あのう...川が全滅で行き場が無くてですね...。今帰ったら今回の旅は無かった事にならないかなあって...。次回持ち越しとかにできたりするのかなあって...」と。

すると嫁は「あぁ?」と一言のみ。

電話口なのに眉間にしわが寄ってるのがハッキリ見て取れる。

男は慌てて「いやいやいや。ウソウソウソです。楽しんできまーす。」と言って電話を切るのが精一杯。

たった「あ」の一言だけで威圧殺される所だった。

こうなった以上、なにがなんでも遊ばないと。


でも行く当てが無い彷徨い人。

もうすでに朝起きてから5時間が経とうとしている。

この間のお天気の良さが余計に男を凹ませて行く。

もういっそ海でのんびりした後、軽く身投げでもしようかと思ったその時、

男は一瞬のチャンスを見逃さなかった。

走行中にチラッと見えたこの景色。

IMGP5677.jpg

ここは北山川と熊野川の合流地点。

濁流の熊野川に対し、北山川の水の色がハッキリと清流をキープしてるのが確認出来る。

これで「本流だから最初から諦めてたけど、さては北山川の方はいい感じなんじゃないのか?」と思い立つ。


良く考えれば北山川は観光ジェット船も運航してるし、上流部では観光筏流しなどもやっている。

ってことはGW中の今、増水調整で水がダムで止められている可能性が高い。

これは行けるかもしれない。


ってことでさらに北山川を遡上して、瀞流荘前の川原へ。

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良い...。

行ける...。

やっと我がゴールデンウィークが始められるぞ!


こうしてここに至るまで、三連休の半分である1日半を費やしてしまった男。

実に長い長い放浪の旅路だった。

しかも当初の目的の川ではなく、まさかの熊野川(北山川)。

でもそれでいい。

もうわがままは言わない。

川を下れればもうそれだけで私は幸せです。


でも考えようによっては、この熊野川は「カヌー野郎生誕の地」。(参考記事:カヌー野郎の誕生

言ってみれば故郷に帰って来たようなものだ。

最近は奴隷生活が長過ぎた事もあって、1本の川をゆっくり二日かけて下る川旅から遠ざかっている。

一発ここらで原点回帰。

これぞ川旅って言う昔のスタイルを楽しもうではないか。


ってことでなぜか初の「流しスタイル」で流されてみようとギターを持って行く事に。

もちろん野営道具一式も担ぎ、酒もしこたま入れ込んで荷物はこんな事に。

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軽装の観光客が観光ジェット船を待つ場所で、ただ一人片道切符を手に船を待つ異質な流し男。

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しかしこの手の恥ずかしさはもう慣れて来た。

特にこの川は何度も下ってる勝手知ったる川。

ジェット船にも乗り慣れてるからやたら僕だけ段取りが良い。


そしてこの一人で戦争でも始めそうな騒々しい男が、周囲の観光客の視線を一心に浴びながらジェット船へと乗り込む。

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いよいよだ。

やっっっっっっっっと私のゴールデンウィークが幕を開ける。

まさかここまでで一つの記事が出来上がるとは思ってもいなかった。


やがて男は瀞峡(どろきょう)の川原へと降り立つ。

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時は来た

流し流され熊野川

紆余曲折こそ男の人生

奴隷奴隷と人は言う

泣くも演歌

笑うも演歌

演歌を求める人あれば

流しは流され歌歌う

粋な男の瀞八丁

故郷に錦の漕ぎしぐれ


さあ歌っていただきましょう

カヌー野郎さんで


「熊野川旅情〜熊野の夜に酔いしれて〜」



この1日半の事は忘れてはりきってどうぞ!





後編へ 〜つづく〜



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