スポンサーサイト

Posted by yukon780 on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

男の世界〜長浜ポタリング〜

Posted by yukon780 on 29.2012 長浜ポタリング 0 comments 0 trackback
IMGP8501.jpg


晴れでもなければ雨も降らず。

外で遊べなくはないが中途半端な曇り空。

風も吹いてるし、山でも川でもいまいち遊べないそんな微妙な休日。

そんな時はMTBに乗って知らない土地をプラプラするのがオツだ。



普通に家にいれば良いじゃないかと人は言うだろう。

実際この日は嫁からお留守番命令が下っていた。

でも男がとった行動は、背中に我が子を背負ってのポタリングだった。

この時点でお留守番という任務を全くこなせていないが、僕としてはこの世界中が家みたいなものなので立派なお留守番だ。


向かった先は琵琶湖。

せっかくなんで、カヌーの発着場所の下見を兼ねてその周辺をノープランでうろつくことにした。

りんたろ成長記がてら、軽い感じで振り返ろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


適当な道の駅に車を停めていざ出発。

IMGP8491.jpg

りんたろくんが山嫌いになってすっかり登場の機会が薄れて来たキャリアが久々に登場。

もう十分に元はとったが、間もなくりんたろくんが推奨使用限度の3才になってしまう。

でも限界まで使ってやろう。

いずれはりんたろくんがこれを使ってお父さんを背負ってくれる日が来るかもしれない。



琵琶湖沿いを漕ぎ続けて行くと、早くもカヌー発着場所に最適な場所を発見。

IMGP8523_20120629094251.jpg

車も停められるし、芝生の広場もあっていい雰囲気だ。

IMGP8497.jpg

というかこんな場所が沢山あったから、わざわざ下見に来るまでもなかった気がする。

早くも目的を達成し、いきなりやる事が無くなってしまった。

とりあえずここでのんびりとりんたろくんと過ごした。

IMGP8518.jpg

IMGP8556.jpg

IMGP8539.jpg

ここならトイレもあるし、近くにコンビニもあるから嫁でも大丈夫な気がする。

ということでやる事もないから、帰ってからの嫁へのプレゼン用に素敵な宣材写真を撮る事にした。

これを見せて、嫁に「行ってみたい」と思わせなければならない。


湖と芝生と楽しそうな親子の図。

IMGP8533.jpg

うまい事逆光になっているから、嫌がっているりんたろくんの表情には気づくまい。


帰宅後この写真を嫁に見せたが、行ってみたいどころか何のコメントも頂けなかった。

ただ表情からは「興味ない」という事だけはしっかりと読み取ることが出来た。

きっとどんな観光大使もこの人の興味を引くアピールは出来ないだろう。



その後はフラフラと北上。

長浜城に着いた頃にはりんたろくんはグッタリと眠りに落ちている。

IMGP8558.jpg

このキャリアでお馴染みの光景だ。

そして眠る我が子を抱えながら長浜の街へ。

IMGP8564.jpg

味わい深い古い町並みが今日みたいな日には丁度良い。

こりゃ雰囲気もいいし、沢山写真を撮ろう。

そう思って、三脚を畳まずにMTBに乗って移動。

次の瞬間「ガゴッ」という音とともに前のめりに転倒しそうになる僕。

なんと三脚の足がホイールに巻き込まれてあわや大惨事だった。

IMGP8565.jpg

僕の大事なUL三脚(参考記事)が悲しい姿になってしまった。

衝撃でりんたろくんも泣いて目覚めて、観光客達の注目を浴びる男。

何とかりんたろくんごとクラッシュする事はなかったが、また一つどうでもいい場所で大事なものを破壊してしまった。


りんたろくんを起こしてしまったので、お詫びにかき氷を食わす。

IMGP8571.jpg

ここで壁に貼ってある犬のフン禁止の看板を見て、何故か「どうしてお父さんはウンコなの?」と大声で連呼し出した。

意味が分からないし、そもそもお父さんはウンコではない。

一体嫁は普段この子に何を教えているんだろうか?



この茶屋の先でケンシロウに出くわした。

IMGP8582.jpg

やはりケンシロウのオーラを感じたのか我がリンタロウも応戦体勢だ。

残念ながらお父さんが君に一子相伝出来るものはマゾ神拳しかない。


そして無許可の旅から帰った時に、たまに嫁が玄関でこんなポーズをしている事がある。

IMGP8580_20120629094330.jpg

今にもりんたろくんが「お母さん」と言い出しそうな勢いだ。


そう、ここは「海洋堂ミュージアム」。

ガレージキット・フィギュア・食玩等の各種模型を製作する海洋堂の博物館だ。

実は前々から行ってみたかった場所なんだが、あまりにも「男の世界」なので嫁を連れて来ても楽しんでもらえそうにない場所だった。

でも今回は息子との男旅なので、ついにこのミュージアムを堪能するときが来たのだ。


そんな事を思いながら中に入ると、いきなり天井から嫁が出て来た。

「留守番も出来んのか、このブタ野郎!」

IMGP8585.jpg

なんだティラノサウルスか。ビックリさせやがって。


進んで行くといきなり「ケンシロウVSハート」の名場面が登場。

IMGP8586_20120629094344.jpg

りんたろくんはこれを見て何を思うだろうか?

僕は大興奮だが、こんな展示物がある所に嫁を連れて来なくて本当に良かった。

恐らくその場で、僕の腹の脂肪が嫁の蹴りによって掻き分けられて秘孔を突かれていただろう。


そして当ブログでよく出て来る、ラオウの「我が人生に一片の悔い無し」ポーズ。

IMGP8588.jpg

僕の右脇腹がツった時によくこのポーズが飛び出すが、基本的に僕の人生は後悔まみれだ。


それにしてもこのように、ラオウの周りに仮面ライダー等がいたりして実にシュールな世界観だ。

ううむ、まさに男の世界。


2階に上がればさらに混沌としたメンズワールドになっていく。

IMGP8589.jpg

今夜のりんたろくんの夜泣きが心配だ。


そしてここからの展示の仕方が絶妙だ。

子供の目線上には動物や戦車などの食玩が並び、

IMGP8591.jpg

IMGP8595.jpg

大人の目線上には北斗の拳のオールスターが整列する。

IMGP8598.jpg

見事な戦略だ。

これには大人も子供も大喜び。


しかしふと周りを見た時に、他の家族のお母さんがベンチに座って携帯をいじくっていた。

味わうがいい。

それがショッピングセンターなどでうなだれるお父さん達の心情だ。

たまには「何が楽しいのか分からない」という気持ちを存分に堪能するがよい。



やがて展示物はよりリアルに。

IMGP8601.jpg

さすがは海洋堂。

うまい事撮影するとこのようなリアルな世界が展開する。

IMGP8602.jpg

IMGP8607_20120629094443.jpg

IMGP8611.jpg

うう、たまんねえ。

このシュールな世界がたまらねえ。

この世界観にりんたろくんも圧倒されているようだ。

IMGP8612.jpg

この写真の奥に映っている男の股の開き具合を見て頂ければ、男達の興奮度がお分かりいただけるだろう。

恐竜の角に挟まれてるトリックアートに見えるが、彼は海洋堂とは関係ない。


キカイダーも登場。

IMGP8615.jpg

改めて見ると、相当気持ち悪いヒーローだ。

りんたろくんもかなりの拒否反応を示していた。


その後もしびれる作品の数々が。

高校時代に再放送を食い入るように見てたNHK人形劇三国志の面々だったり、

IMGP8619.jpg

サウザーVSシュウの名場面だったり、

IMGP8627.jpg

僕の大好きな火の鳥鳳凰編の我王だったり、

IMGP8629.jpg

熱い熱い男の世界を大堪能。

僕もりんたろくんも大満足のミュージアムだった。

りんたろくんが楽しんでたかどうかは分からんけどね。



このまま「男の旅路」シリーズを貫くなら秘宝館にでも行かねばならん所だが、りんたろくんにはまだ早いので別の場所に。

やはり彼には鉄道館が最適だ。

IMGP8638.jpg

明らかに彼のテンションがアップした。

やっぱり2歳の子供には山やケンシロウより鉄道だわな。

IMGP8641.jpg

IMGP8652.jpg

IMGP8653.jpg

でもお父さんは鉄道には全く興味ないから退屈です。

興味ないなんて事は、JR職員のお義父さんの前では口が裂けてもいえないですけど。


うわ、しまった。

プラレール出て来ちゃったよ。

IMGP8655.jpg

もうその場を動かなくなるりんたろくん。

こうなったら彼は絶対動かない。

結局僕はその場で展示してあった、何の興味もない「鉄道史」の年表を明治から平成まで読む事になる。

ちょっとだけ鉄道の事、好きになりました。



その後は公園で知らない子達と遊ばせ、

IMGP8668_20120629094629.jpg

昼間は寝てたから通り過ぎた長浜城へ。


やっぱり男旅には城でしょう。

カラスの羽の剣を振りかざし、城に突入するりんたろくん。

IMGP8684.jpg

いわずと知れた秀吉の最初の居城。

りんたろくんは知らないけど、本当はりんたろくんの名前を付けるとき秀吉の若い時の名前「藤吉郎」を名前にしようと思っていた。

もちろんそれは嫁によって却下されてしまったが、君にとってはなんとなくゆかりのある城なんだよ。


でも彼は城の展示物には一切興味を示さず、ずっと消火器の注意書きばかり見ている。

IMGP8690.jpg

最近こいつは「注意書き」に夢中だ。

さっきの公園でも滑り台の注意書きに反応していた。

IMGP8665_20120629094623.jpg

彼なりのお父さんに対するメッセージなんだろうか?

無謀な事ばかりするお父さんに、もっと注意深く生きる事を諭してくれているんだろうか?



こうして我々は男の旅路を満喫して帰宅した。

僕は玄関でりんたろくんに囁いた。

「すっごく楽しかったよってお母さんに言っといで」と。


りんたろくんは嫁の所まで言ってこう言った。

「なんで?なんでお父さん、プシューっとなって死んじゃったの?」と。


一体こいつは何を言っているのか?

彼の中で海洋堂で見た混沌とした世界がゴチャゴチャになっているのだろうか?

それとも大人しくお留守番できなかったから、嫁によって殺される数分後の僕の未来を予知したのだろうか?


結果的に嫁にりんたろくんが楽しんでいたかどうかは伝わらず、僕がまた何か変な事をしたんだと思われたに違いない。

まあいいさ。

たまにはこんなのんびりした旅路も悪くない。

今後も中途半端な休日は、りんたろくんとポタリングしていこう。


いい男旅して行こうぜ。

僕は反町風にニカリとりんたろくんを見たが、すでに彼はちびまる子ちゃんに夢中になっていた。

これからも息子に遊んでもらえるように頑張らんと。


そう思った、ある曇りの日の一日でした。



暴走半島放浪〜絶壁男とミッキーマウス〜

Posted by yukon780 on 14.2012 房総半島放浪 2 comments 0 trackback
IMGP3385.jpg


梅雨入りし、当分は雨で遊びに行けそうにない。

という事で久しぶりに「あん時のアイツ」シリーズで、過去の旅をまとめていくかな。


第21弾となる今回は「房総半島放浪」。

時は2008年の5月。


そもそも房総半島なんて旅する予定は全く無かった。

たまたま嫁が土曜日休みで、日曜日に幕張で仕事という時があった。

そこで嫁が「仕事ついでに、土曜日にディズニーランドに行きたい」と提案。

さらに「日曜日は私仕事だから、あんたはどっかで時間つぶししといて」とも。


正直僕はディズニーランドが嫌いだ。

あんな人だらけの作られたファンタジー世界で行列に並んでいるよりも、僕は大自然で野生のミッキー達と戯れている方が好きなんだ。

おそらく、土日ともディズニーならお断りしていた。

しかし日曜日の嫁が仕事中に、僕一人で堂々と放浪ができるじゃないか。

そう判断した僕はすかさずその話に乗った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


大好きなディズニーランドに到着し、満面の笑みの僕。

IMGP3233.jpg

やる気の無さが前面に押し出されている表情だ。

しかし単にやる気が無いだけでこんな顔になっているわけではない。

実は彼はこの直前に嫁に激しく怒られてへこんでいる状態なのだ。


ここに到達する前の電車の券売機で、僕は1万円札を投入して切符と小銭だけを受け取ってきていた。

つまりお札のお釣りの9000円を取り忘れるという、奇跡的なミスを犯していた。

結果嫁にど叱られて、このように激しく落ち込んでいるわけだ。

ディズニーランドに入る前に、これほどハードな魔女のアトラクションがあるとは思ってもいなかった。

(※後に券売機の故障だと判明。無事にお金は返ってきました)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ディズニーランドでの記憶はほとんど残っていないので、話はいきなり翌日の日曜日。

僕の背中がモコモコと動き、自由の翼がバサリと現れる。

昨日とは打って変わって生き生きした男が、早朝から房総半島へ旅立っていった。


目指すは憧れの「亀山湖」。

かつて野田知佑さんが長く居を構え、名カヌー犬「ガク」と出会った場所だ。

他の人にとっては何にもない湖だが、大の野田さんファンとしてはまさにディズニーランド級の夢の城だ。


もちろんカヌー持参で、漕ぐ気満々の僕。

僕にとってはこっちがメインイベントなんだ。


車を走らせ、亀山湖が近づくにつれてワクワクとドキドキが止まらない。

そしてそんな想いが勢い余って、雨のパラパラと風のビュービューも止まらない。

亀山湖に辿り着いた時には、すっかり小雨と暴風ランドになっていた。

IMGP3302_20120614161442.jpg

こんなはずじゃなかったのに。

雨はともかく、湖面の風紋を見てお分かりの通り風が凄まじい。

湖で強風って一番辛くて楽しくない条件だ。


憧れの湖をこんな形で漕ぎたくない。

できれば穏やかな晴れた日に、もっと清らかな心で堪能したい。


こうして無念にまみれて僕は亀山湖を後にした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


せっかく手に入れたこの自由な時間を無駄にする事はできない。

すかさず僕は「房総半島放浪」にシフトチェンジ。


しかし亀山湖しか調べて来てないから、そもそも目指す場所もなくただただ彷徨うばかり。

今みたいにiPhoneがあればサクッと周辺の見所を検索するんだろうが、そんなものはない。


結果、彷徨いに彷徨ってこの様な場所に流れ着いた男。

IMGP3306.jpg

一体ここはどこなんだ?

というかなぜ僕はこんなにも濃霧に包まれているんだ。


よく分からない場所で相変わらず酷くなる天候に翻弄されながら、男は森に吸い込まれて行く。

IMGP3308_20120613145543.jpg

とても幻想的で怪しげな雰囲気だ。

さてはディズニーの新しいアトラクションに迷い込んでしまったのか?

IMGP3309_20120613145550.jpg

今にも奥からカリブの海賊達が大挙して襲撃して来そうでは無いか。

まったく予備知識も無いままに、思った以上に不思議な世界に迷い込んだ事にコーフンして来る。

これぞ放浪の醍醐味。


その後も進んで行くと、思いがけないものが現れて強烈に驚いた。

IMGP3311.jpg

なんじゃこりゃあ。

予想もしていなかっただけに、瞬く間に松田優作と化す男。


ここは日本なのか?

まるで中国に瞬間移動して来たかのようだ。

このアトラクションはイッツ・ア・スモールワールドなのか。


看板の横に立つ僕と大きさを比較して頂くと、そのスケールがお分かりだろう。

IMGP3313_20120613145559.jpg

僕のジャケットの色が背景と同化しちゃってるから分かりにくいだろうが、何も知らずにこんなものが出て来ると正直怖い。

看板には「百尺観音」と書いてあるが、有名な場所なんだろうか?

僕以外に人がいないからそれすら分からない。


なんだか楽しくなって来たぞ。

もちろん僕の楽しさスイッチを感知した天が、さらなる濃霧で期待に応える。

IMGP3324.jpg

もはや何が何だか分からない。


実は僕はもう死んでしまったのかな?

昨日嫁に叱られた時にショック死してここに来たのかな?


さらに突き進んで行ったが、この先は行き止まりか。

IMGP3327.jpg

何やらもの凄い崖に見えるが、濃霧が酷すぎて全く分からない。

下を覗くと、うっすらと下界が見える。

IMGP3329.jpg

これはいよいよ僕は天に召されているんじゃないのか?


僕の心から楽しさという感情が薄れて行った事を天が確認し、次第に霧を晴らし始める。

IMGP3333.jpg

うおっ、凄い高い所にいるぞ。

しかも凄まじいまでの断崖絶壁じゃないの。

IMGP3334.jpg

唐突に現実を突きつけられた高所恐怖症の男。

ハンパない高度感が男に襲いかかる。

IMGP3342.jpg

さっき僕が立っていた所を見れば、ケツの穴も「きゅきゅり」と音を立てて萎んで行く。

IMGP3335.jpg

一体何なんだここは。かなり凄いぞ。

僕が知らなかっただけで、全国的に有名な場所なのか?


下情報が何も無い中での、出会い頭の石仏と断崖絶壁。

ディズニーなんて目じゃないファンタジーと冒険に溢れている。



その後も奥へ奥へと進んで行く。

何やらおどろおどろしい雰囲気になって来た。

IMGP3347.jpg

IMGP3348.jpg

IMGP3361_20120613145704.jpg

ちょっと、凄く怖いんだけど。

さっきの断崖絶壁の怖さとはまた異質の寒々しい光景。

何だかとってもファンタジーな妖精たちが僕の背中に取憑いている気がしてならない。


やがて霧が晴れて来て、思いがけずだだっ広い広場に出た。

そこにはさらに僕をビビらせる怪物がどどんと現れる。

IMGP3355.jpg

なんじゃこりゃあ。

男から二発目の優作が放たれた。


とてつもなくデカい大仏が出現。

奈良の大仏なんて目じゃないデカさだ。

IMGP3358.jpg

大仏の前に祈っているおじいちゃんがいるから、そのとんでもない大きさが分かるだろうか。

本当にここは一体何なんだ?


ひとしきりアホ面で大仏を見上げてから、霧も晴れたってことで再び断崖絶壁に戻ってみた。

恐る恐る例の場所から覗き込んでみる。

IMGP3384.jpg

うわあ。

車小っちゃい、人小っちゃい。

IMGP3378.jpg

天上から下界を眺めている気分。

ドリフの雷様が見ている風景が僕の目の前に展開してる。


霧が晴れるとともに、崖のえげつなさも丸見えだ。

IMGP3377.jpg

いやあ、堪能した。


こうして僕は結局ここが何なのかよく分からぬまま撤収した。

そして小雨が本降りになって来て、無惨に撤退。

ずぶ濡れの仔犬のように弱った体を引きずって、男は嫁の元に帰って行った。



今回この記事を書くにあたり、唯一分かっているキーワード「百尺観音」で検索して調べてみた。

ここは鋸山という山で、山全体が日本寺という寺だったらしい。

あの大仏は奈良の大仏の1.7倍。

僕が立っていた崖は「地獄のぞき」と呼ばれているようだ。


僕としてはディズニーランドの入口ですでに地獄を覗いていたので、二度目の地獄のぞきとなったわけだ。



こうしてわずかな時間ですら放浪する男は帰って行った。

亀山湖でカヌーできなかったのは悔しいが、思わぬご褒美があった旅だった。

やはり知らない土地を事前情報なしで放浪するのは実に楽しい。


今度は事前情報なしで韓国の北の方の国を放浪してみようかな。

きっとステキなファンタジーが待っていて、かなりのサプライズが用意されていることだろう。


みなさんも一度こんな放浪をしてみてはどうでしょうか?



爆発大移動の旅8〜上高地後編/そして育児へ〜

Posted by yukon780 on 08.2012 上高地トレッキング 0 comments 0 trackback
IMGP5079.jpg

現在地、上高地最深部、横尾。

トレッキング野郎達の最終地点であり、登山野郎達の出発の場。

ここまで3時間の道程と、蓄積された旅の疲れがどっと溢れ出てる。



さあ、ここから折り返しの3時間。

この旅を締めくくるウィニングロード。

旅する育児お父さんの最後の踏ん張りだ。



と言っても、元来た道を戻るわけだから特記事項は特になし。

IMGP5082_20120306162648.jpg

IMGP5091.jpg


相変わらず美しいんだけど、行きと帰りが同じだとちょっと気分的にへこむよね。

行きは真新しい景色が次々現れて疲労も忘れるが、帰りは思い出したかのように蓄積疲労が体中をノックし始める。



やがて再び「桃源郷」徳沢に戻って来た。

そして、極上の芝生にてにマルタイ棒ラーメンを食す。

IMGP5088.jpg

やっぱ、ここいいわあ。

落ち着きすぎちゃって、ケツからアンカーを突き刺したみたいにその場から動けない。


旅も最後になって何なんだが、やっとこの時点で「ちょっと、無理しすぎちゃったなぁ」と呟く。

毎度、気づくのが遅いのが僕のお家芸。

そしてこの場でグッタリと横になって、30分ばかし寝た。


これがドラクエなら仮眠を取ってHP全快といった所だが、もちろん僕はそんな超人ではない。

逆に気だるさポイントが上昇しただけだった。



すっかり重くなった体を引きずって、明神まで戻って来た。

実はここから橋を渡って行けば、行きと違う対岸ルートで行くことが出来る。

IMGP5005.jpg

その分距離は増えてしまうが、同じ景色を見るよりはマシだ。


でもしんどかったけど、実際こっちはこっちでまるで違う景色を見せてくれた。

やっぱり「急がばマゾれ」だ。



そこにあったのは穂高神社奥宮。

IMGP5148.jpg

この先に「明神池」という神秘的な池があるらしい。

神社は興味ないが、その池を見ておきたかった。


しかし、神に祈りに来たわけでもなのに「拝観料」300円を取られた。

清掃協力金とか、景観維持費ならまだしも、ちょっと納得いかんなあ。

昨日の地獄谷温泉の猿と言い、直前まで引きつけてお金を取るんだもんな。

まあ、払うけどもさ。



中に入って行くと、なるほどな美しさの池が出て来た。

IMGP5093.jpg

IMGP5102.jpg

カヌー野郎の性か。

どうしてもこういう場所を見ると漕ぎたくなって来る。


そして二之池。

IMGP5110.jpg

IMGP5126.jpg

IMGP5127.jpg

IMGP5143.jpg

IMGP5136.jpg

いいねえ。

ロードオブザリングとかで出て来そうな場所だ。

今にも耳の尖った妖精が現れて微笑んでくれそうじゃないか。

まあ、家に帰れば角が尖ったサディスティックな女ゴブリンが怒って待っているんだけどね。



池を堪能したので、道に戻って再び歩いて行く。

やがて道は木道となり、美しすぎる小川沿いを歩いて行く。

IMGP5159.jpg

IMGP5164.jpg

IMGP5155_20120306162812.jpg

細い道だから牛歩なシニアグループがいるとつっかえるけど、すごくいい雰囲気だ。

小川、奇麗すぎるぞ。


ここでカヌー浮かべられたら、感動で脱糞するな。

IMGP5170.jpg

IMGP5175.jpg

IMGP5176.jpg

ああ、やっぱり回り道して来て良かった。

しんどいけど、今日は人並みに楽しんでるなあ。

いいぞ、いいぞ。



なんて、幸せな気分に浸っていたら不思議な現象が。

さっきまであれ程の快晴だったのが、たちまち空と景色がお馴染みのグレイッシュな光景になっていく。

そして僕は瞬く間に、快晴の世界から突き放された。

IMGP5163_20120306162824.jpg

しまった。

少々浮かれすぎてしまったようだ。


マゾはマゾなりに、眉間にシワ寄せて苦渋の表情を浮かべていなければいけなかった。

せっかく神様が晴天のご褒美をくれたのに、僕みたいな人間が人並みに楽しんでしまったのが癪に障ったのか?

それとも、拝観料300円にケチをつけた僕に対する制裁なのか?


やがてポツリポツリと何やら冷たいものがホホに当たる。

そんな、馬鹿な。

あんなにも快晴だったじゃないか。

とてもじゃないが、僕はそれを雨だって認めることが出来ない。




いよいよ旅のフィナーレだというのに、すっかりへこんできた。

歩き続けで、疲労ももはやピークを越えている。

雨は本降りではないが、小雨がポツポツと僕の心を濡らして行く。


かっぱ橋に辿り着いた頃には、すっかり黒々とした世界に変わっていた。

IMGP5180.jpg

ちなみに数時間前のこの場所の写真はこれだ。↓

IMGP4958.jpg

劇的すぎるビフォー・アフター。

確かに僕は行きと帰りが同じだとつまらないとは言ったが、ここまで豹変してくれなくても良かったのに。



まあ、考えようによっては僕らしいフィナーレか。

旅の神も今回の旅の健闘を称えて、僕の相棒「雨雲」というスペシャルゲストを用意してくれたんだ。

彼らなりに、僕を喜ばそうと趣向を凝らしてくれたんだ。


さあ、彼らのサプライズを無駄にしてはいけない。

胸を張って雨に打たれて行け。

これは勝利のシャンパンパンファイトだ。


こうして僕は上高地バスターミナルへ凱旋。

見事に、長かった爆発大移動の旅が完結した瞬間だ。


でも実は、まだちょっとだけ爆発の燃えかすが残っている。

家に帰るまでが旅なんです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


移動は続く。

北アルプスを突っ切って高山市へ。

いよいよ岐阜に帰って来た。


そして何を思ったか、そのまま夜通し帰れば良いものを車中泊。

疲れていた事と、まだ帰りたくないという思いがそうさせてしまったようだ。


GWに休養日など必要ない。

フルに遊んで、そのまま仕事に突入して行くのがツウな過ごし方だ。


というわけで、おまけの延長戦。

高山の街並をMTBでポタリングだ。

IMGP5197.jpg


早朝という事もあって、ブラブラと宮川朝市へ。

高山と言ったら、まずここでしょう。

IMGP5201.jpg

IMGP5193.jpg

よく考えてみたら移動や遊んでばっかりいたから、ろくにお土産を買っていない。

しかしこれだけ色んな所に行ったから、どこの土産を買えばいいんだろうかと悩んでいた。

そして出た結論が、結局最後におまけで立ち寄った「高山みやげ」で落ち着いてしまった。


会社にも持って行くが、「ああ、この人は高山に行って来たんだ」と単純に思われるだろう。

でも実際は、茨城・群馬・静岡・山梨・長野・岐阜と渡り歩いて来た末の「高山みやげ」。

他の高山みやげと一緒にしてもらっては困るのだ。


あとはもう、アホな顔して何も考える事無く街をプラプラ。

IMGP5206.jpg

IMGP5203.jpg

IMGP5204.jpg


高山の古い街並が、大自然から実生活に戻る為のいい潤滑油的な役を担ってくれた。

僕は少しづつ「日常」に体を順応させて行く。


IMGP5207.jpg

IMGP5210.jpg


いやはや、いいポタリングでした。

別に何か楽しかったとかじゃなく、ただ何となく良かった。



さあ、これでもはや思い残す事なし。

我がGWに一片の悔いなし。


こうして僕は、家族が待つ家へと帰って行った。

そして再び長くて大変で、不眠で不自由で、最低で最高な育児の日々へ大突入だ。


しかしリフレッシュ休暇だったはずだが、疲労の蓄積っぷりが尋常じゃない。

でも、おかげで心はスッキリしました。


もうかなり過去の事ですが、嫁にはこの場を借りて改めて感謝いたします。

と言っても、嫁がこのブログを見る事は無いですが。

悪口ばっかり書いてるから、とても見せられません。

もし見られたら、もれなく黄泉の国への大移動を余儀なくされることだろう。


まあ、せめて気持ちだけでも届きますように。

そして、今年もGWに爆発させてもらえないでしょうか?

ダメでしょうか?



とりあえず、こんな感じの2010年のGW「爆発大移動の旅」でした。



この男。


絶対「家庭向きじゃない」と思うのは僕だけだろうか?




爆発大移動の旅 〜完〜


爆発大移動の旅7〜上高地前編/男塾メモリー〜

Posted by yukon780 on 07.2012 上高地トレッキング 0 comments 0 trackback
IMGP4981_20120306162408.jpg

ついに長かった爆発大移動の旅も最終章。

長かったって言っても、僕的にはまだまだ物足りないんだけど。

でもそんな事言ったら嫁に殺されるし、何より「育児ご褒美休暇」だったわけだから嫁には感謝です。


鬼怒川カヌー、伊豆山稜線トレッキング、南伊豆歩道トレッキング、富士川カヌー、りんたろ初節句、千曲川カヌー、斑尾高原トレッキングと続けて来た爆発大移動の旅。

そして最後に選んだ場所は「上高地」。

上高地は、北アルプス登山の起点となる場所でもあり、日本有数の景勝地だ。

今更、説明するまでもない場所だね。


前日の悪天候のよく分からない旅路から一転。

ついに快晴のゴキゲントレッキングが実現する事になる。


ここまでの旅路は、どちらかと言えば「修行色」の強い旅路だった。

しかしここに来てやっぱり神様も、育児に奮闘してた日々をちゃんと認めてくれたんだね。

ちょっとだけ、ご褒美をくれたみたいだ。


相変わらずこの数日間で溜まりに溜まった疲労は抱えたままだが、そんな事はまるで気にならないほどの好天。

このブログでは中々お目にかかれない、「普通に楽しむ僕」の姿をお送りしよう。

そんなとてもレアな回です。


最近、僕がマゾにまみれている姿を楽しみにこのブログに来る人もいるが、実は本来「素敵な場所をご紹介」するというポジティブなブログだったのだ。

知ってました?


ここはひとつ、初心に立ち返ってこの旅をキレイに締めくくって行こう。

ちょっと長くなりそうなんで、前・後編に分けてお送りいたします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


雨中の猿まみれを終えた僕は、一路松本市へ。

そして沢渡(さわんど)の駐車場へ移動。

上高地はマイカー規制のため、沢渡の駐車場からバスに乗り換えなくては行けないのだ。


その日はその駐車場で車中泊。

もの凄く寒かったが、この時に見た星空は凄まじく美しかった。

僕らが普段目にする、町の空の星の数百倍の星の量。

野郎一匹のロマンチックな夜が更けて行った。



翌朝。

朝メシを食いながら、駐車場併設の足湯に浸かる。

IMGP4944.jpg

天気もよくなりそうだし、今日は一日良い日になりそうだ。


バスに揺られて、いざ上高地へ。


バスから降りて、しばらく歩くとお馴染みの「かっぱ橋」が登場。

IMGP4950.jpg

高校生の時に来た以来のかっぱ橋。


橋から前方を見れば、凄い迫力で穂高岳が眼前にそびえ立つ。

IMGP4958.jpg

こいつはまいったぞ。

美しすぎるじゃないか。

雲一つない青空、穏やかな風。

そこにはひとかけらのマゾの存在も確認出来ない、スペシャルな世界。


ああ、一般の人々はこのような世界で生きているのか。

僕の知らない世界がここにあった。

断然、こっちの世界のが良いじゃないか。


僕はこの時、快晴時にここにいるという事を一秒一秒噛み締めるように感激していた事を覚えている。

長い事マゾな悪天候人生を生きていると、このような些細な事が最高の幸せに感じられるのだ。



ここから横尾山荘までは平坦な道が続き、快適なトレッキング道となっている。

と言っても、実は往復6時間の長い長い散歩だ。

でもストイックな登山ではないから、僕はただただのんびりと歩いて行く。


森に入れば、美しすぎる小川を横目に、木漏れ日を浴びながらの気持ちよすぎるトレッキングだ。

IMGP4972_20120306162357.jpg

そう、本来トレッキングってこういうもんだよね。

決してジャングルの中を脱水状態で歩くものでも、バス探して町まで2時間足を棒にして歩くものでも、雨の中家出少年のように彷徨うものでもないのだ。


素敵な森を抜けると、再び穂高の野郎がぬりかべのようにドーンと立ちふさがる。

IMGP4976.jpg

迫力と美力の融合。

バッファローマンに「俺は1000万パワーだ!」と告げられたウォーズマンの気分が味わえる。(分かる人だけでよろしい)


ところで、この時普段は巻く事がないバンダナを頭に巻いている。

大切な帽子は伊豆敗退時の犠牲となっていたから(参考記事)、その後はずっとタオルを巻いていた。

でもそのタオルも軽く異臭が立ちこめ始めていたから、仕方なく上高地の売店でバンダナを買ったのだ。


しかし売っていたのは「山人(やまんちゅ)」「上高地」とでっかくプリントされたものしかなかった。

恥ずかしさ満点のバンダナだったが、背に腹は代えられずにいたしかたなく購入。

今後二度と登場する事のない、貴重な僕のやまんちゅバンダナ姿です。



このトレッキングルートは梓川沿いの道を行く。

IMGP4991_20120306162414.jpg

IMGP4996.jpg

もう、この川のキレイなことったら。


なんとかここをカヌーで下れないものだろうか?

一応ネットでも検索してみたが、ここを下った記事はさすがに見つからなかった。

どうやら国立公園内は環境省の直轄地なので、「管理計画」とやらによりカヌーは禁止らしい。

ここをカヌーで下れたら海外にも誇れる最高のスポットになることは間違いないんだけど、まあしょうがないか。



その後も進んで行くが、ずっと穂高岳が僕を見下ろして来る。

IMGP4992_20120306162419.jpg

思えば僕がこの穂高岳に登ったのは、高校時代の「夏山合宿」が最後だった。

夏山合宿って言っても、別に登山部だったとかではない。

むしろ僕は美術部で、体を動かすのとは無縁のへなちょこ野郎だった。


僕の高校は「岡崎城西高校」という男子校。

三河高校と並んで地元では嫌われた高校で、「寄るな城西、触るな三河」と謳われた名門校だ。

僕は頭が悪すぎて、中学の時先生に「お前は単願で城西しか行けない」とハッキリ言われて入校した。


この男子校のモットーは「質実剛健」で、男塾のような学校だった。

正直、まるっきり良い思い出が一つとしてない。

そしてなぜか3年生の夏になると、大学受験に向けて一番大事なこの時期に「夏山合宿」と称して穂高岳や槍ヶ岳に強制的に登らされる。

登山未経験者だろうと、体力が無かろうと有無を言わさずに連行されるのだ。

受験に合格するよりも、「男度を上げる」事の方が重要な高校なのだ。


そして数日間に渡って、風呂も入らず、ひたすらテントで寝かされて山に登らされる。

今まで死人が出なかった事が不思議なほどの、ハードな合宿だったという思い出が蘇った。


まさかその十数年後に、自らの意思でこうしてトレッキングをし、挙げ句登山野郎になって行くとは。

まさに「人生一寸先はマゾ」だな。



やがて、お次に「明神岳」が見えて来た。

IMGP4997_20120306162433.jpg

IMGP5000_20120306162440.jpg

IMGP5004_20120306162446.jpg

見た目の格好良さは明神岳のがシュッとしててカッコいい。

なんにしても、気分が良すぎるぞ。

快晴とはここまで人を幸せな気分にしてくれるのか。


湿ったネガティブマゾ野郎で地底人のような僕には、その晴れた空が眩しすぎて有害にすら思える。

でもやっぱりこの天気のように、僕もアホでもノーテンキな快晴ポジティブ野郎でありたいものだ。



明神を抜けて、次に目指すは徳沢だ。


風景は多少荒涼として来て、良い感じになって来た。

IMGP5019_20120306162458.jpg

IMGP5016.jpg

アラスカのデナリ国立公園にも引けを取らない景色だ。

平和的な風景も好きだけど、僕はこのような「生命が濃く感じられる」ような風景が結構好きだ。

だからどうしても南国よりは、北方志向なんだよね。


森もさらに色濃さを増し、命が宿っているかのような迫力に満ちて来る。

IMGP5020_20120306162505.jpg

IMGP5022.jpg

IMGP5023.jpg

この時点ですっかり上高地に魅了されてしまったのも、何やらアラスカと同じ匂いを感じられたからかもしれない。

よくよく木で動くものに目をやると、小動物とも目が合ったりする。

IMGP5026.jpg

ふいにこのような可愛い動物と目が合うと、ふわっと幸せな気分になる。

街で可愛い女性と目が合うと「僕に気があるのか?」と妄想し、ふわっと幸せな気分になるのと同じだ。



やがて、徳沢に到達した。

そこには夢のような草原が広がっていた。

IMGP5090.jpg

IMGP5036.jpg

IMGP5038_20120306162540.jpg

IMGP5039.jpg

IMGP5040.jpg


よく「こんな場所でキャンプができたらなあ」なんて思い浮かべるような素敵すぎる空間。

広々とした草原、青い空、そよ風、美しい山と、奇麗すぎる小川。

まさしく、ここは桃源郷だ。


僕は一人で鼻息を荒くして、激しくコーフンしていた。

例えば突然もの凄い理想の金髪美女が目の前にいきなり現れて、セクシーに抱擁して来た挙げ句、耳元で「カモ〜ン」と囁いて来たようなものだ。

こんな状況設定が現実に目の前に展開されるとは。


僕はしばらくこの場を動くことが出来なかった。

どうやらここは昭和初期まで牧場として使われていたらしく、現在はキャンプ場となっているようだ。

ここに泊まる事だけを目的に来ても大満足だろうな。


でも、考えてみたら高校時代の「夏山合宿」でここには来ているはずなんだよな。

まるで記憶に残ってないという事は、当時の僕は本当に嫌だったんだろうな。

思えば、あの時は悪天候でも強制決行だったから悲惨だった事しか覚えていない。

頂上に着いても、激しい濃霧で展望なんて全く無くて楽しさのカケラも無かった。


まあ、そんな過去の事は置いておいて先に進んで行く。

徳沢の次は最終目的地、横尾を目指す。

IMGP5042.jpg

IMGP5046.jpg

IMGP5055.jpg

相変わらず気分は良い感じなんだけど、実はここまで来るのに3時間近く歩き続けている。

まだ登山してない頃だから、歩き慣れてもいないし体力なんてまるで無い。

挙げ句、この旅で各地で少ない体力を消費し続けて来た体には、そろそろ限界が近づいていた。


それでももちろん歩みは止めない。

こんな滅多にない好天の日に、動かないなんてウソだ。


かなりヘロヘロになりながら、横尾に辿り着いた記憶がある。

IMGP5066.jpg

IMGP5078.jpg

IMGP5075.jpg

トレッキングの人にとってはここはゴールだが、槍・穂高登山の人達にとってはここが山への「玄関口」だ。

ここから、みんな横尾大橋を渡って行って山に取り付いて行くのだ。


この時は微塵も思っていないけど、今ではいつか僕もこの横尾大橋を渡って行きたいと思ってる。

この橋の向こうには、どれほどドラマティックでマゾヒスティックな世界が広がっているのか?

考えただけでゾクゾクする。



さあ、ここでゴールって言ってもあくまで折り返し地点。

再び3時間かけて戻って行かねばならない。


平坦な道とは言え、正直吐いてしまいそうだ。



〜後編へつづく〜


爆発大移動の旅6〜孤独と雨と猿と僕〜

Posted by yukon780 on 06.2012 斑尾高原トレッキング 0 comments 0 trackback
IMGP4927_20120306102800.jpg


しばらく話が脱線していたけど、話を爆発大移動の旅に戻そう。


このGWはほとんどノープランで日本中を移動して来たが、要は「晴れ」予報の方面を目指して移動して来た。

事前の計画通りに旅をする必要がないのも単独行の魅力。

行くも行かないも自由、目的地変更したりグウタラするのも自由。

明日は明日の風が吹く。

明日の行き先なんて、その時その場所で考えれば良いのだ。


そしてその計画性のなさが、毎度僕に回避出来たはずのトラブルを引き寄せるわけだ。

明日は明日の風が吹くどころか、突風や雨や雷やマゾにまみれる結果となる。

それでもやめられないんだよね。



そして前回、中々充実した千曲川の旅の翌日。

僕が向かった先は長野県「斑尾高原」(まだらおこうげん)。


別にそこに行く予定でも、行きたかったわけでもない。

前日の夜に、翌日の天気予報を見て一番天気の良さそうな場所がここだっただけの事。


でも、そこは僕。

ここまで万全を期して挑んでも、結局は雨が降る。


この爆発大移動の旅の中で、最もつまらなかった一日。

まあ、そんな日もあるさ。

特別に書く事があるわけでもないが、これも旅の一部なので書いておこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あの後どこで車中泊したか全く記憶はないけど、どっかで寝たんだろう。

そして天気予報を信じて向かった先は斑尾高原。

IMGP4838_20120306102549.jpg

曇り時々晴れの予報だったが、時々晴れそうもない空模様だ。

標高も結構高い場所になるから、随分と寒い。

さらにはそこそこ風もあるから、体感温度は中々なものだ。


でも何より、全く人がおらず寒々しくてあまりにも寂寞とした光景がまた辛い。

IMGP4864_20120306102650.jpg

高原のくせに「レジャー的」な雰囲気ってやつのカケラも感じない。

天気のせいもあるが、どうも全体的にどんよりした感じが拭えない。


しかしこの斑尾高原は、シーズンともなれば多くのハイカー等で賑わうと言う。

このGWは、その「シーズン」ってやつには当てはまらないのか?


でもやっぱり、トレッキングルートはしっかりと整備されている。

IMGP4841_20120306102555.jpg

IMGP4842_20120306102600.jpg

周辺のトレッキングルートだけでなく、ここは「信越トレイル」の起点となる場所だ。

当時の僕は何とも思っていなかったが、実は今この「信越トレイル」制覇も僕の中での大きな目標となっている。



そして僕は、トレッキングを開始した。

IMGP4843_20120306102603.jpg

IMGP4846_20120306102607.jpg

恐らく、天気が良ければ大変風光明媚な場所なんだろう。

しかし、この上がって行かない僕のテンションと言ったらどうだ。


どうにもこの「どんより感」が、僕を楽しい気分にさせてくれない。

むしろ、誰もいない吹きっさらしのこの場所では寂しさだけが増大して行く。


そして一番浮かんではいけないワードが頭によぎり出す。

「あれ、僕は一体何をしているんだ?」と。


朝なのに、夕方みたいで爽らかさのカケラもない湖を周回する。

IMGP4847_20120306102611.jpg

IMGP4849_20120306102616.jpg

IMGP4858_20120306102634.jpg

IMGP4851_20120306102621.jpg

きっと晴れていれば、雄大な山の景色を堪能しながらのウキウキトレッキングだったんだろうな。

でもこの寂寥感ってやつも、単独行の醍醐味ってやつさ。

なんて思ってみるけど、楽しくないものは楽しくない。


その後もトボトボと歩いていたら、次第に雪が出て来る始末。

IMGP4859_20120306102641.jpg

そりゃ寒いわな。


雪による寒さ、風による寒さ、そして孤独による寒さ。

誰か僕を抱きしめてくれ。


次第に、途方に暮れる家出少年の様な雰囲気になっていく。

IMGP4860_20120306102646.jpg

そしてこの後、追い討ちをかけるようにポツリポツリと冷たい雨が降り始める。

あまりにも惨めな気持ちになって来たから、早々に撤退。

一体僕はここに何しに来たんだ?


書くまでもない事だが、車に戻ったら雨が上がるのが僕の世界だ。

かと言っても、相変わらず空はどんよりしている。

疲労も溜まっているから、ここは大人しくして体力回復させるチャンスかもしれない。


僕は斑尾高原を後にし、飯山の町へと向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ふと立ち寄った場所に「寺巡り遊歩道」なるものを発見。

IMGP4866_20120306102655.jpg

せっかくだからと、寺巡りトレッキングを開始。

結局体を休める気なんてさらさらない。


しかし、トレッキング開始5分。

ここはジャングルかと思う様なスコールが僕を襲う。


結局僕は一つも寺を巡る事なく、無念の敗退撤収。


でも、そこで雨宿りがてら駆け込んだ場所が中々良い場所だった。

そこは「高橋まゆみ人形館」。ホームページは→ここね

宣材A横 ロゴ表記あり

これがまた、なんとも良いんですよ。

不毛なトレッキングにまみれて、すっかり寂しくなってしまった僕の心が癒されいく。

日本の原風景の中、たまらない表情をしたじいちゃんばあちゃんや、昭和な子供達の人形が生き生きとした感じで展示されている。

この人形館だけを目的にここに来ても、絶対後悔はしないだろう。

僕の場合は不意に立ち寄った場所の、不意の雨宿りで寄った所だからその感動はなおさらだった。


やっぱり自由気侭な単独行の旅は、こういう事があるからいいものだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さあ、移動を続けよう。

と言っても、弱くなったとはいえ相変わらず雨が降っている。


これはもう、さすがに移動日と決めて今日は諦めよう。

そう思っていたら、どっかの道の駅で面白そうな情報を目にしてしまった。

よくテレビとかで目にする光景。

温泉に野生の猿が浸かっているっていうアレだ。


その名も「地獄谷温泉」。

俄然興味が出て、ちょっと寄ってチラリと見てこようと思った。


しかし、いざ駐車場に着いてみると「この先山道、徒歩20分」の文字が。

「ちょっと寄ってチラリ」のレベルではなかった。

まさかの本日三度目のトレッキングが始まった。



もちろん雨は降っている。

でももう、この頃にはどうでもよくなっていた。


再び、黙々と雨の中、山の奥へ奥へとと歩みを進めて行く。

そりゃ、確かに秘境の温泉じゃなきゃ野生の猿はおらんわな。


そして相変わらず観光客は一人もおらず、GWなのに一人「無人の野を行くが如くし」の孤独な行軍が続く。


やがてそんな僕の行軍を阻止するかの様に、いきなり「ブッシュッーー」と先制攻撃を仕掛けて来た。

IMGP4943_20120306102810.jpg

僕はクイズで何か間違った答えを吐いてしまったのか?

実に秘境感が溢れていて、良いではないか。

地獄谷と呼ぶにふさわしい間欠泉だ。


やがて、山の中にこつ然と温泉旅館が現れる。

IMGP4877_20120306102701.jpg

そして、しっかり入場料500円を取られてしまった。

正直、ここまで歩いて来たからには払わざるを得ない。

見事な戦略だ。


ひとたび入場すれば、そこはもはや猿の惑星だった。

IMGP4879_20120306102706.jpg

IMGP4884_20120306102720.jpg

IMGP4887_20120306102726.jpg

こいつは中々凄い。

完全にここは猿のテリトリーで、人間の僕はお客様だ。


猿の大群に囲まれて、ずぶ濡れの僕は進んで行く。

川の下まで、うじゃうじゃ猿がいる。

IMGP4901_20120306102741.jpg

正直、ちょっと身の危険すら感じしまうほどだ。


でも野生の猿だって言っても、何やら飼育員みたいな人がいて餌をやっていたりする。

IMGP4898_20120306134210.jpg

所詮は飼いならされてしまった奴らだった。

情けない奴らだ。

まあ、僕も家に帰れば似たようなもんだけどな。


やがて、ついに例の温泉が見えて来た。

IMGP4906_20120306102747.jpg

IMGP4900_20120306102735.jpg

おお〜。

そうか、まあ、そんなもんか。

さしたる大感動も特にはなかったが、まあこんなもんだろう。

中々滑稽な絵面ではあるけどね。


約一匹、セクシーに僕を挑発して来る奴もいたりする。

IMGP4908_20120306134843.jpg

何だそのバッチ来いのウェルカム体勢は?盛ってんのか?

残念ながら、僕にそんな趣味はない。


ふと横を見るとこんな奴らも。

IMGP4932_20120306102805.jpg

嫁とりんたろくんの事を思い出す。

何やら、こうして遊んでいる事を責められているような気分だ。

すまない。本当にごめんなさい。


でもその割には、あまり楽しめていない。

疲労困憊で雨に打たれ、一人孤独にブルブル震える僕。

まるでこの猿のようだ。

IMGP4926_20120306102755.jpg

客観的に自分を見る事はないが、この猿を見て切ない気持ちになった。

何故お前はそんな惨めな思いをしてまで、ここで雨に打たれているんだ?

早く帰って温かな部屋でぬくぬくとテレビでも見ていなさいよ。

そう言いたくなる衝動にかられた。


いかん。

やっぱり雨の日の屋外遊びは、人を荒んだ気持ちにさせてしまうようだ。

僕は猿共に別れを告げて、再び長い移動を開始した。


まあ、今日一日の事は忘れよう。

気を取り直して、明日に期待しよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


明日はついにこの旅のラストを飾る場所だ。

天気も見た上で、最後にふさわしくフィナーレは「上高地」に決定。


懲りずに、この旅何度目かのトレッキングだ。


この時点では、高校時代以来の上高地。

まだ登山野郎になる前の上高地トレッキング。

でもこの時のトレッキングの記憶が、後の登山熱に影響を与えた事は間違いないだろう。



育児解放休暇・爆発大移動の旅。

次回で完結でございます。



プロフィール

yukon780

Author:yukon780
気の毒な男のネガティブな日常へようこそ!

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

カテゴリ

興味のあるテーマを選んでね。

Visiter

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
旅行
91位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
10位
アクセスランキングを見る>>

にほんブログ村

にほんブログ村 アウトドアブログへ
にほんブログ村 アウトドアブログ カヌー・カヤックへ
にほんブログ村 アウトドアブログ ソロキャンプへ
にほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ
ブログランキング・にほんブログ村へ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。